チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (152/342)
the pillowsが6月3日、東京 赤坂BLITZでライブを開催。この日のライブは3月にリリースした21作目のアルバム『NOOK IN THE BRAIN』を携えて、5月からスタートした全国27公演を回る全国ツアー「NOOK IN THE BRAIN TOUR」の11公演目。【チケット情報はこちら】場内が暗転すると同時にステージに向けてグッと押し寄せる観衆。同時に湧き上がる怒号にも似た歓声と悲鳴。結成28年目にして欠かさず開催されてきたツアーの中でも、BUSTERS(the pillowsファンの名称)のボルテージはトップクラスのハイテンションだ。オープニング曲からボーカルの熱量を自在にうねらせて、場内を煽りまくる山中さわお(vo&g)。それに感化されて拳を突き上げ感情をむき出しにするBUSTERS。ガチンコの気持ちをぶつけあって今日の手ごたえを感じ合う両者。実に激しい。「久しぶりじゃないか!みんな元気かい?」。山中お決まりのMCのあと「今夜、『NOOK IN THE BRAIN』はもちろん、懐かしい、きっと聴きたいと思ってくれる名曲もたくさん演るから最後まで仲良く楽しく、よろしくね」と宣言。その通り、このツアーは新作からのナンバーと、これまでの曲のバランス、つなぎ方が最高に気持ちの良いセットリスト。イントロが始まるたびに歓声やため息が漏れるほど。高感度のBUSTERSの反応に感化されるように、モニターに登ったり、ジャンプしたり、ギター・プレイの合間で胸を拳で叩く山中のパフォーマンスにはグッとくる。メンバーのご機嫌な様子がツアーの充実を感じさせる。山中は続けて真鍋吉明(g)に「あんたは悪い男だよ」と話しかけ、徳島公演のリハーサルで佐藤シンイチロウ(ds)がサングラスもせず無地の白いTシャツの風貌が“休日のジジイ”感ハンパないことを指摘すると、“でもさっきpeeちゃん(真鍋)に「ジェームス・ディーンみたいだね」って言われたよ“と返されたエピソードを披露して爆笑を誘う。次のMCで山中は「うちのジェームス・ディーンはいよいよ来週、Theピーズで武道館です」と紹介し、the pillowsとTheピーズでドラムを担当する佐藤にエールを送った。ライブ後半には山中がギターを置き、ハンドマイクで2曲。ステージ左右を激しく動き回り、フレーズに合わせてフリをつけて踊るパフォーマンスが秀逸。そのまま力強いロックンロールとオルタナティブがうまく交差して、さらに場内の興奮を煽っていた。前半から大充実しているこのツアーが、7月22日(土)・東京Zepp Tokyoのファイナルまで、全国各地でどれだけ素敵なステージを展開してくれるか大いに期待は高まる。現在、the pillowsオフィシャルHP内の「NOOK IN THE BRAIN特設サイト」にて、本公演のライブレポート完全版が期間限定で掲載されているのでそちらも要チェックだ。取材・文:浅野保志(ぴあ)
2017年06月08日1989年にスタジオジブリでアニメーション映画化され、大ヒットしたことで知られる『魔女の宅急便』。児童文学作家・角野栄子氏の原作をもとに、3年前には実写映画化。昨年にはブロードウェイに並ぶ演劇の聖地、イギリスのウエストエンドで舞台化されるなど、その人気はますます広がりを見せている。ミュージカル『魔女の宅急便』は、注目の17歳・上白石萌歌を主人公のキキに据え、若手制作陣で贈るフレッシュな舞台。ミュージカル『魔女の宅急便』チケット情報魔女のキキ(上白石)は、父オキノ(横山だいすけ・中井智彦/Wキャスト)と母コキリ(岩崎ひろみ)と暮らす女の子。“13歳になったら独り立ちする”という魔女のしきたりにのっとり、黒猫のジジと一緒に空飛ぶほうきで旅へ出る。偶然降り立った町コリコで、飛ぶ機械づくりに熱中するトンボ(阿部顕嵐)に出会ったキキ。パン屋の夫婦で出産間近のおソノ(白羽ゆり)とフクオ(藤原一裕・なだぎ武/Wキャスト)に見守られながら、新生活をスタートさせるのだが……。キキ役の上白石は、愛らしい顔立ちにキキの服装がピタリとはまり、物語から抜け出してきたような立ち姿だ。紅茶のCMでも話題になった透き通るような歌声が、繊細ながら耳なじみのよいメロディ(作曲・音楽監督は小島良太)に重なり、一気に物語の世界観を形づくる。トンボ役の阿部は“飛行オタク”ゆえに最初はキキを怒らせるものの、その純粋さで次第に親しくなる少年を好演。さらにコキリ役・岩崎の芯の強さ、おソノ役・白羽の明るいたくましさが物語に厚みをもたらした。ゲネプロでのオキノ役・横山は少しとぼけたお父さん像がほほえましく、NHK教育テレビ『おかあさんといっしょ』で人気を集めた温かい歌声はここでも健在。終始無言というフクオ役を、静かな眼差しと茶目っ気のある表情で演じた藤原も印象に残った。ゲネプロ後の囲み会見では、「舞台に立ってみて、キキとしての気持ちがつながりました」と初々しく語った上白石。阿部も「共演の方から(演技の)いろんなことを盗んでいます」と話すと、「萌歌ちゃんと顕嵐くんの芝居がどんどん変わっているのが分かるので、見てキュンキュンしています」と白羽が言い、ベテラン陣がうなずくひと幕も。一方、横山が「お父さんとして、キキちゃんや奥さんを感じて演技をするようにしています」と話すと、岩崎も「普段から色々お話ししていますよね」と返すなど、役づくりの一端も明かされた。また、稽古中に実生活でも第1子のパパとなった藤原が「役づくりの苦労はなかったです」と言うと、キャストたちから思わず笑いが。温かな舞台そのままの会見となった。東京公演は終了。大阪公演は8月31日(木)から9月3日(日)まで梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて。取材・文:佐藤さくら
2017年06月07日トップスター・明日海(あすみ)りおと新トップ娘役・仙名彩世(せんな・あやせ)の新コンビ本拠地お披露目となる宝塚歌劇花組公演『邪馬台国の風』『Sante!!』が6月2日、兵庫・宝塚大劇場にて幕を開けた。宝塚歌劇花組『邪馬台国の風』/『Sante!!~最高級ワインをあなたに~』チケット情報第一幕の『邪馬台国の風』は、約1800年前の古代日本が舞台。数多くの小国が乱立し、絶えず争いが繰り広げられていた倭の国。幼い頃に両親を失い、大陸から来た李淵のもとで生き抜くために戦う術を身に着けたタケヒコと、後に女王ヒミコとなるマナの運命を、邪馬台国と、対立する狗奴(クナ)国の争いを絡めて描いた物語だ。戦術と共に生きる術を学び、優しく、たくましく育つタケヒコ。邪馬台の兵士となり、まっすぐな人柄と棒術の腕で仲間と信頼関係を築いていく主人公を、明日海は柔らかな空気感の中に、強い芯を持たせて演じている。ハードな立ち回りのシーンでは目に力を込め、迫力を持たせながらも美しさを感じさせる。芹香斗亜(せりか・とあ)演じる狗奴国の将クコチヒコと対峙する場面での緊迫した空気も見応え十分だ。仙名が演じるのは、神の声を聞くことができるマナ(ヒミコ)。巫女になるべく邪馬台へ向かう少女マナを可憐に演じ、ヒミコとして女王に即位したときには凛とした佇まいで目を引く。さらに女王としての苦悩、ひとりの女性としての葛藤も繊細に表現し、丁寧な演技で魅せる。クコチヒコ役の芹香もときにゾクッとするほどの鋭い目つきで冷酷な敵役を好演。また、専科の美穂圭子(みほ・けいこ)が大巫女、星条海斗(せいじょう・かいと)が狗奴国の王ヒミクコを演じ、圧倒的な存在感で舞台の空気を締めている。第二幕の『Sante!!』は、フランス語で“乾杯!”を意味するタイトル。パリを舞台に「ワインを飲んで見る数々の夢」をテーマにしたエネルギッシュなレビューだ。プロローグではシャンパンゴールドや赤ワイン色の衣裳に身を包み、テーマソングを歌いながら弾けるようなダンスを繰り広げ、一気に観客をその世界へと引き込む。そこからはコミカルなシーンや、スーツにソフト帽のクールなナンバー、セクシーなデュエット、大階段の黒燕尾など、色とりどりに展開。さまざまなワインをイメージしたシーンは、まさにいろんな味をテイスティングするような感覚だ。両作とも、トップ4年目の充実期ともいえる明日海と、高い歌唱力、演技力で魅せる仙名の新コンビを中心に、個性豊かな花組の魅力が弾けるステージに仕上がっている。公演は、7月10日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、7月28日(金)から8月27日(日)まで東京・東京宝塚劇場にて上演。取材・文:黒石悦子
2017年06月07日松尾スズキ率いる演劇ユニット、日本総合悲劇協会(ニッソーヒ)が今夏開幕の第6回公演『業音』を発表。2002年に第3回公演として上演された舞台の、実に15年の時を経ての再登場である。初演で荻野目慶子が怪演した主人公の座を、今回は平岩紙に託しての“封印解除”だとか。作品の衝撃度が伝わる物々しい響きに「僕が封印したかったわけじゃない」と苦笑する松尾(作・演出・出演)と、覚悟のバトンを渡された平岩に話を聞いた。日本総合悲劇協会 vol.6『業音』「やりたかったけれど受けてくれる女優さんがいなかった。それで平岩に直談判したんです。“まかせろ!”と半ば強引に(笑)」(松尾)「フフフ。私も初演に出たので、荻野目さんの演技を間近で感じていましたし、カラダを張る、張らないはともかく……いえ、それもありますが(笑)、とにかく尋常な役ではない。自分に務まるだろうかと悩みましたが、まかせろと言っていただいたので胸をお借りしようと思います」(平岩)「『ふくすけ』の再々演(12年)で平岩は目の見えないサカエという役を演じたんですが、それをやり通したことで僕の中で平岩という女優の幹が太くなり、いつか彼女が主役の舞台をやりたいと思った。どうせやるなら生温いものではなくガツンとしたものをと」(松尾)売れない歌手である主人公を中心に、貧困や老人介護、売春、エイズ、交通事故など、まさしく悲劇的なキーワードが縦横無尽に舞台を駆け巡る。醜悪なまでに人間の業がえぐり出される容赦なきドラマに、今回は主宰する劇団、大人計画の面々でほぼキャストを固め、立ち向かう。「僕はこれを平岩たちに、何年もやり続けられる普遍的な作品にしてもらいたい。僕はどうしても貧しさとか弱さに目がいってしまうんですが、当時に描きたかった社会が15年経ってもそんなに変わってなくて、むしろ悪い方向に行っている気がする。だから、その頃はスキャンダラスな気持ちで書いていたけど、意外と普遍的な話を書いたんだなと気づいたんです。大人計画の人たちは“自分の気持ちに残酷になるレッスン”を積んできています。悲しいシーンのすぐ後にギャグを放つといったことを平気でやる。笑いとは残酷なもので、どんなに不幸な現実においても、その人が間抜けなことをしたら笑いになる。それこそが人間の本質だと思うんですね」(松尾)夏から秋にかけての全国公演の後には、あのアヴィニヨン演劇祭と双璧を成すパリの舞台の祭典、フェスティバル・ドートンヌに招かれて上演する。「海外の反応が気になりますが、テーマは共通していると思うんです。悲劇だけど希望はある。結局は“人が生きる”ってことなんだと」(平岩)人間の本質を突く松尾流悲劇、悲惨から沸く笑いに浸ってその真髄を味わいたい。「悲劇と喜劇は表裏一体。僕は“存在していることに対する不幸”が入ってこないと、筆が乗らないんですよね。ただただ幸せだったら芝居なんかやっていませんから」(松尾)8月10日(木)東京芸術劇場 シアターイーストで開幕。その後、名古屋、大阪ほか全国を巡演。取材・文:上野紀子
2017年06月07日宝塚歌劇月組公演『All for One ~ダルタニアンと太陽王~』の制作発表会が5月31日に都内にて開催された。『エリザベート』等の演出家としても名高い鬼才・小池修一郎が、デュマの古典的名作『三銃士』をもとに新たな物語として書き下ろす。会見では月組トップスター・珠城りょう、トップ娘役・愛希れいかをはじめ、美弥るりか、月城かなと、宇月颯、暁千星、沙央くらまの出演者7名によるパフォーマンスもあり、豪華なものとなった宝塚歌劇月組『All for One』~ダルタニアンと太陽王~脚本・演出を手がける小池によると「デュマの『三銃士』はルイ13世の時の話ですが、今回はルイ14世の時代で、20年後くらい。ですので銃士のみんなには20歳くらい若返ってもらいます(笑)。(珠城が演じる)ダルタニアンが銃士隊の中で一番の剣の使い手であると認められている、皆さんがよくご存知の『三銃士』の物語の後、という設定」とのこと。この大胆な脚色に「トンデモ三銃士と言われるかも」と言いつつも、「もともと三銃士の話は実在の人物の伝記があり、それを物語にした作家がいて、その上でさらにデュマが小説にしている。色々なエピソードがあるので、私たちがこの有名なダルタニアンと三銃士たちの物語を作ってもいいのでは」と主張。ただしこの会見時にはまだ脚本が出来上がっていないということを登壇者たちにバラされ、汗を拭きつつの説明で会場を笑わせていた。とはいえ、小池への出演者たちの信頼は厚く、ダルタニアンを演じる珠城も「小池先生の完全オリジナル作品ということが、まず嬉しかった」と話す。さらに作品については「All for One、One for All。自分のためにではなく誰かのために、みんなの幸せを勝ち取るために、みんなで力を合わせようという作品のテーマは、お客さまにも強いメッセージを与えられるのでは」と語った。相手役となる愛希はルイ14世役。「観終わった後にワクワクしていただけるような舞台を」と意気込みを。なお発表時に「トップ娘役がフランス国王? 男役?」とファンの間で話題になったこの配役について小池は「皆さん色々と想像なさってるでしょうし、それはかなり合っていると思いますが(笑)。とりあえずは公演初日まで引っ張りたい」と含みを持たせた。公演は7月14日(金)から8月14日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、9月1日(金)から10月8日(日)まで東京宝塚劇場にて上演される。兵庫公演は6月10日(土)、東京公演は7月30日(日)にそれぞれ一般発売開始。
2017年06月05日6月2日福岡・博多座で「六月博多座大歌舞伎」が開幕。中村橋之助が八代目中村芝翫を襲名。同時に、長男の国生が四代目中村橋之助、二男の宗生が三代目中村福之助、三男の宜生が四代目中村歌之助を襲名という、歌舞伎界初となる親子4人同時襲名披露として大きな話題を呼んでいる。その初日、中村芝翫が博多座ロビーで鏡開きを行ない、公演に対する思いを語った。六月博多座大歌舞伎「昨年の東京・歌舞伎座、そして今年お正月の大阪松竹座に続き、大好きな博多座で親子4人揃って、襲名披露ができます事、本当に嬉しく思います。先輩方、後輩、素晴らしい役者さんたち。スタッフの皆様、劇場に足を運んでくださるお客様。そして今日も朝から裏で頑張ってくれている家内。そんな皆様の支えあってこそですね。本当に有り難いです」と笑顔で挨拶する芝翫。詰めかけたファンも「成駒屋!」「八代目!」と掛け声で答える。今回は昼夜それぞれ親子4人の共演演目(昼:「車引」、夜:「祝勢揃壽連獅子」)が上演となるが、特に「車引」は並々ならぬ思いがあるとか。「橋之助の梅王丸は吉右衛門の兄さま、福之助の桜丸は菊之助さん、そして歌之助の杉王丸は染五郎さんがそれぞれ教えてくださって。倅たちもそれぞれ、役者への思いというものが少しずつピントが合ってきたように思います。本当に歌舞伎界全てで支えてくださって有り難いですね。身に余る光栄でもあり、なんとか恩返ししなくてはと思っております」残念ながら、休演となった中村獅童も今回の博多座公演は非常に楽しみに思っていたようで「博多の皆様によろしく」と電話をもらったとか。「この芝翫という名前は個人の名前ではない。中村芝翫という会社の社長に就任したようなものですよね。そして、私は八代目芝翫を大きくして業績もあげなきゃいけないということ。そしてそれを倅の誰かにこっそりと渡してやりたいと思いますね(笑)」と語り、博多手一本で締めくくった。6月26日(月)まで上演。チケット発売中。
2017年06月02日240年余の歴史を誇るモスクワのボリショイ・バレエが、6月2日から、広島を皮切りに東京、大津、仙台、大阪の全国5都市で、2年半ぶりの日本公演を行う。公演に先立ち、ロシア大使館で記者会見が開かれた。ボリショイ・バレエ チケット情報今年は同バレエ団の初来日から60年。また、ロシア政府が自国の文化芸術を紹介する “RUSSIAN SEASONS”の最初の開催国が日本に決まり、この公演がオープニングを飾ることになって、二重の意味で注目が集まる。プログラムは、ユーリー・グリゴローヴィチ振付の『白鳥の湖』と『ジゼル』、アレクセイ・ラトマンスキー振付、日本初演となる『パリの炎』の3作で、出演者には、世界的な舞姫スヴェトラーナ・ザハーロワをはじめ、エカテリーナ・クリサノワ、来日直前にブノワ賞受賞が決まったデニス・ロヂキンらスターダンサーに加え、将来を担う有望な若手も名を連ねる。会見に出席したマハール・ワジーエフ監督は、「ボリショイ・バレエの監督として来日するのは初めてですが、日本に来る時はいつも特別な思いがあります。今回のツアーは我々ボリショイ・バレエにとっても特別で、60年間来日し続けられたのは、日本の皆様に認めてもらえたからだと思います。これからさらに新しい歴史を紡いでいけるのではと期待しています」とにこやかに語った。「また日本に来られて嬉しいです。『パリの炎』を踊るのは初めてで、『ジゼル』も日本では初めてで責任を感じますが、同時にワクワクもしています。回を重ねるごとに気分が高揚して、素晴らしい舞台を作れるのではないでしょうか」と期待を込めるのは、プリンシパルのエフゲーニヤ・オブラスツォーワ。その2作で相手役を務めるリーディング・ソリストのイーゴリ・ツヴィルコは、「来日は2度目です。素晴らしい先輩たちの舞台に引けをとらないように、誇りを持って踊っていきたい」と力強く話す。入団1年目で抜擢されたアリョーナ・コワリョーワは、「初めて日本に来ることができ、喜びと共に責任と名誉も感じています。バレエを愛する日本のお客様の前で『ジゼル』のミルタを踊ることになり、とても緊張していますが、気持ちを込めて踊りたいです」と初々しく話した。世界最高峰のバレエを堪能できる贅沢な時間が始まる。東京公演は6月4日(日)に『ジゼル』にて開幕。6月7日(水)から12日(月)まで『白鳥の湖』。6月14日(水)・15日(木)は『パリの炎』を東京文化会館にて上演。チケット発売中。文:原田順子
2017年06月02日歌舞伎俳優の市川染五郎(松本錦升)が日本舞踊協会主催の新シリーズ、未来座『賽 SAI』(6月15日~18日、東京・国立劇場小劇場)について意気込みを語った。未来座『賽 SAI』チケット情報日本舞踊松本流の家元で、協会の理事でもある染五郎は未来座を立ち上げた理由についてこう話す。「日本舞踊には色々な流派があるんですが、もともと交流がなかったところを曽祖父(七世松本幸四郎)の代に、流派の垣根を超えて一緒に踊る場を設けましょうとして作られたのが日本舞踊協会なんです。古典の継承と新作、このふたつを活動の柱とし、新しい日本舞踊の創作を目指して未来座を作りました」シリーズのタイトル“SAI”の意味について尋ねると「第一回目は賽子(サイコロ)の“賽”という字を当てましたが、その時のテーマによって、いろどりの“彩”や才能の“才”の字を当てていこうと思っています」と教えてくれた。日本舞踊は歌詞の意味を振りで表現する“当て振り”が基本だが、このタイトルにはそうした常識や既成の枠を超えたいという思いが重なってみえる。“新しい踊り”については現在も模索している最中だというが、先日、国立代々木競技場で行われた歌舞伎とフィギュアスケートを融合したアイスショー『氷艶』で演出をした際のこんなエピソードを明かしてくれた。「はじめは『道成寺』と『二人椀久』と『連獅子』を繋げた邦楽の曲を作って、髙橋大輔さんにスケート靴を履かずに歌舞伎の衣裳を着て踊ってください、と大枠だけ決めて振付師にお願いしたんです。そうしたら“これはヒップホップだね”という話になって、自分では全く想像してなかったものが出来上がってきた。聞き慣れた曲だけれども、イメージに無かった踊り。こういう発想が面白いなって思いましたね。リズムに合わせて体を動かす、それが舞踊の面白さであり、日本舞踊の多様さなんだと改めて感じました。未来座は、そういう自由な発想ができる場にしたいんです」その未来座『賽 SAI』では「擽-くすぐり-」の演出と振付を担当する。「今回は“水”の過去、現在、未来がテーマで「擽」は未来のパートになります。水の未来について考えると、役割はどうなるのかなどと考えがちですが、突き詰めると過去から未来まで変わらず存在するものですから、何を表しているかではなく、人のエネルギーそのものを感じてもらえたら。考えなくても楽しめる、わからないところが面白い、そんな自分でも見たことがない作品を作ってみたいですね」。日本舞踊の新たな第一歩となる新作公演がどんな舞台になるのか、ぜひ劇場で確かめて欲しい。公演は6月15日(木)から18日(日)まで東京・国立劇場 小劇場にて上演。チケット発売中。
2017年06月02日手塚治虫生誕90周年記念「Amazing Performance W3(ワンダースリー)」の製作発表イベントが開催され、構成・演出のウォーリー木下、出演者の西島数博、フィリップ・エマール、川原一馬、公演のアンバサダーを務めるベッキーが登壇した。手塚治虫 生誕90周年記念 Amazing Performance W3 チケット情報本作は、手塚治虫の漫画『W3(ワンダースリー)』を原作に、言葉ではなくダンスやマイムなどを用いるノンバーバル(=非言語)パフォーマンスで表現する舞台作品。年々増加する海外からの観光客も楽しめる舞台を、と立ち上げられた企画だ。その構成・演出を手掛けるウォーリーは本作について「5人のパフォーマーが『W3』の世界観と物語をパフォーマンスでみせていく。演劇でもないし、ダンスでもない、実験的な作品になると思います」と紹介。稽古は既に始まっており「タイトルから『3分間に1回ワンダーなことが起こる』と言っていたのですが、今は『1分間に1回』くらいになってます!」と笑顔をみせた。アンバサダーのベッキーはこの日が初登場。「十代の頃に手塚治虫先生の本の表紙をやらせていただいて。またご縁をいただけたことが嬉しいです」と挨拶し、原作について「何十年も前に描かれたものですが、今を生きる私たちへの色あせないメッセージがあります」と感想を語った。稽古の様子も動画で披露。さまざまな表現に日用品が使われていることについてウォーリーが「基本的に部屋にある物で全部やってみようっていうのが今回のコンセプト。手塚治虫さんの作品のモチーフのひとつに“ミクロとマクロ”というのがあって、小さい日本の片隅の話と巨大な宇宙の話が入れ子構造になっている。それを演出で表現するとき、部屋にある物で宇宙を表現してみたり……」と熱く解説すると、ベッキーは「楽しみ!」と目を輝かせた。トップバレエダンサーでもある西島は「バレエも言葉のない舞台ですが、この作品はダンス以外の表現もたくさん含まれている。“Amazing”な舞台に参加させてもらっています」とタイトルとかけてニコリ。シルク・ドゥ・ソレイユで活躍してきたエマールは「シルク・ドゥ・ソレイユのときはあくまで自分の役でしたが、『W3』は手塚治虫さんの世界観に合わせた役。手塚治虫さんと観客の“間”に立って演じます」と本作ならではの演じ方を語る。ウォーリー演出のハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」にも出演する川原は「さまざまなジャンルのパフォーマーや役者が集まっているのですが『みんなで創ろう』という想いが強い。僕自身も役者ではなくクリエイターという視点で挑戦しています」と新体験を話した。東京・DDD AOYAMA CROSS THEATERにて7月1日(土)から9日(日)まで宇宙初公演を、11月から2018年3月まで本公演を上演。取材・文:中川實穂
2017年06月02日アメリカのロックバンド、LINKIN PARKの日本オフィシャルファンクラブ「LP Underground Japan」がオープン。本日より、11月に行われる来日公演の有料会員向け先行をスタートさせた。【チケット情報はこちら】ファンクラブの会員形態は、チケット先行受付やファンクラブ有料会員限定のコンテンツ閲覧をはじめとした特典満載の「有料会員」と、最新情報をいち早くメールマガジンにてお届けする「無料会員」の2種類を用意。なお、本日昼12時より11月2日(木)・4日(土)・5日(日)に行われる「<LINKIN PARK ONE MORE LIGHT WORLD TOUR>Special Guest:ONE OK ROCK」の有料会員限定先着先行を実施中。同先行から購入した方の中から抽選で、LINKIN PARKとのミート&グリートや会場優先入場などの特典が与えられる。受付は7月2日(日)午後11時59分まで。■<LINKIN PARK ONE MORE LIGHT WORLD TOUR>Special Guest:ONE OK ROCK日時:11月2日(木) 開場16:00 / 開演19:0011月4日(土) 開場15:00 / 開演18:0011月5日(日) 開場15:00 / 開演18:00会場: 幕張メッセ 国際展示場9~11ホール(千葉県)料金:スタンディング 8,800円(ブロック指定)(税込)VIP SS 60,000円 (税込) (アリーナ前方観覧エリア・LINKIN PARKとのM&G・グッズ付き)VIP S 15,500円 (税込) (アリーナ前方観覧エリア・グッズ付き)※LINKIN PARKのパフォーマンスは全日程90分を予定しております※ONE OK ROCKのパフォーマンスは全日程60分を予定しております※VIP SS LINKIN PARKとのM&G詳細は後日発表いたします。※LP Underground Japan会員限定先着先行では、VIP SS 60,000円 (税込)(アリーナ前方観覧エリア・LINKIN PARKとのM&G・グッズ付き)の取扱はございません。
2017年06月01日神永学の同名人気推理小説の舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』が5月31日に開幕した。本作は「心霊探偵八雲 ANOTHER FILES」シリーズの舞台化第3弾で、2013年に上演された『いつわりの樹』、2015年の『祈りの柩』に続く最終章。第1弾から主人公・斉藤八雲を務めてきた久保田秀敏にとっても“ラスト八雲”となる。開幕公演を取材した。舞台『心霊探偵八雲 裁きの塔』 チケット情報久保田をはじめレギュラーメンバーのキャストは美山加恋、東地宏樹、佐野大樹、樋口智恵子が前作以来2年ぶりに再集結。さらに今作の登場人物として石坂勇(THE CONVOY)、水石亜飛夢、北園涼、田中涼星、今村美歩、OH-SE(電撃チョモランマ隊)が参加し、本作ならではの魅力をつくりだす。今回の舞台となるのは八雲(久保田)と晴香(美山)が通う大学。その時計塔で女子学生が殺され、その場にいた晴香が殺人容疑で逮捕されてしまう。これまで多くの事件を共に解決してきた晴香の逮捕という衝撃の中で、推理の前に八雲がぶつかったのは「信じる」ことへの葛藤。「僕は信じるに値するだけ彼女のことを知っているのか」と立ち止まってしまった彼に「人を信じるのに理由は必要ない!」と教えたのは、晴香同様ずっと一緒に事件を解決してきた刑事の後藤(東地)だった。もがく八雲と全身で向き合う後藤のシーンは、後藤にしか見せない八雲の姿に3作目ならではの深みが感じられた。それ以外にも、後藤の部下・石井(佐野)と同期のエリート・小野寺(OH-SE)が刑事を続ける中で分かれてしまった道や、真琴(樋口)を導いた恩師・恩田(石坂)の言葉、桜井(水石)と西澤(北園)の仲がこじれた理由、殺された花苗(今村)が抱えていた想い、瀬尾(田中)が本当に見たものなど、登場人物それぞれのドラマが一つひとつ丁寧に描かれている本作。そのエピソードは、劇場を出て改めて「裁きを受けるのは誰なのか」を考え始めたときに更に深く突き刺さってくるものになるはずだ。また、セットはシンプルで、場面の切り替わりは芝居と光と音で表現。まるでテレビや映画のように時計塔、警察、大学校舎とシーンが替わっていく演出は鮮やかで、小説を読んでいるようにイメージが広がる。さらに、ステージは低く客席通路も使うため、息づかいや振動まで感じられる距離で芝居が繰り広げられる。シリーズで演出を手掛ける伊藤マサミが「とにかく熱いステージを」とコメントした通り、俳優の存在が際立ち、放たれる熱がこぼれずに伝わってくる。公演は6月11日(日)まで東京・品川プリンスホテル クラブeⅩ、6月16日(金)から18日(日)まで大阪・大阪ビジネスパーク円形ホールにて。原作者の神永自らがシナリオを手掛けるのは舞台版だけ。神永ファンもお見逃しなく!取材・文:中川美穂
2017年06月01日新国立劇場の2016-17シーズンを締めくくるのは、新制作《ニーベルングの指環》の第3作《ジークフリート》。ワーグナー演出の名匠ゲッツ・フリードリヒ(1930~2000)が晩年にフィンランド国立歌劇場で制作したプロダクションだ。初日を目前に控えた5月29日に行なわれたゲネプロ(ゲネラルプローベ=舞台上で行なわれる最終総稽古)を観た。新国立劇場オペラ「ジークフリート」チケット情報英雄ジークフリートがいよいよ登場するこの演目。傍若無人な悪ガキのジークフリートが、愛と怖れを知る青年へと成長してゆくという一直線のストーリーが軸にあるため、《指環》全4演目のなかで格段に理解しやすい作品となっている。登場人物が7人と簡潔なのも、わかりやすさを助けてくれる(7人以外に、森の小鳥も登場。今回この役がちょっとトリッキーなので、そこは観てのお楽しみ)。もはや懐かしい《ラインの黄金》の地下世界ニーベルハイムや、《ワルキューレ》の最後でブリュンヒルデを炎に包んだ岩山、その前2作の(特に《ラインの黄金》の)登場人物らも現れて、《指環》4部作全体の連関を鮮明に際立たせてゆく。それらに伴って聴こえてくるライトモティーフも、作曲者の自己満足的な隠しアイテムとしてではなく、物語と有機的なつながりをもって、観る側の理解を助けてくれる。その一番の成功例がこの《ジークフリート》だろう。聴きどころは何といっても主役ジークフリートを歌うステファン・グールドだ。ワーグナー作品の花形である「ヘルデン(英雄)テノール」の中でも屈指のハードな難役を、第1幕から全開でカッコよく歌う姿には惚れ惚れとする。リハーサルといえども声をセーブしようという気配など微塵もない。そんなことを言っている歌手にはこの役は歌えないのかもしれない。4時間近くも主役で歌い続けた挙句に、休養十分のブリュンヒルデ(なにせ十数年間の眠りから醒めたばかりだ)を相手に延々と愛の二重唱を歌わなければならないのだから。それを苦もなく聴かせるグールドの、まさに無尽蔵のスタミナ。そのブリュンヒルデのリカルダ・メルベートは、「かつて神の戦士だったが、現在は神性を剥奪された女性」という役柄にふさわしく、硬質ガラスを思わせる、繊細な、しかし強い表現を聴かせる。ドラマティックな面だけがブリュンヒルデではないのだ。さえない悪役であるミーメは、《ジークフリート》では前半の主役級だ。性格俳優的な役柄だが、《ラインの黄金》でも同じ役を歌ったアンドレアス・コンラッドは、キャラクターに振りすぎない立派な美声で、意外と多いミーメ・ファンも納得の、十分な存在感を示していた。公演は6月1日(木)・4日(日)・7日(水)・10日(土)・14日(水)・17日(土)の全6回。上演時間は2回の休憩を含めて約5時間40分。長丁場だけれど、万全の体調で臨もう!取材・文:宮本明
2017年06月01日今年3月に関西で産声をあげたアイドルイベント、『ぴあアイドルフェスタ』。大好評につき第2弾の開催が決定!『ぴあアイドルフェスタ vol.2』チケット情報今回は、なんと初ものづくし!まずは、およそ3か月の活動休止期間を経て、4月に新体制での活動を再開したばかりの女性ヒップホップアイドルユニットlyrical school。新曲をひっさげ活動再開後、関西でのパフォーマンス初披露の場となる!そしてもう1組、関西初上陸となるのが、絶対直球女子!プレイボールズ。メンバー全員が野球に携わった経験を持つ野球好きアイドルグループ。野球振興を念頭に置き、野球の素晴らしさや楽しさなど、楽曲やパフォーマンスを通して発信し活動をする、野球好きにもアイドル好きにも堪らないグループ。名古屋からはPREDIANNAが参戦。4人体制になって、初の大阪ライブとなる。『@JAM EXPO 2017』への出演も決まり、新曲『STAND UP』は会場に来た人たちを奮い立たせること間違いなし。一方、関西組も負けてはいない。まずは、『SUMMER SONIC 2017』初出場を決めたKissBeeWEST。5月に開催されたHEPホールでのワンマンライブを成功させて、今関西で飛ぶ鳥を落とす勢いのアイドルグループ。さらには、関西だけに留まらず、現体制で初となる東京ワンマンを6月に開催するon and Go!や、8月にBIGCATでの初ワンマンライブを控えるPOPUPと関西屈指のアイドルグループが出演。『ぴあアイドルフェスタ vol.2』は7月1日(土)開催。チケットは6月3日(土)より発売開始。彼女たちが繰り出すエンターテインメントをぜひ体感してほしい。
2017年06月01日ぴあ株式会社の45周年を記念した野外フェス「PIA 45th ANNIVERSARY MUSIC COMPLEX 2017」が9月9日(土)・10日(日)に東京・新木場・若洲公園で開催されることが決定した。【チケット情報はこちら】今回発表された出演者はASIAN KUNG-FU GENERATION、KANA-BOON、クリープハイプ、GRAPEVINE、ゴールデンボンバー、BLUE ENCOUNT、ベッド・インの7組。チケットの一般発売は8月5日(土)より。なお、一般発売に先駆けて、チケットぴあでは2日通し券の最速抽選を実施中。受付は6月11日(日)午後11時59分まで。■PIA 45th ANNIVERSARY MUSIC COMPLEX 2017日時:9月9日(土)・10日(日)開場 9:30 / 開演 11:30会場:新木場・若洲公園(東京都)料金:【1日券】 8,900円 / 【2日通し券】17,000円出演:ASIAN KUNG-FU GENERATION / KANA-BOON / クリープハイプ / GRAPEVINE / ゴールデンボンバー / BLUE ENCOUNT / ベッド・イン / and more
2017年05月31日2016年7月16日に開幕したミュージカル『キャッツ』大阪公演が、2018年5月6日(日)をもって千秋楽とすることが決定した。大阪公演の開幕から1年10か月、総公演回数は612回を予定しており、2017年5月25日の時点では289回を上演し、28万人を動員した。劇団四季「キャッツ」チケット情報千秋楽決定を発表した5月25日の本編終了後には舞台挨拶を行い、マンカストラップ役の加藤迪(すすむ)が挨拶をし、「昨年7月に開幕した『キャッツ』大阪公演は、このたび来年5月6日を千秋楽とすることと決定しました。千秋楽は決定いたしましたが、最後までひとりでも多くのお客様に作品の感動をお届けできるよう、精一杯務めてまいります。どうぞ引き続きご声援を賜りますようよろしくお願いいたします。本日は誠にありがとうございました」と語った。『キャッツ』の国内上演記録は総公演回数9,478回、総動員数は930万人と、ミュージカルの金字塔ともいえる作品。未見の方は、お見逃しなく!現在、大阪四季劇場(ハービスENT内)にて上演中。チケットは発売中。
2017年05月31日8月20日(日)に東京・明治神宮外苑で開催される「2017神宮外苑花火大会」に大黒摩季の出演が決定した。【チケット情報はこちら】神宮外苑花火大会の有料席は神宮球場、秩父宮ラグビー場、神宮軟式球場、東京体育館敷地内の4会場。そのうち、神宮球場、神宮軟式球場ではアーティストによるライブも披露される。大黒は神宮球場に登場。そのほかの出演者や軟式球場の出演者は後日発表される。都内で唯一、山手線内で開催されるコンサート付きの都市型花火大会として、長年親しまれてきた神宮外苑花火大会。今年も1 万2000 発の花火が東京の空に打ち上がる予定。チケットの一般発売は6月17日(土)午前10時より。なお、一般発売に先駆けて、いち早プレリザーブを実施。受付は6月1日(木)昼12時から6日(火)午後11時59分まで。■2017神宮外苑花火大会(第38回大会)8月20日(日)明治神宮外苑(東京都)花火打上げ開始 午後7時30分花火打上げ終了 午後8時30分
2017年05月31日男性ソロアーティスト、ヒゲドライバーがプロデュースするライブ「Pico Pico: Impossible 2」が6月16日(金)に東京・club asiaで開催される。【チケット情報はこちら】「Pico Pico: Impossible」はピコピコミュージシャン・ヒゲドライバーと、その親交のあるアーティストが出演するDJ・ライブイベント。アニメやゲームをはじめとしたサブカルチャーを包括した、現代における新しい「ピコピコ」スタイルをヒゲドライバーが提唱していく。昨年11月に初開催された同イベントでは多くのオーディエンスの頭に中毒性の高いピコピコ・サウンドをループさせ、大熱狂のうちに終了。今回は声優の山村響、アニメ 『幼女戦記』の挿入歌で話題を呼んだ歌手の新菜まこなどが出演する。現在、ウレぴあ総研ではヒゲドライバーと山村響の対談記事を公開中(リンク下記)。ヒゲドライバーが提唱する「ピコピコ」サウンドについて、山村響に教示しているほか、今回の公演の魅力について語っている。チケットは発売中。■Pico Pico: Impossible 2日時:6月16日(金) 開場18:00 / 開演18:30会場:渋谷clubasia(東京都)出演:ヒゲドライバー / 山村響 / 新菜まこ / FIREVOLT from ライブレボルト / MC8bit / Sharaku Kobayashi / Taku Inoue / fu_mou料金:4000円(ドリンク代別)
2017年05月31日「人を泣かせて感動させるのは簡単。喜劇は難しいです!」オペラ創作をライフワークに掲げる作曲家・三枝成彰の初めてのオペラ・ブッファ(喜劇オペラ)《狂おしき真夏の一日》が10月に上演される。オペラ「狂おしき真夏の一日」チケット情報タイトルでぴんと来た人もいるだろう。作品はモーツァルトの《フィガロの結婚~あるいは狂おしき一日》へのオマージュであり、物語の設定も《フィガロ》を下敷きにしている。舞台は現代の鎌倉。浮気症の医師・大石は看護師エミコと長い愛人関係にあり、長男・太郎のフランス人の嫁フランシーヌにまでちょっかいを出そうとしている。一方の太郎もかつてエミコと関係があったらしい。ゲイの二男・次郎は新しい恋人の男性ユウキに夢中だが、そのユウキは、大石の妻・陽子の美しさにも惹かれてゆく。親子関係の3組のカップルの、邪心と純真、愛欲と金欲が招くドタバタの恋愛模様。大石夫妻が《フィガロ》の伯爵夫妻、太郎とフランシーヌがフィガロとスザンナ、ユウキはケルビーノに当たる役どころだ。今回の作品の発想の原点となったのが大石とフランシーヌの関係だった。「実話なんですよ。ある知人が、息子の美人嫁の写真を持ち歩いていた。親子だから、もともと好きな女性のタイプが同じなのかもしれませんよね。その父親の気持ちを膨らませていたら、使用人の婚約者を狙う《フィガロ》の伯爵と結びつきました」そのフランシーヌが太郎とともに登場するシーンは、《フィガロの結婚》冒頭と同じく、ふたりで部屋の寸法を測る場面。そこでは音楽もモーツァルトをそのまま引用しているのだそう。オペラ・ファンなら思わずニヤリとしてしまいそうな仕掛けだ。一方で、「難しい」と語る喜劇オペラにあえて挑む理由は、モーツァルトならぬヴェルディにもルーツがあるのだという。「ヴェルディが最後に完成したオペラが、オペラ・ブッファである《ファルスタッフ》。最後に喜劇を書きたいという気持ちは同じだと思います。最初から《ファルスタッフ》を意識していたので、フィナーレは出演者全員による九重唱のフーガで締めくくります」なるほど。《ファルスタッフ》の最後を飾る出演者全員のフーガが〈世の中すべて冗談〉なら、三枝の九重唱は〈世の中はいいようにまわっている〉だ。書き下ろしの台本は30年来の付き合いの作家・林真理子。そして、AKB48などで芸能界を牽引する大物プロデューサーの秋元康に、オペラ演出初挑戦を投げかけた。「オペラや演劇の演出家より、オペラのパターンをまったく知らない人がやるほうがいい。もちろんオペラ側の常識とぶつかることもあるだろうと思いますよ。でも秋元さんなら押し切ってしまうはず。力ですよ。歌手にとっては怖い存在かもしれない(笑)」「泣かせの三枝と言われて来ましたから」と笑う三枝が、エンタメ界の重鎮たちをスタッフに迎えて挑む初の喜劇。娯楽としてのオペラが、日本で初めて登場するのかもしれない。公演は10月27日(金)から31日(火)まで東京文化会館 大ホールにて。取材・文:宮本明
2017年05月31日女優の吉田羊が30日、自身がナビゲーターと音声ガイドを務める「怖い絵展」(兵庫展・東京展)の記者発表会に出席した。怖い絵展 チケット情報本展は、作家でドイツ文学者の中野京子が2007年に出版、名画に隠された「恐怖」に焦点をあてて読み解き、大ベストセラーとなった「怖い絵」の刊行10周年記念展覧会。今回が初来日となるポール・ドロワーシュの大作「レディ・ジェーン・グレイの処刑」など、ヨーロッパ近代絵画、版画約80点をテーマ毎に展示し、観る者の想像力をかきたてる構成となっている。「怖い絵」をテーマに自らが描いたイラストを披露した吉田は、絵心は「0点です」と会場を笑わせながらも、「なにが怖いんだろうという、好奇心を入り口に展覧会に足を運んでいただいて、その絵が持つもうひとつの顔、絵画鑑賞の新しい楽しみ方を発見していただけたら」と話し、本展をアピールした。兵庫展は7月22日(土)より兵庫県立美術館で開幕。チケット発売中。東京展は10月7日(土)より東京・上野の森美術館にて開幕。お得な特典付き前売チケットは、本日5月31日(水)より発売開始。なお、チケットぴあ限定で、「特製しおり付前売券」、「中野京子氏生解説付夜間鑑賞会券」などが販売される。詳細は、チケットぴあ()まで。
2017年05月31日神永学の人気推理小説の舞台化シリーズ最新作『心霊探偵八雲 裁きの塔』が5月31日(水)から東京・大阪で上演される。開幕を目前にした稽古場に潜入した。舞台『心霊探偵八雲 裁きの塔』チケット情報本作は、漫画化、ドラマCD化、テレビアニメ化と幅広く展開される人気推理小説「心霊探偵八雲」シリーズの舞台版最新作。今作『裁きの塔』は、2013年に上演された『いつわりの樹』、2015年の『祈りの柩』に続く「心霊探偵八雲 ANOTHER FILES」シリーズが原作の舞台第3弾となり、「ANOTHER FILES」舞台化“最終章”という重要な作品。死者の魂が見える赤い左眼を持つ主人公・斉藤八雲を演じるのは久保田秀敏。過去2作品で八雲を演じてきた久保田は今作で“ラスト八雲”が予告されている。共演者には、前作から出演する美山加恋と樋口智恵子、アニメやドラマCDでは声優も務め舞台には前々作から出演する東地宏樹、舞台シリーズ一作目から出演し続けている佐野大樹というお馴染みの顔がズラリ。さらに今作の鍵を握る登場人物たちを、石坂勇(THE CONVOY)、水石亜飛夢、北園涼、田中涼星、今村美歩、OH-SE(電撃チョモランマ隊)という個性豊かな俳優陣が演じる。演出を手掛けるのは、久保田同様2013年から参加する伊藤マサミ。そして脚本は原作者の神永学自らが手掛ける。この日は衣裳を着ての通し稽古。緊張感もあるだろうが、キャスト達はワイワイと明るい空気。いい雰囲気が伝わってくる。物語は、八雲の相棒・晴香(美山)が殺人容疑で逮捕されるというまさかの展開から始まる。そんなショッキングな出来事の中で描かれるのは、「信じる」「向き合う」といった登場人物それぞれの葛藤や成長の物語。中でもクールな八雲が感情を爆発させるシーンは、今作ならではの見どころのひとつだろう。八雲と晴香のテンポのいい会話や、後藤(東地)と石井(佐野)のコミカルなやり取りなどは、“いつもの”感が伝わるさすがの息の合い方。また、ゲストキャストの水石や北園らの熱演は最後まで真犯人が誰なのか混乱させ、石坂やOH-SEによる登場人物の想いを引き立てるような巧みな芝居が今作の物語の面白さを体感させてくれた。ミステリーならではの次々と変わる場所や時間は、セットチェンジなどではなく棒状の照明を光らせたり動かしたりすることで表現。空気が途切れることなく物語が進んでいくことに加え、その演出そのものも美しく魅力的だった。小説からアレンジが加えられ、原作ファンも新鮮な気持ちでストーリーを堪能できる本作。公演は5月31日(水)から6月11日(日)まで東京・品川プリンスホテル クラブeⅩ、6月16日(金)から18日(日)まで大阪・大阪ビジネスパーク円形ホールにて上演。取材・文:中川美穂
2017年05月30日2016年本多劇場にて演出小泉今日子、主演安田顕で「日の本一の大悪党」の初公演を行った明後日プロデュース。その第2弾公演が芝居噺『名人長二』だ。豊原功補が自ら企画と脚本、演出、主演の4役を初めて担当する話題作。江戸・明治期の落語家、三遊亭圓朝が落語速記(口演を速記で記録したもの)としてまとめた本作を、舞台上にどうよみがえらせるのか。豊原に聞いた。芝居噺『名人長二』チケット情報モーパッサンの短編『親殺し』を下敷きに、圓朝が翻案・創作した『名人長二』。職人気質の指物師・長二郎が偶然自分の出生を知ったことから運命の渦に飲まれていくさまが、圓朝らしく人情味たっぷりに描かれる。「元々落語は好きで、この作品も大ファンの古今亭志ん生のCDで知ってはいたんです。ただ色々と調べているうちに、圓朝本人も高座に上げておらず、その後の落語家も志ん生のほか数人しか手をつけていない“幻の名作”だというのが分かったんですね。だからこそ、これを芝居にしてみたいという気持ちが強くなりました」と豊原は話す。実は『親殺し』と『名人長二』とは、内容がかなり異なる。国はもちろん、発表された19世紀当時の宗教観の違いもあるのだろう。「ただ、今回の舞台化ではモーパッサンの原作に漂う陰惨さと、江戸の匂いがする円朝の世界観、両方の要素を取り入れようと思っています。そうすることで、時代や国を越えて人々の間にどうしようもなく“残ってしまったもの”、普遍的な人間の姿というか、そういった部分が僕なりに描けるような気がしています」と豊原。「落語の“語り”がもつ気持ち良さは残したかったので、初めての脚本書きは大変でしたね(笑)」としながらも、「長二郎の周りの人物像を膨らませて、その背負っているものを描くことで、ひとつの物語としてまとめていきました」と内容の一端も明かしてくれた。一方、こだわりはキャスティングにも及んでいる。これが初舞台となる森岡龍を始め、モロ師岡に梅沢昌代、花王おさむ、山本亨、高橋惠子ら、演劇・映画ファンにはたまらない顔ぶれが揃った。「俳優って、もっともっと“遊べる”と思うんですよ。落語がそうでしょう。声の出し方やリズム、表情やたたずまいで、いくらでも作品の奥行きが広がってゆく。この演者たちとならそれが出来るし、また、出来るんですよっていうのを観る人に知ってほしくて」と豊原は語る。「なんて、自分でハードルを上げてますけど」と笑いつつ、言葉の端々には本作への思い入れがひしひしと。豊原らの身体を通して現代によみがえる“長二”の世界。ナマの舞台の醍醐味を、存分に味わいたい。*明後日プロデュースとは…小泉今日子が仲間たちと立ち上げたプロジェクト。舞台、映像、音楽、出版など、ジャンルに捉われず企画製作している。舞台は東京・紀伊國屋ホールにて上演中。6月4日(日)まで。取材・文佐藤さくら
2017年05月29日日本で37年目を迎えるブロードウェイミュージカル『ピーターパン』。今年は、吉柳咲良の10代目ピーターパンが誕生し、注目の若手演出家・藤田俊太郎が演出に初挑戦と、新たな『ピーターパン』が誕生する。そんなか、6年ぶりにウェンディとして戻ってくるのが神田沙也加。新たな座組で演じる神田に話を聞いた。【チケット情報はこちら】2009年から3年間、ウェンディを演じてきた神田。抜擢には「すごくビックリして。『年齢設定がだいぶ離れてますけど大丈夫ですか?』って正直に聞きました」と笑う。けれど実は待ち望んでいたカムバック。「私、ジンクスがあって。もう一度出たい作品は観に行かないんです」と観なかったそう。「だからとても嬉しいです!」。6年ぶりに演じるにあたり「やっぱりそこは前回のトレースでは絶対にダメですよね。前回はやさしい、かわいい、あまーいっていう部分を打ち出したのに対し、今回はピーターパンと対峙したときの心境の変化だったり、ネバーランドに無邪気に憧れた後にくる例えば不安感だったりとか、そういう内面的な部分をもう少し見せられるようにしていけたらいいかなって。子供はもちろんですが、大人のお客様にも、ウェンディは今こう思ってるんだなっていうのをキャッチしていただけるような演じ方ができたらいいなと思っています」。子供も観られるファミリーミュージカル。実は神田にとっても生まれて初めて観たミュージカルだ。「お子様のお客様も多いから、思ったことをその場で口にしてくれたりするんですよ(笑)。そこで『そう観てくれるんだ』っていう発見もあったりして。みんなの表情からも“今こういう感情で観てるんだな”っていうのが伝わってくる。多分、気を使って笑ったりしないじゃないですか。面白いから笑うし、悲しいから黙っちゃったり、戦わなきゃいけないところは応援してくれたりして。だからお子様に観てもらえる作品って大好きです」。10代目ピーターパンの吉柳について「『私が審査員でも選ぶだろうな』ってくらい(笑)。中性的な魅力があって、フレッシュで、普通の服を着ていてもピーターパンでした」。先輩として教えることは?と聞くと「いやいや!」と謙遜するが、今作が吉柳の初舞台であることについては「初舞台というものが役者さんにとってどれだけ大事かっていうのはわかっているので、絶対に『楽しかった』って思わせてあげられる相手役でありたいと思っています。ずっとこの世界で活躍していっていただくためにも、最高の初舞台のお手伝いができれば」とやさしく語った。そんな新たな『ピーターパン』は7月24日(月)から8月3日(木)まで東京・東京国際フォーラム ホールC、6日(日)静岡・静岡市清水文化会館マリナート 大ホール、12日(土)・13日(日)大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。取材・文:中川實穗
2017年05月29日2015年3月の配信開始以来、400万以上ダウンロードされている大人気女性向けスマホパズルRPG『夢王国と眠れる100人の王子様』(通称“夢100”)。今年3月からはショートアニメも公開されて、ますます盛り上がりを見せている同作の舞台版が、この夏ついに登場する。公演ごとに〈太陽エンディング〉と〈月エンディング〉のふたつのエンディングがあるというのも注目の本作から、“宝石の国・サフィニアのサイ王子”役の安達勇人と“不思議の国・ワンダーメアのハーツ王子”役の小林竜之、そして“雪の国・スノウフィリアのグレイシア王子”役の高橋里央に意気込みを聞いた。舞台『夢王国と眠れる100人の王子様~Prince Theater~』チケット情報インタビューが行われたのは、4月下旬に開催された“夢100”2周年記念イベント『プリンスパレード』の楽屋。舞台版キャストとしてゲスト出演した彼らは、なにより客席の熱気に驚いたという。「満員のお客様の笑顔が見えた時、“本当に愛されている作品なんだな”と実感しました」と言うのは安達だ。隣の小林も「いろんな王子様役の声優さんが舞台に勢ぞろいしたのを観たら、僕も“キャー!”って言いたくなっちゃって」と興奮さめやらない様子。「(ゲームを)やり込むほどに王子たちを解放できる面白さはもちろんですが……」と、穏やかな口調で話すのは高橋だ。「キャラクターが多彩だから、必ず“この人イイな”っていう王子様が見つかるのが楽しいですよね」と、その魅力を語ってくれた。役づくりについては「元々ゲームに王子たちの物語が丁寧に書き込まれているし、キラキラしているだけじゃない複雑な背景があるから、自然に共感できるんですよ」と安達。「その上で、歌やダンス、アクションなどで生身の人間を感じられるのが舞台版の魅力。僕なりのサイを作っていきたいですね」と笑顔を見せる。高橋も「僕が演じるグレイシアは、気持ちを表情や言葉にあまり出さないタイプ。でも実はいろんな感情を抱えているので、それをどうお客様に伝えるかというのが今の課題です」と意気込み充分だ。一方、「ハーツはコロコロ表情が変わる、元気な子」と言う小林。「舞台では、彼の純粋な部分をより意識して演じたいです」と表情を引き締めた。「“夢100”の世界観に酔いしれたい」(安達)、「演じることを越えて、役として生きられたら」(高橋)など、それぞれが本作への想いを語り出すと、「“姫”(プレイヤー)がパズルをクリアしていくことで王子様にパワーを送るのもワクワクするし、イベントごとに王子様の衣裳が変わるのも楽しい!」と小林もさらにヒートアップ。周りから「“姫”の気持ちになる?」と聞かれ、頬を紅潮させつつも「“無”の気持ちです!」と返す小林に、笑い出す安達と高橋。このチームワークで挑む本番が、今から楽しみだ。公演は7月21日(金)から25日(火)まで、東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて。チケット発売中。取材・文:佐藤さくら
2017年05月29日6月9日(金)に結成30周年を記念した日本武道館公演を開催するTheピーズ。メモリアル・デイに先駆け、6月7日(水)にはシングル『異国のブラボー』と、ベストアルバム『ブッチーメリー SIDE C(2003-2005 selection)』がリリースされる。【チケット情報はこちら】1987年、大木温之(vo、b)、安孫子義一(g)らで結成、1989年にシングル『バカになったのに』でメジャーデビューしたTheピーズは、その独特な詞世界とシンプルながら奥深いバンドアンサンブルで注目を集めた。メンバーチェンジを経て1997年に活動を休止。2002年7月からthe pillowsのメンバーでもある佐藤シンイチロウ(ds)が加わり3名で活動を再開。その唯一無比のオリジナリティが高い評価を獲得し、ファンはもちろん若手からベテランまで幅広い層のミュージシャンからも熱いリスペクトを受けている。4月末に開催された野外フェス「ARABAKI ROCK FEST.17」でも「Theピーズ30周年スペシャル」企画が実現し、大木温之の双子の兄弟である大木知之(TOMOVSKY)、奥田民生、増子直純(怒髪天)、トータス松本(ウルフルズ)ら同世代のアーティストに加えて宮崎朝子(SHISHAMO)ら若手も参加して盛り上げた。山中さわお、真鍋吉明(ともにthe pillows)の参加で、佐藤シンイチロウが所属するふたつのバンド、Theピーズとthe pillowsのメンバー全員がステージに揃うというレアな演奏も繰り広げられた。そんな待望の30周年を記念する日本武道館公演に先駆け、6月7日(水)に3曲入りシングル「異国のブラボー」が全国発売される。これは5月から配信と通販とライブ会場だけで販売されていたもの。さらにはベストアルバム『ブッチーメリー SIDE C(2003-2005 selection)』も同日リリース。これは2002年に“SIDE A“と“SIDE B”が2枚リリースされているシリーズの第3弾だ。佐藤が加入してからの名曲が全21曲リマスタリングで収録されている。ぜひこのCDを聴いて、日本のロック・シーンが注目する記念すべき武道館公演に参加して、秀逸のパフォーマンスをその眼に焼付けよう。文:浅野保志(ぴあ)6月7日(水)発売■シングル『異国のブラボー』TRC-0031 1000円(税込)●ベストアルバム『ブッチーメリー SIDE C(2003-2005 selection)』KICS-3500 2484円(税込)
2017年05月29日KAAT神奈川芸術劇場の芸術監督・白井晃が贈る近代戯曲シリーズ。最新作には、イギリスの女性作家、ヴァージニア・ウルフの『オーランドー』を原作とした戯曲が選ばれた。主人公のオーランドーを演じるのは多部未華子だ。時代や国境、性別をも超えながら生きていくオーランドーという不可思議な存在に何を見出し、その世界をどう構築していくか。互いに“いつか一緒に”と望んでいたというふたりだからこそ、できることがありそうだ。【チケット情報はこちら】多部が白井と仕事してみたいと思ったのには、白井演出の数々の作品に出演している山本耕史が関わっている。「6年くらい前に出会ったときから山本さんにはずっと『絶対に白井さんと一緒にやったほうがいい』と言われていて。昨日も『稽古時間は長いけど学べることが多いから』というメールが来ました(笑)」と多部は打ち明ける。それに対して「最近は短くなった」と苦笑しながらも、「でも、稽古をやっただけいいものになります」と断言して舞台づくりへの情熱を覗かせる白井もまた、多部とのセッションを望んでいたという。「これは僕が勝手に思っていることですが、多部さんは自分が内包しているものを役に照らし合わせて演じている印象があるんですね。どういう人物かと考えてデコラティブに作っていくのではなく。だから役の中に多部さんが見える。そこがいいなと思っていました」それだけに今回も、オーランドーという主人公に多部がシンクロすることで生まれてくるものに、白井は期待を寄せている。「これは実に演劇的な仕掛けのある戯曲で、オーランドーが出会う様々な人を、小日向文世さんをはじめとするおじさん俳優たちが(笑)、演じ分けていくことになるんですけど。その“いかにも芝居です”というアンチリアリズムな構図の中で、人を愛するってどういうことなんだろう、人が生きる衝動って何なんだろうと、オーランドーが考えたり葛藤したりしていくことが多部さんの中にも起こって、最終的には人物が生身のリアルなものとして見えてくるのではないかと思ってるんです。時代も国も、男とか女とかも通り越して、私は私、今ここに生きている私が愛おしいと思えてくるような。そんなことを僕は多部さんの中に見ているのかもしれません」。多部は、男でもあり女でもあり、16世紀から21世紀にわたって生きているオーランドーを「どう捉えていいのかまだわからない」と正直に言う。が、「とはいえ同じ人間だから、何か自分の思いをリンクさせられるはず」と力強い。演劇ならではの“嘘”が“真実”を見せてくれるに違いない。舞台『オーランドー』は9月23日(土)から10月9日(月)まで神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場 ホールで、10月26日(木)から29日(日)まで、東京・新国立劇場中劇場で上演。なお、一般発売に先がけてプレイガイド最速先行いち早プレリザーブを実施。受付は5月29日(月)午前11時より。取材・文:大内弓子◆衣裳協力(多部未華子)PERMANENT MODERNSretsisJILLSTUARTGUSUCUMA
2017年05月26日西原理恵子の同名漫画が原作の、劇団た組。第14回公演『パーマネント野ばら』が6月14日(水)から上演される。劇団た組。『パーマネント野ばら』チケット情報ある田舎で女のたまり場と化した美容院「パーマネント野ばら」を舞台に “愛すべき女性の強さとずるさ”を描く本作。主人公・なおこを演じる上野なつひ、なおこの同級生・ともちゃんを演じる飛鳥凛、脚本・演出を手掛ける劇団た組。代表の加藤拓也に話を聞いた。加藤にとって「長い間やりたいと思っていて、ようやく実現した」という作品。「すごくずるいし、すごくいやしい…でもそれを嫌いになれない。そこに女性という性に対しての愛が詰まっている、西原さんらしい作品だと思います」。その主演を務める上野は「ファンの多い作品ですしプレッシャーも大きいんですけど、自分も好きな作品に出られることが嬉しいです。実は一番狂ってる女・なおこを素敵に健気に演じられたら」と意気込む。劇団た組。の公演を『まゆをひそめて、僕を笑って』『楽屋』と観てきた飛鳥は「加藤さんの舞台の登場人物は魅力的な人ばかりで、一人ひとりに引き込まれる。私も本番ではそういう女の子に見られるのだろうなと思って。あんなふうになれるのは、どんな稽古なんだろうなって」と期待を語る。ふたりにオファーした理由を聞くと「僕はお芝居を作るうえで、“普段どうしているのか”ということを大事にしていて。(芝居で選ぶのではなく)話をさせていただいて人柄とかで(役と)雰囲気がピッタリやなって方にお願いしています」(加藤)。数えきれないほど俳優と会い「一番なおこにピッタリだった」という上野は「なおことは似てる部分が多い。劇中の『何もないのに愛されたい』という台詞が好きなんですけど、私も同じことを思っていて。周りの人は何もないなんて思ってないし、何かはあるんだけど、自分自身が何もないと思ってしまっている。その弱さと欲張りさが似てると思いました」。飛鳥は「ともちゃんと自分はかけ離れた雰囲気。女性ってこうも激しいものなんだなと思いました。すごく魅力がある人なので、愛して演じていきたいです」。それに対して加藤は「稽古場でやるのは『この感情になろう』じゃなくて『この感情はどうやって生まれてくるんだろう』という作業。だから(俳優と役が)離れてるとかは気にしないんです。大事なのは雰囲気」と話す。「実は先日、西原先生にお会いしたんです」と上野。「先生も『好きな作品なので舞台化されて嬉しい』とおっしゃってましたし、頑張らなきゃな」と笑顔で語った。公演は6月14日(水)から18日(日)まで東京・浅草九劇にて。取材・文:中川實穗
2017年05月26日ワハハ本舗全体公演『ラスト3~最終伝説~』が、5月24日、東京国際フォーラムでついに幕を開けた。2013年の『ラスト』でワハハ本舗全体公演を最後にするはずが、惜しむ声の大きさから3部作のシリーズものとなったこの公演。今回の『ラスト3』が本当の最後の全体公演となる。さて、そこに待っているものは──。【チケット情報はこちら】幕開けは、長年のワハハファンにも、初めて足を運んだ観客にも、きっと胸に迫るものがあるだろう。ワハハ本舗が旗揚げした1984年から現在までの全体公演のポスターが、次から次へと映し出され、その歴史を感じさせてくれるのだ。が、もちろんワハハのこと、しんみりしている暇はない。幕が上がるとそこにはド派手な衣裳をまとったメンバーが待っている。紙吹雪が舞うなか全員で踊りまくり、メンバー紹介をしていく様には、まさに、“冒頭からいきなりクライマックス”を標榜するワハハのパワーがみなぎっている。そのあとはもう、“ザッツ・エンターテインメント”が怒涛のように押し寄せる。2016年の『ラスト2~New Hope新たなる希望~』でマイクを置いたワハハの歌姫・梅垣義明のパフォーマンスはファン待望の展開に。ワハハでしかできないバカバカしくも賑やかな演出で客席を巻き込んでいく姿は必見だ。久本雅美と柴田理恵による恒例の漫才は、「最後になぜこれを……!?」と思わせるシュールなネタ。しかし、それがあまりに独自すぎて笑わずにいられないのである。またこのふたりは、ソロでの爆発力も見逃せない。バラエティー番組でもその面白さはお馴染みではあるが、ワハハでのパフォーマンスはその比ではないことが、舞台を見ればわかるだろう。自虐や下ネタを散りばめながら生み出していく創造的な世界は圧巻だ。久本が宣言していた舞台上での結婚式も、日替わりゲストを迎えながら相手選びが行われるが、そこにも思わぬオチが待っている!ほかにも、佐藤正宏の女形での日舞、歌合戦、大久保ノブオが自身で作詞して歌い上げる「ラスト・ラン」、カッコいいのに笑えるメンバー全員のコンテンポラリーダンス、そして忘れてはならない裸スーツの登場などなど、ジャンルにかかわらないショーがてんこ盛り。これから全国を回るが、8月24日(木)の東京凱旋公演も決定した。楽しませたいという思いが過剰なまでにあふれた、本当に“伝説”となるであろうステージ。目撃しておきたい。東京国際フォーラムでの東京公演は5月28日(日)まで。各地公演ともチケット発売中。8月24日(木)に東京・中野サンプラザで行われる凱旋公演は明日5月27日(土)よりプレリザーブの抽選受付が開始される。取材・文:大内弓子
2017年05月26日ジェーン・バーキンが8月19日(土)に東京・オーチャードホールで来日公演「バーキン - ゲンズブールザ・シンフォニック」を開催する。今回の公演はジェーン・バーキンがセルジュ・ゲンズブールの曲を東京フィルハーモニー交響楽団の演奏をバックに歌う一夜限りのスペシャルライブ。【チケット情報はこちら】彼女は4月26日に発売した最新アルバム『シンフォニック・バーキン&ゲンズブール』において、ゲンズブールの楽曲をオーケストラ・アレンジでカバー。同作は東日本大震災直後に来日した際に出会った日本の作曲家、中島ノブユキと共に作り上げたアルバムで、公演にも中島はオーケストラ編曲・ピアニストとして参加する。ジェーン・バーキンはインタヴューでセルジュ・ゲンズブールがこのアルバムにどんな言葉をかけてくれると思いますかという質問に「泣いたと思います、絶対に。感動して。セルジュが生きていたら、ノブのような作曲家がこうして人生の一部を捧げてくれたことに喜ぶのではないかしら。心打たれるに違いありません」と答えている。来日公演に際し、彼女の動画メッセージが公開中。下記リンクより。チケットは本日5月26(金)午後11時59分までプリセールを実施中。一般発売は5月27日(土)午前10時より。■バーキン - ゲンズブールザ・シンフォニック日時:8月19日(土)開場17:00 / 開演18:00会場:オーチャードホール(東京都)オーケストラ編曲・ピアノ:中島ノブユキ指揮:栗田博文管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団料金:S席25,500円 / A 席13,500円 / B席11,500円(全席指定・税込)※S席には最新アルバム『シンフォニック・バーキン&ゲンズブール』付き
2017年05月26日落語家・三遊亭圓朝の長編人情噺を原作にした芝居噺『名人長二』が5月25日に開幕。本作は、小泉今日子が仲間と共に立ち上げたプロジェクト「明後日プロデュース」の第二弾公演。小泉が舞台初演出を手掛けた『日の本一の大悪党』に続く作品で、今作は俳優として活躍する豊原功補が企画・脚本・演出・主演の4役に挑む。その稽古場に潜入した。芝居噺『名人長二』チケット情報『名人長二』は、「死神」などでも知られる三遊亭圓朝による落語速記(口演を文章化したもの)。フランスの小説家ギ・ド・モーパッサンの短編小説「親殺し」をもとに、近所に住んでいたという指物師(箪笥や箱などを作る職人)長二郎をモデルにして新聞連載として発表した。圓朝自ら高座へあげたことはなく、古今亭志ん生ほか数人しか手を付けていないため、落語ファンでも未体験の人が多い演目だ。出演者は、豊原のほか高橋惠子、山本亨、森岡龍、モロ師岡、梅沢昌代、花王おさむ、菊池均也、神農直隆、岩田和浩、牧野莉佳という重厚感のある顔ぶれ。稽古開始前の時間。豊原は舞台上に作られた高座でまくら(本題への導入となる小噺)を練習していた。今の状況を落語風に話してみたりと、豊原の落語愛が伝わってくる。そして始まった稽古。まずは代役を立て、演出家として見ていく豊原。芝居全体はもちろんだが、例えばボケツッコミの間合いのよさ、鼻歌ひとつで伝わる登場人物の性格など、“落語の面白さ”とも言える部分に徹底的にこだわりながら場面をつくりあげていく。そうやってシーンを何度か繰り返した後、豊原が役者として参加。そうすると空気が締まり、シーンがよりクリアに見えたのは印象的だった。また、舞台初出演の森岡のダメ出しにこたえる姿にも真摯さが滲み、本番への期待につながった。落語ならではの短いテンポで変わっていく場面は、大掛かりなセット転換ではなく、シンプルに小さなワゴンの移動や組み合わせで表現される。冒頭で、噺家が語り描く世界がワゴンの移動によってするりと“演劇”に転換された様子に、落語が始まるまさにその瞬間のグッと引き込まれ目の前に世界が広がる感覚を味わえた。そのほかにも、小道具が手ぬぐいと扇子で表現されていたり、三味線の生演奏が入るなど、落語の香りを濃厚に漂わせながら、生身の人間が演じる演劇ならではの広がりを感じさせる本作。稽古を見ていると『名人長二』の面白さを知り、落語でも体験したくなった。落語好きは演劇の、演劇好きは落語の魅力を体感できる作品になりそうだ。公演は6月4日(日)まで東京・紀伊國屋ホールにて。取材・文:中川實穗
2017年05月26日ミュージカル『レ・ミゼラブル』が、プレビュー公演を経て5月25日、初日の幕を開けた。日本でもコンスタントに上演され続けている人気作だが、今回は1987年の日本初演から数えて30年目の節目の公演で、いつも以上に注目が集まっている。同日、初日キャストである福井晶一、吉原光夫、知念里奈、昆夏美、生田絵梨花、森公美子が取材に応じた。チケット情報はこちらヴィクトル・ユゴーの同名小説を原作に、19世紀初頭のフランスの動乱期に生きる人々の姿を描く群像劇。パンを盗んだことから19年投獄されたのち、名を変え新しい人生をまっとうに生きていこうとする主人公ジャン・バルジャンを演じる福井は「日本初演30周年。日本の皆さまにこれだけ愛され続けてきた作品に出演出来て嬉しく思います。先輩方が築き上げ、繋いできたバトンをしっかり守っていきたい」と意気込みを。バルジャンを追う刑事ジャベール役の吉原も「感慨深い。30年、たくさんのキャストやお客さまが携わり作り上げてきたものに負けないよう、でも意識しすぎないよう冷静に演じたい」と話した。30年のあいだ、多くの新しいキャストが加わり、卒業を繰り返していった作品。今回も、1987年の日本初演でバルジャンの養女・コゼットを演じた鈴木ほのかが、コゼットをいじめる宿屋のおかみマダム・テナルディエとして初参加するなど話題も多い。初日メンバーの中ではコゼット役の生田がニュー・キャストだが「先輩方が築き上げてくださったものをしっかり受け継ぎながら、新しい空気感を出していけるように頑張っていきたい」と初々しく挨拶した。乃木坂46のメンバーとして活躍する生田だが、1月に『ロミオ&ジュリエット』で本格的にミュージカルデビューを果たし、今回が歴史ある帝国劇場への初出演。ファンテーヌ役の知念が「いくちゃんはどんどん進化している。私もかつてコゼットを演じていたので、ファンテーヌ役もいつかやってくれたら嬉しい」、エポニーヌ役の昆が「自分の大好きな人が生田さん演じるコゼットに思いを寄せているという物語なのですが、生田さんを見ていると、これだけ美しく歌声も素敵なので、完敗だなと…」と話すなど、共演者からも高い評価を得ているよう。またマダム・テナルディエ役の森も「生田さんは本当にまっすぐで、声も素直に出る。何も言うことがない。最初はキスシーンなどにぎこちなさがあったけれど、今はもう“大女優”! ファンの方たちが相手役に嫉妬するんじゃないかと思うほど。素晴らしい」と絶賛、さらに「イギリス人のスタッフの方が、わざわざ生田さんを呼び出して「綺麗」って言ったのよ」とも明かした。最後に改めて福井が「ひとりひとりが作品と向き合い、いい仕上がりになっている。たくさんの方にこの作品の感動を届けたい」と話し、キャストは初日の舞台へと向かった。30年愛され続ける名作を、節目の年にぜひ。なお、メインキャストはすべてトリプルキャストで、日によって出演者は異なる。東京公演は7月17日(月・祝)まで同所にて。その後8月に福岡、9月に大阪、9~10月に愛知でも上演される。
2017年05月25日