チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (35/342)
2018年初演の日本キャスト版『メリー・ポピンズ』が新キャストを迎え待望の再演。初演同様、煙突掃除屋のバートを務めるのがダンサーで俳優の大貫勇輔(ダブルキャストは初役の小野田龍之介)。続投の知らせに大貫は「4年間で学んだことをプラスできる。ワクワクした気持ちが溢れてきました」と合同取材会で意気込みを語った。ミュージカル『メリー・ポピンズ』チケット情報舞台は1910年のロンドン。不思議な力を持つメリーが、子守が居つかないバンクス家に現れたことで騒動が巻き起こる。同名の児童文学が原作の愛と魔法に溢れたミュージカルだ。原作を映画化しアカデミー賞5部門を受賞したディズニーと『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』を手掛けるキャメロン・マッキントッシュがタッグを組み舞台化した。初演時、長期にわたるオーディションでバート役を射止めた大貫。実家のダンススタジオで10代の頃から講師を務めていた経験から「教室で子どもたちに伝える感覚とバートがバンクス家の子どもたちと接する感覚が近くて。本能的にバートはハマり役という感覚があった」。初演時、「初日の幕が上がった時、人生で初めて泣きそうになりました」と語る。初演から4年を経た今「選択肢が増えた」と自信をのぞかせる。弱点に感じていた歌唱はミュージカル『王家の紋章』のイズミル役で鍛えられた。憧れのシルヴェスター・リーヴァイの楽曲を前にダンスを封印、猛特訓の甲斐あり高音への苦手意識が薄まった。続くミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』では初のミュージカル作品での座長に大抜擢。約1年半かけて身体を作り込むと、コロナ禍にも公演を成功へ導いた経験が血肉となった。本作ではバートとしてメリーへの特別な想いを抱きつつ、バンクス家を良くしようと奔走する。「てんてこ舞いだった初演に比べ、再演の舞台ではちょっとした台詞が胸に突き刺さる」と一段深い視点から役作りに挑んでいる。メリー役は濱田めぐみ、笹本玲奈のダブルキャスト。「濱田メリーは隙の無いミス・パーフェクト。尊敬の思いが強いので子犬みたいに撫でてほしいという意識になる。笹本メリーはもう少し人間味があって、尊敬より恋心が大きい。だからかっこつけたくなっちゃう」と。ぜひ見比べてほしい。『チム・チム・チェリー』など耳馴染みのある楽曲、圧巻のダンスシーン、随所に盛り込まれた“魔法”の数々など見どころ満載の本作。「メリーが客席に飛んでいく場面では何度見ても泣けちゃうし、本当に魔法に思えてくる。トリックアートのようなセットや照明も美しく、そこに普遍的な家族の愛のテーマが描かれる。総合芸術として完成されたミュージカルです」と笑顔いっぱいに語った。大阪公演は5月20日(金)から6月6日(月)まで、梅田芸術劇場メインホールにて。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2022年05月12日『SUMMER SONIC 2022』が8月20日(土)・21日(日)の2日間、東京・大阪で開催される。SUMMER SONIC 2022 チケット情報20日(土)東京公演・21日(日)大阪公演のMARINE/OCEAN STAGEは、ヘッドライナーのTHE 1975を筆頭にKing Gnu、MANESKINといった世界のロックシーンを凝縮した見逃せない布陣に。THE 1975のレーベルDIRTY HITSからRINA SAWAYAMA、BEABADOOBIEもラインナップ。MOUNTAIN STAGEはMAN WITH A MISSION、THE OFFSPRING、FISHBONEが中心となったサマソニ印のパンク&ミクスチャーの祭典となる。SONIC STAGEはST.VINCENTをステージヘッドライナーにKACEY MUSGRAVESといったクリエイティビティ溢れるアーティストからSQUIDら注目のアーティストが集結する。そして、21日(日)東京公演・20日(土)大阪公演のMARINE/OCEANは、POST MALONE、ONE OK ROCK、MEGAN THEE STALLIONがひとつのステージで観ることができるという超贅沢なラインナップとなる。MOUNTAINは、東京のPRIMAL SCREAM、大阪のKASABIANをヘッドライナーにしたUKロック勢が大充実。注目のTOMORROW X TOGETHERもこのステージに出演する。SONICはCARLY RAE JEPSEN、CL、GRIFFらポップ・ミュージックシーンの注目アクトがズラリと並ぶ。これで今年の各ステージのカラーが見えてきた。チケットは5月28日(土)10:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、5月26日(木)23:59まで、大阪公演のチケット先行先着プリセール実施中。
2022年05月12日2022年4月より本格始動したチケットぴあ主催の若手バンドを応援するライブハウス企画「Grasshopper supported by チケットぴあ」。2回目となる「Grasshopper vol.2」は、5月23日(月)下北沢CLUB Queにて「インディアカヌー」「youth」「ORCALAND」の3組を迎えて開催すること決定した。合わせて、5月11日(水)20:00よりチケットぴあにてチケット販売が開始。熱いライブパフォーマンスが注目を集めている3バンドが集結!ぜひこの機会にライブをチェックしてほしい。なお、チケットぴあで前売りチケットを購入すると出演バンドのサイン入り「GrasshopperオリジナルTシャツ」が抽選で1名に当たるプレゼント企画も実施。【Grasshopper vol.2 チケット情報リンク】【Grasshopper supported by チケットぴあイベントサイト】
2022年05月11日ケラリーノ・サンドロヴィッチによる傑作ホラー・コメディ舞台『室温~夜の音楽~』が2022年6月25日(土)から世田谷パブリックシアターで上演される。田舎で二人暮らしをしているホラー作家の海老沢十三(堀部圭亮)と娘・キオリ(平野綾)。12年前、拉致・監禁の末、集団暴行を受け殺害されたキオリの双子の妹・サオリの命日の日に、さまざまな人々が海老沢家に集まってくる。巡回中の警察官下平(坪倉由幸)、海老沢のファンだという女・赤井(長井短)、タクシー運転手の木村(浜野謙太)、そして加害者の少年の一人である間宮(古川雄輝)......。死者と生者、虚構と現実、善と悪との境が曖昧になっていき、やがて過去の真相が浮かび上がってーー。今回、主演する古川雄輝は、およそ3年ぶりの舞台で「楽しみな気持ちでいっぱい」と気持ちを明かす。「映像作品ではなかなか演技指導を受けるような時間が取れませんが、演劇はしっかりと稽古がある。壁にもぶち当たるんですが、何かひとつでも成長できたら」と貪欲な姿勢を崩さない。KERAらしいホラー・コメディ作品。古川は「まさに映像よりも舞台で観たいホラー・コメディ作品ですよね。初めて舞台を観る人は『笑っていいのかな?』と困るかもしれませんが(笑)、誰かがクスッと笑ってくれたら、周りも笑っていいんだと思ってもらえる気がします。日に日に笑ってもらえるポイントが変わりそう」。ちなみに古川自身は「引き出しが多くないとコメディは難しいし、ホラーもそんなに経験があるわけではないので、どちらも慣れたものではないです」と話していた。2010年に開催された新人発掘オーディション「キャンパスター★H50withメンズノンノ」で審査員特別賞を受賞し、芸能界デビューした古川。帰国子女ということで英語が得意で、中国版ツイッターWeiboでは450万人以上のフォロワーがいる“海外派”でもある。だが、今後やってみたい仕事を尋ねると「やりたいことは叶ってきたので、今は具体的にない」。ちなみに新人の頃から憧れは佐々木蔵之介。「ずっとお名前を出してきたので、なんだか申し訳ないのですが。蔵之介さんは、頭が良くて、テクニックがあって、引き出しが多い。人柄も優しく、憧れです」。舞台を楽しみにしている観客へのメッセージを尋ねると、「ホラーとコメディが融合した作品で、見終わった後にすごく不思議な感覚になると思いますので、まずはそれを楽しみにしていただきたい。個人的には久々の舞台。キャストの皆さん、スタッフの皆さんと一緒に一生懸命稽古をしていきますので、ぜひ劇場に来ていただきたいと思います」取材・文:五月女菜穂
2022年05月11日ミュージカル『モダン・ミリー』の製作発表会見が2022年5月10日、東京都内で行われた。本作は1967年公開のミュージカル映画を原作に、映画公開から約30年を経て舞台化したもの。2002年にトニー賞作品賞や主演女優賞などを受賞し、大ヒットしている。本来、2020年4月に上演を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大や緊急事態宣言の発出を受けて、開幕直前に公演中止に。今回は、およそ2年半の時を経て、9月7日(水)に初日を迎える予定。演出の小林香が中止決定時にキャスト・スタッフにあてた手紙の中の言葉を借りれば、“大幅な延期”を経て、満を持しての上演となる。モダンガールに憧れて田舎町から出てきたミリー・ディルモント役を演じる朝夏まなとは「お稽古をすべて終えて、やっと劇場に入れるというときに止まってしまいまして。やるせない気持ちと切ない気持ちと、でも仕方ない気持ちもどこかにあって、救いようのない想いでいっぱいだった」と公演中止のことを振り返りつつ、「(小林の)“大幅な延期”という言葉を信じて、2年越しに公演ができることが嬉しいです。2年間、他のいろいろな作品に携わってきて、自分自身が成長できていたらいいと思っています」などと意気込んでいた。ジミー・スミス役の中河内雅貴も「2年前は心が苦しかった時期でもありました。この作品はとてもハッピーな作品で、辛い時にもこの作品の楽曲を聞き直して、自分自身、救われた部分がありました。きっと観てくださるお客様の心もハッピーにしてくれる。ぜひとも劇場に足を運んでいただいて、明日への活力になるような存在でいたいなと思います」と熱弁をふるった。そんな中、ミリーの就職先の社長であるトレヴァー・グレイドン役の廣瀬友祐が「良いのか悪いのか、まったくこの作品の記憶がなくてですね......久々に台本を見たんですが、記憶はありませんでした」と正直に明かすと、会場からは笑い声が聞かれた。それに対し、ミセス・ミアーズ役の一路真輝は「(公演中止という)あの時のショックはかなりダメージとして残っておりまして、それもあってか、私は結構鮮明に覚えておりまして。朝夏さんのタップ、廣瀬くんの不思議な役作り、保坂さんの可愛らしい歩き方。全て忘れていないですよ」と話していた。本作の見どころについて、演出の小林は「金太郎飴のように、どこを切りとってもブロードウェイミュージカルの楽しさが詰まっている。とても明るく楽しいミュージカルで、疲れた心を癒すのにいい作品」。劇中のお気に入りシーンについて尋ねられると、「ふんだんにあるタップのシーン」(朝夏)という意見や「プロローグの場面がすごく好き」(実咲凜音)、「ミリーちゃんとジミーの純粋なラブストーリーが軸にあって、2人を応援したいなと思った」(保坂知寿)などと具体的な回答が寄せられていた。公演は2022年9月7日(水)〜26日(月)日比谷・シアタークリエ 、10月1日(土)、2日(日)大阪・新歌舞伎座で上演される。取材・文:五月女菜穂
2022年05月11日昨年、現在の芸名におけるデビュー50周年を迎えた五木ひろしが、東京・明治座で昭和歌謡の“五大作曲家”を演じる。若手歌手への熱血指導を通じて昭和を彩った音楽の魅力を紐解く『五木ひろし劇場』の構想を、五木本人とゲストの市川由紀乃に聞いた。新春『五木先生の歌う!SHOW学校』舞台版が新型コロナウイルス感染症の影響で公演延期となり、明治座での座長公演は約2年半ぶりとなった五木。「リベンジでもよかったのですが、仕切り直して別の企画を」と考えるようになった背景には、「後進にチャンスを与えたい」──という想いが滲む。その想いが色濃く現れるのは、遠藤実・吉田正・船村徹・服部良一・古賀政男が生み出した楽曲を2日ごとに紹介する「第一部:不滅のメロディ 昭和の五大作曲家を歌う」だ。ゲストは各作曲家がつくった楽曲をレパートリーとする歌手になって、五木演じる作曲家からレッスンを受ける。五木は「たとえば僕が遠藤先生を演じる時、由紀乃ちゃんは山本リンダになって『こまっちゃうナ』を歌ってもらうの」と横にいる市川に語りかける。「遠藤先生がヒットに恵まれず困っていた頃、リンダちゃんを預かって。彼女がレッスン中に発した“リンダ、困っちゃう”という言葉にピンと来て生まれたのが『こまっちゃうナ』だったんです」と五木。芸歴が長いだけあって、作曲家と歌手の間に生じたエピソードが頭の中に数多く入っているという。「歌の背景を“知っている”のが僕の大きな武器」「台本をつくらずアドリブで先生方の偉業を観客の皆さんと共有できたら」と笑う。回によって内容も異なるそうだ。五木渾身のアドリブを受ける市川は、回によって島倉千代子や美空ひばりにも扮する。市川は「名曲誕生の瞬間が形になる。これをエンターテインメントとしてお客様に届けることを第一に考える五木先輩も偉大です」と述べ、「名だたる歌い手の方になることで、私の中に眠る引き出しがまたひとつ開く予感がしています」「五木先輩に感謝しながら、全力でアドリブに応えられたら」と意気込んだ。名曲の歴史を紐解く第一部は、若手にとって歌の本質を掴む格好のレッスンになるだろう。五木は「僕が可能性を感じる子たちに声をかけた」と隣にいる市川をはじめ、ゲストの朝花美穂、辰巳ゆうと、新浜レオン、ベイビーブーに華を持たせる。そんな彼らの新曲やデビュー曲を中心に届ける第二部で、五木は司会に徹する。第三部は五木のワンマンステージ。5月25日(水)にリリースされる新譜「北前船」をラストに歌って盛り上げ、「勇ましい気持ちでお帰りいただけたら嬉しいです」と構成を明かした。公演は、5月13日(金)~22日(日)に東京・明治座にて。チケットぴあではチケット販売中。取材・文:岡山朋代
2022年05月11日劇作家兼演出家のG2が、新作ミュージカル『スワンキング』を書き下ろし。自ら演出も手がける。そこでG2に、本作に寄せる想いを語ってもらった。芸術に傾倒するあまり浪費を繰り返し、“狂王”と呼ばれたバイエルンの国王ルートヴィヒ二世と、“天才”と言われつつ、借金と女性問題に苦しんだ作曲家リヒャルト・ワーグナー。G2はワーグナーの妻に関して書かれた本との出会いから、彼らを中心に据えたミュージカルの創作を思いついたと言う。「その本がまんまお芝居にしたいくらい面白くて、もともと興味のあったふたりの関係に、コージマというワーグナーの妻を絡ませた芝居を作りたい、という直感が働きました。なにより惹かれたのが、僕にも似たふたりの男のダメさ加減(笑)。でも夢を追い求める彼らのピュアさというのは、そのダメなところを補って余りあるのではないかと思ったんです」核となるふたりを描く上で、G2が特にこだわったのが…。「このふたりって仲が良かったのは最初だけで、後はずっと喧嘩しているんですよね。そんな男ふたりが憎んだり、愛したりする姿勢。特に僕は、彼らが格闘している姿がすごく好きで。そういった部分を抽出して描きたいと思いました」A.B.C-Zの橋本良亮がルートヴィヒを、別所哲也がワーグナーを演じる。「橋本くんとは去年、全公演中止になってしまった音楽劇でご一緒し、その時からルートヴィヒにいいんじゃないかと思っていました。感受性が強過ぎる、あまりオープンじゃない王様の役がとても合いそうだなと。別所さんのワーグナーは、これハマり役だと思いますね。先日一曲だけ歌ってもらう機会がありましたが、いきなりイメージ通りで。憎たらしい、嫌な感じの男をうまく演じてもらえそうです」音楽もすべて書き下ろし。三谷幸喜作品でもおなじみの荻野清子が手がける。「僕の演出意図を汲んでもらい、演出代行なくらいの気持ちで曲を作ってもらわないと出来ない芝居なので、荻野さんに参加してもらえたのは本当に嬉しいです。自分でもこれは理不尽だなと思ったオーダーが、芝居の流れ的に、『最初は楽しくて最後が絶望的というのを一曲の中でやって欲しい』というもの。言うは易し、ですよね(笑)。でもそれが見事に出来上がってきて。今回の僕の目標が、『どこから輸入したの?』と言われる作品に必ずすること。ミュージカルが輸入産業になってしまっている、今の日本の演劇界を変えたい。そのために一石を投じるような作品にしたいなと思います」取材・文:野上瑠美子
2022年05月10日東京を拠点に活動するメタルコアバンドPROMPTSが、この夏、初のフルレングスアルバムをリリース。7月8日(金)の東京・Spotify O-WEST公演を皮切りに全国ツアーを開催する。初日の東京公演は、a crowd of rebellion、DANGERxDEER from コロナナモレモモ(マキシマム ザ ホルモン2号店)と競演!ツアーの続報は随時発表されるとのこと。PROMPTS チケット情報チケットは、5月17日(火)23:59まで東京公演のオフィシャルHP先行(先着)を受付中。
2022年05月09日梅田スカイビルにある「絹谷幸二 天空美術館」が、小中学生を対象に募集した「第1回 絹谷幸二 天空美術館 キッズ絵画コンクール」の受賞作品が決定。4月29日(金・祝)より、同美術館にて『キッズ絵画コンクール 優秀作品展』として一般公開されている。絹谷幸二 天空美術館チケット情報「あなたの大切な人たち、自然、まち並み」というテーマで募集された今回のコンクールには、国内や海外から3009点の応募があり、その中から厳正な審査(審査委員長 絹谷幸二氏)により、絹谷幸二キッズ賞 グランプリ1点、部門(小学校低学年・小学校高学年・中学校)優秀賞3点、館長賞1点、佳作賞22点、入選13点が選ばれた。4月29日(土・祝)には、展覧会開幕に先立って各賞の表彰式が行われ、受賞された40人の中から32人が出席。関係者や同行の家族が見守る中、グランプリに選ばれた舛井勝秋さん(小学校4年生)をはじめ、一人ひとりが壇上に呼ばれ各賞の表彰状と賞品が贈られた。グランプリに選ばれた舛井さんは「グランプリと聞いてびっくりしました。この絵はおじいちゃんとおばあちゃんのところに行くときに、いつも気になっていた丘に上の風車を描きました。これで電力を作っていることにも驚き、もっとみんなに知ってもらおうと描きました」と喜びを表していた。また、今回の応募数の多さや全体レベルの高さに、当初募集時にはなかった特別賞が急きょ追加設定され、館長賞として伊藤ひかりさん(小学校6年生)の作品が選出された。審査委員長 兼 絹谷幸二 天空美術館名誉館長の絹谷幸二氏は「絵は上手くなくてもいいんです。むしろ下手な方がその人らしさが出ます。自分が感じたままを描けばいい。絵は心を映す鏡。絵を描くということは元気になる、心を弾ませるということです。そんな観点で、たくさんの作品の中から際立って素晴らしいと思った作品に、賞を贈らせていただきました」と講評。受賞した子どもたちだけでなく同席された保護者に向けても、子どもと一緒に絵を描くことを推奨されていた。『優秀作品展』の特別会場には、今回受賞した40点が展示されている。子どもたちが描いた、のびのびとしたイメージと色彩を、原画ならではの迫力で間近に感じることができ、そのレベルの高さに圧倒されるはず。次世代を担う子どもたちの新しい感性や世界にふれてみてはいかが。6月27日(月)まで、文化勲章受章・開館5周年記念特別展『永遠にあたらしい!! 人類最古の壁画技法 アフレスコ』とともに開催中。注)文中の学年はすべて作品応募当時取材・文・撮影:滝野利喜雄
2022年05月09日昨年、紫綬褒章を受章した俳優の内野聖陽が舞台『M.バタフライ』に主演する。1988年トニー賞受賞作、日本では32年ぶりの上演となる。舞台は1960年代文化大革命の北京。駐在フランス人外交官ルネ・ガリマール(内野聖陽)は、京劇のスター女優ソン・リリン(岡本圭人)と20年に及ぶ愛に溺れる。その実、ソンは毛沢東政府のスパイであり、男だった―――。国家機密情報漏洩の罪により投獄されたルネは、オペラ「蝶々夫人」と対比させながら自らの正当性を観客に説いていく。あまりにも残酷で衝撃的な、実話がベースの愛の物語だ。「M.バタフライ」チケット情報「ぜひ内野さんで」とのオファーを受けて台本を読み「役者として挑戦しがいのある作品」と出演を快諾したと話す内野。「現実に見ていたものがまったく真実ではないと分かったとき、人間はどうなってしまうのか」。そこに興味と面白味を見出す。ルネ役については「ロマンチストなのかな。彼には妻がいて、外交官としての出世を選んだ。愛は捨て去ったつもりでいたが、たまたま東洋の女優に恋をし、彼女に理想の女性像を投影してしまう。女性に擦れていない人で、東洋の神秘性に強い憧れや敬意を持っているような男性。戯曲を読んでいると、とても切なくなる時があります」。続けて「愛には幻想が含まれる」とも。とりわけ恋愛において人は、相手を見たいようにしか見ない。その意味で「僕からも皆さんからも遠くない、誰しもに起こること。ご覧になる方がこれなら騙されるな、と納得できる点を掘り起こしていきたい」と語る。作品の肝であり見どころのひとつに「ルネが東洋の神秘に絡めとられる」様をあげる。そんなルネのみならず、観客をも惑わすのがソン役の岡本圭人だ。内野は「イギリスで7年間の留学経験があり、アメリカでも演技の英才教育を受けている。非常に勉強熱心な方」と岡本の印象を語る。「舞台は2度目で新人に近い初々しさがありますが、役と向き合う粘り強さや気迫を感じる。ルネが真実めいた虚像に絡めとられていくという要の部分も、彼となら丁寧に描いていけるはず」と稽古を心待ちにする。物語は投獄されたルネの独白で始まる。「観客を60年代当時に心地よくお連れする水先案内人のような役。途中でハラハラし、最後にあっと驚くみたいな回想劇のような組み立てです。100%フィクションではないところが興味深い。彼がどういうふうに恋をして、いかに国家機密の罪に陥ったのか。皆さまの心にも起こるであろう間違い、錯覚も含めて楽しんでいただけたら」とアピールした。公演は6月24日(金)から7月10日(日)まで東京・新国立劇場 小劇場にて、7月13日(水)から15日(金)まで、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて。チケットぴあでは、5月10日(火)10:00から15日(日)23:59まで2次抽選先行を受付。一般発売は5月21日(土)より。ほか福岡、愛知公演あり。取材・文:石橋法子
2022年05月09日アメリカの脚本家レジナルド・ローズの代表作を、西沢栄治の演出で立ち上げるゴツプロ!『十二人の怒れる男』。開幕を約2週間後に控えた稽古場を訪れると、主宰の塚原大助をはじめとする全キャストと西沢が白熱した創作を繰り広げていた。年齢や境遇の異なる12人の陪審員が一堂に会し、父親殺しの容疑で起訴された少年の罪を審議する本作。アメリカのテレビドラマ(1954年)として放送されたのを皮切りに、舞台化や映画化(1957年)が繰り返されているクラシックな法廷劇だ。誰もが少年の有罪を確信する中で、陪審員のひとりが「話し合いたい」と異議を唱える。少年に不利な証言の疑わしい点を再検証するよう彼が働きかけると、他の陪審員が抱えるさまざまな偏見や先入観、無関心が浮き彫りになっていき──。4月中旬からスタートした稽古は、西沢いわく「現代に上演しても違和感のないよう、翻訳を“揉む”時間が長かった」そう。その後、返し稽古でシーンの精度を上げつつラストまで辿り着いたタイミングで取材日が訪れた。見学したのは、初対面の陪審員が席について議論を始める冒頭のシーン。戯曲によれば「今年いちばんの暑さ」らしく冷水器へ一直線する者、煙草に火をつけ一服する者、窓の外を眺める者、カジュアルに雑談する者など、開始5分も経たない12人の登場シーンながらそれぞれのキャラクターが早くも透けて見えた。有罪・無罪を問わず、判決は全員一致でなくてはならない。最初の投票を前に、西沢は流れを止めた。久しぶりに稽古する登場シーンを「懐かしいね」と笑いながら重厚なテーブルを囲むキャストに近づくと「リアルで同じ時間を積み重ねたぶん、打ち解けてしまっていて初めて会った人感に欠けますね」「距離感と緊張感を意識して、もっと他人行儀な感じを出して欲しい」とオーダーする。西沢の演出を経て、初対面のぎこちなさが再び充満する稽古場。異論を唱える陪審員第8号の意見ゼリフをおとなしく聞く流れになると、すかさず西沢が「聞いている間も横でコミュニケーションを図って全体が蠢いているように見せたい」と提案し、キャスト同士で自然とトライ&エラーが始まっていく。中でも合理的で冷静な4号を演じる塚原に、西沢は「セリフの時にボールを持ちすぎだから、相手にすっと投げて」とフィードバックして劇中における議論の活性化を促していた。キャストは塚原(4)のほか、ゴツプロ!メンバーの浜谷康幸(11)、佐藤正和(7)、泉知束(8)、渡邊聡(1:陪審員長)、44北川(6)に加えて、関口アナン(5)、三津谷亮(12)、劇団桃唄309の佐藤達(2)、椿組の木下藤次郎(守衛)、山本亨(3)、ワハハ本舗の佐藤正宏(10)、文学座の小林勝也(9)がキャスティングされている。公演は、5月13日(金)~22日(日)に東京・本多劇場にて。チケット販売中。取材・文:岡山朋代※(カッコ)内の数字は、役名となる陪審員の番号
2022年05月06日昨年8月に宝塚歌劇団を退団した元月組トップスターの珠城りょうが、退団後初のソロコンサート『CUORE』を開催。大阪公演を盛況に終え、5月13日(金)より東京国際フォーラム ホールCでの幕が上がる。珠城りょう1stコンサート『CUORE』チケット情報入団9年目に異例の速さでトップ就任。温かみのある歌声、スラリと伸びた手脚から繰り出されるダイナミックなダンス、繊細な演技、そして包容力と真っ直ぐさで組を牽引してきた珠城。川崎悦子が構成・演出・振付を手掛ける今回のステージは、チーフパーサーに扮した珠城とともにタイムマシン「CUORE号」に乗車し、時間旅行を楽しむというストーリー仕立てのコンサートとなっている。開演アナウンスは、珠城による搭乗案内。観客を『CUORE』の世界へといざなっていく。黒のサングラスをつけ、グレーのロングコートをまとった珠城がクールに登場するや、Official髭男dismの楽曲『Amazing』で幕開け。珠城が宝塚歌劇団在団中に発売されたSpecial Blu-ray BOX内でカバーした楽曲で、今回が初の生パフォーマンスとなる。温かみのある伸びやかな歌声とキレのあるダイナミックなダンスは健在。髪も伸び、従来のカッコよさに加えて柔らかさが増した印象だ。ロングコートを脱いだ珠城は、一転、上下ともに白、ノースリーブにパンツスタイルの爽やかな衣装や、黄色のブラウスと緑のパンツといったレトロポップな衣装をまとったりと、シーンによってさまざまに表情を変えていく。近未来からスタートし、1930年のアメリカ、宝塚歌劇団時代、1950年代のパリ、現代…と、時空を超えてさまざまな場所へと移るこの時間旅行。その中で、珠城のオリジナル曲や、往年のスウィングジャズの名曲、宝塚時代の印象深い楽曲、ミュージカルナンバーなどを披露していく。観客も一緒に踊り、盛り上がれるシーンもあり、一体感が味わえるのもうれしい。曲の合間には、珠城をはじめ、パーサーに扮したダンサーたちとのコミカルなやり取りも。珠城と上口耕平をはじめとするパフォーマーたちの息もぴったり。カンパニーのムードの良さも伺え、そこにも珠城のおおらかさと求心力が垣間見える。パフォーマンス中は元男役らしいスタイリッシュさも感じさせながら、トークでは肩の力が抜けたような朗らかな表情を見せる珠城。観ている側も思わず笑顔になれる温かいステージ。東京公演は元星組男役スター・愛月ひかるがゲスト出演する回も。ふたりがどんなコラボレーションをするのかお楽しみに。東京公演は5月13日(金)から15日(日)まで、東京国際フォーラム ホールC。愛月ひかる出演は5月13日(金)17:00、14日(土)13:30、17:00公演。PIA LIVE STREAMでは愛月がゲスト出演する5月14日(土)13:30回をライブ配信(アーカイブ配信なし)。チケット発売中。取材・文:黒石悦子
2022年05月06日『スコットランド国立美術館THE GREATS美の巨匠たち』が東京都美術館(台東区)で開催中だ。1859年に開館したスコットランド国立美術館は、世界でも指折りの西洋絵画コレクションを有する。本展は、そのコレクションの中から、ラファエロ、エル・グレコ、ベラスケス、レンブラント、ブーシェ、スーラ、ルノワールなど、ルネサンス期から19世紀後半までの西洋絵画史を彩る巨匠たちの作品を展示。そのほか、ゲインズバラ、レノルズ、ブレイク、コンスタブル、ターナー、ミレイといったイングランド出身の画家に加え、日本ではなかなか見ることのできないレイバーン、ラムジー、ウィルキー、ダイスなどスコットランド出身の代表的な画家たちの名品も。油彩画・水彩画・素描約90点を通じ、西洋美術の流れとともに、ヨーロッパ大陸と英国との文化交流から、英国美術がはぐくまれた様子を紹介している。展示構成は、スコットランド国立美術館の建物や館内の様子を描いた作品を紹介する「プロローグ」から始まり、アンドレア・デル・ヴェロッキオ(帰属)《幼児キリストを礼拝する聖母(「ラスキンの聖母」)》やエル・グレコ《祝福するキリスト(「世界の救い主」)》などが並ぶ「ルネサンス」、ディエゴ・ベラスケス《卵を料理する老婆》、レンブラント・ファン・レイン《ベッドの中の女性》といった「バロック」と続く。英国のコレクターたちが美術品の購入や文化的教養を深めるために大規模なヨーロッパ旅行をした「グランド・ツアーの時代」では、フランソワ・ブーシェの晩年の作である《田園の情景》やジョシュア・レノルズ《ウォルドグレイヴ家の貴婦人たち》などが見られる。「19世紀の開拓者たち」では、フランシス・グラント《アン・エミリー・ソフィア・グラント(“デイジー”・グラント)、ウィリアム・マーカム夫人(1836-1880)》、クロード・モネ《エプト川沿いのポプラ並木》などを紹介。「エピローグ」では、フレデリック・エドウィン・チャーチ《アメリカ側から見たナイアガラの滝》という圧巻の作品で締め括られる。本展は7月3日(日)まで(休室日は月曜日)。開室時間は午前9時30分〜午後5時30分※金曜日は午前9時30分~午後8時(入室は閉室の30分前まで)。展示室の混雑を避けるため、日時指定予約制。一般1900円、大学生・専門学校生1300円、65歳以上1400円。天海祐希がナビゲーターを務める音声ガイドとのセット券は2400円(5月8日入場分までの期間限定)。なお、7月16日(土)〜9月25日(日)は神戸市立博物館、10月4日(火)〜11月20日(日)は北九州市立美術館 本館でも開催される予定だ。取材・文・撮影:五月女菜穂
2022年05月06日舞台『ロビー・ヒーロー』が2022年5月6日(金)から新国立劇場小劇場にて上演される。本作は、映画脚本家・監督としても有名なケネス・ロナーガンの作。日本初演となる今回は、小川絵梨子芸術監督によるシリーズ「声議論,正論,極論,批判,対話...の物語」の第二弾としての位置づけで、新国立劇場初登場の桑原裕子が演出、浦辺千鶴が翻訳を担う。中村 蒼、岡本 玲、板橋駿谷、瑞木健太郎が出演する。4月下旬、稽古場の様子をオンラインで見学した。物語の舞台は、マンハッタンにある中間所得層向け高層マンションの広いロビー。警備担当のジェフ(中村 蒼)は、人生の目的もなくこの仕事に就いている。真面目で向上心のある上司ウィリアム(板橋駿谷)は、不良の弟が殺人罪に問われ、心配していた。見回りに来た有能な警察官ビル(瑞木健太郎)と、相棒の新人見習いのドーン(岡本玲)。どうも二人は仲がいいようだ。ロビーで待っているドーンに、ビルの訪問先は女性だと口を滑らせてしまうジェフ。動揺したドーンはビルにかみつくが、本採用されないぞと逆に圧をかけられてしまう。翌日、弟のアリバイを偽証したウィリアムに対して、自分が何をすべきか悩むジェフ。ドーンは本当のことを話すのがあなたの責任だと説明するがーー。非常に濃密な会話劇。この日の稽古は、まず冒頭のシーンであるウィリアムとジェフの2人だけのシーンを繰り返した。膨大なセリフはすでに俳優たちの頭に入っていて、今は細かいニュアンスあるいは全体の流れの調整をしている段階。桑原の演出は、基本的に俳優たちのプランを信頼していると思うが、気になったことは細かく指摘する印象を持った。たった4人の登場人物たちが織りなす芝居ゆえ、丁寧につくりあげているのだろう。登場人物たちそれぞれが悩んだり迷ったりしつつ発言し、その発言が思わぬ方向に人を動かしてしまったり、自分の正義や価値観が他人には通じなかったり......。マンションのロビーという空間で繰り広げられる人間模様が描かれているが、それは人種やジェンダー、階層などさまざまに絡み合う差別の実情と、それに抗い、葛藤する人々の姿でもある。自己承認欲求がSNSであふれ出す現代で、さまざまな角度から考えられ、また身近に感じる戯曲。どんな仕上がりになるのか、開幕を待とう。公演は5月22日(日)まで。取材・文:五月女菜穂
2022年05月06日井之脇海が主演を務める『エレファント・ソング』が、東京・PARCO劇場で5月4日に開幕。これに先駆け、報道陣向けのフォトコールと取材会が行われた。カナダの作家ニコラス・ビヨンが2002年に執筆し、翌03年〜10年にはカナダ・モントリオールを中心に世界各地で上演され、14年にはグザヴィエ・ドラン主演で映画化もされた本作。失踪した医師の謎を追う精神病院の院長グリーンバーグ(寺脇康文)を、入院患者の青年マイケル(井之脇)が翻弄する心理スリラーが繰り広げられる。フォトコールで披露されたのは、冒頭の約25分間。姿を消した医師が最後に診た患者として、マイケルがグリーンバーグから事情聴取を受ける二人の出会いが展開された。看護師ピーターソン(ほりすみこ)による「マイケルは普通と違う」「見くびらない方がよい」という忠告をいなしつつ、グリーンバーグはマイケルを待ち受ける。やがてピーターソンに伴われ、マイケルは“象”についての鼻歌まじりで登場した。井之脇は、寺脇グリーンバーグと目を合わせながらも虚空を見つめるような視線を漂わせるなどして“普通と違う”マイケル像を立ち上げる。失踪した医師とまるで関係のない象に関する知識を無邪気にまくし立てたかと思えば、ピーターソンの休暇周期に対して皮肉を言う一面も。次第にその色が濃くなり、質問をはぐらかしつつ「取引に応じれば失踪した医師の抱える事情を教える」と言ってグリーンバーグを翻弄し始める。マイケルの芝居を受ける寺脇も、はじめは「15分で終わる」としながらも次第にマイケルのペースに巻き込まれ、手を焼く焦燥感を覗かせた。「何かあったら呼んで」と言い残して出ていったピーターソンは、呼び戻された際にマイケルへ向かって「お行儀よく」と子どもを手懐けるように注意する。序盤ながらあらゆる伏線が散りばめられており、ひと言たりとも聞き逃せない緊張感が張り詰めた。取材会で、井之脇は「マイケルは愛を渇望する青年」と役どころを紹介しつつ、「マイケルの抱える『自分って何者だろう』という想いと、僕が追求する『お芝居って何?』という問いかけがリンクする瞬間がありました」と稽古を振り返る。寺脇はそんな井之脇を優しく見つめながら「感性が素晴らしく、気持ちでぶつかってくる芝居をしてくれる座長」「僕は還暦を迎えましたが、20代だった頃を思い出して芝居の原点に戻れた」と賛辞を送っていた。上演時間は約100分(休憩なし)。東京公演は5月22日(日)まで。その後、25日(水)に愛知・刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール、28日(土)に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールと巡演する。チケット発売中。取材・文:岡山朋代
2022年05月06日ゴールデンウィ「丸の内ミュージックフェスメインコンサート」のチケット情報はこちらークに親子で音楽を楽しめる「丸の内ミュージックフェス」。初日の5月3日(火・祝)、東京国際フォーラムホールCには、中川英二郎(トロンボーン)×エリック・ミヤシロ(トランペット)×本田雅人(サクソフォン)というブラス界のトップ・プレーヤーによる最強トリオ「SUPER BRASS STARS(SBS)」が、今回のためにメンバーを加えた「SBS XXL EDITION」として登場する。中川英二郎に聞いた。「2年前、クラシックのアンサンブルのように、管楽器三人だけでやってみようと始めたのがSBSです。それを今回は、原点回帰というか、少し大きな編成のジャズのスタイルと融合させる。リズム隊を入れ、さらにラージアンサンブルのように、トランペット、トロンボーン、サックスを一人ずつ足して編成しました。XXL=ダブル・エクストラ・ラージ・サイズのSBSです」曲目は当日のお楽しみだが、客席を楽しませようと手ぐすねをひいている。「いろんなジャンルの音楽をやってみたいと考えています。ファンクやフュージョンに近い音楽になるので、思わず立ちあがって手拍子しながら聴きたくなるんじゃないかと思いますよ。今は声は出せませんが、楽しいと感じたら曲の途中でも拍手してくれていいんです。ジャズは“コール&レスポンス”のある世界。聴いている人と一緒に作っていくというのが醍醐味です。リラックスして、みなさんも拍手などで自由に表現してください」映像や照明も加わって、派手なステージになりそうだ。「わりとオーセンティックなジャズやクラシックの世界ですが、そういうものを取り入れていくのが僕は好きなんです。音と色と照明がきちっと合った瞬間に視覚からもすごく情報が入ってきて、面白くなると思います」部活などで楽器を吹く吹奏楽少年少女にもぜひ足を運んでほしいと話す。「吹奏楽の子たちは、自分たちでは演奏はするのに、コンサートを聴きに出かけることが少ない。未来のプレーヤーには、本物を目の前で聴く体験は大事です。僕もジャズ・トランペット奏者だった父の影響で4歳の頃からジャズ・クラブに入り浸っていました(笑)。ホールなら環境もいいし、東京国際フォーラムに足を運ぶだけでも、フェスの雰囲気を楽しめる時間になりますから、ぜひ!音楽以外の楽しみもいろいろあります。僕もしょっちゅうあそこで演奏しますけど、行ったら必ずシェイクシャックでバーガーを食べてます!」(宮本明)
2022年05月02日東京で18万人以上を動員した話題の展覧会『バンクシーって誰?展』が、4月23日(土)からグランフロント大阪にて開催され、多くの来場者で賑わっている。バンクシーはイギリスを拠点に、ニューヨーク、中東などで、街中の壁や橋などに風刺の効いた作品を描く正体不明のストリート・アーティスト。2018年、オークション会場で少女と赤い風船を描いた作品が高額落札された途端、シュレッダーで突如裁断されたことでも話題になったが、創作活動の全貌や動機など真相が分かるものは少なく、その存在はいまだに謎に包まれている。「バンクシーって誰?展」チケット情報今回の展覧会は、日本テレビの美術製作チームが映画やドラマのセットづくりの職人を集め、世界で描かれたバンクシーの代表作を周辺の街並みとともに実物大でリアルに再現。入場者は「なぜそこにその作品が描かれたのか」という作品の意図を含めて疑似体験できる。再現された14シーンのほか、アート作品として制作された個人所有の貴重な作品も53点展示されており、一部をのぞいてほぼすべての展示が撮影可能なのもこの展覧会の特徴だ。エントランスを過ぎると、今回の展覧会のメインビジュアルにも採用されている、パレスチナの紛争地帯のガソリンスタンドの壁に描かれた、火炎瓶の代わりに花束を投げる抗議者風の人物の作品が。高さ5mの作品は、写真では伝わらない実物大ならではの迫力と、作品が訴える強いメッセージ性を感じることができる。同様にほかの展示も作品部分だけでなく、作品周りの草花や環境、細かい風景まで含めて再現されているからこそ、その意図が分かる作品も多く、とても見応えのある内容となっている。より詳しく作品の背景などを知るには、展示室入口で同展アンバサダーの俳優・中村倫也さんの音声ガイド(600円)の解説を聞きながら回るのがおすすめ。また、出口前のグッズ売り場では「展覧会カタログ」(1650円)をはじめ、作品をモチーフにした小物や会場でしか買えない限定グッズも30種類以上揃う。また会場隣のカフェ「CAFE Lab.」では、開催期間中バンクシー作品にちなんだコラボメニューが楽しめるのもこの機会ならでは。まるで作品が描かれたその場にいるように、バンクシーが描くストリート・アートの世界に浸れる『バンクシーって誰?展』は、6月12日(日)まで開催。取材・文・撮影:滝野利喜雄
2022年05月02日北海道のオールナイト野外ロックフェス RISING SUN ROCK FESTIVALが、2019年以来、3年ぶりの開催にむけて第 1 弾の出演アーティストを発表した。第1弾出演アーティスト発表では、20組のRSRらしく幅の広いアーティストがラインアップされた。前回開催の2019年に出演予定だったものの、台風の影響で出演を果たせなかった「NUMBER GIRL」のリベンジ出演が決定!「Creepy Nuts」「クリープハイプ」「SUPER BEAVER」「BiSH」「マカロニえんぴつ」「緑黄色社会」などの他、「坂本慎太郎」「Vaundy」がRSRに初出演する。また「怒髪天」や「the pillows」など石狩ではお馴染みの常連アーティストに、唯一のRSR皆勤出演の中村達也が率いる「LOSALIOS」などの出演が決定した。広大な空の下で響き渡る音楽と共に、石狩の大地に昇る、新しい朝日を迎えに行こう。【RISING SUN ROCK FESTIVAL 2022 in EZO オフィシャル HP】早期購入でお得な【オートキャンプ付通し入場券<まいど割>抽選受付】を受付中!!◎受付期間:4月29日(金・祝)12:00~5月15日(日)23:59
2022年05月02日ミュージカル『EDGES―エッジズ―2022』が2022年4月27日(水)に東京・有楽町よみうりホールにて開幕。本作は、トニー賞6部門に輝きグラミー賞・エミー賞など受賞多数、映画化もされたミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』や、『ラ・ラ・ランド』の作詞、『グレイテスト・ショーマン』の楽曲などを手がけ世界中から注目を集める作詞作曲デュオ、パセック&ポールが、学生時代に生み出した、彼らのデビュー作。“ソングサイクル・ミュージカル”と呼ばれる、1曲で 1つの物語として完結する楽曲がオムニバス形式に連なる、新しい形のミュージカル作品。元吉庸泰の演出のもと、次世代を担うクリエイター陣が集結。世界的ヒットメイカーの若書きを、ダンスパフォーマンスをふんだんに盛り込んだ、クリエイティビティ溢れるステージングで贈る。キャストには屋良朝幸、成河、草間リチャード敬太(Aぇ! group/関西ジャニーズ Jr.)、豊原江理佳、ダンドイ舞莉花、そして植木 豪と、ミュージカル&ダンスのスペシャリストが集結。さらには振付を屋良朝幸×植木 豪の強力タッグが手がける作品。1曲の中で物語が完結するミュージカルではあるが取材会でも植木はただのオムニバスにしたくないと話した通り、「なりたい自分になる」という1つのテーマのものとキャスト全員にスポットが当たる一瞬も見逃せない物語となっている。ゲネプロ後の取材会では、主演の屋良は初日を終えた感想を「これまで2回やってきているが初の6人でのパフォーマンス。個性的なメンバーが揃って新しいEDGESを皆様にみていただけるのが楽しみ」と述べた。今回振付を担当した屋良と植木は苦労したことはあるかと問われると、屋良はいっぱいありますと即答し会場は笑いに包まれた。「自分が作っているのはショーケースだが、それぞれに設定があり演じるものをどう見せていくかというのをみんなと話し合いながら作ったのでパフォーマンスとしてかなり見ごたえがあると思います」と意気込んだ。後輩にあたるリチャードの頑張りをみてどう思うかという質問には「めちゃくちゃいい素材をもっている。いい声を出すし、ダンスもうまい。これを期にミュージカルの世界に羽ばたいてほしい」と回答した。東京公演は5月5日まで。5月8、9日に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールでも上演される。
2022年04月28日サン=テグジュペリの名作『星の王子さま』が音楽劇として2022年4月~5月に上演される。王子さま役に、舞台初主演となる河下楽(AmBitious/関西ジャニーズJr)が決定した。河下は「王子さま役に決まった時は、『僕でいいんですか?』と信じられない気持ちでした。でも選んでもらったからには絶対に結果を残そうという気持ちでいます」と意欲十分だ。すでに稽古はスタートしているが、「とにかく新しいことだらけなんです。僕は歌が得意だと言い続けてきたんですが、今回は『景色が見えるように歌いなさい』と言われるなど、技術面の課題がたくさんあります。芝居に関して、演出のKAZOOさんは『自由に自分が思ったとおりに動いていいよ』とおっしゃってくださるので、毎日新鮮でめちゃくちゃ楽しいです」と試行錯誤しながらも、新たな挑戦を楽しんでいる様子がうかがえた。役づくりについては「最初に台本を読んだ時、王子さまは飛行士を怖がっているのかなというイメージがありました。でも立ち稽古に入って『天真爛漫に演じたほうがいいんじゃない?』とアドバイスをいただき、それがしっくりきたので、今のところ無邪気な王子さまになるのかなと思っています」芝居で多くの絡みがある飛行士役の山本一慶の印象を尋ねると「一慶さんはほんまに優しいです。僕は人見知りなんですが、一慶さんから話しかけてくださったり、二人で発声の練習をしている時もアドバイスをしてくださったり、めちゃくちゃお世話になっています。飛行士と王子さまは絡みが多いので心強いですし、お芝居はもちろんのこと学ぶところばかりですから、参考にさせていただいています」とのこと。プライベートで王子さまっぽいところはあるかと質問すると「椅子に座っているときは、王子さま風に足を組んでいるので王子っぽいかなと思いますが、僕はどちらかというと王子さまのお付きの人のほうが身の丈に合っているかなと思っています」と答え、笑いを誘った。公演への意気込みを聞くと「一慶さんと一緒に歌うシーンがあるんです。今はついていくのに精いっぱいですが、本番までには対等に上手く歌えるように頑張ります。日々努力しているので、ステップアップした姿を皆さんにお見せしたいし『観に来てよかった』と思ってもらえる作品になるよう頑張ります!」と力強い答えが返ってきた。文:咲田真菜
2022年04月28日『鈴木敏夫とジブリ展』が4月23日、京都文化博物館にて開幕した。「鈴木敏夫とジブリ展」チケット情報『風の谷のナウシカ』(1984年公開)をきっかけに1985年に設立し、世界中から愛されるアニメーション作品を生み出し続けるスタジオジブリ。その多くの作品製作を高畑勲・宮崎駿両監督と手掛けてきたプロデューサー・鈴木敏夫にスポットを当てた同展に向け、4月22日にメディア向け内覧会を開催。見どころを鈴木本人が語ってくれた。6章から成る展示は、進んでいくごとに鈴木の人生を共に駆け抜けるような構成に。生まれ育った名古屋での子ども部屋を再現したスペース、当時愛読していた文庫本や漫画雑誌が並ぶ第1章に始まり、徳間書店在籍時に創刊した雑誌『アニメージュ』のエピソードや、初披露となるスタジオジブリ設立秘話なども見逃せない。これまでのジブリ映画の宣伝方法や思考力を綴ったコンセプトアートといった貴重な資料も数多く展示される。また、圧巻はラストを飾る第6章。彼の隠れ家“れんが屋”をイメージした空間は、ウィリアム・モリスの壁紙やアンティーク風のしつらえが、まるで物語の世界に飛び込んだよう。そこに、鈴木がこれまで触れてきた約8800冊もの本が一堂に会する。「今まで読んできた本を全部集めて、囲まれることが夢だったんです。実は、本の全リストを見るとベストセラーが1冊もないことに気付かされてね。プロデューサーとしてはいろんなものに触れなきゃいけないんだろうけど、自分の好きなものだけを読んできたんだなぁって、驚きました」と、鈴木はにこやかに語る。これまでの製作においては、観客に楽しんでもらうというシンプルなことだけに集中してきたとか。「『千と千尋の神隠し』(2001年)公開時の特報を、宮崎駿と試写したことがあって。彼は「面白そうだね」って言ったんですよ。自分で作ったのに(笑)。楽しむってこういうことですよね」と、クリエイティブにおける気取らない哲学ものぞかせてくれた。他にもジブリ作品に出てくる名台詞を鈴木の書で立体デザイン化したコーナーや、『となりのトトロ』のブース(平日限定で撮影可)も。さらに、『千と千尋~』の湯婆婆と銭婆による“開運・恋愛”おみくじを引くことができ、おみくじには鈴木書き下ろしのアドバイスが付いている。同展を通し、スタジオジブリを世に知らしめた名プロデューサー・鈴木敏夫のイマジネーションの源泉を垣間見られることだろう。開催は6月19日(日)まで。なお、ゴールデンウィークの土曜日限定でナイトミュージアムが開催!『となりのトトロ』ほか、平日限定のフォトスポットが撮影可能に。ナイトミュージアムのチケットは、音声ガイドと展覧会会場限定の小冊子『名古屋の鬼ばばあ』付き。取材・文:後藤愛
2022年04月28日ゴールデンウィークの4⽉27⽇(⽔)〜5⽉5⽇(⽊・祝)に東京・丸の内エリアで開催される「丸の内ミュージックフェス」は、子供から大人まで楽しめるクラシック⾳楽イベント。5月3日(火・祝)東京国際フォーラム・ホールCの「動物たちのカーニバル」に出演するピアニスト・作曲家の加藤昌則、そしてピアノの萩原麻未とヴァイオリンの成⽥達輝に聞いた。三人が神奈川フィルのアンサンブルとともに演奏するのは、サン=サーンスの《動物の謝肉祭》(室内楽版)。さまざまな動物をユーモラスに描いた親しみやすい作品は、チェロが独奏する美しい〈白鳥〉が特に有名だ。でも実は、自作も含めた他の楽曲のパロディや皮肉がたっぷり入っている。加藤「そういう冗談をお客さんにどう伝えるかも大事。つい真面目に聴いてしまいがちなのですが、すごくストレートにいろんなものをぶつけてくるので、ちょっとクスクスしながら、ひとつひとつのキャラクターを楽しんでもらえると思います」萩原「大人も子供も分け隔てなく楽しめる曲の代表みたいな作品です」成田「子供も純粋に楽しめるし、大人にも響く。サン=サーンスは天秤座なのでそのバランスがうまい(笑)」ファミリー向けの音楽祭。萩原と成田の二人も、生後10か月の愛娘のママとパパだ。わが子を音楽が好きな子に育てたいと願っている親は多いだろう。萩原「親が音楽を楽しんでいる様子を見ると興味を引かれると思うんです。一緒にこういう演奏会を楽しむことが、子供にも良い影響を与えると思います」成田「教育というよりもサポートをしてあげることが大切なんだと思っています。その子がその子らしく育っていけるように手助けしてあげたい」加藤「子供と大人の境界線はどこにあるのかと考えるといつも、僕の精神年齢は中2で止まっていることに気づきます(笑)。大して差はない。それに、普遍性のある面白いものというのは、子供も大人も、それぞれの目線で楽しい。あんまり子供向けということを意識しなくていいのではないでしょうか。GWを、音楽を聴いて家族一緒に過ごすのは、とても豊かな選択。一緒に楽しめる遊び場になればいいですね」成田「クラシックは、演奏者がみんな同じ方向を向いてつまらない顔で弾いているみたいなイメージを覆したいですね。ステージに工夫を凝らしたいなと思っています」加藤「うん。演奏しているわれわれも楽しめるようにやりたいよね」(宮本明)
2022年04月28日『チルドレン』、『チャイメリカ』と日本での上演も続き、気鋭の作家として注目を集める英国人劇作家ルーシー・カークウッド。彼女が2020年に発表した新作『ザ・ウェルキン』が、人気の加藤拓也の演出により早くも日本で上演される。そこで物語の核となる女性サリーを演じる、大原櫻子に話を訊いた。舞台は1759年の英国の田舎町。サリーというひとりの女性が、殺人罪で絞首刑を宣告される。しかし彼女は、死刑を免れることが出来る“妊娠”を主張。その真偽を判定するため、12人の女性が陪審員として集められるが……。「かなり重い作品ですよね。登場するすべての女性が人生において戦ってきた人ばかりで、それぞれとても個性が強い。毒々しい台詞も多いですし、衝撃的なシーンもあって。本当にすべてをさらけ出さないと出来ない作品だなと思いました」大原にとって初の殺人犯役だが、サリーに対してはこんな意外な感情を抱いているそうで……。「すごく魅力を感じる女の子だなと思いました。考え方や行動が非常に子供っぽく思える瞬間もありますが、その本能に従って生きている姿が、とても素直で、ピュアで、どこか可愛らしさも感じる。また、死に対する恐れはそれほどないけれども、とにかく恥ずかしい死に方だけはしたくない、そう思っているのかなと。『見世物になりたくない』という台詞もありますし。それこそ、今彼女が最も大切にしている価値観なのかなと思いました」彼女を取り囲む12人の陪審員役には、物語のもうひとりの核となる吉田羊を始め、若手からベテランまで実力派がズラリ。「この顔ぶれを見た時、共演させていただける喜びもありましたが、恐ろしさも感じました。素晴らしい女優さん方が大勢いすぎて、正直もう逃げ出したい気分です(笑)。物語の軸になるサリー、先輩方に必死にしがみついて、稽古も頑張りたいと思います。」本当にサリーは妊娠しているのか、それともしていないのか。そこが作品の発端ではあるが、ルーシー・カークウッドが描くのはもちろんそれだけではない。「サリーの言う『見世物になりたくない』とは、法廷の外に集まっている野次馬のこともあり、そこはサリーに同情出来るところでもあるんですよね。サリーよりもよっぽど、その野次馬の方が気持ち悪く見えるというか。そこに女性差別的なものも感じますし、この作品に込められた大切なメッセージのひとつなのかなと思います」東京公演は7月7日(木)から31日(日)まで東京・Bunkamuraシアターコクーンにて上演。その後、8月3日(水)から7日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて大阪公演を実施する。東京・大阪公演ともに5月29日(日)よりチケット一般発売。取材・文:野上瑠美子
2022年04月28日2010年に初演、2013年の再演を経て2022年、新たなキャストで再々演が実現した鴻上尚史作・演出の舞台『エゴ・サーチ』。主演に今江大地(関西ジャニーズJr.)を迎え〈謎〉と〈想い〉が折り重なる感動の物語を贈る。「エゴ・サーチ」チケット情報新人小説家の一色がインターネット上で見つけたものは、自分と同じ名前、同じ経歴のプロフィールを持つ「誰か」のツイッターとブログだった。「わたし」の知らないもうひとりの「わたし」を追いかけながらも、一色の小説は沖縄の離島を訪れた女性が現地に伝わる妖怪・キジムナーに出会ったところから一向に前に進まなかった。だが、本物のキジムナーが懐かしい女性と会った時、物語は急展開を見せる――。4月30日(土)から始まる大阪公演を前に今江大地が意気込みを語ってくれた。「このお話をいただいたとき、まずは『エゴ・サーチ』の原作を読みました。そしたらすごく僕の好きな物語で。全員がスーパーハッピー!というふうにはならず、ちゃんと苦味があるというか…。すごくいい作品に出会えたと思いました」と、嬉しそうに話す。稽古も楽しかったと振り返る。「鴻上さんにはよく「実感」と言われました。「大地自身が考えて、思ったことをやってみて」って。実は、その「実感」というのがよくわからないときもあって、いろいろ悩んだり、探したりしましたが、本番では「これだ!」って掴めたものがあって。今は自信を持って、主演として真ん中に立てています」と、充足した表情を浮かべた。一番好きな場面はラストシーンだと話す。ネタバレになるため詳細は語れないが、次のように話してくれた。「初めてこの本を読んだときに、一色は鴻上さんだと思いました。最後の場面には鴻上さんの「伝える」っていう強い意志があって。その「伝えたい」という思いが一番強い、大切な部分だと思っています」。「少しでもこの作品を観たいと思って迷っている方がいれば、ぜひ観に来てください!」と声に力を込める。「12、3年前に書かれた作品ですが、今を生きている人たちにも響く物語です。コメディ要素もあって、謎も多い作品ですが、最後には全て綺麗に回収されます。登場人物たちの“苦しいけど頑張って生きていこう”という姿を観てほしいと思います」。ほか、カメラマンの広瀬に結木滉星、一色の恋人・小田切に吉田美月喜、そして一色の担当編集者に南沢奈央らが出演。個性豊かなキャストたちが織りなす、2022年版の『エゴ・サーチ』を楽しんで。大阪公演は4月30日(土)・5月1日(日)、サンケイホールブリーゼにて。チケット発売中。
2022年04月27日女優、ダンサー、振付家として幅広く活躍する原田薫によるソロ公演『DARAHA ORUKA〜ダラハオルカ〜』が2022年5月5日(木)から浅草九劇で上演される。原田薫にとって『モノクローム』(2014)に続き、2回目のソロ公演。原田は「8年前に初めてソロ公演をやったときもなかなか踏み切れなくて。それから定期的にやる予定ではいたのですが、結果、8年も経ってしまいました」と振り返りつつ、劇団ぼるぼっちょを主宰する安倍康律が作・演出を引き受けたことで「リハーサルをしていたときの緊張感やワクワク感、大変さが蘇ってきて、すごくやりがいを感じています。楽しんでおります」。タッグを組む安倍は、原田の魅力を「素晴らしいスキルを持っているのに、全然おごらないところ」と話す。「薫さんよりも圧倒的にダンスがヘタクソな僕なんかの提案も、聞いてくれるんです。よく笑いますしね。そういう薫さんの人の良さが表現にも出ているんでしょう。最高です」。今回はリサイタルのような公演をイメージしているといい、原田のダンスはもちろん、芝居も歌もたっぷり詰め込んだ公演になりそうだ。原田は「初めてのソロ公演から8年。この間で、歌や芝居のみで役をいただく機会が増えました。今できること、自分が経験してきたことを入れたいなと思って。とはいえ、(安倍さんの書いた脚本は)想像以上のセリフ量。これも挑戦です」と笑う。そして、「観に来てくださる人のために、常に新しい自分でいたい。ワクワクや感動を与えられる存在でいたい。自分の積み上げてきたものもあるんですが、それにプラスして、新しいことに挑戦してみたいと思っています」。原田が今注目しているダンサーである松出直也とKosukeも出演。原田は「それぞれがしっかりと自分のスタイルを持っている。踊りもとても魅力的だし、作品の雰囲気に合うと思った。パッと顔が浮かびました」という。ちなみに、公演のタイトルは「ハラダカオル」を入れ替えたもの。安倍が試行錯誤の末、思いついたものといい、安倍は「薫さんの魅力を余すところなく伝えたいと思って。それにネットで検索しても、他に出てこないタイトル。唯一無二なところがいいでしょう」と話していた。観客へのメッセージを尋ねると、安倍は「言わずもがなダンスがすごいです。それにプラスして新たな薫さんの魅力が見つかると思う。半世紀を越えた原田薫の魅力を感じにきてください。生で見ると、本当にすごいですから」と話し、原田は「劇場という空間にこだわってずっとやってきました。今の私にできることを、顔を赤くして、必死になってやっています。皆様に楽しんでいただけるように精一杯頑張りますので、ぜひ劇場に足を運んでいただきたいです」と呼びかけた。上演時間は1時間15分(予定)。公演は5月15日(日)まで。取材・文:五月女菜穂
2022年04月27日2022年5月3日~5日の3日間、東京国際フォーラム ホールCにて、「丸の内ミュージックフェス メインコンサート」と題した丸の内エリア全体でクラシック音楽を楽しむ音楽の祭典を開催。最終日、5月5日 (木・祝) 11:00より大山大輔プロデュース 子どものためのオペラ・ダイジェスト!《セヴィリアの理髪師》が開催される。オペラ・ブッファの最高傑作ロッシーニの《セヴィリアの理髪師》を、お子さまやオペラが初めての方も楽しめるダイジェスト版でお届けする。ストーリー・テラーの大山大輔に本公演について話を聞いた。見どころ、聞きどころは?「オペラというと上演時間も長く、大勢の出演者がいるというイメージがあるかと思いますが、この公演ではオペラの魅力をぎゅっと1時間にまとめています。出演者は歌手3名とピアニスト1名のたった4人。それでもロッシーニの素晴らしい楽曲の数々が散りばめられ、オペラのストーリーも、わかりやすくお話しながら進行していきますので、全編をご覧いただいたような感覚になるように仕上げています。」3歳以上のお子様が楽しめるポイントは?「登場する歌曲はすべて原語のイタリア語で歌われ、物語はストーリー・テラーの私が日本語で紡いでいきます。イタリア語で歌われる歌曲は、言葉としては理解できなくても、物語の中で、音楽を聴くと、どんなことを歌っているシーンなのか、心で分かっていただけると思います。」【出演】アルマヴィーヴァ伯爵:小堀勇介、フィガロ・お話:大山大輔、ロジーナ:久保田絵美、宇根美沙惠(ピアノ)【曲目】ロッシーニ:歌劇《セヴィリアの理髪師》抜粋チケット発売中。
2022年04月27日ゴールデンウィークに東京のど真ん中で繰り広げられる「丸の内ミュージックフェス」。クラシックもジャズも、子供から大人までファミリーで楽しめるのが売り。その真骨頂とも言えるのが、5⽉4⽇(水・祝)東京国際フォーラム・ホールCで行なわれる参加型コンサート「セッション⇔セッション・ワンダーランド」だ。ジャンルを超えた4人のトップ・プレーヤーが集結する。菊本和昭(トランペット)に齊藤健太(サクソフォン)と、ジャズ風に言えばフロントにクラシックの名手が並び、リズム・セクションを林正樹(ピアノ)とクリストファー・ハーディ(パーカッション)のマルチ・ミュージシャン二人が固める布陣。コンサートには「音が鳴る物を持参して」というリクエストがあり、子供たちが(もちろん大人も)演奏にがんがん参加できる仕掛けが施される。飛沫防止のため、笛やハーモニカなど息で鳴らす楽器を持っていくのは我慢。打楽器的な物がよさそうだ。でもなにも正式な「楽器」でなくたっていい。リハーサルを覗いたら、彼らはペットボトルにビーズを入れた手作りの「シェーカー」や、空の段ボール箱を叩くSDGsな「太鼓」を使っていた。物に頼らず自分の身体を叩くのもあり。さらに、「用意できる人はソの音が鳴る楽器」という追加リクエストもある。試しに家のコップや茶碗で「ソ」を探してみたのだけど、その行為自体が思いのほか面白い。子供と一緒に家中を叩いて探してみるのも楽しいんじゃないだろうか。もちろん厳密じゃなく、「だいたいソ」でOK。逆に本格的に、ヴァイオリンとかの持ち込みも可。出演者たちは言う。「何が生まれるか私たちにも予想不能。一期一会の音楽を楽しんで!」「あっという間の1時間。途中で抜けるともったいないから、トイレは開演前に」「映画や遊園地に行く感覚で遊びに来て!」そして、「やっちゃいけないことは何もない」ときっぱり。まさにワンダーランドだ。プログラムは、ジブリからクラシック、林正樹の名曲《ソたち》(「ソ」の音の楽器が活躍するのはもちろんここだ)などジャンルレス。聴けば楽しい曲ばかりだから、予習なんて要らない。参加型だけでなくじっくり鑑賞する曲もある。そのあたりは、この種の参加型イベントのリーダーとして広く活躍する音楽家・磯野恵美が、ナビゲーターとしてステージと客席をわかりやすく繋いでくれるから安心。連休の一日、音楽を、文字どおり〝身体中で〟楽しもう!(宮本明)
2022年04月27日劇団ナイスコンプレックスの舞台、フリーカル『YAhHoo!!!!』2022が、2022年5月に池袋・あうるすぽっとで上演される。本作は東日本大震災後の福島県・浪江町を舞台に、2018年から毎年開催している公演。4度目となる今回、福島県出身の俳優・なすびが、主人公の先輩となる風露草太役で出演する。劇団主宰のキムラ真から熱烈なオファーで今回の出演が実現したが、当初は迷いがあったという。「震災後12年目に入った今、福島が直面してきたことを舞台で表現できるのか、戸惑いがありました。でも、地元出身の僕が関わること、そして復興支援活動ではなく“俳優・なすび”として、主戦場であるエンターテインメントの場で協力することに意味があると思い、出演を決意しました」なすびが演じる風露草太は、教師を目指していたが、震災をきっかけに地元の復興のため、実家が営む建設会社に就職するという役。復興に向けてリーダーシップを発揮する役どころは、福島で意欲的に活動するなすびにぴったりの役といえるだろう。「実際に脚本を読んでみると、自分自身と共通するところがたくさんあります。僕も震災後、役者やタレント活動をいったん辞めて、福島の復興のために何かやらなければ…と思いましたから。もしエンタメの世界で僕の価値が認められていたら、何年後であっても『なすびと仕事がしたい』と言っていただけるけれど、復興は今やらないと間に合わないと考えました」と熱く語る。本作は、劇団ナイスコンプレックス独自の復音劇・フリーカル。歌って踊るステージとなるが、歌について質問をすると「実はあまり得意じゃないんです(笑)。過去に宮本亞門さんのミュージカル作品に出演したことはありますが、コーラスに参加した程度でした。でも歌は嫌いではないし、キムラさんが『歌は大きな想いを直接的な言葉でお客様に伝えられる。上手いとか下手ではない』と言ってくださるので、その言葉が僕の背中を押しています」と意欲的な姿を見せた。「舞台衣装の作業服姿が『ハマっている』と評価をいただいていますが(笑)、キムラさんからは『なすびさんなりの草太を作り出してください』と言われました。きっと見たことがないなすびをお見せできると思いますし、舞台を観ることも福島・東北への応援になります。ぜひ劇場へいらしてください」文/撮影:咲田真菜
2022年04月26日1981年の日本初演から今年で42年目を迎えるブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』。森新太郎が昨年に続いて演出を務める本作に、壮一帆がダーリング夫人役で初参戦を果たす。すっかり夏の風物詩となったこの魅惑のミュージカルへの意気込みを語ってくれた。「ピーター・パンに恋していました!」――。誇張でもプロモーション用の宣伝文句でもなく、少女時代の壮一帆にとって、ピーター・パンはまぎれもなく憧れの存在であり、夢の国へと連れて行ってくれる特別な存在だったという。「よく遊びに行ってたお友達の家にディズニーアニメ版のVHSがあって見せてもらって、ピーター・パンのことが大好きになったんです。他人の家で繰り返し見て(笑)、夢の世界に連れてってくれる頼りがいのあるところに惹かれて、冒険にワクワクして…画も音楽もセリフも全部覚えてます」ダーリング夫人は、ウェンディ、ジョン、マイケルらの母親。「家族にとって、絶対的に安心できる包容力を持った存在だなと思います。光で全ての人を包み、救う“菩薩様”のようなイメージですね。私とは正反対のキャラクターですが(笑)、だからこそ演じがいがあります。この作品に関しては、役を私に近づけるのではなく、私自身がどこまでダーリング夫人に近づけるかが大事。多くのみなさんが抱いているイメージを壊さないようにしっかりと演じ切りたいです」。夢の国に足を踏み入れることができるのに加えて、もうひとつ、壮が本作のオファーを喜んだ理由が演出を務める森新太郎の存在。2020年、森演出による『佐渡島他吉の生涯』に出演することになっていたが、コロナ禍で上演中止に。壮にとっては2年越しの夢が叶うことになる。「玄人向けの舞台ではなく、全世代が楽しめるこのミュージカルの夢の世界で、森さんがどんな演出をされるのか楽しみです。みなさん、『(森の演出は)細かいよ』とおっしゃるんですが、全てに応えたいです」本作が人生初の観劇体験の子もいるだろう。そんな子どもたち、そして子どもたちと一緒に劇場に足を運ぶ大人たちに向かって壮はこう語る。「映像作品と違って、その場の空気感や呼吸を生で感じられるのが演劇の最大の魅力。あの空間で俳優と夢の世界を共有してほしいし、親御さんにも一緒に感動して帰ってもらいたいです。私自身、演じながら『ピーター・パン』で描かれるように、大人になって気づかなくなってしまった感覚を感じられるのを楽しみにしています!」
2022年04月26日これまで大阪・静岡を巡演した「2022年劇団☆新感線42周年興行・春公演 いのうえ歌舞伎『神州無頼街』」。東京公演開幕の前日に行われたオンライン取材会に、衣裳姿の福士蒼汰と宮野真守が登壇した。中島かずきが脚本を、いのうえひでのりが演出を手がける本作は“いのうえ歌舞伎”の最新作となる伝奇時代劇。2020年に上演予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で中止になっていた。念願のリベンジに、福士は「すでに20公演を終えて、カンパニーが自信にあふれてきました」と胸を張り、宮野も「座組み全員で高め合って東京に来られたのが嬉しい。かなり仕上がっているので楽しんでもらえたら」と続く。Wチーム制を敷いた「劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月」(2017〜18年)でともに捨之介を演じ、「ヴィレッヂプロデュース 2020 Series Another Style『浦島さん』『カチカチ山』」(2020年)のステージに立った福士と宮野は、本作が初共演となる。福士が「同じプロジェクトに携わる期間が長く、互いの距離がどんどん縮まりました」と話すと、宮野も「オフの時間も互いや作品について話が尽きず、常に前向きな言葉を交わしながら進んで来ましたね」とここにいたる道のりを振り返る。この二人をよく知る中島が登場人物に当て書きしたのが本作で、福士は清水次郎長の怪我を治した博識の若き町医者・秋津永流(あきつながる)を、宮野は陽気でお調子者の口出し屋・草臥(そうが)を演じる。宮野は「キャラクターの裏にどんな想いがあるのか、二人で話し合って細かい設定をつくりました。表情から感じ取ってもらえたら」と舞台裏を明かし、福士も「舞台が終わっても、バディの行く末に想像を膨らませてもらえるようなラストになっています」と微笑む。華麗に舞う“棒術”をはじめ、各種アクションに挑む福士は「心残りだった『髑髏城』から早乙女太一くんに弟子入りして稽古を続けて来ました。教わったことが発揮できているんじゃないかな」とコメント。実物のギターをかき鳴らす豊富な歌唱シーンを“マモライ”と呼ばれ、照れ笑いを浮かべた宮野は「ロック、ジャズ、ミュージカル調、いろんなジャンルの楽曲が聴きどころでもあります」と述べ、最後に二人で「にぎやかで大迫力の“お祭り騒ぎ”をぜひ楽しんでください」とメッセージを送った。大千秋楽は5月28日(土)、東京・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)にて。なお5月14日(土)12:00 / 17:30開演回では、全国の映画館でライブビューイングが上映される。ぴあでは、 劇場公演チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2022年04月26日