スキンケア大学がお届けする新着記事一覧 (5/5)
脇の匂いが気になるから、自分はワキガなのかもしれないと不安に思う人もいるかもしれません。しかし、実は脇が匂うから絶対ワキガであると言い切ることはできないのです。汗臭い匂いとワキガの匂いの区別の仕方やそれぞれの対処法について紹介します。脇が匂う=ワキガとは限らない脇が匂うからワキガであるとは言えないのは、エクリン腺から出た汗が雑菌で分解されているだけの匂いである可能性があるからです。脇には、エクリン腺とアポクリン腺という2種類の汗腺があり、エクリン腺の汗は匂いがほとんどないといわれています。脇が匂ってしまうのは、汗をかいてしばらく経ってから、汗の成分が雑菌によって分解されるため、不快な匂いになってしまうからなのです。ワキガの匂いは、アポクリン腺から出る分泌物が原因です。感じ方は人によって違いますが、ワキガの場合は酢のような香り、クミンのような香り、ネギのような香り、鉛筆の芯のような香りといわれることがあります。もしも、脇が匂うと感じている人で、前述した香りである場合は、ワキガ体質である可能性も考えられます。脇が匂う原因はアポクリン腺にあり?脇が匂いやすい人は、アポクリン腺の数が多い可能性があるといわれています。アポクリン腺の汗の分泌物は、脂肪やアンモニアなどから構成されているので多少の匂いがあるといわれています。また、この汗が雑菌によって分解されると強い匂いになりやすいといわれているので、アポクリン線の個数が多いほど、脇が匂いやすくなっている可能性があると考えられるのです。脇が匂う原因は生活習慣にも脇が匂いやすくなるのは、アポクリン腺の数だけではありません。汗そのものの対処方法を間違えていることでも匂いが強くなってしまうことがあります。汗をかいたまま放置する習慣のある人は、汗が雑菌によって分解されて匂いを放ってしまう可能性が高くなり、匂いやすいでしょう。また、ポリエステルやナイロンを使った通気性の悪い洋服を選んで着ている人は、脇が蒸れやすく、雑菌が繁殖しやすい状態になっているので匂いやすくなってしまいます。他にも、運動不足によって、汗腺の働きが鈍くなり、汗の質が悪くなることでワキガ匂いやすくなることがあります。脇の匂いが気になる人は、まず、生活習慣を見直してみることをおすすめします。脇の匂いを抑えるセルフケア方法脇の匂いを抑えるには、脇が匂いやすくなる生活習慣を改善することが大切です。汗をかいたら放置せずに、市販の汗ふきシートなどで拭き取りましょう。すぐに拭き取れない場合は、汗脇パッドや汗脇パッドのついたインナーを使うなど、汗を放置しない方法で対処してみましょう。また、ワキガの匂いのように強いものでないならば、消臭効果や殺菌、抗菌効果の高い制汗剤を使うのもおすすめです。脇の匂いはワキガのせい?セルフチェック法ワキガの匂いは、酢やクミン、ネギや鉛筆の芯のような匂いがすると前述しましたが、他にもワキガかどうか調べることができる「セルフチェック項目」がいくつかあります。2つ以上当てはまる人は、ワキガの可能性が高いと考えられるので、気になるなら病院へ行くのをおすすめします。親がワキガである(両親がワキガだと80%、片方の親がワキガだと50%の確率で遺伝するとされる)汗がベタベタしている耳垢がべっとりと湿っている脇毛が濃い、多い白いシャツのワキの部分が黄ばみやすいワキガが原因の場合は病院で治療も病院で行うワキガの治療は、匂いの強さによって内容が異なります。治療方法は以下のとおりです。軽度のワキガ軽度のワキガ、特に多汗症の方はメスを使わずに行える制汗剤の処方や局所注射で対処できます。半年〜1年程度効果が持続するといわれている「ボトックス注射」や、ホームケアができる「水酸化アルミニウム溶液」という医療用の制汗剤を処方するといった方法をとります。ボトックス注射はメスを使用せずに行えるのでおすすめです。また、水酸化アルミニウム溶液は、汗腺にふたをするように塗り込むので、一時的に脇汗を止めることができるので、汗そのものを何とかしたい人にピッタリでしょう。中度〜重度のワキガ脇を切開して、目視できアポクリン腺を取り除く手術(剪刀法、削除法)です。脇の匂い対策をして快適に過ごそう脇の匂いがワキガによるものでないならば、通気性のよい服を選んだり汗をこまめに拭き取ったりして改善することができるので、気になる場合は簡単な方法からでもよいので行ってみるとよいでしょう。汗の匂いがワキガのような匂いだった場合は、病院へ行き医師に相談して適切な治療を行うのをおすすめします。監修:石原信浩
2017年04月23日鼻にニキビができると、目立ったり痛んだりして憂鬱になりがちです。鼻ニキビはなぜ発生してしまうのでしょうか。また、予防法はないのでしょうか。鼻ニキビについて、原因や症状、治療法、予防法について見てみましょう。鼻の横や下にできるニキビの特徴鼻ニキビとは、鼻や鼻の横、鼻の下などに発生するニキビです。これらの部位は皮脂腺が多いため、肌トラブルがおこりやすい場所です。鼻にできるニキビは思春期のころが多いですが、鼻の下にできるニキビは大人になってから頻発します。もちろん、大人になって鼻のニキビが発生することもあります。鼻の横や下にニキビができる原因鼻のニキビについて原因には、以下のものがあげられます。ホルモンバランスの乱れが原因不摂生な生活や生理前など、ホルモンバランスが乱れる時期があります。皮脂の分泌は、ホルモンに左右されるため鼻ニキビができやすくなります。ファンデーションの洗い残しが原因鼻は平坦でないため、クレンジングや洗顔の際に洗い残しがでやすい部位です。ファンデーションが残ってしまったり、クレンジングオイルや洗顔料がたまってしまいます。鼻への刺激が原因鼻をかむ、無意識に小鼻をさわるなど鼻に刺激を与えてしまうことで鼻ニキビが発生します。ティッシュや手に雑菌がついていると、さらに症状が悪化するおそれがあります。鼻の横や下にできるニキビの症状鼻のニキビの症状について見ていきましょう。4段階で進行するニキビの症状ニキビには4段階あり、白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビの4段階で進行します。鼻は、皮脂腺が多いため、赤ニキビや黄ニキビまで進行してしまうことがあります。赤ニキビは、アクネ菌が炎症をおこして赤く腫れた状態です。黄ニキビは、毛穴が膿んでしまった状態です。毛穴拡大で現れるイチゴ鼻の症状鼻ニキビの炎症や膿みが緩和されても、毛穴が拡大するといった症状が残ることがあります。俗にいう「イチゴ鼻」の原因になります。鼻の横や下にできるニキビの治し方鼻のニキビの治療法を紹介します。ニキビ用化粧水で早めに治すニキビ用の化粧水で症状の改善が見込めることがあります。白ニキビや黒ニキビといった軽症のニキビに効果があるため、早めの対処をおすすめします。角質の硬化を防ぐ薬「ディフィリンゲル」ディフィリンゲルとは、角質が硬くなるのを防ぐ薬です。皮膚科に行くと、異常な角化を抑制する目的で処方されることがあります。根本的に治すホルモン治療ホルモンバランスが乱れると鼻ニキビにつながるため、鼻ニキビの根本的な治療はホルモン療法が用いられます。ホルモン治療では、ニキビができにくい肌をつくることができるのでおすすめです。鼻の横や下にできるニキビの予防法鼻ニキビを予防するセルフケアについて紹介します。触る・こするなど刺激を与えない鼻をさわるくせのある人は、さわらないようにしましょう。また、タオルでごしごしと強くこするのも厳禁です。鼻をかむ機会が多い人は、なるべく肌ざわりがよいティッシュを使うようにしましょう。手で触らず泡で洗顔するたっぷりの泡で顔を洗うと、手が直接、肌にふれないため刺激を与えずにすみます。はじめから泡で出てくる洗顔料を使う、泡立てネットを使うといった方法で洗顔しましょう。鼻の横や下を保湿する鼻は、乾燥すると皮脂を過剰に分泌し鼻ニキビになってしまいます。そのため、入浴後や部屋が乾燥しているときは、鼻に化粧水や乳液を塗って保湿しましょう。また、ティッシュなどで皮脂をおさえてから行うと効果が期待できます。乾燥は新陳代謝の低下も招くため、角質が毛穴に残りやすくなってしまいます。十分に保湿しましょう。リラックスするホルモンバランスが乱れて男性ホルモンが優位になると、鼻ニキビが発生しやすくなります。アロマをたく、目を閉じて横になる、お気に入りの紅茶を飲むなど自分がリラックスできる方法をためすことが大切です。リラックスした状態では、女性ホルモンが優位になるためです。日ごろ気をはりつめて生活している人は、肩の力を抜く時間を作るといいでしょう。生活習慣を見直す栄養バランスの偏り、睡眠不足、暴飲暴食といったことでホルモンバランスが乱れている可能性があります。日ごろから規則正しい生活につとめましょう。また、足りない栄養素はなるべく食事で補うべきですが、場合によってはサプリメントをうまく活用するとよいでしょう。なかなか寝られない人は横になるだけでもいいので体を休めましょう。これまで、鼻ニキビの原因や症状、治療や予防についてご紹介してきました。鼻ニキビは目立つため、跡にのこると改善するまで大変です。原因や予防法を理解し、早い段階からケアや治療を行いましょう。監修:大久保真
2017年04月23日吹き出物用の市販薬と処方薬の違い吹き出物ができたときには、市販の薬を使う、病院処方の薬を使うという2つの方法が考えられます。市販の薬と処方薬とはどのような違いがあるのかを解説します。私たちが通常購入する市販薬には、吹き出物用の化粧品や医薬部外品があります。しかし、これらは吹き出物を予防することはできても、できてしまった吹き出物を治療することはできません。病院で処方される薬は、厚生労働省から吹き出物に対して有効性が確認されたものです。また、医師が処方するということは、それだけ効果はあるけれど、副作用もあるということです。医師が症状を診ながら処方してくれますし、副作用が出た場合にもすぐに対処してくれるので安心です。薬の効能吹き出物の薬には、吹き出物の症状によって効能や目的が違ってきます。皮脂の分泌を抑える吹き出物の原因のひとつである過剰な皮脂の分泌を抑えます。この効能は、主に硫黄が入った塗り薬に多く、男性や比較的若い年齢にできる吹き出物に効果をあらわします。腫れを抑える赤ニキビ、黄ニキビといった炎症を起こしている吹き出物に対して、熱や腫れを抑えます。吹き出物の痛みを落ち着かせたいときに効果をあらわします。あくまでも対処法であり、吹き出物の原因を取り除くものではありません。角質を柔らかくする吹き出物の原因のひとつである、毛穴の詰まりを改善します。ターンオーバーがうまくいかないときやホルモンのバランスが崩れるなど、大人ニキビと呼ばれる症状を緩和する効果が期待できます。殺菌する吹き出物は、アクネ菌の増殖によって、毒素が出るために炎症を起こします。アクネ菌を殺菌することで、化膿するといった吹き出物の悪化を防ぐ効果が期待できます。栄養を補給する吹き出物の原因となる皮脂の過剰分泌を抑えるために、ビタミンB2、ビタミンB6といった栄養を補給します。また、ターンオーバーを促進する効果もあるようです。吹き出物の薬の種類吹き出物の薬には、吹き出物の状態によって使われる成分が違ってきます。抗生物質吹き出物の原因となっているアクネ菌を殺菌する効果があります。とくに、炎症をともなう吹き出物の治療では最初に使われる薬となります。赤ニキビや黄ニキビなど、腫れ、膿を持って痛むときなどに処方されます。塗り薬と飲み薬があります。ただし、炎症を抑える効果だけなので、炎症が起こっていない白ニキビや黒ニキビには効果はありません。消炎効果に特化した薬なので、予防効果も期待できないとされています。レチノイド製剤角質が硬くなって、柔軟性を失うと毛穴が詰まって、角栓ができてしまいます。レチノイド製剤は、角質を柔らかくする効果があるとされています。吹き出物の原因そのものを抑えるという点で、新しい吹き出物の発生を予防することも期待できます。ただし、吹き出物の原因である角栓を予防する薬のため、炎症のある吹き出物には効果はないといわれています。硫黄(いおう)製剤殺菌、角質を柔らかくする、皮脂の分泌を抑えるの3つの面から吹き出物を治療する薬です。副作用が少ないので、市販の吹き出物用の薬にも含まれています。ニキビ全般の症状に使えますが、肌を乾燥させる副作用があるため、大人になって乾燥肌が原因でできる吹き出物には使わないほうがいいでしょう。サリチル酸製剤角質を柔らかくする効果があります。毛穴の皮脂を外に出やすくして、吹き出物の原因である角栓を発生させないようにします。初期の白ニキビや黒ニキビの段階で、一気に除去することが期待されます。ただし、角質を溶かすほどの成分ですから、敏感肌やすでに炎症を起こしている「赤ニキビ」「黄ニキビ」には向かないとされています。薬の使用上の注意点吹き出物で多く使われる治療薬は、ほとんど塗り薬です。これらの薬はすべて対症療法であり、根本的な治療ではないことを念頭に置いておかなくてはなりません。なぜなら、薬を塗るのを止めてしまえば、再発する可能性があるからです。病院で処方される薬は、効果が高いぶん、副作用も強くなる場合があります。副作用として多いのが皮膚の赤味ヒリヒリ感かゆみ皮がむけるといった症状です。しかし、これは副作用というよりも随伴症状といわれるもので、治療の効果が出ているからこそ現れる症状です。吹き出物の処方薬は、このように随伴症状が現れることが多く、定期的に医師からの経過観察が必要になってきます。随伴症状を和らげるためには、薬を塗る前に化粧水などで保湿してから使用する塗布する量を少なくするしばらく使用を控えるといった方法があります。いずれにしても、自分で判断せずに医師に相談するようにしましょう。市販の吹き出物用の薬は、手軽に使えるので愛用している人も多くいます。しかし、なかなか治らない症状がひどくなってきたくりかえし吹き出物が出るといった場合、やはり皮膚科を受診して処方薬を使うほうが、結果的に早く治療でき、安心できるようです。監修:スキンケア大学参画ドクター
2017年04月23日アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が衰えることによって、炎症や乾燥、かゆみなどの症状が現れるといいます。そのようなアトピー性皮膚炎の症状の改善に効果がある薬について、詳しく解説します。アトピーの症状人の皮膚に備わる機能には、熱や痛みを感じる役割を担う知覚作用や、発汗などによって行われる体温調節機能、細菌などの外敵やさまざまな刺激が体内に入り込まないように防御したり、体の中から体液が出ないように守ったりするバリアとしての役割などがあると考えられます。表皮のいちばん外側に存在する角層が皮膚のバリア機能を担っていますが、アトピー性皮膚炎の皮膚はこのバリア機能が衰えているといわれます。また、アトピー性皮膚炎の皮膚は、細胞間を埋める脂とされる角質細胞間脂質や水分を抱えこむ天然保湿因子などが減少していることが多く見られます。バリア機能が衰えた状態の皮膚では、水分が体の中から蒸散しやすく、本来なら体内に入ってこない有害な抗原刺激が体の外側から侵入しやすい状態になっていることが考えられます。その抗原刺激が、異物の侵入を察知した免疫細胞と結びつくことでアレルギー性の炎症を生じさせる物質を生成し、アトピー性皮膚炎の炎症を起こすとされています。そのうえ、バリア機能が衰えている皮膚はかゆみを感知する知覚神経が表皮まで到達し、少しの刺激にもかゆみを感じて掻き壊しやすくなります。掻くことによって、バリア機能がさらに悪化するという負のスパイラルに陥ることがあります。アトピーの薬の種類と効果アトピー性皮膚炎の治療薬として、以下のような抗炎症外用薬や内服薬が処方されることがあります。抗炎症外用薬アトピー性皮膚炎の炎症を鎮静する外用薬として、安全性や有効性が十分に考慮されている薬剤としてステロイド外用薬やタクロリムス軟膏(カルシニューリン阻害外用薬)が考えられます。<ステロイド外用薬>ステロイド外用薬は適切に使用することで、アトピー性皮膚炎の炎症に対して年齢にかかわらず、確実かつすみやかに鎮めることが可能な薬剤だといえます。ステロイドは、薬効の強い順にストロンゲスト、ベリーストロング、ストロング、ミディアム、ウィークの5ランクがあり、皮膚炎の重症度に合わせたランクの薬剤を正しく選択し、適切に使用することが大切です。また、アトピー性皮膚炎の重症度には、重症、中等症、軽症、軽微の4段階あり、症状の重症度によってステロイド皮膚炎のランクを選択するとされています。薬剤の形状には、クリーム、軟膏、ローション、テープ剤などがあり、症状の状態や部位によって選択します。・重症激しい炎症によって皮膚が腫れ上がる腫脹(しゅちょう)やむくみ、ただれ、皮膚がジクジクした状態である浸潤(しんじゅん)、炎症をくり返すことによって皮膚がゴワゴワに乾燥した状態である苔癬化(たいせんか)をともなう紅斑、皮膚の表面が細かくはがれてフケ状に落ちる状態である鱗屑(りんせつ)の激化、かさぶた、直径1cm以下で皮膚面から隆起する発疹の丘疹(きゅうしん)の多発、水疱、数多い掻き壊し痕など、皮膚炎の症状が激しい状態をさします。使用するステロイドのランクは、ベリーストロングやストロングが処方され、ストロンングクラスでも効果が確認されない場合にはその部位のみに限定的にストロンゲストランクのステロイド外用薬を使用することがあります。・中等症中等度未満の紅斑や鱗屑、丘疹、掻き壊し痕などの症状が主体とされ、ステロイド外用薬のランクはストロングやミディアムクラスの処方が考えられます。・軽症乾燥や軽度の鱗屑、紅斑などが主な症状で、ステロイド外用薬は主にミディアムクラス以下のランクが選択されることが一般的です。・軽微乾燥症状が主体で、炎症はあまり見られない状態とされ、外用薬はステロイドを含まないものの処方が考えられます。<タクロリムス(カルシニューリン阻害外用薬)>副作用の心配からステロイド外用薬を使用できなかったアトピー性皮膚炎の症状に対して、有効性が高いとされています。薬効の強度には限界があることや使用上における制約があるなど、安全性や使用に関して不安定な要素が見られます。内服薬アトピー性皮膚炎の治療薬はステロイド外用薬やタクロリムスなどの抗炎症外用薬が主体で、内服薬は補助的な療法とされています。<抗ヒスタミン薬>アトピー性皮膚炎のかゆみの鎮静に対して処方されることがあります。<シクロスポリン>具体的に難治性の紅斑や紅皮症などに有効で、投与した後はすみやかにかゆみが軽減するといわれます。<ステロイド内服薬>激しい炎症や重症、最重症のアトピー性皮膚炎に使用されることがあります。<漢方薬>国内で一般的な皮膚科が処方できる漢方薬として消風散(しょうふうさん)や補中益気湯(ほちゅうえっきとう)があり、前者は抗炎症外用薬の治療で皮膚炎が改善しない場合に処方され、後者は疲れやすかったり、体がだるかったりするときなどに処方されることが考えられます。薬を使用する際の注意薬を使用する際は、副作用の危険性も考慮して使用しましょう。特に、ステロイドの治療においては医師の指導が重要です。外用薬を使用する際は、指示を受けた部位に回数や量を守って塗布しましょう。自己判断で医師の指示なく別のかゆみがある部分に塗ることや、指定の期間以上に外用を続けることはやめましょう。反対に医師の指示なく使用を中止することも避けるべきで、使用をやめた時点で症状がぶり返すことや悪化することも考えられます。また、治療の途中に副作用が疑われる症状が見られる場合には、すみやかに主治医に相談することが大切です。監修:大久保真
2017年04月23日さまざまな原因で発症するアトピー性皮膚炎の因子のひとつに肌の乾燥が考えられますが、予防や改善、悪化を防ぐためにも肌の保湿は重要だといわれます。アトピー性皮膚炎を悪化させないための保湿について、詳しく解説します。アトピーになる原因アトピー性皮膚炎は多因子性疾患だといわれるようにさまざまな原因があり、ほこりやダニ、室内環境などの住環境や、気候や大気汚染、花粉などの自然環境、食事やストレス、体質などの生活習慣や遺伝にかかわるもの、その他にもペットや植物などの日常生活の中のさまざまな因子の影響が考えられます。生活環境の中にあるたくさんの因子から影響を受けてアトピー性皮膚炎は発症や悪化をするといわれるため、ひとつの因子に絞って対策をしてもアトピー性皮膚炎の改善には繋がらないことが多いとされています。現実に、ストレスを受けた場合にアトピー性皮膚炎が発症したり、特定の食品を食べて悪化したりということもありますが、その場合は積み重なったたくさんの因子のいちばんうえに新しい因子が付加されて症状が引き起こされた現象ともいえます。同じ刺激でも、時によって症状が出たり出なかったりするのは、そのような理由が考えられます。アトピー性皮膚炎は単一の原因で発症するのではなく、多因子性の疾患であることへの理解が大切です。アトピーが悪化する原因アトピー性皮膚炎が発症する原因がさまざまにあるように、悪化する原因も数多くあり無意識に症状を悪化させている場合も考えられるため注意が必要です。汗をかいたままにして肌を不潔にしたり、かゆみに対して掻きむしったり、シャンプーや石けん、化粧品や洗剤などが刺激物となって症状が悪化することも考えられます。また、脂っこい食事やチョコレート、香辛料、スナック菓子などの食品や、たばこやアルコールなどの嗜好品などを摂取することもアレルゲンを取り入れている可能性があり、悪化の原因となることがあります。ダニや花粉、ハウスダスト、カビ、ペットの毛などのアレルゲンが多い住環境での暮らしも、アトピー性皮膚炎を悪化させてしまうことが考えられます。定期的な掃除で部屋を清潔に保つことや、ダニの繁殖を防ぐために室内の湿度を下げて空気の入れ替えなどをすることが大切です。アトピーと保湿の関係乾燥肌がアトピー性皮膚炎を誘発するといわれ、皮膚のうるおいを保つことがアトピー性皮膚炎の予防や改善にとって重要です。皮膚のうるおいを保つには、皮脂や角質細胞間脂質、天然保湿因子が必要といわれますが、アトピー性皮膚炎が発症した皮膚にはこれらの物質が不足していることが報告されています。そのような理由によって、肌の外から不足した物質を補うためのスキンケアが大切です。スキンケアとは、皮膚を清潔に保ち保湿をすることですが、治療ではなく皮膚をケアすることで、バリア機能を高めて正常に保つことが目的と考えられます。アトピー性皮膚炎の皮膚の特徴アトピー性皮膚炎が発症した肌は角質層に問題があることが多く、水分の保持力が弱いため乾燥しやすく、外部からの刺激や異物を防ぐ役割を担うバリア機能が衰えているため炎症を生じやすいといわれます。水分保持力とバリア機能の低下アトピー性皮膚炎が発症した皮膚の角質層は、細胞間脂質の主成分のセラミドが健康な皮膚よりも減少している傾向があります。肌のバリア機能や水分保持力は、セラミドが主成分の細胞間脂質がおよそ80%を担っており、NMFと呼ばれる天然保湿因子がおよそ18%、残りの約2%は皮脂といわれます。そのような理由から、セラミドが不足すれば乾燥しやすく異物や刺激に弱い皮膚になると考えられます。皮膚を保湿することは、アトピー性皮膚炎の症状の緩和や改善、予防にとって重要な要素だといえます。肌の保湿のしかたアトピー性皮膚炎を起こしている肌には保湿が必要と考えられますが、大きく分けて2通りの保湿方法があります。皮膚の表面の保護アトピー性皮膚炎の肌に必要な保湿として、しっかりと皮膚の表面を保護するタイプの保湿剤の使用が考えられます。このような保湿剤には、皮脂膜のように肌の表面を覆って異物の侵入や水分の蒸発を防ぎます。肌の表面を保護する代表的な保湿剤に白ワセリンがあります。ローションタイプやクリームタイプなどさまざまにあり、医療機関の処方に限らず市販のものを使用することでも同じ効果が得られます。高価なものを少量ずつ使うよりも、肌に合うものを惜しまず多めに使うことが必要な場合もあります。皮膚の水分を保持アトピー性皮膚炎の肌は乾燥しやすく水分量が低下しているため、肌に水分を与えて保持する保湿が必要です。このタイプの保湿剤は以下のように3つに分類されます。<外気の水分の吸着>外気に存在する水分を吸着して保湿する成分を配合した保湿剤ですが、湿度の低い場合には保湿力が発揮できないことがあります。代表的な成分にグリセリンやアミノ酸類があります。<水分を抱えこむ>角質層や肌の表面で水分を抱えこんで保湿を促す保湿成分ですが、代表的な成分にヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンなどがあります。<水分をはさみ込む>角質層の細胞間脂質の層の間に水分はさみ込んで保湿する成分で、強い保湿力を持つといわれます。代表的な成分にセラミドや水素添加大豆レシチン、スフィンゴ脂質などがあります。この中でもアトピー性皮膚炎に有効な保湿成分はセラミドと考えられますが、セラミド配合のスキンケア剤を選ぶ場合には、「ヒト型セラミド」や「天然セラミド」などのヒトの皮膚にあるセラミドと同じ構造をもつセラミドが配合されたものを選択しましょう。監修:大久保真
2017年04月23日なぜ、鼻の毛穴は黒ずみやすいのでしょう。正しい手入れの方法と毛穴の黒ずみなどの予防方法について詳しく解説していきたいと思います。鼻の毛穴の黒ずみの原因鼻の毛穴が黒ずんでしまう理由としては、いくつかの原因があるようです。順に見ていきましょう。毛穴につまった角栓産毛の色素毛穴付近の色素沈着(メラニン毛穴)鼻の毛穴につまった角栓毛穴が黒ずんで見える主な原因は、毛穴につまった「角栓」です。鼻を問わず毛穴には皮脂を分泌する皮脂腺があります。皮脂というのは、傷つきやすい肌を紫外線や外気から守る役割を持っており、個人差はあるものの必ず分泌されます。正常な状態であればなにも問題がないのですが、過剰に皮脂が分泌されてしまうと、毛穴の中につまりやすくなります。さらに、新陳代謝によって発生した古い皮膚やメイク汚れなどが混ざり合うことで生じる物質が角栓と呼ばれています。時間があまり経過していない角栓は黒くありませんが、これが空気によって酸化してしまうことで黒く目立つ角栓となってしまいます。ひどくなると、鼻の頭や小鼻にブツブツと目立ってしまう「いちご鼻」と呼ばれる状態になることもあります。産毛の色素が濃い角栓が原因でない場合、肌の産毛が黒ずみの原因になっていることがあります。特にスキンケアをしても黒ずみが改善されない場合は、産毛が黒ずみの原因になっていないか疑ってみましょう。普段はあまり目立たないことがありますが、よく見ると肌には多くの産毛が生えていることがあります。産毛の色素が濃いと毛穴が黒く目立ちやすくなることがあります。このような場合は、産毛を剃ることで解決することもありますが、自己流で産毛の処理をしてしまうと肌を傷つけてしまい、炎症を起こしてしまう可能性があるようです。適切にケアをできない時には、シェービングができるサロンなどで処理をしてもらうことが望ましいでしょう。皮脂が酸化し色素沈着を起こす(メラニン毛穴)角栓や産毛がなくても毛穴に黒ずみがある場合は、毛穴の皮脂汚れが酸化し、色素沈着して黒くなってしまったことが考えられます。紫外線によって皮脂が酸化すると、毛穴の周囲に活性酸素が発生し、それによりメラニン色素の生成が増えるといわれています。そのため、「メラニン毛穴」と呼ばれることもあるようです。鼻の頭は、他の部分に比べて皮脂の分泌が活発になることから色素沈着をしやすいといわれています。そこにターンオーバーの乱れが加わるとメラニン色素の排出ができず肌にとどまってしまい、さらに毛穴周りが黒ずんで見えてしまいます。このように鼻の毛穴の黒ずみには複数の原因があり、解消するための方法も異なりますので注意しましょう。毛穴の黒ずみの正体を見分ける方法では、毛穴の黒ずみの原因が何なのか見分けるにはどうしたらよいのでしょうか。毛穴に角栓がつまっていたり、毛が埋もれた状態の場合、指で触るとザラザラとした感触があります。角栓による毛穴の黒ずみが気になる場合は、つまりの原因である古い角質や汚れを毛穴にためないよう「角質ケア」を行うことが大切です。また、産毛による黒ずみの場合、丁寧にシェービングすることで産毛や余分な角質を落として、明るい肌色を取り戻すことができるでしょう。色素沈着による黒ずみの場合は、表面がつるつるしていたり、毛穴がややくぼんでいることが特徴です。色素沈着の場合は熱心に角質ケアを行っても効果が出ません。毎日の正しい洗顔や保湿ケアに加えて、メラニンを作らせない「美白ケア」を取り入れましょう。次に、毛穴の黒ずみのケア方法を原因別にご紹介していきます。角栓による黒ずみのおすすめケア方法角栓による毛穴の黒ずみは、一度皮膚科などで角栓を取ってもらうのもよいでしょう。自宅でのお手入れとしては、角栓を作らせない角質ケアが大切です。オイルクレンジング角栓は皮脂や古い角質のほか、メイク汚れが蓄積されて作られます。毎日メイクをしている人は、洗顔だけでなくクレンジングでメイクをしっかり落とすようにしましょう。クレンジング剤にはさまざまな種類がありますが、角栓が気になるときのケアにはクレンジングオイルがおすすめです。クレンジングオイルはミルクやジェルよりも界面活性剤が多く含まれており、濃いめのメイクや皮脂汚れ、古い角質などもすっきりと洗い上げることができます。また、オイルで毛穴の周りの皮膚を柔軟にすることで、角栓の自然な排出をうながすことができるようになります。クレンジングオイルを使用するときは、「乳化させること」が大切です。オイルを顔全体にやさしく馴染ませてから、少量の水をまぶしてオイルを白くしてから落しましょう。これによってオイルが「水と油が混じり合った状態」になり、汚れをしっかり落とすことができます。乳化させたあとは、しっかりとすすぎを行いましょう。蒸しタオル鼻の毛穴から角栓を取り除くには、毛穴を開くことも大切です。そこでおすすめなのが蒸しタオルを使ったケアです。蒸しタオルは、熱と蒸気で毛穴を開かせるとともに、角質をやわらかくし、毛穴につまった汚れや角栓を浮き上がらせる役割を果たします。メイクを落とした後、以下の手順で行いましょう。フェイスタオルを水に浸し、軽く絞ってからおしぼりのように巻きます500wか600wの電子レンジで30秒〜1分ほど加熱します火傷に気をつけながらタオルを取り出し、あごに当てるなどして温度を確認します熱すぎない温度まで冷ましたら顔全体にあて、3分ほど置きます蒸しタオルを取り、洗顔または化粧水や乳液で保湿ケアを行います正しい洗顔毎日、なんとなく顔を洗っているという人は、洗顔方法も見直してみましょう。角栓を落とそうとゴシゴシ力をいれて肌をこすったり、熱いお湯ですすいだりしていませんか?洗顔料はよく泡立て、手と肌の間で泡をクッションにするようにして洗います。皮脂の多い部分からやさしく洗い始め、乾燥しがちな目元や口元は泡を乗せるだけでも十分です。すすぎは36℃前後のぬるま湯で、20回程度丁寧に行います。洗顔後はすぐに保湿ケアをすることも忘れないようにしましょう。なお、角栓が気になるからといって、洗いすぎるのは逆効果です。洗顔は朝・夜の2回にとどめましょう。洗顔の頻度を増やすと肌のバリア機能が低下し、乾燥の原因となることがあります。乾燥すると肌はよりいっそう皮脂を分泌するため、角栓ができてしまう原因になります。角栓は無理に押し出さない!鼻に角栓ができてしまうと、ついつい無理やり押しだしたくなる気持ちになってしまう人が多いようです。しかし、無理に角栓を絞りだすと、毛穴にクレーター状の穴ができてしまい、そこにさらに皮脂がたまりやすくなってしまいます。紫外線の影響も受けやすく色素沈着を引き起こしかねません。無理に角栓を絞り出さないようにしましょう。色素沈着(メラニン毛穴)による黒ずみのおすすめケア方法色素沈着による毛穴の黒ずみは、原因となるメラニンの生成を防ぎ、排出を促すことが大切です。美白ケアのポイントをご紹介します。生活習慣を整え、ターンオーバーを促す色素沈着の原因となる過剰なメラニンを体外へ排出するには、肌の生まれ変わり、すなわちターンオーバーを正常化させることが大切です。質の高い睡眠を取るなど生活習慣を見直すとともに、軽い運動やストレッチを取り入れたり、湯船にゆっくりつかることで代謝を高める工夫をしましょう。すこやかな美肌をつくるには食生活も大切です。タンパク質や脂質、糖質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく取るとともに、美白や抗酸化に役立つ以下のような栄養素を含む食べ物を積極的に取りましょう。ビタミンC…レモンやトマト、パプリカ、アセロラなど。メラニン還元作用がありますビタミンE…ナッツ類、アボカド、えごまなど。肌の代謝を高めますL-システイン…大豆、小麦胚芽、はちみつなど。メラニンの排出を助けますリコピン…トマトやスイカなど。活性酸素を除去する作用がありますアスタキサンチン…サーモンやエビ、カニなど。抗酸化作用やメラニン抑制効果がありますエラグ酸…ざくろやベリー系の果物など。ポリフェノールの一種でメラニンを抑制します紫外線対策を忘れずに紫外線を大量に浴びると、メラニンの生成が促進されてしまいます。日差しが強くなる季節はもちろんのこと、日ごろからUV機能のある下地やファンデーションを塗る、帽子や日傘を活用するなど紫外線対策を忘れないようにしましょう。美白化粧品でスキンケアスキンケアでは、正しい洗顔・保湿ケアを心がけるとともに、美白成分配合の化粧品を取り入れてみましょう。美白化粧品は基本的に「メラニン色素の生成を抑えることによりシミ・そばかすを防ぐ」ことが目的ですが、メラニン毛穴をこれ以上悪化させないためにも活用するとよいでしょう。ここでは、美容成分の一部をご紹介します。ビタミンC誘導体…メラニンの生成を阻害し、すでにあるシミを還元。抗酸化作用、炎症抑制作用もあるアルブチン…メラニンを生成する酵素に働きかけ、シミの生成を阻害プラセンタエキス…メラニンの生成を抑制するとともに、ターンオーバーを促進色素沈着の改善に効果があるとされる成分のなかには、主に医療機関で処方されている「ハイドロキノン」と呼ばれる成分もあります。ただし、別名「肌の漂白剤」と呼ばれるほど漂白成分が強く、誤った使い方をすると赤みや刺激、かぶれなどの症状が生じることもありますので、医師の指導にしたがい、正しい用法を守って使うことが大切です。詳しくは、『色素沈着したニキビ跡に効果的な「ハイドロキノン」』 (をご覧ください。定期的にピーリングを行う肌のターンオーバーを促すには、古い角質や老廃物を溶かして肌の再生を促すピーリングも効果的です。石けんや化粧品などピーリング効果のある商品を活用すれば、自宅でも行うことができます。ただし、ピーリングは頻繁にやりすぎると肌に赤みがでたり、乾燥が進むなど肌トラブルの原因となりますので、使用法や回数をきちんと守って使うようにしましょう。医療機関でケアを行う色素沈着タイプの黒ずみは、皮膚科や美容外科に相談するのもおすすめです。肌のターンオーバーを促進するケミカルピーリングや美白成分を肌の奥に届けるトリートメント治療、メラニン色素を除去するレーザー治療などがあります。病院や使用する機械によって効果が変わってきますので、医師としっかり相談をしながら進めていきましょう。まとめ鼻の毛穴が黒ずんで見える原因は「毛穴につまった角栓」「産毛の色素」「毛穴付近の色素沈着(メラニン毛穴)」と複数あります。それぞれ対処法やケア方法が異なってきますので、まずは自分の黒ずみがどのような原因で起こっているのかを見極めることが大切です。指で触ってみてザラザラ、でこぼこしているようであれば、角栓か産毛による黒ずみです。角栓が原因となっている場合は無理にしぼり出そうとせず、正しいクレンジング・洗顔や蒸しタオルなどを活用して自然な角栓の排出を促しましょう。また、産毛が原因となっている場合は、シェービングをすることで解消することができます。触ってもザラザラしない場合は毛穴の周囲に色素が沈着する「メラニン毛穴」と呼ばれる症状になっていますので、紫外線対策や美白ケアなどを取り入れながら改善していきましょう。監修:稲葉岳也
2017年04月23日人によっては、わずらわしく感じてしまうこともある汗は、ニオイが気になる人と気にならない人がいるといわれています。その原因は何なのか、また、汗にはどのような役割があって、どのような仕組みで発汗しているのかについて紹介します。汗が持つ役割とは汗はニオイの原因ともなると考えられていることもあり、「出ないほうがよいのに」と考えてしまう人もいるかもしれません。しかし、汗は体温を調整するのに役立ち、なくてはならないものといわれています。とくにエクリン腺は、全身にたくさんあり、主成分も水なので体温調整に重要な汗腺と考えられています。汗をかく仕組み体温が高くなっているときには、熱を放出するために皮膚血流を増やし、汗腺への水分補給量を上げて汗をかきます。このように、神経性に汗腺の機能を高めて発汗し、体温を調整することができるのはヒトのみとされていいて、他の動物はパンディングと呼ばれる、浅い呼吸をたくさん行い呼吸器から水を蒸発させる方法で体温を調整するといわれています。また、体温を調節するのに活躍している汗腺はエクリン腺というもので、体に200〜500万個ほどあると考えられています。個数に300万個もの差があるのは、エクリン腺が妊娠28週ころから生後2年半までの間にエクリン腺が完成するとされ、その間の環境によって汗腺の数が変わるといわれているからです。汗がにおうのはなぜ汗がにおうのは、汗腺から出た汗が体の常在菌に分解されることが原因と考えられています。汗腺には、エクリン腺の他にアポクリン腺というものがあります。エクリン腺は、99%が水、尿素、アンモニア、塩化ナトリウムなどで、アポクリン腺はタンパク質、アンモニア、鉄分、脂質、糖質などがふくまれているので、水分が主体のエクリン腺から出る汗よりもアポクリン腺から出る汗のほうが、常在菌に分解されたときにワキガのようなニオイを放つといわれています。汗がにおう原因を解説汗のニオイは、エクリン腺から発汗したものなのか、アポクリン腺から発汗したものなのかによって違いがあるといわれています。前の項目でもふれていますが、汗のニオイは体の常在菌が汗を分解したときに発生すると考えられています。そして、アポクリン腺は人によって個数が違うといわれています。アポクリン腺の個数は、遺伝によるものが多いと考えられていて、両親のどちらかがアポクリン腺が多かったり大きかったりするワキガ体質である場合には、50%の確率で遺伝するといわれています。また、両親のどちらもワキガ体質の場合は80%の確率で遺伝するとされています。汗がにおう原因は、アポクリン腺の個数や大きさの違いによるものの他、生活習慣や汗をかいたあとの対処法によって変わるといわれています。たとえば、運動不足の人や冷暖房の設備が整った場所で働いている人などは、汗腺の働きが弱くなっているため、ベトベトしたにおいやすい汗をかいてしまうと考えられています。日本と海外の違い日本人のワキガ体質の割合は、約10%、欧米のワキガ体質は約70〜100%とされています。そのため、海外の人よりも日本人の方が、汗のニオイを不快に感じてしまうことが多いといわれています。アポクリン腺が発達する小学生から思春期くらいの時期に、ワキガ体質であることに気がつくことが多く、ニオイに敏感な日本では、いじめに発展してしまうケースやニオイを気にするあまり積極性がなくなってしまう場合があるとされているので、家族に汗がにおいやすい人がいるならば、早めに対処することが大切と考えられています。汗のニオイの対策法汗がにおわないように対策する方法はいくつかあります。アポクリン腺の個数が多い、大きいという場合は、アポクリン腺を摘出する手術を行う方法が有効と考えられています。ベトベトしたにおいやすい汗が出ている場合は、以下のような生活を心がけて、サラサラした質のよい汗をかけるようにしてみましょう。バランスのよい食生活をする肉中心の食生活を送っていると汗のニオイが気になりやすいといわれています。魚中心の食事に切り替えることで、ニオイを減らすことができると考えられています。たくさん水分をとる水分が少ないとベトベトした汗になりやすいため、水分補給をこまめにしたり、汗をかいたときはスポーツドリンクなどのミネラルを含むものを飲んだりするとよいとされています。適度な運動をする適度に運動をすることで、汗腺の働きを高めたり、老廃物をこまめに排出することでサラサラした汗をかいたりすることができると考えられています。ミョウバン水を使う汗のニオイの原因となっている細菌は、アルカリ性を好むといわれています。ミョウバン水を使って酸性にすることで細菌を増やさないようにすることがよいと考えられています。汗をこまめに拭き取る汗を分解して細菌が発生してしまわないように、こまめに汗を拭き取ることが大切といわれています。よい汗をかいてニオイ予防しよう汗には体温調整をするという大切な役割があります。しかし、その役割に重要なのはエクリン腺から出る汗とされています。汗のニオイが気になるという人は、アポクリン腺から出る汗の質を変えたり発汗した汗の対処をしたりすることでニオイ予防をしてみましょう。監修:大久保真
2017年04月22日汗がにおう原因となっている汗腺があるといわれています。汗腺には2つの種類があり、それぞれ違った役割があります。汗がにおう汗腺とにおわない汗腺の違いや対策法について紹介します。汗腺とは汗腺は、エクリン腺とアポクリン腺の2種類があり、いずれも汗管と分泌部で構成されています。分泌部は、真皮深層から皮下組織にかけてコイル状の形になっていることが特徴です。汗腺の種類体温調整に役立っているとされるエクリン腺とフェロモンを放出する役割があったといわれているアポクリン腺の役割と仕組みを詳しく紹介します。エクリン腺エクリン腺は全身にある汗腺で、個人差はありますが、およそ300万個あります。エクリン腺から出る汗の量は、一日に700〜900ml程度で、体温が高くなったときに汗を出すことで体温を下げるといった体温調節を行う役割があるといわれています。また、汗は交感神経の働きによってエクリン腺が刺激されて出ると考えられているので、体温が上昇したときのほか、緊張状態にあるとき、味覚刺激などでも発汗することがあるとされています。アポクリン腺哺乳類の芳香腺だったといわれていて、フェロモンを放出する場所だったと考えられています。そのため、エクリン腺から発汗する汗よりもニオイを発生させることが多いといわれています。全身にあるエクリン腺とは違い、ワキや外耳道、乳首や外陰部に多くあります。そのため、ワキの汗のニオイが気になるワキガや外陰部のニオイが気になるすそワキガはアポクリン腺によるものと考えられています。アポクリン腺がにおうのはなぜワキガの原因とも考えられているアポクリン腺は、元来フェロモンを放出する芳香腺だったとされることから、ニオイを放ちやすいものと考えられています。交感神経に支配されているエクリン腺と比べ、アポクリン腺はアドレナリンによって活発化するというのも芳香腺だった証拠と言えるでしょう。また、エクリン腺から発汗する汗の成分は、99%が水分であるのに対し、アポクリン腺から発汗する汗はタンパク質やアンモニア、脂質や糖質などで構成されているのもにおいやすい原因です。エクリン腺からの汗もにおうのかアポクリン腺から発汗する汗がにおうのは、汗の成分によるものと考えられていますが、水分が99%とされるエクリン腺から出る汗もにおうことがあります。それは、汗をかいた後に放置することで細菌が繁殖してニオイを発生させてしまうこと、運動不足によってエクリン腺の活動が弱まり、ミネラルやアンモニアを多く含む汗をかきやすくなってしまうことなどがあげられます。エクリン腺から出る汗のニオイは、対策をすれば改善されるケースが多いので、ニオイ対策をしてみるのをおすすめします。汗のニオイの対策法汗のニオイが気になる人は、どのようなニオイなのかで汗が出ている汗腺を区別し、それに合わせた対策を行うのがおすすめです。エクリン腺から出る汗のニオイは、一般的にいわれる「汗くさいニオイ」と表現されていますが、アポクリン腺から出る汗のニオイは、ツンとした鼻につくようなニオイと表現されることがあります。アポクリン腺のニオイ対策法アポクリン腺が多く、ニオイを発生させやすい体質の人はワキガ体質である可能性が考えられます。ワキガかどうかをセルフチェクする項目を紹介します。・耳垢がベタベタしている・洋服のワキ部分に黄ばみがある・ワキ毛が濃い・ワキ毛に白い粉がつく・両親の両方またはどちらかがワキガ体質・ワキの下に汗をかきやすい当てはまる項目が多いほどワキガ体質である可能性が高まると考えられているので、ワキガ体質の可能性がある人は、ワキガ対策について調べることをおすすめします。ワキガ体質の場合は、最初から存在するアポクリン腺の個数が多いケースが多いと考えられていますが、アポクリン腺の数が少なくてもにおうこともあります。肉中心の食生活やファストフードを頻繁に食べている人は、アポクリン腺が活発になってにおいやすい状態になってしまうといわれています。アポクリン腺から出る汗のニオイが気になる人は、最初に食生活を改善してみて、それでも改善しない場合は病院で医師に相談してみるとよいでしょう。エクリン腺のニオイ対策法エクリン腺から出る汗は、水分がほとんどなので、におうことは少ないといわれています。しかし、汗をかいたまま放っておくことで細菌が繁殖し、汗くさいニオイを発生させることがあるので、汗をかいたらこまめに拭き取るようにする、制汗剤を使用するなどしてニオイ対策をするのがおすすめです。汗腺の違いを知りニオイ対策をしよう汗腺には、ニオイが少ないと考えられているエクリン腺とにおいやすいと考えられているアポクリン腺があります。アポクリン腺から出る汗がにおう場合は、ワキガ体質でないかをチェックしたり食生活を改善したりするのが効果的といわれているので、試してみるのをおすすめします。エクリン腺から出る汗がにおう場合は制汗剤を使う、こまめに拭き取るなど対処してみましょう。監修:大久保真
2017年04月22日汗臭いにおいは、どのようなものが原因となって発生しているのか、どのように対処していくのがよいか気になる人に役立つ記事です。エクリン線とアポクリン腺から出る汗の成分の違い、質のよい汗や質の悪い汗の違い、汗は何からできているのかといった細かなところから、汗が臭いと感じてしまう原因を探って改善する方法を紹介します。最近体が汗臭い...汗がにおうのはなぜか汗がにおう原因は、汗が出ている汗腺や汗の質によるものといわれています。汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺の2種類があり、エクリン腺から出ている汗は水分が99%程度含まれている、アポクリン腺はタンパク質やアンモニア、脂質などが含まれています。水分が主体のエクリン腺の汗に比べて、タンパク質などを含むアポクリン腺の汗はにおいやすいといわれています。また、運動不足や食生活などでも汗の質が悪くなってにおいやすい状態になるとされています。特に、アポクリン腺から出る汗は、皮膚の雑菌に分解されてワキガのにおいを放ちます。そのため、汗臭いにおいに悩んでいる人は、アポクリン腺のにおいやワキガのにおいに悩んでいるケースが多いと考えられています。よい汗と悪い汗は汗腺の違いから汗がにおう原因は、汗腺の違いや汗の質の違いによるものとされています。汗腺の違いについては上述したとおりですが、汗の質の違いによってにおいが違うのは次のような理由があるからと考えられています。人の汗は血液からできている汗腺は、血液の血しょうを汲み取り、ろ過して汗として排出します。しかし、汗腺のろ過機能がうまく働かないと、血しょうの成分が残ってしまうため、ベタベタとした質の悪い汗になってしまうと考えられています。ろ過機能が正常に働いている場合の汗は、水分が多い状態なので、汗をかいてすぐは無臭といわれています。質の悪い汗をかいてしまうと残ってしまった成分によって雑菌が繁殖してにおいが発生してしまうと考えられています。よい汗をかく生活習慣とはよい汗をかくためには、汗腺のろ過機能を正常に働かせることが大切といわれています。機能が衰えやすいと考えられている汗腺は、汗を出す習慣を作って機能低下を防ぐようにしましょう。42〜43度のお湯に、ひじから下の部分とひざから下の部分を15分程度つけて温める「汗腺トレーニング」がおすすめです。大量に汗が出るので、その汗を蒸発させて上がった体温を下げていきます。このトレーニングをくり返して汗腺を鍛えることで、質のよい汗がかけるといわれています。汗のにおいを強くしてしまう習慣とは汗の質を改善しても、生活習慣によってはにおいを強くしてしまう可能性があります。たとえば、汗をかいたまま放置すると、雑菌が繁殖してにおいが発生してしまうといわれていますし、通気性の悪い服を着ていると蒸れてにおいが気になることがあります。また、動物性脂肪を多く摂取しているとアポクリン腺が刺激されてしまうため、汗のにおいが強くなってしまうと考えられています。他にも、ネギやニンニク、ニラといった刺激の強い食べ物を食べると汗のにおいが強くなるといわれています。汗のにおい・体臭を抑える改善方法気になる汗のにおいを抑えるのには、いくつかの方法があります。エクリン腺とアポクリン腺で方法が異なる場合もあるので、分けて紹介します。エクリン腺の汗のにおいを抑えるエクリン腺は、汗腺の機能が正常であれば、99%が水分といわれているので、汗腺トレーニングや通気性のよい服を着る、汗をかきっぱなしにしない、制汗剤を使うといった方法がよいでしょう。他には、水分をこまめに摂取するようにしたり、適度な運動をしたりすること、体を冷やさない、魚中心の食生活を送るのがよいといわれています。水分をこまめに摂ることや食生活の改善、適度な運動に関しては、汗の質をよくすることにも繋がるので、特におすすめの方法です。アポクリン腺の汗のにおいを抑えるアポクリン腺の汗のにおいを抑えるには、アポクリン腺を刺激してしまう動物性脂肪の摂取量に気を配ることの他に、手術をする方法も有効です。軽〜中度のにおいレベルなら、パースピレックスやボトックス注入といった手術方法がよいといわれていて、中〜重度のにおいレベルはミラドライやマイクロリムーブ、切開法といった手術が有効と考えられています。汗が臭くなる原因を知って対策しよう汗が臭いと感じる場合は、その汗がエクリン腺から出ている汗なのか、アポクリン腺から出ている汗なのかを知ることや汗の質を知ることで適切な対処法を見つけられると考えられています。汗腺トレーニングや水分をこまめに摂る、運動をする、食生活の改善は有効といわれているので、汗臭いにおいが気になる人は一度試してみるとよいでしょう。監修:大久保真
2017年04月22日脇がにおう原因には、アポクリン腺が多いことや雑菌の繁殖、間違った制汗剤の選び方をしている、ケア方法が適切でないなど、さまざまなものがあげられます。その原因を知ることで、臭いと感じる脇のにおいを改善することができるかもしれません。脇がにおってしまう理由について詳しく紹介します。脇がにおうのはなぜか脇がにおってしまう原因のひとつに、アポクリン腺の個数が多いというものがあげられます。ヒトの体には、エクリン腺とアポクリン腺という2種類の汗腺があります。エクリン腺から出ている汗は、成分の9割以上が水分なのに対し、アポクリン腺から出ている汗の成分はタンパク質やアンモニアといったもののため、体の雑菌によって分解されてにおいを放ってしまうことがあるといわれています。また、アポクリン腺そのものの数が多くなくても、エクリン腺から出た水分を多く含む汗が蒸発するときに、アポクリン腺から出た汗が分解されて発生した雑菌臭が一緒に蒸発してしまうことで脇がにおってしまうことがあります。雑菌の繁殖も脇の臭いの原因になる汗のにおいが発生してしまうのは、雑菌が繁殖してしまうことが原因といわれていますが、アポクリン腺があるのは脇だけではありません。しかし、なぜ脇の汗のにおいだけ気になってしまうのか、それには次のような理由があげられます。・汗をふき取っていない・制汗剤を正しく選べていない脇の下にかいた汗は、意識して拭き取ったりシャツを着替えたりするなどをしなければ、その場所に残って雑菌が繁殖しやすい状態になってしまいます。また、制汗剤を正しく選んでいない場合は、制汗剤の成分が脇の下の毛穴や肌に残ってしまうため、雑菌繁殖の原因となってしまうと考えられます。脇の汗・ニオイケア方法脇の汗を正しくケアすることで、ニオイを少しでも抑えることができるといわれています。この機会に、制汗剤の使い方を見直してみたり、生活や食生活を見直してみたりしてみることをおすすめします。正しい制汗剤の選び方制汗剤には、汗を抑制する働きを期待されている収れん剤と、雑菌が増えないように働きかける抗菌剤、香り成分や殺菌剤などが配合されていることが多いといわれています。この成分をよく見て、自分に合った商品を選ぶことが大切といわれています。たとえば、汗の量が多いと感じる人は収れん剤を配合しているものを選ぶとよいですし、ニオイが気になる人は塩化ベンザルコニウムや銀を配合している商品がよいといわれています。これを知らずに、ニオイが気になるのに収れん剤を多く配合しているものを選んでしまうと、収れん剤によって汗腺がふさがってしまい、余計に汗のニオイが強くなってしまうことがあるといわれています。また、制汗剤を毎日使い続けることは、肌の黒ずみに繋がることがありますし、老廃物の排出ができなくなってしまうことも考えられるので、制汗剤を使用しない日を作るようにして利用することをおすすめします。脇の汗のケア方法脇汗をすぐに拭き取らずにいると雑菌が繁殖してニオイが発生してしまう可能性があります。しかし、汗をかいてすぐに着替えられない、拭き取れないといったケースもあるでしょう。そのようなときは、脇汗パッドを使ったり通気性や吸収性の高い脇汗インナーを使ったりするのがおすすめです。もちろん、汗をふき取れる場合や着替えられる場合は、こまめに拭き取ったり着替えたりするのがよいでしょう。汗そのもののニオイを抑える方法汗のニオイを強めてしまうと考えられている生活習慣がいくつかあります。それらの習慣を見直すことで、汗そのもののニオイを少しでも抑えることが可能と考えられています。・肉類や乳製品の摂取量を減らす・揚げ物やジャンクフードを減らす・適度な運動をする・水分をこまめに摂取する食事は、肉中心のものより魚中心の和食がよいといわれています。また、運動をすることで、汗をかく習慣をつけることは、においやすいと考えられているベトベトした汗をかかずにサラサラとしてにおいにくい汗をかくためによいとされているのでおすすめです。病気がかかわっている場合もある脇汗があまりにも気になるという場合は、病気である可能性も考えられるので注意が必要です。たとえば、アポクリン腺の量が多く、ツンと鼻にくるニオイがする場合はワキガであることが考えられます。ワキガは、程度によっては手術でなければニオイを減少させることは難しいとされているので、病院で相談するのがおすすめです。また、運動や食事といった汗をかきそうなことをしていないのに、緊張したときやストレスなどで大量に汗をかいてしまう場合は、多汗症である可能性も考えられます。この場合も、病院で適切な処置をするのがおすすめなので、医師に相談するのがよいでしょう。監修:稲葉岳也
2017年04月22日脇には、エクリン腺のほかにアポクリン腺があるため、脇汗は臭いと感じてしまうことがあります。脇汗のニオイと汗腺の関係、脇汗のニオイを抑える方法について詳しく紹介します。脇汗が臭い原因脇汗が臭いと感じてしまう人には、以下のような理由があると考えられています。アポクリン腺の個数が多いヒトには、エクリン腺とアポクリン腺という汗腺があります。全身に存在するエクリン腺は、主に体温調整をするために働くといわれていて、出てくる汗は99%が水分です。一方、アポクリン腺は、哺乳類の芳香腺だったので、乳首や外陰部、脇などに存在し、フェロモンを放つ働きがあると考えられています。そのため、汗の成分はタンパク質やアンモニアといったニオイを放ちやすい成分です。このアポクリン腺の個数が多い人は、それだけ汗が臭くなりやすい状態にあるので、汗のニオイが気になってしまうことがあります。雑菌が繁殖しやすい環境であるアポクリン腺の汗もエクリン腺の汗も、出てきてすぐには無臭であるとされています。汗が放置されることで、脇の皮膚にある細菌によって分解されて雑菌臭が発生し、脇汗が臭いと感じてしまうのです。なので、雑菌の繁殖しやすい、蒸れやすい服を着ている、汗をこまめに拭き取らないといった環境にあると汗のニオイが気になってしまいます。ワキガと普通の汗のニオイの違いとはエクリン腺から出てくる汗は水分がほとんどなので、ニオイはそれほど強いものではありません。しかし、アポクリン腺から出てくる汗のニオイは少し強いと感じてしまったり、不快に思ったりすることがあります。その中でも、鼻にツンとくるニオイを放っている場合は、ワキガの可能性があるので注意が必要です。ワキガ体質のセルフチェック汗のニオイが強いと感じる人は、次の項目をチェックしてみましょう。当てはまる数が多ければ、病院で医師に相談することをおすすめします。親がワキガ体質である服の脇の下部分に黄ばみができる耳垢が湿っている脇汗が多いワキ毛が多いワキ毛に白い粉がついている脇汗を抑える方法はあるのか脇汗そのものを、セルフケアだけで減らすことは難しいと考えられます。それは、エクリン線の場合、主に体温調整のために機能しているので、正常に機能していないと体温が上がりすぎる可能性があるからです。ただし、運動をした後やからいものや熱いものを食べたときではなく、緊張したときやストレスを感じたときに汗を大量にかいてしまうという場合は、多汗症であるケースもあるので、病院での治療によって脇汗を抑えることができるでしょう。また、アポクリン腺から出る汗は、アドレナリンによって発汗するといわれているので、こちらもセルフケアでは抑えるにくいと考えられます。アポクリン腺の汗の量が気になる場合も、病院で相談してみましょう。アポクリン腺を目視で取り除く切開法などの手術で、汗そのものをかかなくする方法など、状況にあった対処法を行います。脇汗のニオイへの対策方法脇汗のニオイが気になっている人は、正しい制汗剤の使い方や生活習慣の改善、食生活の改善を行うことをおすすめします。・制汗剤を正しく使う制汗剤には、汗の量を抑える成分が含まれるものと汗のニオイを抑える成分が含まれているものがあります。脇汗のニオイが気になっているのに汗の量を抑えてしまうと、かえってニオイをきつくしてしまうケースもあるといわれているので、ニオイを抑える効果が期待されている成分を配合している商品を選ぶようにしましょう。また、制汗剤は毎日続けて使用するのはよくないといわれています。毎日制汗剤をしていると、毛穴や汗腺をふさいでしまうことがあるからです。それによって老廃物がうまく排出できず、ニオイが強くなってしまう可能性があるので、制汗剤を使用しない日を作ることが大切です。・食生活を改善する肉や乳製品は、アポクリン腺の働きを活発にすると考えられています。汗のニオイが気になる人は、肉や乳製品の摂取量に気を配り、魚中心の食生活にすることで、汗のニオイを少なくすることが期待できるでしょう。加えて、ニラやニンニク、ネギなどのニオイの強い食品を食べると汗のニオイも強くなるといわれています。栄養バランスが悪くならない程度に、食べるのを控えるなどしてみてもよいでしょう。・生活習慣を改善する運動不足は、汗腺の働きを低下させてしまうことがあるといわれています。汗腺の活動が低下してしまうと、汗の中にタンパク質やナトリウム、アンモニアなどが多く含まれるようになるため、雑菌臭を放ちやすくなります。適度に運動をして汗をかくようにし、汗腺の働きを正常に保つことも大切です。臭くなりやすい脇汗には適切な対処を脇汗は、アポクリン腺があることや雑菌が繁殖しやすい場所であるために、臭くなりやすいと考えられています。しかし、生活習慣や食生活を改善すること、制汗剤を正しく使用することでニオイを抑えることも可能ですので、できる範囲で行ってみるとよいでしょう。監修:稲葉岳也
2017年04月22日