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年末調整とは、会社員や公務員をはじめ、アルバイトやパートといった勤務先から給料や賞与(ボーナス)を貰っている方が対象となる税金の精算手続きのことを言います。実務上、年末調整は、勤務先によって事務手続きを行う時期がそれぞれ異なっておりますが、早いところですと11月下旬あたりから始め、12月中には、ほとんどの勤務先で年末調整を終えているのが一般的です。この時、勤務先からは、年末調整の事務手続きに必要なものとして、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、給与所得者の保険料控除申告書、給与所得者の配偶者控除等申告書といった3つの書類の記入が求められます。そこで本記事では、年末調整の際に勤務先に提出する必要がある3つの書類についての基本的なポイントや書き方をはじめ、必要書類などを中心に解説を進めていきます。給与所得者の扶養控除等(異動)申告書とは国税庁平成31年(2019年)分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は、勤務先から給与の支払いを受けている人(給与所得者)が、年末調整で、配偶者控除、扶養控除、障害者控除、寡婦控除、寡夫控除、勤労学生控除といった各種所得控除の適用を受ける場合に記入が必要になる書類のことを言います。ちなみに、先の所得控除が、いずれも適用にならないとしても、氏名や住所、マイナンバーなどを記入して勤務先に提出するのが一般的なほか、16歳未満の子供(親族)を扶養している場合も書類の下部にある記載欄に記入して提出する流れとなります。給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方国税庁平成31年(2019年)分給与所得者の扶養控除等申告書の記載例国税庁のWEBサイトでは、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方について公開しており、吹き出しを見ながら記入することで簡単に作成することが可能になっています。一般的には、勤務先の総務や人事担当者などは、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方についてわかっていることが多いため、その方々へ尋ねることで足りるのですが、ご自身でも書き方を確認しておきたい場合におきましては、たとえば、1部印刷して読みながら記入されてみるのも良いでしょう。なお、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方につきましては、配偶者控除または配偶者特別控除の適用を受ける場合、扶養控除の適用を受ける場合について、それぞれ、同サイト内で個別に紹介しております。以下、リンクから具体的な流れを確認されてみるのもおすすめします。年末調整で扶養控除の適用を受けるには?扶養控除申告書の書き方や扶養控除が適用できるケースも広く紹介所得控除の適用を受けるために必要な書類年末調整で、配偶者控除、扶養控除、障害者控除、寡婦控除、寡夫控除といった各種所得控除の適用を受ける場合に必要な書類といったものは基本的にありません。ただし、平成30年4月から配偶者控除等の法改正が施行されたことに伴いまして、配偶者控除や配偶者特別控除の適用を受ける場合は、後述する給与所得者の配偶者控除等申告書も記入して勤務先に提出する必要があります。なお、特殊な場合となりますが、海外に住んでいる非居住者の親族に対する扶養控除、障害者控除または配偶者控除の適用を受ける場合には、その親族に係る親族関係書類1部が必要などといった場合もありますので該当される方は注意が必要と言えるでしょう。給与所得者の配偶者控除等申告書とは給与所得者の配偶者控除等申告書は、勤務先から給与の支払いを受けている人(給与所得者)が、年末調整で、配偶者控除または配偶者特別控除の適用を受ける場合に記入が必要になる書類のことを言います。これまで、給与所得者の配偶者控除等申告書という書類は無かったのですが、平成30年4月からの配偶者控除の法改正によって、平成30年から新たに提出が必要になった書類です。国税庁平成30年分 給与所得者の配偶者控除等申告書給与所得者の配偶者控除等申告書の書き方国税庁給与所得者の配偶者控除等申告書の記載例(記載例1)給与所得者の配偶者控除等申告書の具体的な書き方や流れにつきましては、上記の国税庁が公開しているものも参考になりますが、同サイト内の以下、記事で細かく解説しておりますので、わかりやすくておすすめです。年末調整で配偶者控除や配偶者特別控除を適用するには?書類の書き方も合わせて紹介給与所得者の保険料控除申告書とは国税庁平成30年分給与所得者の保険料控除申告書給与所得者の保険料控除申告書は、勤務先から給与の支払いを受けている人(給与所得者)が、年末調整で、生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除といった各種保険料控除の適用を受ける場合に記入が必要になる書類のことを言います。所得控除の適用を受けるために必要な書類生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除といった各種保険料控除の適用を受けるためには、毎年秋ごろになりますと、加入している保険会社などから郵送されてくる保険料控除証明書を記入した給与所得者の保険料控除申告書に添付して勤務先に提出する必要があります。給与所得者の保険料控除申告書の書き方給与所得者の保険料控除申告書の書き方と流れにつきましては、以下、同サイト内の記事において、生命保険料控除を適用する場合、国民年金を支払ったことによって社会保険料控除を適用する場合などを紹介していますので、そちらを参考にされてみることをおすすめします。年末調整で1年間に支払った国民年金は社会保険料控除の対象!絶対に押さえておきたいポイントまとめいつまでに年末調整の書類は提出する必要があるのかこれまで紹介した給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、給与所得者の保険料控除申告書、給与所得者の配偶者控除等申告書といった3つの書類は、あらかじめ勤務先から書類が渡され、提出の締切日をそれぞれ指定しているのが一般的です。そのため、それぞれの勤務先によって書類の提出時期が異なり、厳密にいつまで提出しなければならないといった期限は決められていません。ただし、通常は、その年の12月や翌年1月の支給する給料で年末調整を行った後の所得税の還付金または追徴金を調整する事務手続きが多いため、筆者の経験上ではありますが、給料計算をする前(いわゆる給料の締め日)までに書類の提出を求めていることが多い傾向にあります。年末調整で適用し忘れた所得控除は、確定申告で適用できる年末調整に必要な書類を勤務先に提出した後に、適用し忘れた所得控除があったという場合も時にはあると思います。このような時は、速やかに勤務先の担当者へ連絡して、再度、年末調整をやり直してもらうことが望ましいのですが、時期的に間に合わないことも十分に考えられます。仮に、年末調整で適用し忘れた所得控除があった場合は、少々面倒ではありますが、翌年2月16日から3月15日までの確定申告の期間中に確定申告をすることで、適用し忘れた所得控除を適用できる仕組みになっています。また、所得控除の中には、確定申告をしなければ適用が受けられないものもあり、たとえば、雑損控除、医療費控除、寄附金控除(ふるさと納税のワンストップ特例を活用した場合を除く)といった3つの所得控除は、年末調整で所得控除をすることができませんので注意が必要です。まとめ年末調整とは、会社員や公務員をはじめ、アルバイトやパートといった勤務先から給料や賞与(ボーナス)を貰っている方が対象となる税金の精算手続きのことを言います。ただし、年末調整や確定申告には、ちょっとしたルールが設けられており、給料を貰っている方はすべて年末調整で税金の精算が完了するとは限らず、時として確定申告をしなければならない場合があります。そのため、年末調整と確定申告の違いも知り、どちらの手続きも必要な場合はどのような場合なのか知っておくこともおすすめします。以下の記事を合わせて読み進めていただくことで、ご自身の税金に対する考え方が良い方向に変わるヒントが得られるかもしれません。年末調整と確定申告の違いをわかりやすく解説!どちらの手続きも必要な場合も合わせて紹介します
2018年12月28日年末調整で、1月1日から12月31日までの1年間に支払った国民年金保険料は、社会保険料控除として所得控除の対象になります。そのため、勤務先から年末調整の時期になると渡される、給与所得者の保険料控除申告書へ記入し、控除証明書などを添付することで、1年間に支払った国民年金の全額を所得控除することができます。一般に、会社員や公務員などのように、厚生年金保険へ加入している方であれば、直接、国民年金保険料を支払うことはありませんが、実のところ、子供をはじめとした生計を同一にしている方の国民年金を代わりに支払ったとしても、控除の対象になります。そこで本記事では、年末調整と国民年金の関係性を中心に、絶対に押さえておきたいポイントをまとめて紹介します。そもそも社会保険料控除とは何か社会保険料控除について、国税庁のWEBサイトでは、以下のように記述しています。納税者が自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができます。これを社会保険料控除といいます。控除できる金額は、その年に実際に支払った金額又は給与や公的年金から差し引かれた金額の全額です。出典:国税庁No.1130 社会保険料控除ざっくりポイントをまとめますと、自分や配偶者、子供、両親など、生計を同一にしている方が負担しなければならない社会保険料を支払った場合は、支払った金額の全額を所得控除できるとしています。なお、社会保険料控除の対象となるものには、雇用保険料、健康保険料、厚生年金保険料といった給料から天引きされる社会保険料をはじめ、国民年金、国民健康保険料(税)、国民年金基金や厚生年金基金の掛金などがあります。大切なポイントは、社会保険料控除の適用を受けられる方は、社会保険料を納めなければならない本人のみに限定されていない部分です。そのため、たとえば、20歳以上の大学生や短大生などといった学生が納めなければならない国民年金を親が代わりに支払った場合、その支払った国民年金について、親が年末調整で社会保険料控除を受けられることを意味します。年末調整で支払った国民年金の控除を受けるためには国税庁平成30年分給与所得者の保険料控除申告書年末調整で支払った国民年金の控除を受けるためには、給与所得者の保険料控除申告書(上記イメージ図の赤枠部分)に必要事項を記入し、併せて、毎年秋ごろになりますと、日本年金機構より郵送される社会保険料(国民年金保険料)控除証明書を添付することで適用が受けられます。具体的な書き方の一例として、以下の前提条件で国民年金を支払った場合をイメージ図と共に紹介しておきます。平成30年の1月1日から12月31日までの1年間において、国税太郎さんは、国税一郎さん(20歳以上の大学生)の国民年金を代わりに納付した平成30年1月から3月までの1ヶ月あたりの国民年金は、月額16,490円平成30年4月から12月までの1ヶ月あたりの国民年金は、月額16,340円これだけ記入すれば完了となりますので、とても簡単に手続きが行えます。もしも、国民年金の控除証明書が年末調整に間に合わない場合は国民年金を支払ったのにも関わらず、時として、社会保険料(国民年金保険料)控除証明書を紛失してしまった場合や破棄してしまったなどの理由で年末調整の際に、控除証明書の添付が間に合わない場合があるかもしれません。このような場合は、社会保険料(国民年金保険料)控除証明書でなくても、実際に国民年金を納めた時の控えなど、支払ったことを証明する書類を添付しても差し支えありません。(この方法を活用する場合は、控えの写しを手元に残しておきましょう)国民年金の保険料及び国民年金基金の掛金に係る社会保険料控除の適用については、その保険料又は掛金の金額を証する書類を、確定申告書又は年末調整の際に提出する「給与所得者の保険料控除申告書」に添付するか、これらの申告書を提出する際に提示する必要があります。出典:国税庁No.1130 社会保険料控除1年間に支払った国民年金について、社会保険料控除の適用を受けるためには、社会保険料(国民年金保険料)控除証明書が必要とは書かれておらず、保険料又は掛金の金額を証する書類と書かれています。なお、筆者自身も過去に社会保険料(国民年金保険料)控除証明書に代えて、国民年金を支払った際に受け取った控えを添付して控除の適用を受けたことがありますが、何ら問題はありませんでしたので、極度の心配をする必要はないでしょう。確定申告でも社会保険料控除は適用できる国民年金の控除証明書が、年末調整に間に合わない場合のほか、すでに年末調整が終わった後に社会保険料控除の適用ができることに気が付いた場合は、翌年2月16日から3月15日までの確定申告期間中に確定申告をすることで控除の適用も可能です。会社員や公務員といった普段から確定申告をしない方にとってみますと、確定申告をすることは、時間と手間がかかってしまい面倒だと思われるかもしれませんが、社会保険料控除は、支払った全額が所得控除の対象となるため、節税効果は高めです。ちなみに、確定申告で社会保険料控除の適用を受けますと、所得税の還付に加え、翌年、給料から天引きされる住民税の金額にも好影響を及ぼすことになるため、控除が適用できる場合は、率先して忘れずに手続きされることをおすすめします。国民年金は、あくまでも納めた年の控除対象になる国民年金を納めることによって、社会保険料控除の対象になることがわかりましたが、これは、あくまでも、実際に国民年金を納めた年の控除対象になるため、未納や免除期間分の国民年金は、社会保険料控除の対象外となります。たとえば、先の例で、国税太郎さんは、国税一郎さんが納めるべき平成30年の国民年金を実際に納めたからこそ、社会保険料控除の対象となっていることを意味しており、これが未納である場合や学生納付の特例を活用した免除申請を受けた場合は、社会保険料控除の対象外となるわけです。逆に言えば、平成29年分の国民年金が未納の状態であったものの、平成30年中に未納の国民年金を納めた場合は、平成30年中に支払った国民年金の全額について社会保険料控除の対象となることになります。同じく、免除申請を受けていた国民年金を実際に納めた場合も同様の取り扱いとなります。Q1生計を一にしている子供の国民年金保険料を過去3年分まとめて支払いましたが、その支払った全額を私の本年分の社会保険料控除の対象としてよいでしょうか。A1本年中に支払ったものであれば、過去の年分のものであっても本年分の社会保険料控除の対象になります。出典:国税庁No.1130 社会保険料控除国民年金は、未納や免除分も含めて、支払った年の社会保険料控除になるため、年末調整や確定申告で控除の適用を忘れないように心掛けておきたいものです。夫婦のいずれかが自営業者で、事業所得が少ない場合は節税になることも夫婦共働き世帯が多い現在において、夫婦のいずれかが自営業者で、もう一方は会社員や公務員といったケースも考えられます。仮に、このような場合で事業の所得(儲け)が少ない場合や赤字の場合は、会社員や公務員である方へ国民年金を支払った社会保険料控除を適用した方が、世帯にとって有利になる場合も十分に予測できます。仮に、このような特殊な事情がある場合は、一度、専門家を通じて再確認されてみるのをおすすめします。まとめ年末調整と国民年金の関係性を中心に解説を進めてきましたが、絶対に押さえておきたいポイントは、以下の通りです。1月1日から12月31日までの1年間に支払った国民年金は、社会保険料控除の対象支払った国民年金は、本人だけではなく、配偶者や子供など生計同一の方が負担するべきものであれば、年末調整や確定申告で控除が可能国民年金は、あくまでも納めた年の控除対象になるため、過去に未納や免除を受けたものを納めることで控除金額が増加し、納めるべき税金が少なくなる夫婦のいずれかが自営業者で、事業所得が少ない場合は節税になることもあるため、社会保険料控除の適用が適切か再確認する押さえておきたいポイントは、決して難しいものではありませんので、いま一度確認していただきまして、今後に活かしてもらえればと思います。
2018年12月28日年末調整で生命保険料控除の適用を受けるためには、毎年秋ごろになると、加入している保険会社から郵送で送られてくる生命保険料控除証明書を添付し、給与所得者の保険料控除申告書と呼ばれる書類に必要事項を記入して勤務先に提出する必要があります。通常、生命保険料控除は、基本的に何かしらの生命保険に加入している方が適用を受けることができる所得控除であり、多くの方にとって馴染み深いものであると思われますが、筆者の実務経験上、賢く活用できていない場合も多く目にします。そこで本記事では、年末調整で生命保険料控除を賢く適用するためのポイントを紹介し、併せて、夫婦共働きに多いもったいない事例も紹介します。生命保険料控除の基本的なポイント年末調整で生命保険料控除を賢く適用するためのポイントを知るためには、まず、生命保険料控除の基本的なポイントを知っておくことが大切です。ここで紹介する生命保険料控除の基本的なポイントは、すでに多くの皆さまがご存知のことも多いと思いますが、再確認といった意味合いも含めて目通しいただければと思います。生命保険料控除は、新制度と旧制度の2つに分けられる生命保険料控除は、保険契約をした時期が、平成24年1月1日以後なのか、平成23年12月31日以前なのかによって、新制度なのか旧制度なのかに分けられ、生命保険料控除の金額が異なる特徴があります。新制度(平成24年1月1日以後の保険契約)旧制度(平成23年12月31日以前の保険契約)新制度の生命保険料控除は3種類、旧制度の生命保険料控除は2種類新制度の生命保険料控除は、大きく、一般用、介護医療用、個人年金用といった3種類に分けられ、旧制度の生命保険料控除は、大きく一般用と個人年金用の2種類に分けられる特徴があります。また、1つの種類ごとに、先に紹介した計算式にあてはめた生命保険料控除が適用されることになるため、新制度では、最大で120,000円の生命保険料控除が適用でき、旧制度では、最大で100,000円の生命保険料控除が適用できます。ちなみに、支払った生命保険料が、どちらの制度で、どの生命保険料控除の対象となるかわからないといった方もおられると思いますが、こちらにつきましては、保険会社などから送られてくる生命保険料控除証明書に必ず記載されておりますので、それを見ることによって確認することができます。以下、制度の確認の仕方になります。損保ジャパン日本興亜ひまわり生命生命保険料控除証明書【見本】生命保険料控除証明書は、それぞれの保険会社によって書式が異なりますが、旧制度と新制度といった文言が必ず記載されているほか、一般用、介護医療用、個人年金用といった文言も必ず記載されています。上記イメージ図の場合ですと、旧制度の欄に支払った保険料の金額が記載されているため、旧制度の対象となる生命保険契約であることがわかります。また、一般用という文言が記載されていることから、この保険契約は旧制度で一般用の生命保険料控除が対象になると判断することができます。仮に、上記の保険契約のみである場合、1年間に支払った保険料は、282,850円(申告額)となるため、以下の表にあてはめますと、生命保険料控除は、50,000円となります。旧制度(平成23年12月31日以前の保険契約)生命保険料控除を適用するための給与所得者の保険料控除申告書の書き方冒頭でもお伝えしましたように、年末調整で生命保険料控除の適用を受けるためには、保険会社から送られてくる生命保険料控除証明書を添付し、給与所得者の保険料控除申告書と呼ばれる書類に必要事項を記入して勤務先に提出する必要があります。ここでは、一例として、先に紹介した生命保険料控除証明書を実際に、給与所得者の保険料控除申告書へ記入したものを流れに沿って紹介します。給与所得者の保険料控除申告書と生命保険料控除証明書を用意するはじめに、勤務先から渡された給与所得者の保険料控除申告書と加入している保険会社から届いたすべての生命保険料控除証明書を用意します。紹介する例は、1枚のみですが、すべての生命保険料控除証明書を用意しておきましょう。生命保険料控除証明書を見ながら給与所得者の保険料控除申告書へ記入する赤枠の部分が、生命保険料控除の適用を受けるために記入する欄となります。向日葵太郎さんの加入している生命保険は、旧制度の一般用に該当しますので、一般の生命保険料の欄に記入します。なお、保険会社等の名称や保険等の種類は、生命保険料控除証明書に記載されておりますので、その通りに記入することで足ります。生命保険料控除の計算式も記載されているため、すでに紹介した新制度なのか旧制度なのかを確認し、一般用、介護医療用、個人年金用を確認できれば、後は、それぞれの欄に同じように記入することで作成が簡単にできます。実務上、夫婦共働きに多いもったいない事例を紹介生命保険料控除は、多くの皆さまにとって馴染み深い所得控除ですが、その一方で、賢く生命保険料控除を適用できていないケースが見受けられます。ここでは、筆者個人の実務経験によるものとなりますが、平成30年中に実際にあった相談事例の中から、生命保険料控除を賢く適用できていなかった2つの事例を紹介させていただきます。①保険契約者の名義のまま生命保険料控除を適用していたやはり今年もありました、というのが筆者の率直な感想なのですが、筆者は、独立系FPという職業柄、ライフプランニングの相談などでお客様の源泉徴収票や加入している保険証券の内容を見ることがあります。この時、これらの情報から生命保険料控除を賢く適用できていないことが簡単に確認できるのですが、受け取った生命保険料控除証明書を保険契約者の名義のまま適用することによって、世帯全体で節税できていない場合が多く見受けられます。たとえば、2人の子供に対する学資保険に加入していて、それぞれ1年間で150,000円ずつ学資保険料を支払っていたとします。(わかりやすくするために、学資保険のみに加入しているものとします)この時、夫婦共働きで、かつ、保険契約者が夫、いずれの学資保険も新制度であった場合の生命保険料控除は、以下のように適用している場合が多く見受けられます。仮に、夫婦共働きである場合、せっかく妻も生命保険料控除を適用できるのにも関わらず、保険契約者でなければならないと勘違いしていて、賢く生命保険料控除を適用できないのは、非常にもったいないことです。なお、夫が支払った学資保険の生命保険料控除について、妻も適用を受けられる根拠は、以下、国税庁が回答している通りです。【照会要旨】当社の従業員Aは、妻Bが契約者となっている生命保険の保険料を支払ったとして、妻B名義の生命保険料控除証明書を添付した保険料控除申告書を提出してきました。当社で年末調整を行う際に、その保険料を生命保険料控除の対象としてよいでしょうか。なお、その生命保険の被保険者及び満期保険金の受取人はB、死亡保険金の受取人はAとなっています。【回答要旨】Aがその保険料を支払ったことを明らかにした場合は、生命保険料控除の対象として差し支えありません。生命保険料控除は、居住者が一定の生命保険契約等に係る保険料又は掛金を支払った場合に総所得金額等から控除することができます(所得税法第76条第1項)。この生命保険契約等については、その保険金等の受取人の全てがその保険料等の払込みをする者又はその配偶者その他の親族(個人年金保険契約等である場合は、払込みをする者又はその配偶者)でなければなりませんが、必ずしも払込みをする者が保険契約者である必要はありません(所得税法第76条第5項、第8項)。したがって、保険契約者が保険料を支払うのが通例ですが、契約者の夫であるAが支払ったことを明らかにした場合には、Aの生命保険料控除の対象となります。出典:国税庁 妻名義の生命保険料控除証明書に基づく生命保険料控除通常、1つの保険契約に対して1つの生命保険料控除証明書が発行されるため、2人の子供の学資保険に対する生命保険料控除もそれぞれ1枚ずつになります。したがって、以下のように割り振りして生命保険料控除を適用したとしても、国税庁は差し支えないとしています。世帯全体で加入している生命保険を賢く割り振りすることによって、節税対策となることに加え、配偶者は、保険契約者でなくても生命保険料控除が適用できる点も押さえておきたいポイントと言えます。新制度と旧制度のどちらも対象になっているのにも関わらず、新制度のみ適用新制度と旧制度では、生命保険料控除の対象金額が異なりますが、新制度では、1年間に100,000円を超えて生命保険料を支払った場合、一律50,000円の生命保険料控除が適用でき、旧制度では、1年間に80,000円を超えて生命保険料を支払った場合、一律40,000円の生命保険料控除が適用されます。仮に、新制度と旧制度でいずれも100,000円を超えて生命保険料を支払った場合は、合わせて90,000円(新制度40,000円+旧制度50,000円)とはならず、いずれか大きい方の生命保険料控除が適用されます。そのため、このような場合ですと、旧制度の生命保険料控除は確実に適用されるようにしておく必要があるのですが、実際の相談事例において、なぜか、旧制度の生命保険料控除を適用せずに、新制度のみを適用しているケースがありました。仮に、旧制度の一般用や個人年金用の生命保険料控除が適用できる場合には、新制度よりも優先して適用するように心掛けておきたいものです。まとめ年末調整で生命保険料控除を賢く適用するためのポイントについて、実際にあった相談事例を紹介しながらポイントを解説させていただきました。生命保険料控除は、実際に適用される所得控除の上限金額が大きいとは言えないものの、さまざまな種類の生命保険に加入している方が多いことを踏まえますと、賢く適用するための工夫は、極めて大切になります。夫婦共働きの場合や多くの種類の生命保険へ加入されている方は、本記事をきっかけに、一度、ご自身が適用している生命保険料控除が無駄なく適用されているのか確認されてみることをおすすめします。
2018年12月27日配偶者控除や配偶者特別控除は、1月1日から12月31日までの1年間において、配偶者の収入(所得)が一定金額の範囲内であれば、適用することができる税金の軽減制度です。平成30年4月より、この配偶者控除や配偶者特別控除の範囲が広がったことに伴い、これまでよりも多くの方が、控除の対象になることが予測され、併せて、年末調整において、新たに給与所得者の配偶者控除等申告書と呼ばれる書類を記入し、勤務先に提出する必要が生じました。そこで本記事では、年末調整で配偶者控除や配偶者特別控除を適用するために必要な基本的な部分を解説し、併せて、給与所得者の配偶者控除等申告書の書き方についても紹介していきます。配偶者控除・配偶者特別控除とは配偶者控除および配偶者特別控除とは、夫や妻を扶養している場合に適用することができる所得控除にあたり、所得税や住民税を軽減させることができる制度のことを言います。ただし、配偶者控除または配偶者特別控除の適用を受けるためには、本人の収入金額(所得金額)と配偶者の収入金額(所得金額)のいずれも一定の条件にあてはまっていなければならなくなりました。国税庁平成 30 年分以降の配偶者控除及び配偶者特別控除の取扱いについて上記表を参考に、仮に、本人および配偶者の収入が給料のみの方で、配偶者控除または配偶者特別控除の適用を受ける条件をまとめますと以下のようになります。本人の1年間の年収(給与)が1,220万円以下であること配偶者の年収(給与)が201.6万円未満であること上記2つの条件をどちらも満たしていることで、配偶者控除または配偶者特別控除のいずれかが適用できることになります。くどいようですが、上記は、本人および配偶者が給与収入のみである場合を前提としているため、たとえば、株式投資などによる配当所得がある場合やその他の所得がある場合におきましては、精査確認が必要となりますので、専門家にあたる税理士や税務署へ尋ねるようにして下さい。年末調整で配偶者控除や配偶者特別控除を適用するための方法ここからは、多くの皆さまが気になる年末調整で配偶者控除や配偶者特別控除を適用するための方法をいくつかの具体例をあげて紹介していきたいと思います。配偶者控除が適用できる具体例まずは、配偶者控除が適用できる具体例について、以下の前提条件のもと、具体的な流れと共に紹介していきます。平成30年中における国税太郎さんの給与収入は800万円とします平成30年中における国税花子さん(太郎さんの配偶者)の給与収入は140万円とします花子さんの年齢は、70歳未満であるものとします住所・生年月日・マイナンバーは仮のものです配偶者控除を適用する方は、国税太郎さんをご自身に置き換えて考えていくと、よりイメージがわきやすくなると思います。給与所得者の配偶者控除等申告書へ必要事項を記入する給与所得者の配偶者控除等申告書へ氏名、住所、配偶者の氏名、配偶者のマイナンバーなど必要事項を記入しておきます。国税太郎さんの収入と所得を記入する1年間の収入800万円を収入金額等の欄へ記入し、給与所得者の配偶者控除等申告書の裏面に記載されている3.所得の区分を下に、所得金額を計算します。800万円×90%-120万円=600万円(給与所得)配偶者控除の適用を受けるための判定をする国税太郎さんは、給与所得が600万円で、他の所得がないため、本年中の合計所得金額の見積額に600万円と記入し、Aの欄にレ点チェックを入れ、併せて、右欄の区分IにAと記載します。国税花子さんの収入と所得を記入する1年間の収入140万円を収入金額等の欄へ記入し、給与所得者の配偶者控除等申告書の裏面に記載されている3.所得の区分を下に、所得金額を計算します。140万円-65万円=75万円(花子さんの給与所得)配偶者控除の適用を受けるための判定をする国税花子さんは、給与所得が75万円で、他の所得がないため、配偶者の本年中の合計所得金額の見積額に75万円と記入します。花子さんは、年齢が70歳未満ですので、②にあてはまることから、②へチェックを入れ、併せて、右欄の区分Ⅱに②と記載します。国税太郎さんと国税花子さんの判定から配偶者控除金額を確認する国税太郎さんは、区分IのA(青色枠)で、国税花子さんは、区分Ⅱの②(ピンク枠)でしたので、これらが交わる金額が配偶者控除の金額となります。この判定の結果、国税太郎さんは、38万円の配偶者控除の適用が可能だとわかります。以下、給与所得者の配偶者控除等申告書を記入後の完成イメージとなります。配偶者特別控除が適用できる具体例今度は、配偶者特別控除が適用できる具体例について、以下の前提条件の下、具体的な流れと共に紹介していきます。平成30年中における国税太郎さんの給与収入は800万円とします平成30年中における国税花子さん(太郎さんの配偶者)の給与収入は170万円とします花子さんの年齢は、70歳未満であるものとします住所・生年月日・マイナンバーは仮のものです先に紹介した配偶者控除と同じ流れの部分については省略させていただきまして、異なる部分のみを紹介していきますので、あらかじめご留意下さい。国税花子さんの収入と所得を記入する1年間の収入170万円を収入金額等の欄へ記入し、給与所得者の配偶者控除等申告書の裏面に記載されている3.所得の区分をもとに、所得金額を計算します。①:(A)÷4(千円未満切捨て)=(B)⇒②:(B)×2.4=(C)上記計算式にあてはめて計算します。170万円÷4(千円未満切捨て)=42.5万円5万円×2.4=102万円(花子さんの給与所得)配偶者控除の適用を受けるための判定をする国税花子さんは、給与所得が102万円で、他の所得がないため、配偶者の本年中の合計所得金額の見積額に102万円と記入します。花子さんの本年中の合計所得金額は、102万円ですので、④にあてはまることから、④へチェックを入れ、併せて、右欄の区分Ⅱに④と記載します。国税太郎さんと国税花子さんの判定から配偶者控除金額を確認する国税太郎さんは、区分IのA(青色枠)で、国税花子さんは、区分Ⅱの④(ピンク枠)となりますが、花子さんの本年中の合計所得金額は、102万円ですので、④の内、100万円超105万円以下の欄に該当します。これらが交わる金額が、配偶者特別控除の金額となりますが、判定の結果、国税太郎さんは、21万円の配偶者特別控除の適用が可能だとわかります。配偶者特別控除の適用は、配偶者の収入に特に注意が必要配偶者控除や配偶者特別控除が適用できる場合と給与所得者の配偶者控除等申告書の書き方について紹介をさせていただきましたが、配偶者特別控除の適用を受ける場合には、配偶者の収入に特に注意が必要です。これは、配偶者特別控除の金額は、配偶者の収入によって段階的に異なっているところにあるためです。たとえば、先の例において、国税花子さんの年収は170万円であるものとして配偶者特別控除を計算し、その結果、国税太郎さんは、21万円の配偶者特別控除の適用を受けられることがわかりました。仮に、国税花子さんの年収が170万円ではなく、176万円だった場合は、どうでしょう?年収がたった6万円しか変わらないだけで、配偶者特別控除の金額が異なっていることがわかります。この部分が極めて重要であり、配偶者の1年間の収入金額が正確でなければ、実際に適用した配偶者特別控除の金額と本来適用になる配偶者特別控除の金額に差異が生じてしまうことになります。このようなことになってしまいますと、結果として修正申告などのやり直しが必要になってくるため、かえって時間や手間がかかってしまいます。そのため、特に、配偶者特別控除を適用する場合におきましては、配偶者の1年間の収入が確定している状態で適用をすることが望ましく、12月の給与や賞与の計算が完了した後の1年間の正確な収入金額を下に計算するのが良いと筆者は感じています。まとめ年末調整で配偶者控除や配偶者特別控除を適用するのは簡単ですが、本人と配偶者の判定が必要になるため、少々の手間がかかるのは確かです。配偶者控除の適用を受ける側であれば、いわゆる高所得者でなければ特別の問題が生じることはありませんが、対象となる配偶者に収入がある場合は、金額や所得の種類を詳しく精査する必要性が生じます。そのため、配偶者控除や配偶者特別控除の適用を受ける方は、配偶者の収入や所得に注意して適用を受けるように心掛けておくようにしたいものです。
2018年12月27日年末調整で扶養控除の適用を受けるためには、勤務先から渡される給与所得者の扶養控除等(異動)申告書へ扶養している方の年齢やマイナンバーを記入する必要があります。通常、扶養控除が適用できる一般的なケースには、子供が高校生や大学生などで扶養していることに加え、年金生活の両親を扶養している場合などが多いと思われますが、何よりも、どのような場合に扶養控除が適用できるのか、ポイントをしっかりと押さえておくことが大切です。そこで本記事では、扶養控除の基本的なポイントの紹介をはじめ、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方や扶養控除が適用できるケースも広く紹介していきます。扶養控除とは?国税庁のWEBサイトでは、扶養控除について、納税者に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられますと記載しています。ここで言う控除対象扶養親族とは、その年の12月31日時点で以下、5つの要件にすべてあてはまっている人のことを言います。配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)または、都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること納税者と生計を一にしていること年間の合計所得金額が38万円以下(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと年齢がその年の12月31日時点で、年齢が16歳以上であること上記の内容をざっくりまとめますと、収入がない家族(親族)や収入の少ない家族(親族)を扶養している場合で、年齢が16歳以上であれば、扶養控除の対象になるといったことになります。なお、0歳から15歳までの子供を育てている方は、子供を扶養控除の対象にすることはできませんが、その代わりとして、児童手当が支給される仕組みになっています。扶養控除は、年齢や同居の有無によって所得控除の金額が異なる扶養控除は、その年の12月31日時点での年齢が16歳以上の方で、先に紹介した要件に当てはまる方が対象となりますが、年齢や同居の有無によって所得控除の金額が異なる特徴があります。平成30年12月現在の法令に基づき筆者作成おもなポイントとして、19歳以上23歳未満といった大学生、短大生、専門学校生に多い年齢の方を扶養している場合は、扶養控除の金額が大きくなっていることに加え、70歳以上の両親や祖父母を扶養している場合も扶養控除の金額が大きいところにあります。通常、大学生、短大生、専門学校生は、教育費が多くかかる年ごろであり、70歳以上ですと、医療や介護にかかるお金が多くなるとも考えられ、このような方々を扶養している方には、厚みのある優遇がなされていると見ることもできます。また、ご自身と血のつながった両親や祖父母は、直系尊属にあたるため、同居をして扶養している場合は、同居していない場合に比べて厚みのある優遇がなされていることもわかります。扶養控除を適用するための給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方扶養控除の基本的なポイントについてお伝えしたところで、ここでは、扶養控除を適用するための給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方について紹介していきます。なお、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の記載にあたっての家族構成は、以下の表の通りとします。なお、生年月日は記入省略、住所やマイナンバーの記入は仮のものとし、国税太郎さんは、家族全員を扶養しているものとします。※国税庁 給与所得者の扶養控除等申告書(入力用)より筆者作成国税花子さんは、配偶者にあたるため、源泉控除対象配偶者の欄に記入します。国税一郎さん、国税二郎さん、国税カネさんは、いずれも扶養控除の対象となるため、控除対象扶養親族欄にそれぞれ記入します。なお、一郎さんは19歳のため、特定扶養親族、二郎さんは18歳のため、一般扶養親族(その他)、カネさんは、80歳で国税太郎さんと血のつながった母親であるほか、同居している理由から、直系尊属同居老親になるため、同居老親等にそれぞれレ点を記入します。今回の例では、所得金額はいずれも0円で住所もすべて同じであることから、イメージ図のように記入します。国税三郎さんは、扶養控除の対象外ですが、住民税に関する事項欄への記入が必要となりますので、氏名、マイナンバー、住所等を他の方と同じように記入します。これで作成は完了です。参考:国税太郎さんの配偶者控除と扶養控除は合わせていくら?こちらは参考情報となりますが、国税太郎さんが1年間に適用できる配偶者控除と扶養控除を合わせた金額は、以下の表の通りとなります。扶養控除が適用できる特殊なケースを3つ紹介本記事の最後に、知っておくと得になるかもしれない扶養控除が適用できる特殊なケースを3つ紹介していきたいと思います。筆者個人の相談経験や実務経験で対応したものもいくつか紹介していきますが、知っておくといつかは役に立つかもしれませんので、参考までに目通しいただければと思います。扶養親族が死亡した場合もその年は扶養控除の対象になるこちらは、両親や祖父母を扶養している方に多い事例となりますが、仮に、扶養している両親や祖父母が年の途中で死亡した場合、扶養控除が適用できる12月31日前のことであるため、扶養控除の対象外と思っている方もおられます。しかし、扶養親族が死亡した場合は、死亡の時の現況で判断するため、死亡した時に扶養していた場合は、死亡した方をその年の扶養控除の対象にできる決まりになっています。たとえば、先の例で、国税カネさんが平成30年中に死亡した場合、国税太郎さんは、国税カネさんを扶養の対象とした扶養控除が適用できることを意味しています。遺族年金の支給を受けている年金受給者は、扶養控除の対象となるこちらは、本年、筆者のところへ相談に来たお客様の実際にあった事例となりますが、基本的に65歳以上で遺族年金の支給を受けている年金受給者は、扶養控除の対象となります。遺族年金は、所得税法上、非課税の扱いとなっており、100万円であったとしても200万円であったとしても、金額を問わず、収入とはみなしません。また、65歳以上の遺族年金の支給を受けている年金受給者は、ご自身が受け取る国民年金が仮に満額の支給を受けていたとしても、計算上、所得が0円となります。そのため、65歳以上で遺族年金の支給を受けている年金受給者は、扶養控除の対象となりますので、ご自身の将来の知識として知っておくほか、両親などはどうなのか再確認されてみることをおすすめします。別居の両親などへの仕送りは、形として証拠を残しましょうこちらも、本年、筆者のところへ相談に来たお客様の実際にあった事例となりますが、別居している母親に対して仕送りを行っており、扶養控除の適用を受けられているのを源泉徴収票から確認することができました。珍しいケースだなと率直に感じましたが、別居の両親などへ定期的に仕送りをする場合は、必ず、その仕送りがわかるように、たとえば、銀行口座からの振込のように形として証拠を残しておくことが極めて重要です。こちらに関しましては、別居の両親に仕送りをしたからといって、必ず扶養控除の対象になるとは限らず、場合によっては、贈与の問題にも発展しかねませんので、専門家である税理士や税務署などへ尋ねてみることをおすすめします。まとめ扶養控除の基本的なポイントの紹介をはじめ、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方や扶養控除が適用できるケースも広く紹介させていただきました。扶養控除は、たとえば、会社員の子供が1年の途中で失業して無職になった場合やこれまで別生計であった両親と同居するようになったなど、特殊な事情が発生した場合は、適用できる可能性があります。そのため、いつもと違って特殊な事情が生じた場合は、扶養控除が適用できるのか確認されてみることがとても大切になります。
2018年12月26日年末調整や確定申告は、個人の方が1月1日から12月31日までに得た収入を基に所得を計算し、それに対して税金の精算をするための手続きのことを言います。通常、会社員や公務員、アルバイト、パートといった職業で、勤務先から給料の支払いを受けているのみである場合は、勤務先が行う年末調整によって1年間の税金の精算が終了するのが一般的です。ただし、給料のほかにも異なった収入があった場合やその他特殊な事情がある場合は、確定申告をしなければならないこともあり、この辺をしっかりと知っておくことは大切です。そこで本記事では、会社員や公務員などのように、勤務先から給料のみの支払いを受けている方を対象に、年末調整と確定申告の違いをはじめ、どちらの手続きも必要な場合を合わせて紹介します。年末調整と確定申告の違いとは?年末調整や確定申告は、個人の方が1月1日から12月31日までに得た収入を基に所得を計算し、それに対して税金の精算をするための手続きですが、最も大きな違いは、給料を貰っているか、貰っていないかで大きく分けることができます。会社員や公務員などのように給料などの支給を受けている方は、勤務先が毎年、11月から12月にかけて行う年末調整によって、1年間の税金の精算が終了するため、基本的に確定申告をする必要はありません。(例外については、後述します)また、給料の支給を受けていない自営業やフリーランスといった方は、翌年2月16日から3月15日までの確定申告期間中に確定申告をすることによって、1年間の税金の精算をすることになっています。つまり、年末調整や確定申告は、いずれも個人の税金精算手続きではあるものの、就いている職業や置かれている立場によって、精算手続きの方法が異なることを意味します。年末調整と確定申告が両方必要な場合一般に、会社員や公務員は、年末調整で1年間の税金精算手続きが終了することになりますが、以下にあてはまる場合は、会社員や公務員などであったとしても、年末調整と確定申告の両方が必要な場合があります。給与の年間収入金額が2,000万円を超える人2か所以上から給与の支払いを受けている人給与以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人初めて住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の適用を受ける人雑損控除・医療費控除・寄附金控除の適用を受ける人ふるさと納税で寄附をした自治体が6か所以上ある人年の途中で退職し、年末調整が未済である人初めて住宅ローン控除の適用を受ける方や医療費がかさんで医療費控除の適用を受ける場合などは、会社員や公務員といった職業に就いていても十分考えられますので、特に、注意が必要なポイントと言えるでしょう。年末調整後に確定申告をした方が良い場合初めて住宅ローン控除の適用を受ける方や医療費がかさんで医療費控除の適用を受ける場合は、年末調整後に確定申告をした方が良い場合と言えますが、これらのほかにも、年末調整で適用できる所得控除を付け忘れた場合などもございます。年末調整は、勤務先によって書類の提出期限日を設けていることが多いことから、書類提出後や年末調整が終了してから適用できる所得控除を記入し忘れていたなどといったことが時にはあると思います。このような場合は、年末調整後に確定申告をすることで、適用し忘れた所得控除の適用が可能です。配偶者控除の適用をし忘れた配偶者特別控除が適用できるのにも関わらず適用し忘れた扶養控除が適用できるのにも関わらず適用し忘れた障害者控除が適用できるのにも関わらず適用し忘れた寡婦控除・寡夫控除が適用できるのにも関わらず適用し忘れた生命保険料控除がもっと多く適用できることがわかった社会保険料控除の適用をし忘れた地震保険料控除の適用をし忘れた上記は、ほんの一例ですが、筆者個人の主観では、源泉徴収票や確定申告書の内容と相談されるお客様の家族構成や置かれている立場や状況などを相談の中でヒアリングしますと、所得控除の適用忘れやそもそも適用できることがわからない場合などが目立っていることを率直に感じます。そのため、所得控除の適用忘れや本来ならば適用できる所得控除が無いのか、改めて再度確認されてみることをおすすめします。所得控除を間違いで重複適用してしまった場合年末調整後に、ご自身が適用した所得控除について間違えてしまっていたことに気が付いた場合は、年末調整後に確定申告をしてやり直しをすることをおすすめします。場合によっては、勤務先で再度年末調整をしてくれる場合もあるのですが、そちらの対応がしていただけない場合は、ご自身で確定申告をしてやり直しをする必要があり、これをしない場合は、後に、税務署からのお尋ねがあり、結果として、修正申告を行わなければならないことにつながります。また、本来支払わなくてもよかったはずの無駄なお金を納めなければならない可能性も生じるため、あまり考えにくい事例ではあるものの、このような場合は、忘れずに確定申告でやり直しをされるようにしたいものです。筆者の相談事例としては、夫婦間で配偶者控除の重複適用があったパターン、本来ならば配偶者控除や配偶者特別控除が適用できないのにも関わらず、適用されていたパターンといった2つの事例がこれまでの経験上ありました。年の途中で退職し、年末調整が未済である人は確定申告をすることで還付が受けられる場合がある1月1日から12月31日までの1年間において、年の途中で勤務先を退職し、年末調整が未済である人は、場合によっては、確定申告をすることで所得税の還付が受けられる場合があります。以下、国税庁のWEBサイトからの引用となります。給与所得者は、通常所得税を毎月の給料やボーナス等から源泉徴収されます。この源泉徴収は概算で行うことから、源泉徴収された所得税の合計額は、必ずしもその人が納めるべき年税額と一致せず過不足が生じます。そこで、年末調整によってこの過不足額を精算します。大部分の給与所得者はこの年末調整によって所得税の納税が完了しますので、原則として確定申告の必要はありませんが、年の途中で退職しますと所得税が納め過ぎになる場合があります。このうち、中途退職した同じ年に再就職をした場合は、原則として新しい勤務先で前の勤務先の給与を含めて年末調整をすることになっていますから、所得税の納め過ぎは解消します。しかし、中途退職したまま再就職しない場合は年末調整を受けられませんから、所得税は納め過ぎのままとなります。この納め過ぎの所得税は、翌年になってから確定申告をすれば還付を受けられます。この申告は、退職した翌年以降5年以内であれば行うことができますが、申告に必要な添付書類がそろい次第早めに行うことをお勧めします。また、その際には、退職した勤務先から交付される給与所得の源泉徴収票(原本)を添付する必要があります。出典:国税庁 No.1910 中途退職で年末調整を受けていないときより引用年の途中で退職し、年末調整が未済である人は確定申告をすることで還付が受けられる場合があることがわかりました。また、記述の中では、退職した翌年以降5年以内であれば還付申請を行うことができるとなっていますが、これは、いわゆる更正の請求と言って、本来納めるべき税金が所得控除の適用忘れなどで納め過ぎていた場合に、還付申請することで所得税の還付が受けられる制度です。更正の請求によって、所得税の還付を受けた場合、納めるべき住民税の金額にも影響を与えることになるため、住民税も調整されて納めるべき税金額が少なくなる効果が認められます。筆者の相談事例として、同居している親がいるのにも関わらず、長年に渡って扶養控除を適用していなかったものがあり、その理由として、年金額が多いことから、そもそも扶養控除が適用できないと思っていたといった事例がありました。ただ、家族構成や状況をヒアリングした時、明らかに扶養控除として適用が可能であることから、連携している税理士の協力の下、更正の請求手続きをとっていただき、相談者様は、過去5年にさかのぼって所得税の還付を受けられたといったものがあります。過去に適用し忘れた所得控除がある場合などは、還付申請することができる場合があるため、こちらにつきましても、合わせて再確認されるのがよろしいかと思います。まとめ年末調整や確定申告は、いずれも税金の精算手続きであり、就いている職業や確定申告しなければならない方の条件にあてはまっているかどうかで手続き方法が異なります。また、年末調整と確定申告をいずれもする必要がある場合や確定申告をした方が良い場合なども広く知ることができたと思いますので、現在だけでなく過去も振り返ってみて再確認されるのが望ましいと思います。併せて、これからの将来にも役に立つこともあると思いますので、ぜひ、ポイントをしっかりと押さえていただきまして、今後に役立てていただければと感じています。
2018年12月26日こんにちは、婚活FP山本です。女性なら、彼からの婚約指輪のプレゼントは何よりも嬉しいものですよね。きっと今のあなたは、次のステージである結婚式のことでアタマが一杯でしょう。でも、ちょっと待って下さい。日本では、何かを貰ったらお返しをするのがマナーではありませんか?中には、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、婚約指輪のお返しについてお伝えします。あなたの結婚に、お役立て下さいませ。婚約指輪にお返しするのはマナー!?まずは大局観を把握するためにアンケート結果をお伝えします。ゼクシィが調査した「2016年アンケート結果」によると、婚約指輪をもらって何らかのお返しをした女性は、実に58%という結果でした。していない女性は35%なので、お返しをした女性の方が多い結果です。そもそも日本では、何かを貰ったらお返しをするのはマナーといえます。約6割の女性が該当するため、絶対という訳ではありませんが、やはり婚約指輪であってもお返しをしたほうが無難といえそうです。相手はこれから一生涯を共にする伴侶ですし、尚更かもしれません。夫婦だからこそ、マナーめいたものは堅苦しいと考える方もいますが、親しき仲にも礼儀ありともいいます。実際、既婚女性が結婚後に旦那のモラハラに苦しむ声をあげることもよくある時代です。まずは、女性もマナーやモラルを大切にしたほうが良いのではないでしょうか。男性は気にしないものだが……一般的な男性は、婚約指輪は「一方的にあげるもの」と考えていますから、ムリなお返しはしなくて大丈夫です。ただ、だからこそお返しを貰えると「この女性を選んで良かった」と感じます。こんな小さな感謝の積み重ねこそが、末永い関係には大切ではないでしょうか。それに、あなたがお返しをする姿勢を見せることは、彼氏にもお返しをする姿勢の大切さを伝えることに繋がります。今後のためにも、「ありがとう」を行動で伝えていきましょう。婚約指輪のお返し相場は「半額」次は、婚約指輪のお返しの「相場観」についてです。一概にはいえませんが、そもそも日本のお返しの文化は「半額程度」が基本的な相場観といえます。そしてこの基本は、婚約指輪であっても変わりません。このため、貰った婚約指輪の半額を一つの目安に考えましょう。もっとも、この半額程度というのは相応に曖昧です。婚約指輪の値段自体、場合によっては調べても分からないことも多いでしょう。このため、あくまで半額程度というのは大体でよく、仮に3分の1、4分の1程度の価値しかなくても、特に問題がある訳ではありません。ただし、あまりに格差があるようでは問題です。それに未来の旦那が相手とはいえ、料理やセックスで返そうと考えるのは危険かもしれません。最近の結婚は「対等」が基本ですから、彼氏に相応の支出をさせてしまったのなら、あなたも相応には身銭を切りましょう。明確な金額より気持ちの問題かも?実際の文化でもそうですが、お返しは明確な金額より気持ちの問題という要素が強いです。一方の相手が明確なお金を使ってくれたのに対し、ただ感謝を述べるだけに近ければ不釣り合いといえます。人間関係は「相手がどう感じたか」が大切という点をお忘れなく。とはいえ、そこまで深く考える必要もありません。婚約指輪の値段にもよりますが、最低でも数万円程度のお返しで大丈夫です。あとは、あなたのおサイフ事情で考えましょう。婚約指輪のお返し一番人気は「時計」今度は具体的な品物についてです。一概にはいえませんが、先ほどのアンケートでは、婚約指輪のお返しで一番人気なのは「時計」という結果がありました。確かに時計なら身につける男性も多く、値段も青天井ですから、お返しの相場観とも調整しやすいですよね。とはいえ、どちらかと言えば男性は何らかのものを実際に身につけることを苦手とする方も多いです。結婚指輪でさえ、同じ理由から身につけない方も多くおられます。このため、時計を選ぶのはアリとしても、実際に身につけるまでは望まない方が無難かもしれません。また他にも、男性相手ならカメラやタブレットなど「趣味の機器」、スーツや高級文房具などの「仕事用品」なども人気といえます。ただ、女性なら趣味ではないものを贈られると不満を感じるでしょうが、それは男性も同じなので、十分な調査が必要かもしれません。「身につけるもの」が良いかも男性は身につけるのは苦手ですが、相手が喜んでくれるなら身につけるものです。普段は身につけないにしても、ここぞという勝負の時には身につける方もいます。一般的な女性は身につけてほしいと願いやすいですから、素直にその方向性で品物を選ぶと良いでしょう。どうしても「何を贈ればいいか分からない」なら、彼氏に聞くのもアリです。「いらない」と言われる可能性も高いですが、二人で結婚指輪を買いに行く感覚で買い物に行きましょう。婚約指輪のお返しはしないのもアリさらに、婚約指輪のお返しをしない行為についてです。先ほどのアンケート結果でも35%の女性はお返しをしていませんが、お返しをしない行為が必ずしも非難される訳ではありません。一概には言えませんが、それでも基本的に婚約指輪は高価なものですからね。最近では10~20万円という事も増えましたが、今でも「給料3ヶ月分」と律義に考えている男性もいます。すると安く見積もっても60~80万円程度の婚約指輪になりますから、マナー通りに考えれば30~40万円です。純粋な経済力的に出せない女性も多いといえます。それに、経済力のある男性ほど女性の経済力を無視することも多いので、中には相応に収入格差があるカップルもいるものです。そういう男性は、女性にお金を出させることを「悪いこと、ダメなこと」と考える傾向にあります。そういう男性が相手なら、控えるのも手です。婚約指輪自体、断るのも手?本末転倒のように感じる女性もいるかもしれませんが、どうしてもお返しが気になる女性は、いっそ婚約指輪自体、要らないと告げるのもアリです。貰うからお返しをしなければならない訳ですから、貰わなければお返しを考える必要もありませんからね。最近では予算の問題から、婚約指輪と結婚指輪を一本化するカップルも増えましたし、ヘンという訳でもありません。お返しの予算も考えて、指輪をお願いしましょう。婚約指輪はお返しも含めて結婚生活の始まり最後に、少し筆者の見解をお伝えします。交際中や婚約指輪をもらう時点で意識している女性は少数派ですが、いずれその男性と結婚するのなら「すでに二人の共同家計は始まっている」のが実情です。冷静に考えれば、至極当たり前のことですが……伝わるでしょうか?男性だって必要なだけ無限にお金を稼いでこられる訳ではなく、生涯で稼げるお金には相応に限界があります。このため、婚約指輪やお返しを含めて、たとえ二人の間のやり取りであっても、お金を使うほどに将来的な結婚後の家計状況は厳しくなるのが現実です。たとえ共働きで夫婦別家計を考えていたとしても、一方がお金に困窮すれば関係ありません。それに一般的な教育費や老後資金は、二人で力を合わせなければムリです。そもそも直後には結婚式も控えています。どこにお金を使い、そして削るのか、しっかり考えましょう。彼のお金はあなたのお金でもある!婚約指輪をもらう、つまりその男性と結婚するということは、結局はおサイフを共有することになります。このため、彼のお金はあなたのお金でもあり、彼がお金を出す行為は、あなたが自分の財布からお金を出すに等しい行為です。この感覚は、とても大切といえます。あなたなら、いくらくらいの婚約指輪が欲しいですか?近い将来に結婚してお財布を共有するという実情をしっかり理解して、欲しい指輪とお返しの値段を考えていきましょう。婚約指輪のお返しも話し合いが大切かも?最近では指輪も話し合って二人で買いに行くカップルが増えました。ならば、そのお返しも話し合って品物や値段を決めたほうが無難かもしれません。すでに二人の共同作業や財布の一本化は始まっていると考え、先々を見据えて判断していきましょう。
2018年12月25日この時期になると、毎年のように「年末調整」や「翌年分の扶養親族等の申告書」が当たり前に出てくるようになります。ここでは、同じように出てくる疑問として「扶養に関する4つの壁」があります。「扶養に関する4つの壁」とは、扶養配偶者や扶養親族として、世帯主の扶養(生計を維持してもらっている状態のこと)に入ることが出来る上限となる所得金額のことで、各種法令(後程解説します)で定められています。今回は、この「扶養に関する所得の壁」がどのようなものであるかを解説したうえで、どのような場合であれば、扶養から外れたほうが有利になるかについて説明します。扶養の所得の壁とは?扶養の所得の壁は、大きく分けると、所得税法によって規定されている「税法の所得の壁」と健康保険法などで規定されている「社会保険の所得の壁」に分かれます。それぞれの壁はそれぞれの趣旨をもって設定されている壁です。それぞれの壁の趣旨を理解したうえで、もっとも最適な働き方について考えていく必要があるといえます。「収入」と「所得」は全く別物扶養の壁を考えていくうえでは「収入」ではなく「所得」の金額が判断材料とされます。収入は「総支給額」を表しており、年収とは「1年間における収入の合計」となります。これに対して、所得とは「各種税金や社会保険料を差し引いた後の金額」を表します。そのため、収入と所得は全く別物であり、各種制度を受けられるかどうかの判断基準が所得金額を基準に行われているということです。このことを踏まえたうえで、実際に扶養制度における4つの壁とは何かを説明します。扶養制度における、具体的な4つの壁とは1. 103万円の壁この金額を超えてしまうと、配偶者控除(課税対象額から38万円を控除することが出来る所得控除のこと)の適用を受けることが出来なくなります。扶養親族である場合は、扶養控除(扶養親族1人当たり38万円から63万円までの範囲内で控除できる所得控除のこと)の適用が受けられなくなります。配偶者控除とは、配偶者に対する所得控除のことで「38万円」が控除されます。他の扶養親族に対する所得控除とは区別して、配偶者の扶養控除として所得控除の金額を計上しているものです。2. 106万円の壁(正式には105.6万円の壁)平成28年10月より、この金額(月額8.8万円)を超えると、厚生年金保険・健康保険などの社会保険に強制加入しなければなりません。3. 130万円の壁この金額を超えてしまうと、社会保険における扶養親族とはみなされなくなります。(つまり、自分で社会保険の保険料を納めなければならなくなるということです)4. 141万円の壁この金額を超えてしまうと、配偶者特別控除(配偶者の年間所得金額が「38万円超76万円以下」であるときに受けることが出来る所得控除のこと)も受けることが出来なくなり、配偶者に関する所得控除がなくなります。配偶者特別控除とは、配偶者の年間合計所得が38万円超76万円以下である場合、その配偶者の所得金額に応じて控除額が決められている所得控除です。具体的な控除額は配偶者の所得金額に応じて「38万円」から「2万円」と変化します。所得税法の規定の壁世間的にも最もなじみが深い「103万円の壁」は、所得税法上、所得税が課税されない上限額のことで、「給与所得控除額(最低65万円)」と「基礎控除額(38万円)」の合計金額が103万円となるから「103万円の壁」と呼ばれています。給与所得控除額とは、給料等の収入に係る所得税の計算をするうえで、所得金額を調整するために定められた控除額です。給与所得の収入金額の合計によって控除額が変化しますが、最低限度額が65万円とされています。基礎控除とは、所得税の計算上、課税対象とされた金額から控除することが出来る金額(これを「所得控除」といいます)の一つで、「38万円」が所得税の課税対象金額から必ず控除されます。なお、住民税にも基礎控除がありますが、こちらは「33万円」となります。また、もう一つの役割として「配偶者控除の適用を受けることが出来る所得の上限」というものがあります。これは、夫(妻)の所得税の計算上、「配偶者控除」として38万円の所得控除が受けるためには、配偶者である「妻(夫)」が所得税の計算対象となる金額が0円(非課税者)であること(つまり、「扶養」されている状態であること)が必要になるため、非課税になる所得の上限額としての基準としての役割も併せ持っています。しかし、年間所得額が1円でもある場合(年間所得合計が38万円を超える場合)は、配偶者控除の適用は受けられませんが、その代わりに「配偶者特別控除」という所得控除の適用を受けることになります。社会保険は106万円と130万円の2つの壁が存在社会保険における不要の壁は「106万円の壁」と「130万円の壁」の2つが存在します。この2つの壁は、平成30年度より所得税法が一部改正される関係で非常に大きな意味を持つようになりました。また、社会保険における壁は、「収入金額」が基準となるため、税法の扶養の壁とは考え方が異なります。「106万円の壁」は社会保険に加入する義務の基準106万円の壁とは、「厚生年金保険に加入する必要があるかどうかの基準」となる収入金額です。厚生年金保険は、平成28年10月より加入対象者が拡大され、その加入要件の一つに、「月額賃金が8.8万円以上」というものがあり、年額に換算すると「105.6万円」となりますが、実質的には、年収が「106万円」を超えてしまうと、社会保険に加入することが義務付けられてしまうということになります。「130万円の壁」は健康保険の扶養親族等の範囲の基準130面円の壁とは、「健康保険における扶養親族として認められるかどうか」の目安となる収入金額です。健康保険の扶養親族等に該当するための要件の一つに「年間収入が130万円未満であること」が規定されています。そのため、健康保険の被扶養者となるために、年間収入が130万円未満でなる必要があり、それを超えてしまうと、自分で国民健康保険等の医療保険に加入手続きをしなければならなくなります。「扶養範囲内」と「社会保険加入」どちらがお得?ここまで扶養の壁の種類について説明しましたが、具体的に「年収がいくらを超えると社会保険に加入する方が有利」又は「年収がいくらまでであれば、扶養の範囲内で働く方が有利」となるかを検証していきます。年収が130万円(月平均:約10.8万円)の場合標準報酬月額:110,000円(厚生年金保険料額表より)健康保険料:110,000 × 10% × 1/2=5,500円/月厚生年金保険料:(厚生年金保険料額表より)10,065円/月年間の手取り額:(108,000-5,500-10,065)× 12ヶ月=1,109,220円/年年収が150万円(月平均:約12.5万円)の場合標準報酬月額:126,000円(厚生年金保険料額表より)健康保険料:126,000 × 10% × 1/2=6,300円/月厚生年金保険料:(厚生年金保険料額表より)11,529円/月年間の手取り額:(125,000-6,300-11,529)×12ヶ月=1,286,052円/年年収が170万円(月平均:約14.1万円)の場合標準報酬月額:142,000円(厚生年金保険料額表より)健康保険料:142,000 × 10% × 1/2=7,100円/月厚生年金保険料:(厚生年金保険料額表より)12,993円/月年間の手取り額:(141,000-7,100-12,993)×12ヶ月=1,450,884円/年これらの金額から、所得税・住民税などの税金などが控除されるため、実際の手取り総額は上記金額よりも少なくなります。まとめ扶養の範囲内で収入を抑える形で働く方法がよいか、会社の社会保険に加入して収入をより上げる方がよいかは、その人が現在置かれている状況によって異なります。働きたくても働くことが出来ない状態(産前産後の女性や育児休業中の女性など)であれば、必然的に扶養されることになりますが、働くことが出来るようになってきてからについて、この問題が生じてくるところだと考えられます。現在も労働環境が大きく変化しており、また、扶養制度に関する改正が行われてきています。その中で、どのような働き方をしていきたいのか?ということをしっかりと考えたうえで、今後のライフスタイルを考えていくことが必要とされます。
2018年12月25日今や世帯加入率が62.8%(注)となっているがん保険。生命保険を検討する際の保険種類として、その認知度は高くなっています。しかし、一方で「本当にがん保険って必要なの?不要ではないの?」という疑問をいだく方もいらっしゃるようです。今回は具体的なケース(がん保険に入らなかった場合と、がん保険に入っていた場合)を設定して、がん保険が必要なのか不要なのかをどのように考えればよいかをわかりやすく説明していきたいと思います。注:生命保険文化センター「平成30年度 生命保険に関する実態調査」がん保険に入らなかった場合には?それでは早速、ある具体的な人物像を設定して、がん保険に入らなかった場合と入っていた場合とを比較していきます。まずはがん保険に入らなかった場合を考えてみましょう。人物像を設定30歳女性のAさんは独身の会社員(年収400万円)で一人暮らしをしています。このAさんが、がん保険に入っていないまま、5年後の35歳の時に会社の健康診断で再検査をすすめられ、病院で乳がんとの診断を受けたとしましょう。入院後乳房温存手術を行い、1週間入院後に退院となりました。その後5週間にわたって放射線療法を受けたと仮定します。公的医療制度と自己負担額は?皆さまご存知の通り、がん保険に入っていなかったとしても公的な医療制度があります。今回のAさんの場合では、この公的な医療制度はどのように適用されて、Aさんの自己負担はどのぐらいになるのかを確認していきましょう。まず、Aさんに対する治療費総額はどれぐらいになるでしょうか?乳がんの専門学会でのデータをもとに試算すると以下の通りとなります。乳房温存手術で1週間入院:75万円放射線療法で5週間通院:47万円上記の治療費合計122万円はあくまで総額であり、皆さんが負担する金額ではありません。公的な医療制度が適用されて、皆さんの負担は通常この治療費総額の3割となります。自己負担額の治療費をあらためて示すと以下の通りで合計37万円となります。乳房温存手術で1週間入院:23万円放射線療法で5週間通院:14万円さらに、高額療養費制度というものがあり、1ヶ月の自己負担額は、80,100円+(267,000円を超えた額)×1%が限度となります。今回は入院後6週間が経過したケースですが、仮に1ヶ月間で37万円の自己負担額であったとすると、自己負担額は81,100円程度となります。がん保険に入っていない場合のまとめ以上の通り今回Aさんが、がんに罹患して治療する際にかかる自己負担額を確認してきました。がん保険に入っていなかったとしても、こうした負担額をまかなえる貯蓄があればとりあえずの対処は大丈夫ということになります。ただし気をつけていただきたい点があります。今回のケースでは、公的保険の適用外となる治療がありませんでしたが、先進医療といわれる治療を行った場合は、公的医療が適用されないため、全額自己負担となります。例えば身体への負担が少なく乳房等の切除を避けたいと考えて量子線治療という先進医療を選択した場合、276万円という全額自己負担の治療費がかかることあります。(注)また治療費以外にも差額ベッド代といわれる入院代の追加費用や病院での食事代、入退院や通院でのタクシー代などの費用が別途かかることは押さえておきたいところです。(注)生命保険文化センター「ひと目でわかる生活設計情報」しかし逆にいえば、こうしたもしもの時の貯蓄が無く、がん保険にも入っていない場合は、経済的に苦しい状態になる可能性が残ってしまうのです。がん保険に入っていた場合には?それでは次に、がん保険に入っていた場合を考えてみましょう。人物設定先程と同じ30歳女性のAさんに登場していただきましょう。このAさんが、30歳でがん保険に加入していて、5年後の35歳の時に会社の健康診断で再検査をすすめられ、病院で乳がんの診断を受けたとしましょう。その後の経過は先程と同じと考えます。このAさんが加入していたがん保険を設定しましょう。アクサダイレクト生命のがん終身に入っており、保障内容は以下の通りだったとします。もちろんこの保障内容で実際に加入することが出来ます。アクサダイレクト生命がん終身・保険期間:終身・保険料払込期間:終身・月払保険料:3,600円がん保険の給付金が支払われるAさんが入っているがん保険から、どれぐらいの給付金が支払われるでしょうか?今回の治療で支払われる給付金は以下の通りです。がん診断給付金で200万円がん入院給付金で14万円(7日間×2万円)がん手術給付金で10万円退院後療養給付金で10万円合計すると234万円となります。がん保険の保険料負担を考えておくこれに対して、Aさんの治療費の自己負担は先程の保険に入っていなかった場合と同じく8万円程度となりますが、出費はそれだけではありません。35歳にまるまでの5年間、がん保険に加入していたのですから、その保険料の負担を考慮に入れなければいけません。この負担額は毎月3600円×5年(60ヶ月間)であり約22万円となります。最初のがん保険に入っていなかった場合と平等に比較するためには、この保険料負担も入れて考える必要があるのです。自己負担額8万円程度に支払保険料の22万円を合わせて30万円の負担に対して、234万円の給付金の支払いがある、ということになります。がん保険に入っている場合のまとめこれまで確認してきた通り、がん保険に入っていた場合は、がん治療の自己負担額を十分まなかえる給付金が支払われることがわかりました。しかしながら一方で毎月がん保険の保険料は支払う必要があり、さきほどのAさんのケースでは、5年間で22万程度の負担が発生することになります。加えて5年後にがんになるとは限りませんので、10年後、15年後かもしれませんし、逆に1年後かもしれません。10年後、15年後にがんになった場合は、そこまでの支払保険料は2倍、3倍になりますし、60歳、70歳まで保険を継続することになれば、30年、40年の保険料負担になるのです。なお、今回のAさんが加入していた商品のように保険料払込免除特約(注)があれば、がんになった以降の保険料の負担はなくなります。以上のことも考慮にいれてがん保険の必要性を考えると良いでしょう。(注)保険料払込免除特約とは?がん保険は、がんの診断で保険金を受け取った後も、保険自体は消滅せずに継続となります。そうすると本来は保険料をその後も支払う必要があるわけですが、保険料払込免除特約が付帯している保険は、その後の保険料支払いが免除されるわけです。これはがんに罹患した人にとってはとても有難い制度です。まとめ今回は、「がん保険は本当に必要なの?不要ではないの?」といわれる素朴な疑問を出発点として、がん保険に入っていた場合と入っていなかった場合とを比較することで、がん保険が必要か不要かを考えるヒントにしていただきました。がん保険に入っていない場合には、当然ながら公的な医療制度で保障される範囲をこえた治療費の自己負担額を貯蓄しておくことが必要となります。一方でがん保険に入っている場合には、そうした自己負担額をがん保険の給付金で手当てすることが可能ですが、そのがん保険の保険料(費用)を毎月支払い続ける必要があります。がん保険が必要か不要かを判断する際は、「がんになった時にどれぐらいの自己負担となり、それを貯蓄で支払えるかを考える。」または「自己負担をがん保険の給付金で手当てするために保険料はどれぐらいなら支払うのかを考える。」こうした両面から検討することが重要なのです。
2018年12月24日社会保険は毎月決まった保険料を支払わなけれなばりません(基本的には、会社との折半負担となります)が、妊娠・出産の時期や、育児休業中などのように、支払うことが困難な状況もあります。そんな場合には、保険料を免除する規定があります。毎月給料等から控除されている保険料の額は、1月づつでは大きな金額ではないのですが、年間にすると大きな金額になってきます。そう考えたときに、保険料が免除される規定があるのであれば、賢く利用したいと思う人が多いと思います。今回は、保険料が免除される代表的な時期である「産前産後休業」と「育児休業」のそれぞれの期間における保険料の免除等に関する仕組みなどについて解説していきます。産前産後休業期間中は保険料の負担が免除されます産前産後休業期間中は、事業主が保険者等に対して、申し出を行うことで保険料の負担が免除とされます。なお、産前産後休業を開始したあとからでも、申し出を行うことで、保険料については期間をさかのぼって免除することが出来ます。産前産後休業期間中の取り扱い産前産後休業期間中の保険料については、産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、保険者等(協会けんぽ・健康保険組合などのことです。以下同じ)に申し出をすれば、その被保険者が「産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業を終了した日の翌日の属する月の前月までの期間」について、保険料が免除されます。つまり、産前産後休業期間中の健康保険の保険料免除については、被保険者本人が直接保険者等に保険料免除についての申し出を行うのではなく、会社が保険料免除についての申出を行うことになり、その上で、被保険者が「産前産後休業を始めた日の属する月」から「産前産後休業が終わった日の翌日の属する月の前月までの期間」の保険料について免除される仕組みとなります。【具体例】7月1日から産前産後休業を開始し、10月31日に終了した場合産前産後休業を開始した7月1日の属する月である「7月分」から、産前産後休業が終了となる10月31日の翌日である11月1日の属する月の前月(つまり「10月分」)までの「7月・8月・9月・10月」の4か月分については、保険料が免除されるという仕組みとなります。産前産後休業期間中の保険料免除の注意点産前産後休業期間中の保険料免除に関する規定については、基本的に健康保険・厚生年金保険共通ですが、以下の点については注意が必要です。健康保険については、任意継続被保険者(会社等を退職して、健康保険の被保険者ではなくなったが、その後も継続して健康保険に任意で加入している人のこと。以下同じ)等である人は、保険料免除はされない。事業主の申出が産前産後休業開始よりも遅くなったとしても、産前産後休業開始日の属する月から保険料免除が適用される。保険料免除を受ける場合、被保険者の支払う分だけでなく、事業主の負担する分も免除となる。育児休業中の世帯であれば、最長で3歳になるまでの期間の保険料が免除となります育児休業等を取得している場合は、その育児休業等をしている期間の保険料が免除されます。法令では、「育児休業等をしている被保険者が使用される事業所の事業主が保険者等に申し出をすることで、育児休業をしている期間中の保険料は免除される」と規定されています。つまり、産前産後休業の保険料免除の規定と同様に、お勤めの会社から保険者等に申し出をする事で、その対象となっている被保険者期間に係る保険料が免除されます。育児休業中の保険料が免除される期間については、育児休業を開始した日の属する月から、育児休業を修了した日の翌日が属する月の前月までの期間とされています。【育児休業期間中の保険料免除の規定に関する注意点】保険料免除対象となる「育児休業等」とは、育児・介護休業法に規定する育児休業、育児休業に準ずる休業等をいい、子が3歳に達するまでの育児のための休業を言います。任意継続被保険者等については、育児休業期間中の保険料免除の規定は適用されません。(健康保険のみ)事業主の申出が遅れた場合であっても、実際に育児休業を開始した時点から保険料免除に関する規定は適用されます【具体例】平成28年6月5日から育児休業等を開始し、平成29年6月30日まで育児休業等を修了した場合育児休業等が開始した日が6月5日となるため、6月5日の属する月である「平成28年6月」から、育児休業等の終了日である平成29年6月30日の翌日である平成29年7月1日が属する月の前月である「平成29年6月」までの期間が育児休業期間中の保険料免除期間となります。具体的に免除されている保険料の目安はどれくらい?産前産後休業期間、育児休業期間のそれぞれの期間における保険料免除の規定の適用要件や内容について確認しましたが、実際にはどれくらいの保険料が免除されることになるのでしょうか?産前産後休業の場合【前提条件】標準報酬月額:30万円産前産後休業の期間:平成28年12月5日~平成29年3月31日保険料率:(健康保険)10%・(厚生年金保険)18.3%保険料免除対象期間:平成28年12月分~平成29年3月までの4か月分健康保険の保険料免除額(給料等から控除される分):30万円×10%×1/2=15,000円/月厚生年金保険の保険料免除額(給料等から控除される分):30万円×18.3%×1/2=27,450円/月1月当たりの保険料免除総額:15,000円+27,450円=42,450円/月産前産後休業の保険料免除総額:42,450円×4ヶ月分(平成28年12月~平成30年3月の4か月分)=169,800円育児休業等の休業期間の場合【前提条件】標準報酬月額:30万円育児休業期間:平成28年9月15日~平成30年8月31日保険料率:(健康保険)10%・(厚生年金保険)18.3%保険料免除対象期間:平成28年9月分~平成29年8月分までの12月分健康保険の保険料免除額(給料等から控除される分):30万円×10%×1/2=15,000円/月厚生年金保険の保険料免除額(給料等から控除される分):30万円×18.3%×1/2=27,450円/月1月当たりの保険料免除総額:15,000円+27,450円=42,450円/月産前産後休業の保険料免除総額:42,450円×12ヶ月分(平成28年9月~平成29年8月の12か月分)=509,400円まとめ産前産後休業期間中や育児休業期間中のように、保険料の支払いが困難になる状況においては、保険料を免除する規定はあります。しかし、実際に免除の規定の適用を受けようとする場合、被保険者本人が保険料免除の規定の手続きをするのではなく、会社から申し出を行わなければならないという点で、他の制度とは異なります。また、実際に申出をした時期が休業開始時期を過ぎてから行った場合(いわゆる、「事後報告」)となっても、期間をさかのぼって、保険料免除が受けられますので、出産予定日が早まったことで、産前産後休業を開始した時期が早まってしまった場合であっても、育児休業を開始した時期よりも会社が育児休業期間の保険料免除の申請の申出を行った時期が遅かった場合であっても、問題ないということです。実際のところ、会社もその期間分の保険料を負担しなくてもよいという意味では、メリットが大きいため、産前産後休業や育児休業の取得をしようとする場合には、早めに連絡するように言われることが多いと考えられます。言い換えてみると、これらの申出を行うことで得られる双方のメリットはかなり大きいので、忘れずに手続きをすることが望まれます。
2018年12月24日働く女性にとって、妊娠・出産・育児は人生における大きなライフイベントとなります。そのため、妊娠・出産・育児における、法制度がどのようなものがあるのかを把握したうえで、今後のライフイベントにおける影響に対する備えをすることが重要になってきます。近年の法制度は、働く女性を意識した内容へと改正が進んでおり、これからのライフイベントを考えていくうえでも、押さえておいてほしい内容が増えてきました。今回は、妊娠・出産・育児について、具体的な法制度を説明したうえで、今後のライフイベントに向けてどのように備えるべきかについて解説します。妊娠・出産・育児にまつわる法制度を理解することが大切労働環境から見た「妊娠・出産・育児」にまつわる法制度は、労働環境の変化などにより進化しています。そのため、常に新しい情報を確認したうえで、今後のライフプランを計画していくことが必要となります。妊娠・出産・育児を理由として会社を休む場合は、会社の規定にもよりますが、無給(つまり、「休んでいる間は給料は出ない」ということ)のところが多く、有給休暇として扱われるところもあったりしますが、これらについては、会社の「就業規則」等の規定を確認してください。妊娠・出産にまつわる法制度妊娠・出産に関する規定は、主に「休業に関する規定」「各種保険料の取り扱いについての規定」「給付に関する規定」などが規定されています。具体的な規定の内容については以下の通りになります。労働環境に関する法制度労働環境に関する法的な制度としては、労働基準法があります。労働基準法は労働に関する基本的な原則部分について規定されているもので産前産後休業についても規定があります。労働基準法では、基本的に「産前6週間から産後8週間の期間については働かせてはならない」(労働基準法65条)と規定されており、産前産後期間においては労働をさせることはできないとされています。しかし、産前産後休業期間中の賃金等に関する規定は労働基準法には明確な規定がありません。そのため、会社の就業規則などに準拠した形で取り扱われることになります。保険料免除等で経済的負担の軽減などを図る規定産前産後休業期間中の社会保険の保険料負担は、非常に大きな負担といえます。そこで、この期間における経済的負担を軽減するために、出産に関する給付や保険料の免除といった制度が規定されています。健康保険法については、給付に関する規定として「出産手当金」「(家族)出産育児一時金」があります。また、保険料に関する規定では、「産前産後休業期間中の保険料は免除される」という規定(厚生年金保険法での同様の規定があります。)があり、妊娠・出産に関する経済的な負担を軽減する規定が設けられています。育児にまつわる法制度育児に関する規定は、育児休業の制度に関する規定や保険料の免除など、育児休業をしている期間に受けることが出来るメリットの規定も多く、また、労働に関する規定などもあります。育児休業の制度育児休業の基本的な考え方については、労働基準法では明確な規定はされていませんが、別で法的に明確にしたものが「育児介護休業法」です。育児介護休業法は、育児休業・介護休業に関する規定が定められています。育児休業に関しては、この育児介護休業法の内容をベースに制度が定められているため、この制度をしっかりと理解することが、育児休業を有効に取得し、活用することにもつながります。また、育児介護休業法では、育児を行っている人に対する労働環境の改善を図るために、労働時間の短縮措置を行うことについても規定されています。この規定は、3歳に満たない子を養育する労働者に対して、会社が一定の要件に該当する者を除き、対応しなければならない規定となっています。育児休業に係る給付制度育児休業に係る給付制度としては、雇用保険や児童手当法などで規定されています。雇用保険法では、育児休業中の被保険者について、「育児休業給付金」という給付を行う制度があります。これは、育児休業中の所得補償を行うことで、育児休業後の社会復帰を容易にすることを趣旨とした制度とも言えます。児童手当法では、15歳に達した日後最初の3月31日までにある子(つまり、中学卒業までの子のこと)がいる場合に、その子の人数に応じて児童手当を支給することで、家計の経済的負担の軽減を図るようにしています。保険料免除等による経済的負担の軽減を図るための規定産前産後休業の場合と同様に育児休業期間中においても、健康保険・厚生年金保険の保険料を免除する規定があります。育児休業期間中については、一定の要件を満たした場合であれば、最長で子が3歳になるまでの期間の保険料について免除されます。産前産後休業・育児休業を取得するうえでの注意点産前産後休業・育児休業は、法律上規定された公的な制度ですが、これらを取得する際に注意しなければならない点があります。例えば、「休業している期間中の収入をどうするのか?」「いつまでに会社に申告をしなければならないのか?」といったことがあります。産前産後休業を取得する上での注意点産前産後休業については、産前休業と産後休業では、法的な規定に若干違いがあるため、取得するうえで注意が必要な部分があります。産前休業の場合産前休業は出産予定日から6週間前の期間から取得することが出来ますが、会社は必ず休業を取得させる必要がない(休業を義務付ける規定ではないということ)ため、自身の申出をしなければ産前休業が出来ません。(実際のところ、申し出がなくても産前休業を予定日の6週間よりも前から取得させる会社もあります)産後休業の場合産後休業については、出産の日から6週間の期間については必ず休業させなければならないとされている点で、産前休業とは大きく違います。また、産後休業について、産後6週間を経過した日後については、医師の診察等を受けたうえで、労働をしても支障をきたさないという意見がもらえた場合には、職場復帰をすることも可能です。(原則としては、産後8週間は労働させてはなりません。)育児休業を取得するうえでの注意点育児休業についても、産前産後休業の場合と同様に、取得をするうえで注意しなければならない点があります。母親が育児休業を取得する場合育児休業は原則として「最長1年間まで」とされていますが、これは「産後休業期間」と「育児休業期間」の合計が1年まで育児休業を取得することが可能とされていますので、育児休業のみで1年間取得することが出来るわけではない点に注意が必要です。父親が育児休業を取得する場合父親が育児休業を取得した場合についても、原則として、育児休業期間は「最長で1年」となります。ただし、父親の育児休業の取得時期が「(母親の)産後休業期間」が終わった後に、母親が先に育児休業を取得している場合は、例外的に「子が1年2か月になるまでの期間内」であれば、育児休業の取得可能となります。(育児休業の取得可能期間は最長で1年です)まとめ妊娠・出産・育児に関する制度は、労働環境自体を改善するために規定や、保険料免除や給付の支給などによる経済的負担の軽減を図る規定など、様々な規定があります。しかし、実際に育児休業を取得している人の割合は「女性が約90%、男性が約1%」と圧倒的な差が出ています。しかし、近年では男女共働き世帯が増えてきていることもあり、育児休業自体を取得する人が減少しているようにも感じます。これらの制度を理解することで、一人でも多くの人が快適なワークライフバランスを実現できるようになることが大切だと考えます。
2018年12月23日離婚したいのに相手が応じてくれない場合、裁判になったら費用がかかるのが心配でしょう。ここでは、離婚裁判でかかる費用の相場や費用が用意できない場合の対処法について説明します。裁判費用が払えないという理由だけで離婚をあきらめることのないよう、知識を持っておきましょう。離婚で裁判になるケースはどれくらい?日本では、話し合いによる協議離婚が大半で、裁判になるケースはかなり少なくなっています。離婚で裁判になるのは3%未満厚生労働省の人口動態統計によると、平成29年度の離婚件数の総数は21万2,262件で、離婚の種類別の内訳は次のとおりです。上記の表からわかるように、日本では離婚の約9割は協議離婚です。また、裁判する前に調停を経なければならない「調停前置主義」が採用されているため、調停までで離婚が決まるケースが多く、協議離婚と調停離婚で全体の97%を占めます。なお、審判離婚とは調停で合意できない場合に、裁判所が職権で離婚を決める手続きです。離婚に合意しているものの一部の条件で折り合いがつかないようなケースでは、調停から審判に移行され審判離婚となることがあります。離婚裁判になるのは、協議離婚が不可能で、調停や審判でも決着がつかなかった場合ですから、全体の3%にも満たないということです。ほとんどの場合、調停をすれば離婚問題は決着します。裁判になっても和解離婚となるケースが多い離婚裁判になった場合でも、判決まで行くケースはむしろ少数で、裁判上の和解により離婚が成立するケースが多くなっています。平成29年度のデータでも、判決離婚は1%であるのに対し、和解離婚は1.6%となっています。ちなみに、認諾離婚とは、裁判になった後、被告が原告の要求を全面的に受け入れて離婚が成立することですが、まれなケースです。離婚裁判でかかる費用の種類とは?離婚裁判でかかる費用は、大きく分けると、裁判所に払う費用と弁護士費用の2つになります。そのうち大半を占めるのが、弁護士費用です。裁判所に払う費用裁判所に訴状を提出するときに、次のような費用がかかります。収入印紙代裁判所に訴えを提起するときには、法律で定められた手数料を収めなければなりません。手数料の額は訴訟で争う内容や請求する金額によって変わります。離婚裁判では、離婚のみを請求する場合には、手数料の額は1万3,000円です。財産分与を請求する場合には1,200円、養育費を請求する場合には1人につき1,200円が加算されます。離婚と同時に慰謝料を請求する場合には、慰謝料の金額に対応する手数料と離婚の手数料(1万3,000円)のうち多い方に、財産分与や養育費の分を加算する扱いになります。手数料は、収入印紙を訴状に貼って納付します。郵便切手代訴状と一緒に、裁判所からの連絡用の郵便切手(予納郵券)も提出する必要があります。予納郵券の切手の種類や組み合わせ、枚数は裁判所ごとに決まっており、金額も多少違いますが、概ね6,000円程度です。弁護士費用離婚裁判を進めるためには専門的な知識が欠かせませんから、弁護士に依頼した方がよいでしょう。弁護士に払う弁護士費用は、着手金と報酬金の2つに分かれます。現在、離婚の弁護士費用に統一基準はなく、依頼する弁護士によって費用は変わります。着手金弁護士に事件を依頼したときに払う費用です。裁判で敗訴になった場合でも、着手金は返金されません。日弁連が2008年に行ったアンケートによると、弁護士に離婚訴訟から依頼した場合に払った着手金は30万円前後という回答が52.7%、20万円前後が26.4%となっています。報酬金成功報酬とも呼ばれるもので、事件終了時に、成功の程度によって支払う費用です。報酬金は、固定された金額に、慰謝料や財産分与で獲得した金額に応じた額を上乗せした形で請求されるのが一般的です。日弁連のアンケートでは、離婚訴訟からの依頼で払った報酬金は、30万円前後が37.1%、20万円前後が20.1%、50万円前後が17.1%、40万円前後が16.5%と、ばらつきがあります。その他の費用交通費や通信費などの実費を負担しなければなりません。弁護士に遠方の裁判所などに出張してもらう場合には、交通費とは別に日当を請求されることもあります。裁判所に払う費用も、通常は弁護士に立て替えてもらうことになるため、請求されたら払う必要があります。離婚裁判でかかる費用の総額たとえば、離婚裁判で、離婚と財産分与、子2人分の養育費を請求する場合の収入印紙代は、次のようになります。1万3,000円(離婚請求)+1,200円(財産分与)+1,200円×2(養育費)=1万6,600円これに予納郵券代約6,000円を足すと、裁判所に払う費用は約2万3,000円です。弁護士費用として、着手金30万円、報酬金30万円を払うとすると、かかる費用の総額は約63万円となります。離婚裁判の費用はどっちが負担する?裁判費用というのは安くはありませんから、相手のせいで離婚になった場合には、裁判費用も相手に請求したいでしょう。離婚の裁判費用の負担については、次のようなルールがあります。裁判に勝てば訴訟費用は相手に請求できる一般に、弁護士が訴訟を提起するときには、被告に対して、本来の請求に加え、訴訟費用の請求もします。これを受けて、原告が勝訴した場合には、「訴訟費用は被告の負担とする」という判決が出るのが通常です。訴訟を提起する時点では勝ち負けはわかりませんから、訴訟費用も一旦は自分で払わなければなりません。裁判に勝った場合には、後で相手に訴訟費用を請求できます。弁護士費用は自己負担裁判で相手方に請求できる「訴訟費用」には、弁護士費用は含まれません。相手方に請求できるのは、裁判所に払った収入印紙代や郵便切手代などにとどまります。裁判で勝っても、自分が依頼した弁護士に払う弁護士費用は自己負担です。離婚裁判の費用が払えないならどうする?お金がないからと言って、裁判をあきらめる必要はありません。まとまった費用が用意できなくても、離婚裁判をすることは可能です。弁護士費用は分割払いできることも離婚裁判で、裁判所に払う手数料は、分割払いできません。一方、弁護士費用については、少数ですが、分割払いに応じてもらえる事務所もあります。弁護士費用の分割払いの可否については、ホームページに記載されていないこともありますから、直接問い合わせてみましょう。法テラスで弁護士費用を立て替えしてもらえる法テラス(日本司法支援センター)は、経済的に余裕がない人のために、弁護士費用の立て替えを行っています。収入や資産などの要件をみたしていれば、着手金、報酬金、必要な実費を法テラスに立て替えてもらえます。法テラスに立て替えてもらったお金を返すときには、月5,000円から1万円程度の分割払いが可能で、利息や手数料はかかりません。離婚事件の場合には、配偶者の収入や資産が加算されないので、要件をみたすケースが多くなります。弁護士費用が用意できない場合には、法テラスに相談してみましょう。なお、法テラスの立て替え制度が利用できるのは、法テラスと契約している弁護士に依頼した場合のみです。どの弁護士でも立て替えてもらえるわけではありませんので注意しておきましょう。まとめ離婚裁判をすれば、高額の費用がかかります。離婚するときには、早めに弁護士などの専門家に相談し、裁判になる前の解決を目指しましょう。離婚裁判になった場合、弁護士費用の支払いが困難なら、法テラスの立て替え制度を利用する方法もあります。弁護士費用を払っても、裁判をした方が慰謝料や財産分与で受け取れる金額が多くなることもありますから、あきらめないようにしましょう。
2018年12月23日個人型確定拠出年金、通称iDeCo(イデコ)に加入していた方が転職や離職をした場合、どのような手続きが必要なのかを解説します。※本記事では、すでにiDeCo(イデコ)に加入していた人の場合に焦点を当てて記しています。iDeCo(イデコ)加入者の転職・離職の際の手続き方法iDeCo(イデコ)加入者の転職・離職の際の手続きは転職先・離職により異なる?転職や離職の時には、iDeCo(イデコ)加入者がみんな同じ手続きをすればOKとはいきません。iDeCo(イデコ)加入者の働き方(会社員や自営業者などの加入者区分)や企業の年金制度(ある・なしなど)によって手続きが異なります。iDeCo(イデコ)に加入している私の場合はどうなるの?一覧早見表転退職をした場合は、次のどちらかの状況により、手続きが変わります。転職先企業の年金制度離職後の状態ここでは、先に全体の大まかな流れを見てみましょう。下記表が全体の流れです。表を見ると、面倒な印象を抱くと思いますが、個人において(状況により違いますが)手続き自体は単純なことですので、これから順番に抑えていきましょう。iDeCo(イデコ)加入者が転職の際に手続きするケース5つをご紹介それでは、具体的なケースを見ていきましょう。前提条件は次の状態です。すでにiDeCo(イデコ)に加入している転職・離職をするこの状態で、次の大きな5つのケースで見てみます。転職先で企業型確定拠出年金に加入する人転職先で企業型確定拠出年金に加入しない人転職先に確定給付企業年金がある人自営業者・フリーランスなどになった人専業主婦などになった人1. いままでiDeCo(イデコ)加入者で、転職先の企業型確定拠出年金に加入する人転職先で企業型確定拠出年金に加入する人には、次の2通りが考えられます。iDeCo(イデコ)への同時加入が認められている場合の手続き方法と必要な書類この場合は、引き続きiDeCo(イデコ)へ掛け金を出すことができます。手続きとしては国民年金の被保険者種別(または登録事業所の変更)の手続きが必要です。記入後に運営管理機関に提出をします。運営管理機関とは「楽天証券やマネックス証券、ろうきん、○各種銀行」などの、iDeCo(イデコ)口座を開いている金融機関を指します。企業型確定拠出年金に移管する場合の手続き方法と必要な書類この場合は、iDeCo(イデコ)への加入者資格を失います。手続きとしては加入者資格喪失届の運営管理機関への提出が必要です。そして、iDeCo(イデコ)の資産を転職先の企業型確定拠出年金に移します。詳細な手続き方法・書類は転職先の担当者に確認をします。2. 転職先で企業型確定拠出年金に加入しない人の場合の手続き方法と必要な書類この場合は、引き続きiDeCo(イデコ)へ掛け金を出すことができます。手続きとしては国民年金の被保険者種別(または登録事業所の変更)の手続きが必要です。3. 転職先に確定給付企業年金がある人iDeCo(イデコ)に引き続き掛け金を出すことができるかどうかは、転職先(の規約)により異なります。できるかどうか、転職先の担当者に確認をしましょう。4. 自営業者・フリーランスなどになった人国民年金第1号被保険者、いわゆる自営業者・フリーランスになった人の場合は、引き続きiDeCo(イデコ)へ掛け金を出すことができます。手続きとしては国民年金の被保険者種別の変更の手続きが必要です。5. 専業主婦などになった人国民年金第3号被保険者、いわゆる専業主婦・主夫になった場合は、引き続きiDeCo(イデコ)へ掛け金を出すことができます。手続きとしては国民年金の被保険者種別の変更の手続きが必要です。まとめiDeCo(イデコ)加入者が転職・離職をしたら、手続きをしましょう手続き方法は一見、面倒なようだけど、意外と簡単具体的な5つのケース別の手続きと必要な書類を理解してスッキリ!長い人生の途中では、転職・離職をすることがあると思います。そして、老後のための資産形成は長期で継続性を持って行うことが重要です。意外かもしれませんが、資産形成において、もっとも重要かつ簡単に効果があるのは「時間をかける(長期)」「積み立てる」(そして「分散投資」)ということです。これは特別な能力は必要でなく、誰にでもできます。上記でみてきましたように、iDeCo(イデコ)加入者の資産は転職・離職をしても(移管などが必要なケースもありますが)資産としては基本的に継続して残せますし、(就職先などをまたいで)持ち運べます。転職・離職に際しては、ついつい忙しくて手続きを忘れがちになりそうですが、「老後」は生きている限りやってきます。長寿化する可能性(長生きをしてお金が不足するリスクが)があるからこそ、できることを、長期で積み立てて(できれば分散投資も)行うことが重要だと考えられます。
2018年12月22日サラリーマンは年末調整書類の「給与所得者の保険料控除申請書」を毎年記入し、保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」を添付して提出している方が多くいらっしゃいますが、その書類を提出するとどういう効果があっていくら得するのか正確にご存じの方は少ないのではないかと思います。これから、「生命保険料控除」がどういう制度で、どのような効果があるのかをご紹介します。長期間積み重ねると数十万単位で税金の負担が軽減される生命保険料控除のことをよく知り、税制上の優遇制度をしっかり利用しましょう。生命保険料控除ってどういうもの?生命保険料控除とは、払い込んだ保険料に対して一定の金額が生命保険契約者の所得から差し引かれる制度です。所得が低くなることで、所得税、住民税の負担が軽減されます。生命保険料控除は国税庁が定める所得控除の一つです。他には、医療費控除、社会保険料控除、配偶者控除など全部で20項目があります。新制度と旧制度生命保険料控除には新制度と旧制度があり、対象となる保険契約が違っています。生命保険料控除の新制度は「平成24年1月1日以後に契約した生命保険等」が対象になり、旧制度は平成23年12月31日以前の契約が対象です。以下は対象となる保険の区分です。生命保険料控除の対象区分は、新制度には一般生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除、旧制度には一般生命保険料控除、個人年金保険料控除があります。新制度では介護医療保険料控除が新たに加わっています。社会的に介護のニーズが高まり、社会保障に頼らず介護に備えて保険料を負担する方に対して税制上の優遇が受けられるようになりました。その他にも控除額が変更になっているので、次項で新制度と旧制度の控除額をご紹介します。新制度と旧制度の所得税控除額生命保険料控除の控除額は、その年の1月1日から12月31日までに払い込んだ年間払込保険料で決まります。新制度の所得税控除額は以下の式で計算します。新制度(平成24年1月1日以降)の契約で、毎月1万円の保険料を支払っている場合は、年間の支払保険料が12万円です。年間の支払保険料は8万円を超えているので、所得から4万円控除されます。その4万円に所得に応じた税率(5~45%)をかけた金額分の税金が軽減されます。旧制度の所得税控除額は以下の式で計算します。旧契約(平成23年12月31日以前の契約)で、毎月1万円の保険料を支払っている場合は、年間の保険料が12万です。年間の保険料は10万円を超えているので、所得から5万円控除されます。その5万円に所得に応じた税率(5~45%)をかけた金額分の税金が軽減されます。新契約と旧契約の双方について生命保険料控除を適用する場合は、新契約と旧契約の控除額を合計(最高4万円)した金額が控除額です。また、新制度には3つの控除(一般生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除)、旧制度には2つの控除(一般生命保険料控除、個人年金保険料控除)がありますが、それぞれで控除が受けられます。一般生命保険だけでなく、個人年金や介護保険に加入している方は税金の負担がより軽減されます。新制度で3つの控除を受けた場合の所得税の限度額は12万円、2つの控除を受けた場合の所得税の限度額は8万円、1つの控除を受けた場合の所得税の限度額は4万円です。旧制度で2つの控除を受けた場合の所得税の限度額は10万円、1つの控除を受けた場合の所得税の限度額は5万円です。毎年戻ってくるお金は微々たるものかもしれませんが、生命保険は10年以上の長期契約がほとんどです。生命保険に加入されているのであれば、年末調整時や確定申告時に生命保険料控除を申請することで、長期的に考えて数十万のお金が戻って来る場合があります。面倒でも生命保険料控除の申告は行ってください。新制度と旧制度の住民税控除額生命保険料控除は住民税でも利用できます。下表は新制度での住民税の控除額です。下表は旧制度での住民税の控除額です。これらの税率に住民税の税率10%(一律)をかけた金額が実際に負担が軽減される税金の金額です。例えば、新制度で年間10万円の保険料を支払っている方は控除額が2.8万円です。この金額に住民税の税率10%をかけた金額である2,800円の税金の負担が軽減されます。新制度で3つの控除を受けた場合の住民税の限度額は7万円、2つの控除を受けた場合の限度額は5.6万円、1つの控除を受けた場合の限度額は2.8万円です。旧制度で2つの控除を受けた場合の住民税の限度額は7万円、1つの控除を受けた場合の所得税の限度額は3.5万円です。生命保険料控除手続きここからは、生命保険料控除の手続きをご紹介します。生命保険料控除の手続きはサラリーマンと自営業で異なっています。サラリーマンサラリーマンの生命保険料控除は、年末調整の時に「給与所得者の保険料控除申告書」に毎年10月~11月に保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」を付けて提出することで手続きが完了します。年末調整で生命保険料控除手続きができなかった場合は、確定申告で手続きができます。5年間さかのぼって還付の申告ができるので5年以内の手続きが済んでいない方はまだ間に合いますので申告されてください。自営業自営業の生命保険料控除は確定申告(毎年2月16日~3月15日)で手続きできます。サラリーマン同様、毎年10月~11月に保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」を添付して確定申告します。平成28年から確定申告にはマイナンバーが必要ですので、確定申告を行う際にはマイナンバーをご用意ください。生命保険料控除でどれくらい負担が軽減されるの?ここでは生命保険料控除で実際どれくらい税金の負担が軽減されるのかをご紹介します。実際軽減される所得税所得税の税率は5~45%と所得により異なっています。生命保険料控除額に下表の税率をかけた金額が生命保険料控除で軽減される所得税です。例えば、新制度で年間10万円の保険料を支払っている方は控除額が4万円です(前項「新制度と旧制度の控除額」表参照)。この4万円に対してご自身の所得が「330万円を超え695万円以下」の場合は税率20%をかけた金額である「8,000円」が生命保険料控除で軽減される所得税です。サラリーマンは年末調整後にこの金額が還付されます。ご注意いただきたいのは、年末調整では還付されるだけでなく、扶養家族が減った場合や賞与が高額になった場合に「不足金額の徴収」が行われる点です。実際軽減される住民税住民税の税率は一律10%です。前項「新制度と旧制度の住民税控除額」で紹介した住民税の控除額に10%をかけた金額が実際に負担が軽減される税金の金額です。例えば、新制度で年間10万円の保険料を支払っている方は控除額が2.8万円です。この金額に住民税の税率10%をかけた金額である2,800円の税金の負担が軽減されます。生命保険料控除で軽減される実際の金額年収が330万円~695万円以下の方が新制度で年間10万円の保険料を支払っている場合は、所得税で8,000円、住民税で2,800円、一年間で合計10,800円の税金負担が軽減されます。これが30年続くと32.4万円です。生命保険は長期間契約が続きます。生命保険料控除は面倒でも毎年申請し、税制上の優遇を受けてください。まとめこれまで「生命保険料控除ってどういうもの?」「生命保険料控除手続き」「生命保険料控除でどれくらい負担が軽減されるの?」をみてきました。一年間の節税効果は少ない金額であっても、長期間生命保険に加入することで小さな金額が積み重なり、数十万円になることがわかりました。生命保険料控除の手続きは難しくないので、サラリーマンの方は年末調整で、自営業の方は確定申告で忘れずに生命保険料控除を申請してください。
2018年12月22日こんにちは、婚活FP山本です。独身女性の中には意外に感じる方もいますが、たとえ夫婦であっても「話し合いにくい事」がいくつかあり、筆頭には「お金のこと」が挙げられます。一見、話し合って決めたつもりでも、言い出せなかったり心変わりしたりで、お金に関するトラブルは後を絶たないのが実情です。そこで今回は、婚活FPである筆者が結婚前後のお金の管理方法と話し合うべきポイントをお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。なぜ結婚したらお金の管理が大切?まずはお金管理の重要性について統計をもとにお伝えします。総務省統計局の平成30年「家計調査」によると、一般的な定年直後である世帯主60~64歳の世帯の平均貯金額は、約23%が2000万円以下、約12%は1000万円以下です。また1割は100万円以下となっています。最終的に定年時にいくらの貯金があれば大丈夫かは各家庭の生活水準や願望で左右されますが、仮に年100万円取り崩すと仮定すれば今は人生100年時代ですから、この頃には4000万円以上必要です。しかし4000万円を超える世帯は、わずか18%に留まっています。定年を迎えてから貯金が無くなり、乏しい年金や労働収入の範囲での生活を強いられる……つまり老後破産です。その予備軍が、なんと8割を超えているのが今の日本といえます。しっかりお金を管理して貯めなければならない重要性が、少しは伝わるでしょうか。会社員、公務員には宿命の「定年」中には「死ぬまで働くから大丈夫」と楽観視している方も多いです。しかし実際には健康寿命というものもあるため、死ぬ直前までは働けないのが現実といえます。しかもそもそも、会社員や公務員には「定年」があります。その先、雇ってくれる先は見つかるでしょうか。雇用が続いても年収は半減、激減するのが基本ですね。現代は、ただ働いていれば生涯安泰という時代ではなくなっているため、時代に合わせた考え方が必要といえます。結婚前のお金管理は口座の公開から次は結婚前のお金管理についてです。少し意外に思う女性もいるかもしれませんが、お金管理は結婚前から始まっています。結婚前に少しも管理できなかったカップルなら、結婚しても管理できないのも自然です。警戒心が残る頃でしょうが、少し勇気を出しましょう。そして結婚前のお金管理とは、簡単にいえば「互いの口座を公開すること」です。理想としては、単に口座を公開するだけでなく、一切の財産調査を互いにすることですが、さすがに大変なので基本は口座公開程度になります。あなたは彼氏に公開できるでしょうか。女性としては、彼氏の口座は見たいけど自分の口座は見せたくない……という方もいるかもしれませんが、夫婦で一方通行は不満を感じさせるだけです。あなたも見せるから彼氏のも見せてもらい、それを互いの安心に繋げながら「お金の話し合い」をしていきましょう。財布を一つにするのは心を一つにする行為考えるだけでもイメージできるでしょうが、意外と夫婦になる前提のカップルでも、口座の公開は勇気が必要な行為です。特に最近では共働きが一般的になった結果、夫婦間でも互いの経済状態が分からない、知らないということも多いですから尚更かもしれません。しかし、それを乗り越えてこそ夫婦でのお金管理の第一歩です。財布を一つにするのは心を一つにする行為と考え、互いの経済状態を最初に確認したうえで結婚に進みましょう。結婚直後にお金管理のために話し合うポイントそして、結婚直後のお金管理のために話し合うべきポイントです。最終的には当人次第ですが、婚活FPである筆者は以下の点をお勧めします。欲しい子供の数家計簿の共有小遣いには口出ししないまず子供の数だけは絶対です。子供は一人につき1000万円を超える教育費が必要になりますからね。他にどんなお金が必要になるかを考え、育てられる数を望むようにしましょう。そして先ほどの延長ですが、結婚後は口座だけではなく二人で家計簿をつけ、世帯の家計と経済状態を互いに確認します。ぜひ、おサイフを一つにし続けましょう。その一方、結婚したとしても少しはプライベートも大切です。家計簿をもとに互いの小遣い金額を定めたら、その範囲でお金を使う以上、一切の文句を言わない事を約束しましょう。特に子供は「産んだらお返しできない」中でも子供は「産んだらお返しできない」部分です。どんなに結婚・出産を経て家計が苦しくなっても、捨てることも別れることもできません。そして、産んだら一人につき1000万円を超えるお金が必要になります。ぜひ感情ではなく、現実的な経済力で考えましょう。もっとも、一人程度なら育てられることも多いので、そこまで不安になる必要もありません。その分、二人を超えると十分な警戒が必要といえるので、冷静に考えて頂きたいところです。結婚後のお金管理方法は「目的意識」さらに、結婚後のお金管理の方法についてです。基本かつ一番大切なことは「なぜお金を管理して貯金する必要があるのか」を、目的意識を通して理解することといえます。すでに触れた通り、最終的には「老後のため」、そして目先なら「教育費のため」です。ちなみに目的意識は、夫婦どちらかの年収が高いほどに安心感から気が緩み、ついつい忘れてしまう部分といえます。自分たちは年収が高いから少しくらい大丈夫……。そうやって一度でも生活水準が上がれば下げるのが困難になり、それだけ目的達成が遠のく訳です。またこの点は、夫婦どちらか一方でも忘れてしまったら簡単には取り返しがつきません。これを防止するために、夫婦で互いに監視しあうために、口座を公開して常に家計簿を共有して「共通の目的意識」を忘れない工夫をしていくことが重要になります。何となく必要なら絶対貯まらない!最近では方々で「貯金したいのにできない」と嘆く声を聞きますが、貯金したいだけなら「しなくても問題ない」という意識を生みます。「貯金しなければ〇〇で困る」という強めの危機感こそが、貯金には大切です。どうしても貯金は、節約という苦痛をともないますからね。ただし、そんな目的意識や危機感は、長く持ち続けるのは意外に難しいものかもしれません。だからこそ、あなたなりに工夫して、そういう意識を長持ちさせられるようにしましょう。結婚後に上手にお金管理したら専業主婦OK?最後は、よく聞くお金管理の誤解についてお伝えします。最近では共働きが一般的になりつつありますが、まだまだ女性の中には「結婚したら専業主婦になりたい」声も多いのが実情です。もし、あなたにもそういう願望があるのなら、ちょっと注意が必要かもしれません。というのも、実際に専業主婦になって私に相談に来る女性の多くが「贅沢していない、普通に暮らしているだけなのに、なぜ?」という事情を言われます。つまり、節約していれば、上手にお金を管理していれば専業主婦でも大丈夫と、勝手に考えている訳です。今は共働きで節約してどうにかという時代残念ながら、節約には限度があります。そして上手なお金管理とは、先々に必要なお金を見据えた生活水準を維持することであり、単に月々赤字を出さなければ大丈夫というものでもありません。また、教育費は年々上がり、将来的な年金は年々下がっていくのが実情です。これらの背景をプロとして分析すると、ハッキリ言ってどう足掻いても「もう専業主婦はムリ」と言えてしまいます。むしろ、今は共働きのうえで節約して、それでどうにか生涯安泰の可能性が出てくるのが現実です。8割の世帯は老後破産予備軍ということをお忘れなく。女性としては、男性に経済的な面を頼りたい気持ちはあるでしょう。そのお気持ちや女性の経済力は分かる一方、男性心理や男性の経済力、そして時代背景も理解することが大切です。もはやバブルはとっくに終わっているので、現代に合わせた考え方をしましょう。結婚後のお金管理は「生涯を幸せに生きるため」結局のところ、お金管理は「生涯を幸せに生きるため」に必要です。お金には限りがありますし、稼げる期間にも限りがありますからね。今は「結婚したら安泰」ではありませんから、しっかりと先々を見据え、その時に必要なお金を考えて家計を管理していきましょう。
2018年12月21日医療費控除や住宅ローン控除等で確定申告を経験している人も多いのではないでしょうか。実は投資で利益が発生した場合も基本的には確定申告が必要になります。ただし、例外的に手続きが不要になる場合もあり、それぞれの状況に応じて判断することが重要です。また、万が一、確定申告が必要にもかかわらず申告を怠ってしまうと加算税や延滞税のペナルティが発生する可能性もあり、投資を行う上で確定申告に関する知識は必要不可欠と言えるでしょう。そこで今回は、投資に関わる確定申告の基本的な内容について解説します。確定申告の基礎知識確定申告とは、未払い分の税金がある場合には追加の支払いを行い、過払い分の税金がある場合には還付金を受け取るための手続きです。確定申告を行うことで税金が少なくなることもあり、上手に利用すれば効果的に節税することもできます。まずは、確定申告の基本的な内容を紹介します。確定申告を行ったことがある人にとっては当たり前の内容かもしれませんが、重要な内容ばかりなのでこの機会に再確認しておきましょう。対象期間確定申告の対象となる期間は、前年の1月1日〜12月31日までです。手続きできる場所と期間原則として、住民票のある自治体の税務署で行うことになっています。また、e-Taxを利用して申告することもできます。申告期間は基本的に2月16日から3月15日となっていますが、2018年分の場合は2019年の2月18日(月)から3月15日(金)までです。期日直前は混み合うこともあり、できるだけ早めに申告すると良いでしょう。確定申告が必要にも関わらず怠るとペナルティが発生する?確定申告が必要にもかかわらず怠ってしまうと、加算税や延滞税のペナルティが発生する可能性があります。ただし、自主的に申告すればペナルティが軽減される場合もあり、申告漏れが発覚した場合はできるだけ早く税務署に問い合わせることが重要です。ペナルティの具体的な内容としては、決められた期日までに確定申告を行わずに税務署から指摘を受けた場合には無申告加算税が加算されます。さらに、納めるべき期日を超えた分の利息として延滞税が加算されます。投資で確定申告が不要な場合ここからは、投資において確定申告が不要な場合を紹介します。これから投資を始める人には、聞き慣れない用語が多いですが、重要度の高い内容なのでできるだけ正しく理解しておきましょう。①「特定口座」の「源泉徴収あり」で取引した場合株式や投資信託を購入するためには金融機関の口座が必要ですが、実はこの口座には一般口座と特定口座があります。さらに、特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2つがあり、「源泉徴収あり」の特定口座を利用した場合は、金融機関が税金の計算・納税を代行してくれるので確定申告が不要になります。②年間の給与所得が2,000万円以下で投資等の利益が20万円以下の場合1年間の給与所得が2,000万円以下で給与以外の所得が20万円以下だった場合は、確定申告が不要になります。給与以外の所得が対象なので、投資が20万円以下でも副業等の収入を合算すると20万を超える場合には注意が必要です。③NISA口座で取引した場合NISA口座の利益は制度上のメリットで非課税となっているので、利益が発生しても確定申告は不要です。④損益が確定していない場合損益が確定するまでは確定申告は不要です。例えば、100万円で購入した株式が120万円になっていても売却して利益を確定するまでは確定申告は不要です。投資で確定申告が必要な場合次に、投資において確定申告が必要な場合を紹介します。ここでは最低限知っておきたい内容をピックアップして紹介します。結論からお伝えすると以下2点の場合、確定申告が必要です。特定口座の源泉徴収なしを利用している一般口座を利用している①「特定口座」の「源泉徴収なし」で利益が出た場合「源泉徴収あり」の特定口座の場合とは異なり、「源泉徴収なし」の特定口座の場合は確定申告が必要です。「源泉徴収なし」の特定口座の場合には、金融機関から「年間取引報告書」が郵送されるので、それを使って確定申告することになります。具体的には、年間損益がプラスの場合は税金を支払い、マイナスの場合は株式の配当金や投資信託の分配金等と損益通算して税金の還付を受けます。②「一般口座」で利益が出た場合一般口座で取引したものは確定申告をする必要があります。多くの場合、株式や投資信託の取引は特定口座を利用しますが、例外的に一般口座で取引している場合には注意が必要です。また、FX投資等は一般口座での取引となっているので確定申告が必要となります。具体的な手続きについては、一般口座の場合には特定口座のように年間報告書は送られてこないので、自分自身で損益を計算する必要があります。取引履歴の詳細については、ホームページの取引履歴や取引の都度送られてくる売買報告書で確認すると良いでしょう。ただし、取引数が多くなると手続きも煩雑になるため、投資初心者や忙しい人はできるだけ特定口座を利用した方が良いでしょう。確定申告した方が良い場合次に、確定申告した方が良い場合を紹介します。知らないと損する場合もあるのでしっかりと確認しておきましょう。①損失を翌年以降に繰り越す場合投資で損失が発生してしまった場合は確定申告の必要はありませんが、確定申告することで損失を翌年以降3年間繰り越すことができます。損失を繰り越せば、翌年以降に利益が発生した時に損益通算することができ、税金を抑えることができるため長期的な投資を考えている人には非常に有効な制度と言えるでしょう。例えば、100万円で購入した株式を50万円で売却した場合、この時点では50万円の損失が確定しますが、翌年に株式投資等で30万円の利益が発生すれば前年の50万円と損益通算できるため税金はかかりません。さらに残りの20万円分を翌年に繰り越すこともでき、税制面で非常に優れた制度です。ただし、損失の繰り越しは毎年手続きが必要になる点には注意が必要です。②複数の金融機関の「源泉徴収あり」の特定口座で取引している場合複数の金融機関に「源泉徴収あり」の特定口座がある場合で、「利益の発生した口座」と「損失が発生した口座」がある場合は確定申告することでそれぞれの利益と損失を合算することができます。例えば、A社で50万円の利益・B社で30万円の損失があった場合、本来であれば差額の20万円に対して課税されるべきです。しかし、実際にはA社の特定口座では50万円に対して課税されます。A社にはB社で発生した30万円の損失が通知されないためです。そこで、確定申告することでA社とB社の損益を合算して正しい税金を計算することができます。つまり、この場合であればA社の特定口座で支払っていた税金の一部が還付されます。まとめ:これから投資する人は「源泉徴収あり」の特定口座がベター金融機関の口座には一般口座と特定口座があり、特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」があります。これから投資を始める人は、特段の事情がない限り、「源泉徴収あり」の特定口座を選択すると良いでしょう。「源泉徴収あり」の特定口座であれば、金融機関が税金の計算・納税を代行してくれるため、非常に便利です。ただし、年間損益がマイナスになる場合や複数の金融機関で取引する場合等は確定申告を行った方が良い場合もあります。確定申告の必要性について、判断に迷う場合は取引先の金融機関や税務署に確認すると良いでしょう。また、知らず知らずの間にペナルティの対象になってしまうことがないよう細心の注意を払うようにしましょう。
2018年12月20日生命保険で受け取る死亡保険金で相続税対策ができるのはご存じですか?もちろん死亡保険金には税金がかかりますが、ほとんど心配しなくていい金額です。今回は生命保険で相続税対策を行い、受け取る保険金にかかる税金の心配が必要なくなる話をご紹介します。死亡保険を受け取った時の相続税死亡保険金を受け取った時に心配なのは相続税ですが、死亡保険金は残された家族の生活を支える資金になるため税制上の優遇があり、所得税や贈与税などのように高額な税率ではありません。ここでは、死亡保険金を受け取った時にかかる実際の相続税をみていきます。実際はあまり心配しなくていい死亡保険金の相続税死亡保険金で受け取るお金にも税金がかかりますが、死亡保険金に対する相続税を心配する必要はほとんどありません。そのことを2015年以降に相続があった場合を例にみていきます。(2014年12月31日以前の相続は計算式が異なります。)夫、妻、子1、子2の4人家族で、保険契約者兼被保険者である夫が亡くなり、夫の保有財産が1,000万円、死亡保険金が4,000万円だった場合、相続税を支払う必要はありません。また、民法で定められた相続人のことを法定相続人といいますが、法定相続人が3名の場合、死亡保険金1500万以上でかつ死亡保険金を含めた相続財産が6,300万円を超えなければ税務署への申告義務は発生しません。(他にも法定相続人が何人なのか、誰が相続するのかで課税対象の金額は変わってきます。)下表は相続税額早見表です。配偶者と子が2人の家庭は1億円相続しても315万円の相続税です。相続人が配偶者や子ではなく孫や他人の場合はこのようにいきませんが、家族のために死亡保障を用意する場合は死亡保険金の相続税や通常の相続税は心配しなくていいことがわかります。注1. 遺産を相続人が法定相続分により相続した場合の相続税額(1万円未満を四捨五入)。注2. 遺産の総額は、基礎控除を差し引く前の課税価格の合計額。注3. 相続税額の計算上、配偶者の税額軽減のみ適用し、未成年者控除などの税額控除は考慮していない。死亡保険金にかかる相続税死亡保険金には非課税限度額があり、非課税限度額は以下の式で計算します。500万円 × 法定相続人= 非課税限度額前項の例の家族の場合は、500万円 × 3人(妻、子1、子2)=1,500万円が、死亡保険金から非課税枠として差し引かれます。ですから、4,000万円の死亡保険金で法定相続人が3人いる場合に実際課税される金額は、2,500万円です。(以下計算式)死亡保険金4,000万円-非課税分1,500万円(500万円 × 3人)=2,500万円各相続人にかかる課税金額は以下の式で計算します。この式をもとに課税される生命保険の金額を算出すると、妻の課税される生命保険の金額は1250万円、子の課税金額はそれぞれ700万円ですが、後述する相続税の非課税枠内におさまるので相続税を支払う必要はありません。相続税で控除される項目生命保険は税制上の優遇が受けられる商品ですが、生命保険を相続対策に役立てるためには相続税に関する知識も知っておく必要があります。以下に相続税で控除される項目をご紹介します。生命保険非課税限度額前項で紹介しましたが、死亡保険金には非課税限度額があり、法定相続人の人数分の金額が死亡保険金から差し引かれた金額が課税対象金額となります。非課税限度額は以下の式で計算します。500万円 × 法定相続人= 非課税限度額生命保険非課税限度額は、法定相続人である「子」が相続を放棄した場合は非課税限度額を計算するうえで法定相続人に含んでいいとされていますが、法定相続人である「配偶者」が相続を放棄した場合は法定相続人の人数には含みません。また、相続を放棄した相続人が死亡保険金を受け取る際には相続人とみなされず、非課税金額の適応を受けられません。基礎控除相続税には基礎控除があり、以下の式で計算します。3,000万円+600万円×法定相続人数夫が死亡した場合、妻と子1、子2がいる場合、3,000万円+600万円×3人=4,800万円が課税対象相続財産から控除されます。(2014年12月31日までに相続があった場合の基礎控除額は5,000万円+1,000万円×法定相続人数で計算します。)配偶者控除配偶者の相続税額から、以下の式で計算した額が控除されます。相続税の総額 ✕(①②のいずれか少ない額 / 課税価格の合計額)①課税価格の合計額 ✕ 法定相続分と1億6,000万円のどちらか多い額②配偶者が実際に取得した課税価格この配偶者控除があるので、配偶者については1億6,000万円までは実質非課税であり、1億6,000万円を超えた場合も法定相続分の範囲内におさまれば非課税です。債務控除相続では、プラスの財産の他に、借金などのマイナスの財産も一緒に相続します。債務控除では、被相続人が死亡した時に確実にあったとされる債務(マイナスの財産)は相続財産から差し引くことができます。差し引くことができるのは、死亡した被相続人の借金や未払い利息、医療費未払い分、税金の未納分、葬式費用などです。相続対策としての生命保険生命保険を相続対策として利用すると、前項で死亡保険金を受け取った時のように税制優遇される場合が多くあります。以下に相続対策としての生命保険のメリットをご紹介します。受け取りがスムーズ被相続人が死亡した場合、生命保険の場合は、保険会社に申請すると一週間ほどで死亡保険金が支払われます。受取人指定をしてあるのでスムーズに短期間で保険金を受け取れます。一方で、銀行に預金していた場合、被相続人の銀行口座はいったん凍結されます。そして、相続手続きが済んだら口座のお金を動かせます。相続手続きには相続人ごとに必要書類を用意するので手続きには時間がかかります。名指しでお金を残せる相続する場合には、遺言書や遺産分割協議が必要ですが、生命保険で受取人を指定すると特定の人にお金を残せます。また、受取人を指定してある死亡保険金は、相続人が最低限の遺産を確保するために設けられた「遺留分」の対象には含まれません。死亡保険金で受け取ったお金は受取人固有の相続財産になり、もっと遺産が欲しい他の相続人からの遺留分請求の対象にならないため、相続人同士のトラブルを避けることができます。銀行よりも利回りがいい商品がある貯蓄性の高い保険商品で死亡保障を用意し、被保険者が死亡するまで解約しない場合、銀行の利回りよりもいい利息で資産運用できます。資金に余裕があり、解約しないことが前提なら、貯蓄性の高い生命保険の商品を選択するのもいいかもしれません。まとめこれまで「死亡保険を受け取った時の相続税」「相続税で控除される項目」「相続対策としての生命保険」をみてきました。生命保険で受け取る死亡保険金の相続税はあまり心配しなくていいことがわかりました。そして、生命保険だと誰にいくら残すのかを最初に決めるので、遺産相続争いは起こりにくく、相続税の心配もほとんどないメリットがありましたね。残された家族の生活を守るために、生命保険で相続対策をとられてはいかがですか?[showsns]
2018年12月20日お子さんの将来の学費に備える学資保険。保護者などの契約者に万が一の場合には、その後の保険料の納入が免除になる生命保険の一面があります。生命保険は掛け金の一部に対して、所得控除を受けることができます。「生命保険料控除」という制度で、その年に払った掛け金の一部が戻ってくるのです。いくらくらい戻ってくるのか、誰がもらえるのか、どうやってもらうのか、そんな疑問にお答えしましょう。他の貯蓄商品にない学資保険のメリットの一つ、「生命保険料控除」ってなに?お子さんの学資を貯めよう!という際は、学資保険の他に、さまざまな貯蓄方法がありました。銀行預金や投資信託、ジュニアNISA、変わったところで「教育資金の一括贈与(祖父母、父母などからの学資贈与)」など、元本保証も保障なしもあり、それぞれ一長一短です。学資を貯める商品の中で、学資保険は唯一生命保険の仕組みを利用している商品です。というわけで、学資保険だけが「生命保険料控除」を利用できることになります。「生命保険料控除」とは何か、次項で詳しく見て見ましょう。どうして生命保険料を払っていると、所得控除してもらえるの?「生命保険料控除」は、14種類ある所得控除の1つです。適用できると、その分税金の計算の元になる「所得(給与所得控除などを差し引いた金額)」から生命保険料控除分を減らすことができるので、所得税や住民税が安くなるのです。さらに、会社員の方は年末調整で、自営業の方は確定申告で申請すれば、多く払っている税金があれば返還してもらえます。ここで、「どうして生命保険料を払っていると、所得控除してもらえるの?」という疑問が湧きますね。所得控除してもらえる制度ができたのは、国が「国民の皆さん、世帯主などの主に家計を支える人の万が一の場合に備えてくれるのは、すごく良いと思う」と生命保険に入ることを応援しているからです。同じ理由で、医療保険や介護保険の掛け金にも所得控除があります。学資保険の「生命保険料控除」は、だれが受けられるの?学資保険は、生命保険の一種なので、契約した人=「生命保険料控除」の対象になります。学資保険を契約したら、ほぼ全員が「生命保険料控除」が使える!ということですね。ただし、保険期間が5年未満の契約のものは例外になり、対象から外れます。「生命保険料控除って、年末調整で証明書を出すやつですね!」という経験者の方もいらっしゃるかもしれません。会社員や公務員の方は、勤務先でまとめて「年末調整」をやってもらえるので、お馴染みの制度ですね。では、個人事業主など、「年末調整」に縁のない場合はどうなるのでしょうか。お勤めの場合と、個人事業主の場合に分けて確認してみましょう。学資保険の「生命保険料控除」~会社員や公務員の方の場合~会社員や公務員の方は、先ほどもお伝えしましたとおり、勤務先で「年末調整」をお願いします。具体的には、平成30年以降は「平成00年分給与所得の保険料控除等申告書」で申告します。必要な添付書類は、契約している保険会社から10月~12月くらいに送られてくる「生命保険料控除証明書」です。学資保険の「生命保険料控除」~自営業の方の場合~自営業の方は、確定申告の際に「生命保険料控除」の項目に記入し申告します。必要な添付書類は、会社員の方と同じ契約している保険会社から10月~12月くらいに送られてくる「生命保険料控除証明書」です。学資保険の「生命保険料控除」は、いくらくらい控除してくれるの?会社員でも自営業でも等しく受けられる「生命保険料控除」ですが、具体的な控除額が知りたくなってきますね。この項では、具体的な学資保険の年間掛け金からいくら控除してもらえるのか、計算してみましょう。その前提となるのが、学資保険の契約時期がいつかということです。保険契約を結んだ日が平成24年1月1日以降と、それ以前(平成23年12月31日以前)で生命保険料控除の取り扱いが少し違います。平成24年1月1日以降を新契約、それ以前を旧契約と呼んで区別しています。学資保険の契約日が、平成24年1月1日以降の「新契約」の場合の控除額年間の支払保険料から、控除額を計算する表を国税庁のデータから見てみましょう。学資保険の契約日が、平成23年12月31日以前の「旧契約」の場合の控除額「旧契約」も、同じく年間の支払保険料から、控除額を計算する表を国税庁のデータから見てみましょう。※医療保険や介護保険の保険料は、旧契約です。※支払保険料とは、その年に支払った保険料―余剰金―割戻金を言います。他の生命保険にも加入している場合は?学資保険以外の生命保険や医療保険などに加入していることもあるかもしれません。保険契約1件について全て同じ控除額が適用されると良いのですが、何件も加入する人と少ない加入の人の不公平感をなくすため、控除の上限が決められています。新契約のみ、旧契約のみの場合はそれぞれの当てはまる計算式を使い、新旧両方の契約がある際は、最高40,000円までの合計額が控除されます。また、学資保険や生命保険、個人年金保険、医療保険や介護保険の生命保険料控除額の上限は、合計で120,000円です。学資保険の「生命保険料控除額」を具体的に計算してみた!控除額の計算式が分かったところで、一度年間の支払い保険料から、「生命保険料控除額」を計算してみましょう。平成25年4月に学資保険を契約した田中さんの場合。毎月12,000円積み立てている田中さんの年間保険料は12,000円x12=144,000円です。平成25年4月の契約は「新契約」です。80,000円超は一律40,000円の控除のため、田中さんが受けられる控除は40,000円になります。こんな時はどうなるの?具体的かつありそうな国税庁の保険料控除の例「生命保険料控除額」の計算例はいかがでしたか?我が家の支払額から控除額を計算されましたでしょうか。次に、国税庁のホームページに紹介されている、ありそうで判断に困る例を見てみましょう。妻が契約者で、夫が学資保険料を払っている場合は、夫の生命保険料控除の対象となる?生命保険料控除の対象となる「生命保険契約等」とは、契約者が誰かという要件がありません。「保険金等の受取人の全てをその保険料の払込をする者(この場合、夫)またはその配偶者(この場合、妻)その他の親族とする者をいい・・・」と、規定されています。妻が契約者でも、保険料を払った夫の生命保険料控除の対象となります。離婚後の生命保険金の受取人を元の妻にしている場合の生命保険料控除は?離婚してしまうと、学資保険の受取人である元妻が「その保険の受取人の全てが、自己または自己の配偶者その他の親族である」という要件を満たさなくなってしまいます。保険料を支払った際の現況で生命保険料控除の対象となるかどうか判定されますので、離婚された際は、迅速に受取人を親族に変更すれば、生命保険料控除を受けられます。まとめ学資保険は生命保険の一種のため、「生命保険料控除」を受けられることが分かりました。また、保険料控除の具体的な金額は、平成24年1月1日以降を新契約、以前を旧契約と分けて計算する計算式を紹介しました。最後に、学資保険の受取人が親族でなくなった際は、急ぎ受取人の変更をするべきという情報を紹介させていただきました。学資を貯める際の学資保険の大きなメリットである「生命保険料控除」をしっかり活用しましょう。
2018年12月19日こんにちは、婚活FP山本です。女性としては、やっぱり結婚相手には高い年収を求めたいところですが、最近では男性でも稼ぎにくい時代ですから、現実の結婚相手の年収は低いかもしれません。ただ、年収が低いだけで結婚相手として対象外とするのは勿体ない話です。それに年収が低いのなら、あなたが育て上げるのもアリかもしれませんよ。そこで今回は、結婚相手の年収が低い時の対処法をお伝えします。あなたの結婚にお役立て下さいませ。結婚適齢期の男性の年収平均って?まずは統計で、大局観をお伝えします。国税庁の平成28年「民間給与実態調査」によると、結婚適齢期である20代後半の男性の平均年収は383万円、30代前半で457万円です。ちなみに30代後半になって、ようやく512万円となっているのが結果になります。この結果はあくまで「平均年収」ですし、年収が高い男性から順番に売れていきますから、実際に一般的な女性が婚活で出会う男性は、これを下回っている可能性が高いでしょう。すると、やはり高めであっても400万円台の可能性が高いといえるかもしれません。さらに、一般的な婚活女性の感覚では「希望する男性の年収は500万円から」ということが多いので、どうしても年収は低いと感じがちです。このため、足りるかどうかという観点はともかく、結婚相手の年収は低いことを前提に考えておいたほうが無難かもしれません。年齢が高い独身男性ほど年収低いかも最近では30代後半、あるいは40代の独身婚活女性を見かけることも増えました。すると、やはり女性は40代以上の男性を狙うことが多いのですが、男性は年収が高い人から売れていくので、さらに男性の年収は低いことが多いです。なんともシビアな現実ですね……。40代でも残っている独身男性は、そもそも結婚願望がない男性を除けば、派遣社員やアルバイトで年収300万円にも満たないこともザラです。ひとまず覚えておきましょう。結婚相手の年収が低い時の対処法次は結婚相手の年収が低い時の対処法です。一概には言えませんが、おおよそ結婚相手の年収が低い時には、以下のいずれかの考え方と実践がお勧めといえます。結婚相手の年収を上げる年収が低いなりの生活をする自分の年収を上げる中でも試して欲しいのは、やはり「結婚相手の年収を上げる」という方法です。男性の中には、身近な女性の影響で大幅に年収を上げるような方もいます。奥さんが好きすぎて、少しでもラクを、満足のいく生活をさせてあげたい一心で、ひたすらがんばる訳です。また大人の女性の中には、本人も仕事をがんばり、その姿を旦那に見せることで努力を促すような方もいます。さらに賢い女性なら、二人の未来を明確にライフプランとして形にして、具体的な数字で努力目標を掲げる方もいますね。あなたなら、どんな方法が考えられますか。「がんばれ」と言うだけでは不十分残念ながら現状の経済環境は、ただ仕事を普通にがんばるだけでは中々年収は上がりません。そして残念ながらお相手は、今まで何らかの年収を上げる手段を考えられなかった男性です。このため、ただ「がんばれ」と言うだけでは不十分なことが多いでしょう。あなたも一緒になって必死に知恵を絞り、相手に「これならいつか年収上がりそう」と思わせられるようなアイデアを考え、そして努力を促していくような方法をお勧めします。結婚後、将来性のある年収の低い男性3選そして、結婚後に年収が上がりそうな男性についてです。男性の中には、結婚当時は年収が低かったのに、気づいたら年収が高くなっていたような方もいます。そんな男性は、おおよそ以下のいずれかでしょうか。自営業者ベンチャー社員投資家まず自営業者は、やはり当たれば天井知らずに稼ぎますから、お勧めかもしれません。当たるかどうかは分かりませんが、当面を支えられれば、それだけ当たる確率も高まるでしょう。またベンチャー社員は、ある意味で「ライト版の自営業者」です。最低限の給料がもらえ、当たれば時には一部上場企業を上回るような年収になることも十分にありえますからね。さらに投資家とは、「投資をしている」だけで十分です。投資は長い目で見れば稼げることも多く、しかもある金額を超えれば、あとは増える一方となることもありますよ。青田買い婚活は大いにアリ!?一般的な女性は不確かな将来性を買うことは少なく、目の前のすでにある現金を好みます。このため、先ほどのような「将来性のある男性」は、ハッキリいって不人気です。ただ、だからこそ落としやすいという特徴もあるので、欲するなら買うのは簡単といえます。先ほどの投資は「安いうちに、低いうちに買ってこそ」が醍醐味です。あなたの考え方にもよりますが、そんな「青田買い婚活」も十分に狙ってみるのもアリではないでしょうか。結婚する女性に必要な年収は?さらに結婚する女性に必要な年収についてです。もしかしたら、初めて考える女性もいるかもしれませんね。一昔前なら、女性は結婚で年収を問われることはありませんでした。しかし最近の男性は共働きを希望しており、女性にも最低限の年収を求めているのが実情です。希望年収に関する明確な調査などはありませんが、総務省の平成30年「家計調査」によると、世帯年収としての平均は20代で548万円、30代で635万円となっています。先ほどの国税庁の統計と比べれば、男性年収との差額は20代で165万円、30代で178~123万円です。この辺りを踏まえると、男性と同水準とまではいかなくても、おおむね女性も年収150~200万円近くは求められているといえます。ちなみに女性の平均年収は約300万円ですから、人と同じようには働けなくても、働く意欲とともにパート程度は求められるでしょう。結婚は「世帯年収」が重要!少し余談ですが、結婚した暁には個人の年収以上に「世帯年収」が重要になります。仮に結婚相手の年収が800万円でも、あなたが専業主婦になるのなら、年収400万円の共働き夫婦と同じ水準です。このため、結婚にあたっては女性の年収も極めて大切といえます。相手の年収が400万円でも、あなたも年収400万円なら、年収800万円の男性と結婚したのに等しい訳ですからね。ぜひ世帯年収を考えながら、結婚相手を考えてみましょう。結婚で年収以上に低いと困ること最後に、結婚で年収以上に低いと困ることについてです。これは筆者の見解になりますが、年収以上に低いと困ることとは、一言でいえば「労働意欲」になります。ここでいう労働意欲とは、現在どうこうという話ではありません。未来の、定年後の話になります。そもそも大抵の男性は、現在の年収に関わらず「定年後のその先」までは何も考えていません。定年目前の男性であっても、「まずは定年まで働き、その後も必要ならどこか探す」という程度です。つまり、元から「定年後も働く」という意欲がないことが多いといえます。しかし残念ながら、現代は「生涯現役社会」を国が推奨している時代です。この時代に定年後は働く気のない男性と結婚すると、高確率で「老後破産」を迎えるでしょう。どのみち定年を迎えれば高年収は期待できませんから、年収の高低より労働意欲を見ておきましょう。見極めは難しい……こともないかも「定年後の労働意欲」は、一見すると見極めは難しいと思われがちですが、意外とそんな事もありません。素直に「定年したら仕事どうするつもり?」と聞いてみましょう。曖昧な希望しか返ってこなかったら、高確率で何も考えていません。働く気がないなら尚更です。逆に、たとえアルバイトであっても「〇歳まで働く」と言える男性は極めて立派といえます。現在の少々の年収の高低より、そんな労働意欲の高低で、男性を選んでいきましょう。結婚相手の年収が低いなら、それに合わそう!最近の年収というのは、簡単に上がるものではありません。そして、ただ不満をいうだけでは問題は解決しません。まずは婚活市場にいる男性の基本を理解し、それを受け入れ、それに合わせる形であなたの結婚をイメージして、幸せを掴み取っていきましょう。
2018年12月19日子供がいる人なら、離婚するとなると最も気になるのが養育費ではないでしょうか?離婚しても親子関係は変わりませんから、養育費は当然請求できます。本記事では、離婚後に母親(妻)が子供を引き取る場合を想定し、養育費の支払方法や金額の相場、父親(夫)が払ってくれない場合の対処法などを説明します。離婚したら必ず養育費を請求できる養育費とは、子供を扶養するためのお金、すなわち子供の生活費のことです。離婚しても子供の父親には養育費を請求できます。離婚した夫にも子供を扶養する義務がある親子間には、民法上扶養の義務があります(877条1項)。離婚すれば夫婦は他人になりますが、子供と双方の親との関係は変わりません。離婚して子供と別居することになった父親にも、子供の扶養義務はあります。子供と同居する母親は、子供のために父親に養育費を請求できるということです。離婚の理由は養育費とは関係がない養育費は、離婚の理由に関係なく、当然に請求できます。養育費は親子間の問題で、夫婦間の問題とは関係ないからです。たとえば、妻の浮気で離婚になった場合、夫は妻に慰謝料を請求できます。この場合、「慰謝料を請求しない代わりに、養育費を払わない」というのは認められません。養育費は子供のために必ず確保されるべきお金であって、慰謝料などと相殺できるものではないのです。養育費は離婚後でも請求可能離婚時に養育費の取り決めをしていなくても、離婚後に養育費を請求できます。養育費は親子の関係から当然に発生する義務ですから、子供の親に対しては、いつでも支払いを請求できます。養育費の支払方法と支払期間養育費について話し合うときには、支払方法や支払期間について決めておきましょう。養育費は毎月払いが基本養育費は、月額いくらという形で決めるのが一般的です。養育費は日常的にかかる生活費ですから、毎月払いでその都度支払うのが望ましいと言えます。大学進学した場合の支払期間は22歳まで親が子供に対して扶養義務を負うのは子供が成人するまでなので、養育費も子供が成人するまで請求可能です。成人年齢は現状20歳ですが、民法改正により2022年4月以降は18歳に引き下げられる予定です。なお、子供が大学に進学した場合には、大学在学中は働いて自立できないため、親に扶養義務があると考えられています。そのため、子供が大学在学中の場合や、大学に進学する見込みの場合には、22歳の3月までの養育費の支払いを取り決めするのが一般的です。養育費は一括払いでもかまわない養育費は、当事者双方が納得すれば、一括払いにすることも可能です。養育費を一括払いにすれば、母親側は、離婚時に将来の分まで養育費を確保できます。父親側にとっても、長期間にわたって養育費を払い続けなければならない煩わしさから解放されるのは、メリットといえるでしょう。なお、養育費の一括払いでは金額が大きくなってしまうため、贈与税の課税が心配になるかもしれません。養育費は基本的に非課税ですが、養育費であることを明確にするため、離婚協議書を残しておいた方がよいでしょう。養育費の相場は?養育費の金額は話し合いで自由に決められますが、相場が気になるでしょう。一般に、養育費の相場というと、養育費算定表の金額を指します。養育費算定表とは、双方の親の年収、子供の年齢、子供の数から、平均的な養育費を知ることができる早見表です。裁判所の実務においては、養育費を決めるときに、養育費算定表の金額を参考にします。養育費算定表はこちら養育費算定表の金額では十分でないことが多い現行の養育費算定表の金額はかなり低めになっており、裁判所でも見直しが進められています。日弁連では裁判所基準よりも高額の新養育費算定表を作っており、現状でも弁護士は新算定表にもとづき交渉を行っているのが実情です。また、養育費算定表の金額は、小・中・高を公立に通わせる場合を想定した金額になっており、私立に通わせる場合に余分にかかる費用は含まれていません。塾費用や大学進学費用も養育費算定表ではカバーされない費用です。つまり、養育費算定表の金額では、養育費としては十分でないケースが多くなります。養育費算定表は、養育費の相場を知る上では便利です。しかし、養育費算定表があるせいで、「算定表を超える金額は一切払いたくない」という人も多いように思います。相手から提示された養育費に納得がいかない場合には、弁護士に相談するのがおすすめです。子供に実際にかかる費用から考えることが大事養育費を決めるときには、一般的な相場よりも、現実にいくらかかるかを基準に考えるべきです。算定表を見て機械的に決めるのではなく、現実にかかる費用を考えて納得のいく額を請求するようにしましょう。子供にかかる費用は、双方の親が分担するのが原則です。たとえば、病気や障害があったり、特殊な習い事をしていたりで、子供に普通よりもお金がかかるケースはあるでしょう。その場合には、父親が負担しなければならない養育費も当然多くなります。まずはそれぞれの家庭の事情に合わせて子供にかかる費用を見積もり、双方の親でどう分担するかを話し合うようにしましょう。養育費は増額や減額も可能養育費は、離婚後の双方の親の状況の変化(事情変更)により、増額または減額できるものとされています。事情変更の代表的なものは、どちらかの親の再婚です。たとえば、父親が再婚した場合、養育費の支払義務が当然になくなるわけではありません。しかし、再婚後の家族についても扶養義務が発生するため、養育費の減額が認められる可能性はあります。母親が再婚し、再婚相手と子供が養子縁組をした場合にも、再婚相手に子供の扶養義務が発生しますから、養育費の減額が認められるでしょう。また、事情変更により養育費を増額する場合としては、当初の取り決めで大学進学費用を考慮しておらず、養育費が足りなくなった場合などが考えられます。養育費の減額や増額についても、話し合いで合意できるのであれば、話し合いで決めてかまいません。話し合いで決まらない場合には、家庭裁判所に養育費増額調停や養育費減額調停を申し立てましょう。養育費を払ってもらうためにできること離婚するときには、養育費の取り決めをしておきましょう。養育費について話し合いができない場合でも、裁判所を利用して決めることができます。養育費の取り決めは公正証書にしておく養育費について話し合いで決めて協議離婚する場合には、離婚協議書を作成しておきましょう。離婚協議書は、公証役場で公正証書にしておくと安心です。公正証書は、公証役場で公証人に作成してもらう契約書です。養育費の取り決めを公正証書にしておけば、相手が約束どおり払わなかった場合に、すぐに強制執行の手続きをとることができます。話し合いで決まらない場合には調停を養育費について、夫婦間の話し合いで決まらない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てましょう。離婚成立前は離婚調停(夫婦関係調整調停)を申し立てますが、離婚後は養育費請求調停を申し立てることになります。養育費のみで争っている場合には、調停が不成立になるとそのまま審判に移行し、審判で裁判所に養育費を決めてもらえるのが通常です。相手が話し合いに応じてくれそうにない場合でも、あきらめずに調停を申し立てましょう。なお、調停や審判で養育費について決まった場合には、裁判所で調停調書や審判書が作られます。約束どおり払ってもらえない場合には、調停調書や審判書にもとづき強制執行することも可能です。まとめ離婚後に母親が1人で子供を育てていくには、お金がかかります。離婚するときには養育費の取り決めをし、子供のためのお金を確保できるようにしておきましょう。養育費の金額を決めるときには、養育費算定表が参考になります。ただし、養育費については、相場を意識するよりも、現実にかかる費用を考えて決めることが大切です。養育費について取り決めしたら、支払いを確保するため、公正証書を作成しておきましょう。
2018年12月18日終身保険は、保険契約の保障対象となる方(被保険者)が死亡や生命保険会社が約款で定めている所定の高度障害になってしまった場合に、保険契約をしている保険会社から死亡保険金が支払われる生命保険のことを言います。実のところ、終身保険では掛け捨ての商品は販売されておらず、死亡保障を検討する上で終身保険を正しく知って活かすためのポイントを知っておくことはとても大切です。そこで本記事では、終身保険と掛け捨ての生命保険について焦点をあて、基本的な部分を中心にわかりやすくポイントを紹介していきます。終身保険に掛け捨てが無い理由終身保険に掛け捨てが無い理由は、終身保険の仕組みにあります。終身保険は、大きく保障される部分(イメージ図の緑色部分)と積立される部分(イメージ図のオレンジ色部分)に分けて構成されていることから、いわば、ご自身で支払った保険料の積立される部分(オレンジ色の部分)が解約返戻金にあたり、保険契約を解約した場合に解約返戻金が払い戻されるため掛け捨てがそもそも無いといった仕組みになっています。公益財団法人生命保険文化センター終身保険掛け捨ての生命保険は、定期保険や収入保障保険が代表格終身保険は、基本的に保険契約を解約しない限り、死亡や高度障害に対して一生涯の保障が得られる生命保険ですが、一度は見聞きしたことがある、定期保険や収入保障保険は、終身保険と同じように死亡や高度障害に対する備えが得られる生命保険であることは確かです。ただし、定期保険や収入保障保険は、保障される期間が限定されているため、終身保険のように、一生涯の保障を得られるわけではなく、支払保険料も基本的に掛け捨てです。(厳密には、わずかながらの解約返戻金(イメージ図のオレンジ色の部分)がある場合が多い)公益財団法人生命保険文化センター定期保険終身保険は保険料が高く、掛け捨ての生命保険は保険料が安い終身保険や基本的に保険料が掛け捨ての定期保険・収入保障保険は、死亡や高度障害に対して保障される生命保険ですが、支払保険料を比較しますと、終身保険は保険料が高く、掛け捨ての定期保険や収入保障保険は保険料が安い特徴があります。以下、某保険会社が販売している生命保険の1ヶ月あたりの保険料について、シミュレーターを活用してざっくりまとめたものになりますので、保険料の違いを参考までに知っていただければと思います。※30歳男性の場合で65歳まで保険料を払い込むものとして筆者シミュレーションたとえば、同じ300万円の死亡保障を得るのでも、終身保険と定期保険では、1ヶ月あたり4,887円も保険料負担の違いがあります。30歳から65歳までの35年間では、約205万円の差額となりますが、終身保険は保険契約を解約しない限り、いつ死亡や高度障害になっても300万円の保険金が受け取れます。一方、定期保険は、65歳までに死亡や高度障害になった場合に300万円を受け取ることができますが、65歳以降は、保険契約が消滅し死亡保障が無くなることになります。これらの特徴を踏まえた時、はたして、終身保険は、どのようなことに注意して選べば良いのでしょう?終身保険を賢く活かすためのポイント終身保険について、これまでの解説をざっくりまとめると、死亡や高度障害に対する保障は一生涯、ただし、保険料は高いということになります。以下、あくまでも金融商品の販売を行っていない独立系FPである筆者個人の見解になりますが、終身保険に加入する上で、終身保険を賢く活かすためのポイントを紹介させていただきます。遺族年金も考えた上で終身保険の加入を検討現在の年齢や職業をはじめ、家族構成によってすべての方が異なりますが、終身保険に加入する前には、国民年金や厚生年金保険からの遺族年金がどのくらい支給されるのか知っておくことはとても大切です。遺族年金を考えることによって、無駄な保障や過大な保障を避けられることにつながりますから、結果として、負担する支払保険料は抑えられることになります。終身保険の加入目的を明確にしようすべての方の収入や支出をはじめ、世帯の資産状況はまったく異なります。つまり、終身保険に加入することによって一生涯の保障を得られることに対して安心を担保できる世帯もいることは確かであるはずです。たとえば、世帯収入が低い方で、葬儀費用に備えておきたいという考え方は典型的ですが、一時的に大きな支出があることは、経済的にも精神的にもきついと感じられる方も少なくありません。一方、葬儀費用は自らの資産でまかなえるという世帯もおられます。このように置かれている立場は、皆それぞれですので、終身保険の加入目的を明確にした上で検討することがとても大切です。終身保険を活用した資産運用のススメには注意こちらは、保険会社や保険代理店に多い典型だと思われますが、保険を活用した資産運用は、現状、とてもおすすめできるものではありません。たとえば、終身保険には、低解約返戻金型終身保険といって、保険料を支払っている期間は解約返戻金が低くなっているものの、保険料の支払い期間が終了すると払い込んだ保険料よりも解約返戻金が多く戻ってくるといったものもあります。ただし、返礼率は低く、資産運用をしたと言えるだけの十分なお金が戻ってくるわけではありませんので、同じ時間やお金を拠出するのであれば、たとえば、つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用した投資信託の積立などとも比較検討してみるのも良いでしょう。死亡保険金を受け取った場合の税金の取り扱いについてこれまで紹介した終身保険・定期保険・収入保障保険は、いずれも保険契約の保障対象となる方(被保険者)が死亡や生命保険会社が約款で定めている所定の高度障害になってしまった場合に、保険金が支払われる生命保険です。この時、受け取った保険金には、原則として相続税が課税されることになっておりますが、亡くなった方の財産を相続する権利のある方(法定相続人)がいる場合、その人数によって、受け取った保険金に相続税を課税しない制度も制定されています。相続税法で規定されている死亡保険金の非課税金額生命保険の死亡保険金には、遺族のこれからの生活保障という大切な目的があることから、相続税法では、以下の算式にあてはめて計算した金額の死亡保険金については、相続税を課税しないこととしています。死亡保険金の非課税金額=500万円×法定相続人の数たとえば、夫・妻・子供2人の4人家族の場合で、夫が死亡して1,500万円の死亡保険金を妻が受け取った場合、この1,500万円に対して相続税がかかることはありません。死亡保険金の非課税金額:500万円×3人=1,500万円相続税の課税対象:1,500万円(死亡保険金)-1,500万円(非課税金額)=0円この結果、妻が受け取った1,500万円の死亡保険金は、残された家族3人の生活資金として丸々手元に残すことができるわけです。まとめ終身保険は、死亡や高度障害になってしまった場合において、周りの家族に金銭的な負担をかけることを確実に軽減できる特徴があり、将来、すべての方に対して必ず訪れる死亡に備えられる生命保険です。終身保険は、賛否両論、さまざまな考え方があるのは確かですが、何よりも大切なことは、ご自身や家族の将来を考えた上で、自分たちのニーズに合っているかどうかといった世帯を主体にした考え方だと思います。つまり、終身保険の良し悪しは、さまざまな考え方を参考にして、ご自身の考え方や置かれている状況、資産状況に合わせてみるのがよろしいのではないかと思うわけです。
2018年12月17日終身保険は、死亡や保険会社が約款で定めている所定の高度障害となった場合に保険金が支払われる生命保険ですが、保険契約をする際は、保険契約者・被保険者・保険金受取人の三者を決める必要があります。その中でも、保険金受取人は、その名の通り、保険会社から支払われた保険金を受け取る人のことを指しますが、終身保険の保険金受取人を決める場合は、時として、ライフプランや税金のことを考えて決めることも大切です。そこで本記事では、終身保険の保険金受取人の選定ポイントについて、ライフイベントと税金のことを考えながら、要点をまとめて紹介していきます。終身保険の保険金受取人を配偶者にしているのが一般的終身保険は、ご自身や家族に万が一のことがあった場合に加入している方が多いと思いますが、多くの世帯では、保険金受取人を配偶者に指定しているのが一般的です。これは、至ってシンプルな考え方であり、ライフイベントや税金を考えた上においても、合理的な設定であるとも思われます。仮に、資産家で相続税の対策やその他の事情が特別に無いのであれば、終身保険の保険金受取人を配偶者にしておくことが手続きや先のことを考えますと、最も望ましい方法であるとも考えられます。ライフイベントと保険金受取人について考える終身保険の保険金受取人は、ご自身のライフプランや大きなライフイベントが発生した時は、一度確認しておくことが大切になります。典型的な例としては、結婚・離婚・再婚があげられますが、以下、それぞれのライフイベントと保険金受取人について考えていきます。結婚した場合は、保険金受取人の変更を終身保険に加入するタイミングは、人それぞれ異なりますが、中には、社会人になったことをきっかけに、ご自身が保険契約者で被保険者の終身保険に加入される方もおられると思います。この場合、保険金受取人を両親のいずれかに設定している場合が多く見受けられますが、結婚というライフイベントを迎えた場合は、保険金の受取人を両親から配偶者へ変更する手続きを忘れないようにしたいものです。筆者が実際に相談に応じた事例として、結婚前に終身保険に加入していたのにも関わらず、なぜか、終身保険に加入していることを覚えておらず、二重に終身保険に加入している事例がありました。1つは、保険金受取人が配偶者、もう1つの終身保険は、母親が保険金受取人となっており、筆者自身もなぜこのような事態になったのか驚きを隠すことができない非常に衝撃を受けた思い出でした。離婚や再婚をした場合も保険金受取人の変更を終身保険の保険金受取人を配偶者にしている場合で、仮に、離婚をしてしまった場合は、速やかに保険金受取人の変更手続きを保険会社にすることをおすすめします。離婚の原因はさまざまではありますが、言うまでもなく保険金受取人を変更しない場合は、万が一、死亡や高度障害になってしまった場合の保険金は前の配偶者に支払われることになります。また、こちらは余談となりますが、結婚・離婚・再婚などがきっかけで住所が変更になった場合や苗字が変わった場合なども保険会社に対して変更手続きをしなければ、保険金請求をする際に面倒になりますので、こちらも忘れずに行っておきたいものです。【参考】離婚や再婚をしたとしても子供に相続権は発生離婚や再婚をした場合で、前の配偶者との間に子供がいる場合、その子供たちには、財産を相続する権利が発生します。たとえば、前の配偶者との間に2人の子供がいたと仮定し、再婚した後、現在の配偶者との間に1人の子供がいたとします。この時、死亡したことによって遺産相続できる法定相続人は、現在の配偶者と3人の子供の合計4人となり、現在の配偶者やその間に生まれた子供からしますと、相続できる財産が減ることになります。終身保険の保険金も相続財産に含まれますので、このような特殊な場合は、保険金受取人の設定はもちろん、保険金の受取割合を変更するなど、揉めない相続対策があらかじめ必要な場合もあります。終身保険の保険金受取人が誰なのかによって税金の種類が異なる本記事の冒頭では、終身保険を含め、保険契約をする際は、保険契約者・被保険者・保険金受取人の三者を決める必要があることをお伝えしました。この時、保険契約者・被保険者・保険金受取人の三者が誰なのかによって、保険金を受け取った時の税金の種類が異なる点には注意が必要です。以下、ここでは、家族構成が本人・配偶者・子供といった3人家族であるものと仮定し、終身保険の契約と保険金にかかる税金の種類について表にまとめて紹介します。終身保険の契約の仕方によって、それぞれ受け取った保険金に対してかかる税金が異なっていることが確認できます。ただし、これらの税金は、必ず納めなければならないといったものなのではなく、あくまでも税金の対象になるといった点に留意して下さい。つまり、受け取った保険金の金額・家族構成・これまで支払った保険料の総額・非課税制度の適用・相続時精算課税制度の適用など、さまざまなケースを総合的に判断して、税金がかかる、税金がかからないといったものが判定されます。そのため、保険金受取人を含め、ライフプランや税金関係を考慮した三者間の関係と選定が大切になってくるわけであり、時には、税理士や独立系FPなどといった専門家の判断が重要になる場合もあることを念頭に入れておきたいものです。保険金受取人は簡単に変更できる終身保険に関わらず、基本的に生命保険の保険金受取人は、契約している保険会社に対して連絡をすることによって、簡単に変更をすることができます。以下、保険金受取人の手続きの流れについて紹介しておきます。契約している保険会社へ保険金受取人の変更をしたい旨を連絡する後日、契約している保険会社より、変更手続きに必要な書類が自宅へ届く必要書類に必要事項を記載し、変更手続きに必要な本人確認書類などを添付して返送する保険金受取人の変更手続きが完了する保険金受取人の変更手続きは、契約している保険会社に連絡さえしてしまえば、後は、流れに沿って行えば済むため、極めて簡単な手続きです。なお、こちらは余談となりますが、引っ越しなどによる住所変更手続きにつきましても、基本的には、契約している保険会社に連絡をするところから始まりますが、電話による口頭で簡単に手続きが終了する場合もあります。(筆者自ら体験)また、ご自身と配偶者が同じ保険会社の保険契約をしている場合は、併せて、配偶者の住所変更手続きも電話一本で解決する場合がありますので、特殊な事情があった時は、何かしらの変更手続きが必要になると頭の片隅に押さえておけば足りると思われます。まとめ終身保険の保険金受取人は、配偶者に設定しておく基本的な考え方で問題がありません。ただし、相続や贈与といった問題や対策で終身保険を活用する場合は、専門的な解釈や判断をしながら保険金受取人を配偶者以外に設定する必要性も生じてきます。そのため、このような特殊な事情が生じた場合や生じることが予測される場合は、民法に定められている相続関係や相続税法に定められている相続税の関係などを考慮した対策が必要であり、一筋縄では解決できません。また、保険金受取人を変更することは、かかる税金も変わることになりますので、この辺もあらかじめ注意をしながら手続きを行うようにしておきたいものです。
2018年12月16日こんにちは、婚活FP山本です。一般的な婚活中の女性からすると、年収300万円400万円という男性は、そもそも結婚相手として対象外という判断をすることが少なくありません。しかし実際に婚活をすると、年収400万円という男性のほうが圧倒的に多いため、どうすべきなのか悩む女性も多いのが実情です。そこで今回は、結婚相手の年収が400万円という前提で、少しまじめな考察をお伝えします。あなたの結婚に、お役立て下さいませ。結婚相手は年収400万円の可能性が一番高い!まずは大局観を知るために統計をお伝えします。国税庁の平成28年「民間給与実態調査」によると、男性全体の年収としては「300万円台」が18.2%、次いで「400万円台」が17.5%です。ちなみにこの400万円台以下で、全体の58.9%を締める結果となっています。これ以上の年収の男性なら、そもそも「婚活市場に来ない」という可能性も高く、仮に来てもすぐ売れるでしょうね。そして年収300万円と年収400万円を比べるなら、「少しでも高いほうがいい」という心理が働きますから、やはり年収300万円の男性は避けられます。こう考えると、あなたの結婚相手は年収400万円という可能性が一番高いと言えるかもしれません。400万円が、あなたの年収よりも低い場合は、選ぶのにためらってしまうかもしれませんが、これが一つのリアルです。まずは素直に、こんな大局観を知っておきましょう。男性は年収400万円が、ある意味「普通」先ほどの統計を考えると、年収400万円の男性とは、言ってみれば「もっとも普通の男性」と言えるかもしれません。人より上の男性が欲しいと考える女性には物足りないかもしれませんが、「普通でいい」という女性なら、安心して選んでも良いのではないでしょうか。少し余談ですが、先ほどの統計どおり下には下がいます。およそ男性の2割程度は派遣社員として、年収300万円にも届いていません。これも合わせて、知っておきましょう。結婚相手の年収は400万円で足りるの?次は年収400万円の過不足をお伝えします。これは結論からいえば、「あなたの結婚に対する願望と以後の労働意欲次第」です。もっといえば「男性にどこまで求めるか」でしょうか。少なくとも、専業主婦やパートになりたい女性なら、まず足りないでしょうね。その割には「普通に暮らしたい」という欲求があるなら、いずれお相手男性もろとも破産する可能性が極めて高いといえます。しかし、あなたにも普通の労働意欲と年収があるのなら、お相手男性との共働きということになりますから、年収の範囲で生活すれば大丈夫です。足りるかどうかは「あなた次第」中には当初から「女性は結婚したら男性に養ってもらうもの」と考えてきた女性もいます。こういう場合は「イキナリ働けと言われても……」と、経験や能力は元より意欲すら無いという女性も多いです。そういう事情があるなら、まずは稼ぐ力を身につけた方が無難かもしれません。一般的な年収400万円の男性は、やはりその年収などから結婚相手には「共働き」を求めることが多いですからね。もちろん高い年収の男性と結婚できれば良いのかもしれませんが、結婚できる保障はどこにもありません。仮に結婚できても離婚しないとも限りません。つまり、結局のところ年収400万円で足りるかどうかは「あなた次第」であり、あなたが稼げないほどに男性には高い年収が必要になる一方、稼げるほどに年収400万円で十分といえます。結婚相手の年収が400万円のメリットとは今度は年収400万円の男性のメリットをお伝えします。実際にどうかは男性次第ですが、一般的な感覚では年収400万円の男性は、以下がメリットです。不倫しにくい穏やかで家庭的仲良くしやすいまず「不倫」は、イメージしやすいのではないでしょうか。モテるにも不倫するにも、相応に経済力が必要です。どうしても不倫は許せない女性なら、嬉しい特徴といえるでしょう。また「性格」も、男性はどうしても年収で自分のプライドを測ります。だからこそ、逆に年収が低いほうが攻撃性も低く、穏やかで家庭的な傾向にあるといえるのが実情です。何より、年収格差があると力関係も生まれやすく、おのずと男性が亭主関白になりやすいといえます。このため逆に年収が低いほうが、末永い仲の良さを保ちやすいと言えるでしょう。「普通」は一番偉大かもしれない……より良いものが欲しい心理は、その分だけ何らかの代償を支払う必要が出てきます。しかし、より良いものが欲しくても、代償が必要ならいらないと考える女性も多いのではないでしょうか。そう考えると、「普通」というのは一番偉大な存在かもしれません。なぜなら普通というのは、可は無いものの不可もない訳ですからね。そんな「普通の幸せ」を求める女性には、年収400万円の男性は一番都合が良いのかもしれませんよ。結婚相手の年収が400万円のデメリット年収400万円の男性と結婚するデメリットも触れておきます。もちろん一概には言えませんが、おおよそ年収400万円の男性には以下のデメリットがあるのが実情です。労働意欲が低く、年収も上がりにくいこだわりの趣味があることも多い男性として「弱い」ことが多いまず「年収」は上がらない覚悟が必要です。単純に仕事をがんばるだけでは年収が上がらない時代なので尚更といえます。そもそも努力や勉強がキライという事も多いでしょうか。また「趣味」は、休日の過ごし方ともいえるでしょうか。仕事や勉強を避けると、残った「する事」といえば趣味くらいしかありません。無趣味ということも多いですが……。そして、メリットの裏返しですが「力強さ」は期待できないかもしれません。一見、強そうに見えても虚勢ということも多いです。頼りがいは期待しないほうが無難でしょうね。男性を「稼ぐ男」に育てる!?少し例外的な発想ですが、男性の中には「身近な女性の影響」で変わる人もいます。つまり、その女性のためにがんばる訳です。すると中には、結婚した頃は年収が低かったのに、数年後には大幅に年収が高まった……なんてことも実際に起こりうるのが男性といえます。どうしても年収が気になる女性は、男性を教育すると良いかもしれませんね。ただし、年収が高まった男性は、年収が高いことによるデメリットも発生しがちなので注意が必要です。結婚相手の年収が1000万円の現実最後になりますが「年収1000万円」のリアルをお伝えします。年収1000万円の男性との結婚……どんな結婚生活を送ることになるか、輝かしいイメージをする女性も多いのではないでしょうか。でも、そのイメージはリアルとはかけ離れたものかもしれません。知るぽるとの平成29年「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯)」によると、年収1000万円の人の約45%は貯金ゼロ、貯金300万円以下が全体の7割を占めています。つまり、早い話が高年収の人は、お金を使いまくって生活しているのが実情という訳です。「結婚したら変わってくれるはず」と女性なら考えてしまうかもしれませんが、残念ながら変わらない可能性のほうが高いでしょうね。生活水準は、一度高まってそれが普通になれば、落とすのは困難を極めます。それでもあなたは、年収の高い男性と結婚したいですか?年収が高ければ幸せとは限らない年収の高い男性と結婚したら人生バラ色……というのは、女性の妄想に過ぎません。もちろん、年収の低い男性と結婚したほうが幸せになれる訳でもありません。つまりは、年収で男性を選ぶのがそもそもの間違い、という訳です。何とも、人生簡単ではありませんね。年収は「分かりやすい選別基準」になりえますが、そこで選んではいけないからこそ、その他の要素が幸せには大切です。ぜひとも、まずは「男性を見る目」を養っていきましょう。年収400万円の男性に選んでもらえるうちに年収400万円の男性は「普通」ですが、それより年収の低い男性もたくさんいます。そして、男性だって女性を選んでくるのが婚活です。最悪、結婚しない人生を選ぶのもアリですが、どうしても結婚したい女性は、声がかかっているうちに決断していきましょう。
2018年12月15日近年、何かと話題に上ることの多い言葉の一つがiDeCo(イデコ)とふるさと納税です。どちらも「なんとなくいいことがありそう」な気がしますが、実際には、どのようなものなのでしょうか。そして、気になるのが「iDeCo(イデコ)とふるさと納税は併用できる?」という疑問ですが「併用できます」。そしてさらに「併用したらどうなる?」という点にも、一例を交えつつ迫ってみたいと思います。iDeCo(イデコ)とふるさと納税の特徴を比較まず最初に、iDeCo(イデコ)とふるさと納税のそれぞれの特徴を比較してみましょう。iDeCo(イデコ)の特徴iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金のことです。現在では、原則として日本に住むほぼすべての人(原則として20歳から60歳まで)が加入できます。このiDeCo(イデコ)の目的は、老後の資産形成です。もう一つの(自分で行う)年金というところです。最低5,000円から、毎月(または決まった月などに)資金を出す(拠出)することができます。毎月出すお金は、大きく次の2種類に分けられます。(基本的に)元本の確保されている預貯金タイプでコツコツ貯める価格変動リスク(元本割れもあり得ます)のある投資信託という金融商品に積み立て投資をするこの上記2つを組み合わせることもできます。一例:毎月1万円の掛け金のうち5千円は預貯金タイプ、5千円は投資信託にそれぞれ積み立てるこのようにすることができるのですね。もちろん、投資信託を選択した場合は、経済情勢などによって、元本割れを起こす可能性があります。ただ、これだけですと、通常の銀行や証券会社で預金や投資をするのと変わりません。大事なポイントとしては「iDeCo(イデコ)の口座で行うと、税制で優遇されている」というところです。ポイントは、大きく3つです。掛金が全額所得控除になる(課税所得がある人の場合は、税金が小さくなるので、実質的にお得になる)運用益が非課税で再投資される受け取り時にも各種控除がある(原則として受け取りは60歳以降)一見すると、地味な3ポイントですが、人によってはトータルで数百万円もお得になることがあります。iDeCo(イデコ)とは、老後のための資金形成制度で、税制面で優遇されているので、お得!ふるさと納税の特徴ふるさと納税の概要は、総務省のHPによると、次のようになっています。都道府県・市区町村に対する寄附金のうち、2,000円を超える部分について、一定限度額まで、原則として所得税と合わせて全額が控除されます。なお、所得税・住民税から寄附金控除の適用を受けるためには、確定申告を行う必要があります。出典:総務省HPふるさと納税の特徴を3つにまとめます。税金が控除される(戻ってくる)お礼の品がもらえることがあるふるさと(生まれ故郷)に限らず寄附できる大変乱暴に要約をしますと、ふるさと納税をすると、自治体に寄附をすることでお礼の品がもらえることがあり、さらに税金が戻ってくる、というものです。下記イラストは、子どもの時はふるさと(地方)で生活をしていたけれど、大人になると就職先(都会)に納税をするので、ふるさと(地方)に納税ができないことを意味しています。これでは、ふるさと(地方)は財政が厳しくなります。そこで、大人になったら、任意でふるさと(地方)の自治体に寄附をする、というのがふるさと納税の基本的な考え方です。総務省ふるさと納税ポータルサイトふるさと納税は、住んでいる自治体以外に寄附できる制度。ふるさと納税を行うと、返礼品がもらえたり、税金が戻ってくることがある。ふるさと納税は節税になる?ならない?ただ、注意点というか、誤解しやすいポイントがあります。それは「ふるさと納税は、厳密には節税にはならない」という点です。どういうことでしょうか。簡素化した一例を見てみましょう。まずは通常の税金の流れです。X市に住んでいるAさんは、○万円の税金をX市に支払うこれが普通の流れですね。ふるさと納税では、この○万円を任意の自治体(仮にY市)に自己負担分の2,000円を支払って寄附します。すると、こうなります。X市に住んでいるAさんは、○万円の税金をふるさと納税を使ってY市に支払うこれは、寄附という形で税金を前払いしていることになるそのため、税金は還付されるが、実際には、自己負担の2,000円分だけ、損をしていることになるこのようになっています。ザックリ言いますと、税金をX市に普通に払うか、自己負担の2,000円を出しつつ税金をY市に支払うか、の違いでしかありません。つまり、厳密には節税メリットは発生していないのですね。ただ、それでも自治体によってはお礼の品を用意しており、それが高額化しているケースもあります。一般的には「還元率が高い」などと呼ばれることもあります。そのため、節税ではなく、単純に2,000円の自己負担分を上回り、かつ高額の返礼品をもらえた場合には「お得である」と言えるケースもあります。ふるさと納税は「寄附」なので、厳密には節税にはなっていないただ、一部返礼品が高額化(還元率が高い)しているモノがあるので、お得だと考えられる一面もあるiDeCo(イデコ)とふるさと納税の控除額の計算・シミュレーションの方法それでは、控除額の計算方法を見てみましょう。iDeCo(イデコ)の控除額の計算方法・限度額(上限)はいくら?iDeCo(イデコ)では、加入者の働き方によって、控除額の限度額(上限)が異なります。控除額の計算方法や限度額(上限)は「節税メリットシミュレーション」で確認できます。ふるさと納税の限度額・上限はいくら?個人の年収や家族構成によって、ふるさと納税の限度額(上限)は異なります。ふるさと納税に関する、寄付金控除額のシミュレーションは総務省HP内にある「寄付金控除額の計算シミュレーション」で確認ができます。寄付金控除額の計算シミュレーション気になるポイント!iDeCo(イデコ)とふるさと納税は併用できる?このように、iDeCo(イデコ)とふるさと納税にはそれぞれの特徴があります。そして、iDeCo(イデコ)とふるさと納税は併用することができます。それでは、ここで併用をした場合の一例を見てみましょう。iDeCo(イデコ)とふるさと納税は併用できるiDeCo(イデコ)とふるさと納税を併用した場合のシミュレーション一例ふるさと納税を「自己負担額の2,000円でできる限度額」が、iDeCo(イデコ)とふるさと納税を併用した場合、どのくらい減るのか、を見てみましょう。「自己負担額の2,000円でできる限度額」を超えてもふるさと納税をすることはできますが、一般的には「より多くの税金を支払っていて、損だ」と考えられることがあります。もちろん、寄附ですから、より多くのお金を寄附しても構いません。ここでは「ふるさとチョイス」のシミュレーションデータを引用しています。また、シミュレーション結果は一例であり、数値を保証するものではありません。正確な計算は、市区町村にお尋ねください。年収500万円でiDeCo(イデコ)に未加入の場合(詳細条件:年収500万円・配偶者あり(収入なし)・15歳以下の子ども一人の場合)上記条件では、71,557円までなら、自己負担2,000円で済むことになりました。もちろん、これ以上の金額を寄附することもできますが、その部分は還付されず文字通り寄附したことになります(一般的には損だと捉えられることの多い状況です)。年収500万円でiDeCo(イデコ)に年144,000円出した場合今度は、先ほどと同じ条件に追加でiDeCo(イデコ)に年間144,000円(毎月12,000円)出した場合です。この場合は、67,948円までなら、自己負担2,000円で済むことになりました。年収500万円でiDeCo(イデコ)に年276,000円出した場合今度は、iDeCo(イデコ)に年間276,000円(毎月23,000円)出した場合です。この場合は、64,639円までなら、自己負担2,000円で済むことになりました。シミュレーション結果を比較iDeCo(イデコ)ふるさと納税(自己負担額2,000円までの限度額(上限))年収500万円未加入71,557円年収500万円年/144,000円67,948円年収500万円年/276,000円64,639円上記の数字の変化を「大きい」と見るか「小さい」と見るかは、個人の主観によるところですが、人生設計をトータルで考える場合には、ふるさと納税の金額の上限に固執しすぎるよりも、iDeCo(イデコ)の所得控除などの税制優遇制度とバランスよく考えていくことも重要かもしれません。今後は、医療の発展などに伴い、女性の場合は4人に一人が100歳を超えて生きる可能性があります。そして、今後、仮に少子高齢化が加速するなら、従来の公的年金だけでは老後の資産が不十分になる可能性が多くの人にあるかもしれません。iDeCo(イデコ)はその不足分を補うための一つの制度ですので、積極的に利用を考えた方が良い人が実は多いのかもしれません。まとめiDeCo(イデコ)とふるさと納税は併用できる人によっては、iDeCo(イデコ)とふるさと納税を併用すると、ふるさと納税の限度額(損にならない上限)が下がることがある節税面だけで見ると、ふるさと納税は厳密には節税にならない課税所得のある人は、節税になるiDeCo(イデコ)をどうするか、考慮するおさらいですが、ふるさと納税は厳密には節税になりません。ただ、返礼品などを楽しみにしつつ、地元などへの応援として納税を楽しむには一向にかまいません。そして、課税所得のある人にとっては、iDeCo(イデコ)で掛け金を出すと、老後の資産形成もしつつ、節税になります。どちらを優先するか、また、優先したほうがメリットが多いかは、個人の考え方よる部分も大きいですが、いまを楽しむふるさと納税と、老後に備えるiDeCo(イデコ)では、根本的にお金を使う時期が異なります。いまの「お得感」を追求するあまり、老後のお金に困るようでは、本当にお得とは言えない一面があります。人生トータルで考えて、iDeCo(イデコ)も行いつつ、ふるさと納税の限度額(損にならない上限)でふるさと納税を行うのも良いかもしれません。
2018年12月14日今回のお話は住宅ローン本審査を通過し、いよいよ融資!しかし、そこまでに、やってはいけない事をご紹介致します。ひょっとすると、「融資出来ません!」と言われてしまう事もありますので、是非ともチェックしてみて下さいね。融資実行までにやってはいけない事とは?まず、やってはいけない事を纏めました。退職転職新規借入が増える支払いが遅れる法的手続きを行う虚偽の申告がばれる病気となって団信に入れなくなる死亡してしまうなぜやってはいけないのでしょう。それぞれ理由をお話していきますね。1.退職してはいけないこれは事前審査から本審査と勤務していた会社を退職してしまった場合です。理由は明白ですね。支払い能力が無いと判断されてしまいます。職業選択の自由はあるかもしれませんが、融資実行前に退職は出来る限り避けたい所です。2.転職してはいけない上記退職よりも問題無さそうではありますが、実際には融資が出来ない事例になります。事前審査、本審査の書類には今までの勤務実績や年数、年収が記載されていました。しかし、勤務先や年収が変わる事により支払いに関する懸念が出てくる訳です。勤続年数もリセットされ1年未満となりますし、勤務先の規模も場合によっては大手から中小へと変わるかもしれません。また何より年収も以前よりも低くなる可能性も高い。もちろん貰っていないお給料をアバウトに申告しなければなりません。つまり返済能力に変化が生じた為、実行は難しくなるという理由です。3.新規借入が増える前回記事でも書きましたが、信用情報に数字の変化があった場合です。これまでの残高が減っていれば何ら問題はありませんが、逆に事前審査、本審査時よりも借入が増加している場合は要注意です。過去に住宅を購入するとご相談のあったお客様ですが、事前審査、本審査は何事も無く通過しました。しかし、次にお会いした際に??あれ?車が変わってる??代車でも無く、住宅ローン通ったから、車を購入されたとの事でした。購入方法は何とローン!!誰が見ても高級車に入る車両でしたので、そこそこ良いお値段だと思われますが、結果、融資出来ない事態になってしまったという訳です。あくまでも、審査を通過したタイミングでの借入残高で問題無いのに、そこから、上乗せで別ローンは返済能力、返済負担率に変化が生じますので、厳しいものになります。またクレジットカードでのお買い物も注意が必要です。これも借入と見なされるケースもあります。金額が少額だから大丈夫!と思っていても、何かの間違いで引落しが出来なかった場合、信用情報に異動情報が載る事も考えると、融資実行まではお買い物も控えておいた方が無難だと筆者は思います。4.支払いが遅れるこれまでに組んでいるローン等の返済が遅れ、異動情報が載ってしまったケースです。事前審査、本審査までは問題無い取引であっても、引落日を間違えていたとか、残高不足で一部引落できなかった、といった遅延情報が発生すると融資にはかなりマイナスイメージとなります。異動情報もどんな内容が記載されるかにもよりますが、払拭するまでは時間と労力を要しますので、どんな金額でもくれぐれも引落だけはきちんとしておきたいですね。5.法的手続きを行うこれは、破産や債務整理、差し押さえといった、法律に則った手続きを行ったケースです。さすがに破産や債務整理となれば、ある程度の借入がある為、事前審査で通らない事が殆どかと思いますが、場合によっては自分の借入ではなく、他人の連帯保証で返済できない為、着手するといった方もいらっしゃいます。また再三に渡る督促を無視してしまい、給与や資産等の差し押さえが実行されると、確実に融資はして貰えません。これらの情報は当然信用情報に紐づきます。結果お金に関してルーズと思われ、返済が滞る可能性は極めて高い、または出来ない為、融資直前でストップがかかってしまう事になります。6.虚偽の申告がばれるこれは事前審査の段階でやってはいけない事に該当しますが、時として、誤った情報で事前審査に臨んでしまい、後日「誤ってました」となるケース、または銀行側からの指摘です。借入を行うに当たって「金銭消費貸借契約」という契約を結びます。契約ごとに於いて、相手方を欺く行為は犯罪となってしまいます。(もちろん最初から欺く為に申し込む方はいらっしゃらないと思います)軽微なものから、重大なものまで、様々ですが、貸出金融機関は「マネーロンダリング」等にも細心の注意を払う義務があります。例え軽微であっても、重大な事態に発展させない為にも徹底的に2重3重とチェックされます。その上での指摘となると、心証も悪くなってしまいます。これくらいバレないだろうと思っていても、虚偽の申告は絶対に止めておきましょう。7.病気となって団信に入れなくなる団信とは団体信用生命保険の事で、住宅ローン債務者は加入が必須(義務)となります。これが融資条件なくらい絶対重要なんです。(住宅支援機構での借入の場合は必須ではないです)そもそも団信とは、借入している方が、万が一亡くなった際、住宅ローンの残債を保険で全て賄うものになります。大変有効な保険だと言えますが、「保険」ですので、健康状態が良好でなければ、引受すらできない事もあります。団信に入れない=融資出来ないという事になってしまします。金融機関は確実に融資金額を回収する為にこの保険加入を義務付けるわけですね。筆者も保険代理店で仕事していますが、健康状態はコントロールできません。別の話ではありますが、住宅を購入するご相談を受け付ける際に「住宅を買うタイミングはいつが良いですかね?」と聞かれる事もあります。その際には「健康であるうちに買いましょう」とお伝えします。銀行は病気した方には融資してくれません。もしかしたら、明日、大きな病気が見つかるかもしれませんし、何が起こるか分かりません。ご相談のお客様には「病気は選べません」と常々お伝えしています。いつ病気になるのか、なりたい病気はといった事は選択できないのです。だからタイミングを見計らっても、健康が阻害されていれば、住宅ローンすら通らない事もあり得ますので注意しておいて下さいね。8.死亡してしまうこれは融資実行前に亡くなるケースです。やってはいけないと言うより、予期せぬ出来事でしょうか。当然契約になりますので、契約のお相手方がいなければ契約自体成立しません。残念ながらこのケースですと融資は難しいですね。デメリットって何?ここまで、本審査での承認が覆るケースを書いてきました。余程の事が無い限り覆る事はありませんが、極めてレアなケースだと言えます。逆に上記の事が無ければ問題無いと思って頂いても構わないと思います。もしも「やってしまった!」となった場合どうなるのでしょうか?融資実行前の落とし穴!まずはハウジングメーカーや工務店さんを決めて、話はスタートします。具体的な打合せ等はここでは割愛します。お金の動きとしては、事前審査、本審査も承認、最後に金銭消費貸借契約を交わし、融資実行となります。この融資実行の前にストップがかかる訳です。もう読んでいてお分かりになった方もいるかと思いますが、住宅は完成してしまっています。つまり、ハウジングメーカーさんや工務店さんに支払いが出来なくなってしまう訳です。家は完成したのに、借りる事が出来ず、支払えない!!!!!これは大変な事ですね。こうならない様にする為にも、一事が万事だとお考え頂ければと思います。まとめ今回は審査通過後のお話を書いてきましたが、実際にあったお話でもあります。こうならない様にする為、ハウジングメーカーさん、工務店さんはアドバイスとして一言添えて下さいますが、中には担当者が経験不足で、アドバイスもままならない事だってあります。「知識は身を助ける」といった格言がある様に、知っておいて頂きたい事例でした。参考になればと思います。
2018年12月13日今回も住宅ローン審査に纏わるお話ですが、審査に出してみて、「落ちた・・」「通らない・・」といった結果を受けた方もいらっしゃるかもしれません。今回のお話は何故通らなかったのか?という理由等を解説していきたいと思います。今回記事は、これまでに審査が通らなかった方やこれから臨む方もご覧ください。通らなかった理由は何?住宅ローン審査に通らなかったケースではその理由を教えてくれると大変助かるのですが、実は金融機関は教えてくれません。これは筆者自身、金融機関に勤務していた頃にも上司から、口酸っぱく言われていました。開示には中々協力的ではないのは致し方ありませんが、納得はいきません。筆者の所にもご相談に来る方もいますが、私は過去の経験からこの様にお伝えします。「なぜ通らなかったのか、思い当たる節を考えてみましょう」と。借入が引っかかる場合思い当たる節を考えて頂く訳ですが、ひょっとすると、現在や過去の借入状況が引っかかっているケースも少なくありません。ここで借入が引っかかるポイントをいくつかご紹介致します。現在の借入状況が引っかかっているこれは、住宅ローンと並行して借入がある場合です。例えば自動車ローンや教育ローン等返済がある場合、全てのローンを返済するとなると、返済負担率が圧迫されてしまします。また、簡単に借りられるカードキャッシング等の借入まで調べられます。簡単に借りられるので、つい手持ちが無い時は借りてしまいがちですが、これも審査ではマイナスポイントになりますので要注意です。しかも、このカードキャッシングは配偶者には言えない内緒のケースもありますよね。この結果を金融機関が開示すると、とんでもない事になるのは想像がつきます。まずは借入などが無いかを良く洗い出してみて下さい。過去の借入状況が引っかかっている既に返し終わっている借入に関してですが、ここも要注意です。借入状況を調べる時に、過去どんな返済だったのかまで分かる場合があります。特に分かり易いのは今回借入を行う銀行で過去に借りている場合です。これは取引履歴を見れば一目瞭然ですが、以前の借入の返済が遅れていたり、若干滞っている場合は履歴に残っています。金融機関ですので、履歴は10年以上保管されているものと考えて間違いありません。もしも過去の借入で遅れた事がある場合などは要注意です。信用情報に異動情報がある先程は、今の借入と過去の借入について触れました。ここでは、借入を調べる際に利用される信用情報について解説していきます。皆さんは「信用情報」というものを聞いた事はありますか?借入をする際に、貸し手側はこの「信用情報」を必ず参照します。ここで少し「信用情報」について触れますね。「信用情報」とは?信用情報とは、クレジットやローンなどの信用取引に関する契約内容や返済・支払状況・利用残高などの客観的取引事実を表す情報です。信用情報には、クレジットやローンなどを利用した際の契約内容や返済・支払状況(期日通りに返済・支払したかなどの利用実績)、利用残高などに関する情報が記録されており、新たにクレジットやローンなどの利用を希望する際にクレジット会社やローン会社などが皆さまの「信用力」を判断するための参考情報として確認しています。この様に、クレジットやローン等の借入や支払いに至るまでの情報が記録されています。なお、記録は完済(全額返済)後から5~7年は保存の対象となります。「異動情報」って何?借入情報に「異動情報」という項目があります。ここでも用語解説しますね。異動情報とは、クレジットカード、ローン、キャッシング、信販会社、保証会社、消費者金融等の支払いに際し、遅延等が発生した場合、上記「信用情報」にマイナス情報を記録する事。たった1日の支払い遅れでも異動情報が記載される事もありますので、支払い日や引落日は確実に守るべきです。この異動情報には次の様な内容が記載されます。遅延・延滞(返済が支払期日に行われていない場合)債務整理(法的に借入を整理している場合)代位弁済(借入した本人以外による弁済が行われた場合)強制解約(カード契約等で返済能力等が無くなった場合)上記は代表的な異動情報ですが、他社での借入事情もしっかりと記録が残ってしまうのです。また、遅延、延滞等は各会社によって報告の目安が異なるケースもあります。例えば1日遅れで信用情報に遅延報告する会社もあれば、3ヶ月以上で報告する会社等様々です。しかし返済が遅れている事に何ら変わりはありませんので、審査にとってのマイナスポイントと同時に、ここに情報記載があればほぼ一発アウトだと考えて下さい。また各信用情報機関には開示請求ができますので、不安のある方等は、前もって開示請求してみるのも良いと思います。借入じゃない情報も!?意外な落とし穴!!先程までは借入に対する情報を解説してきました。確かに、他の借入の返済が遅れていると、どこも見逃してはくれません。また借り過ぎとなっても審査に響いてしまします。しかし、借入も無い、借入があったとしても、返済は遅れた事が無いにも関わらず、審査に引っかかってしまう方もいらっしゃいます。しかも意外な事で。未使用のクレジットカードの大量保有は引っかかり易い!?見出しにも書きましたが、実はクレジットカード。これ意外な盲点なんです。クレジットカードは今や誰もが利用している大変便利なカードです。当然ポイントや頼まれて作った等で保有枚数もいつの間にか増えてしまう事も。年会費が掛からなければ持っていても問題は無いと思います。しかし、クレジットカードにはある機能が備わっています。それが「キャッシング機能」です。お買い物だけでなく、借入機能まで備わっているのはご存知かと思いますが、この「キャッシング枠」を審査対象にしている事もあります。例えばAカード、B信販、Cファイナンスと3枚程クレジットカードを持っていたとします。Aカードには100万円、B信販には50万円、Cファイナンスには70万円とキャッシング枠が付いていれば、合計220万円までは借入が出来る訳です。いつでも簡単に借りられるので、利用する側は便利だなと思っていても、審査する側は「懸念材料」と捉える訳ですね。当然借入が増える事を嫌うので、審査上不利になるのです。またカード自体、勝手にキャッシング枠が上がる事もあります。これは取引が優良な方のみに実施されますが、頼んでもいないのに枠が上がる。結果審査に引っかかり易くなりますよね。今手持ちのカードですが、利用しないのであれば必要最低限の枚数にしておくのも大事なポイントです。携帯電話料金が引っかかる!?携帯電話料金。意外に引っかかってしまう方多いんです。電話料金なのに?とお思いの方いらっしゃるかと思いますが、最近ではスマホの普及に伴い殆どの方が、スマホを所有していますよね。機種変更等する際に、本体価格の高さに驚いた事はありませんか?でも何故か保有していますよね。理由は「携帯電話本体の割賦販売」が可能になっているからなんです。具体的には、毎月引落されている携帯電話料金に一部ですが「機種本体のローン分」も含まれているって事になります。では電話使用料が引落できなかったらどうなるでしょう?ご想像の通り、「ローンの滞り」に直結する事になります。あまり意識する事は無いかもしれませんが、1日の遅れでも信用情報に返済遅れとして記録が残れば、理由はどうあれ審査の心証は悪くなりますので、皆さんも携帯電話の引き落としは注意をしておいて下さい。まとめ今回は借入や信用情報、それに紐づく身近で意外な落とし穴について触れました。便利な世の中になり、生活も豊かになりましたが、無意識の内に携帯電話のローンだったり、キャッシング枠だったりと、住宅ローン審査に響く要素が溢れています。しかし、審査に通らないとなっても、時間が経過すれば、信用情報も記録の期間が決まっていますので、解消されます。決して諦めずに憧れのマイホームを手にしてほしいと思います。
2018年12月13日今回は筆者の勤務時代の実体験を基に、どんな点をチェックするのかを解説していきたいと思いますので、住宅ローンを検討中の方は是非ご覧ください。確実に聞かれる「ヒアリング7項目」まず、住宅ローンを申し込む際に「事前審査」があると前回記事では書きました。その際に、申込用紙に記載していく項目(ヒアリング項目と筆者は呼んでいました)に必ず書かなければならない必須項目があります。まずそこを押さえておきたいと思います。確実に見ておかなければならない項目がこちらになります。借入時年齢健康状態担保評価勤務先(就業形態・役職含む)年収勤続年数連帯保証少なくとも7項目は確実に見られます。というか記入しなければなりません。ここから一つずつ「なぜこんな事記入しないといけないのか?」を貸し手側の理論で説明していきますので、ご覧になっている皆さんも「貸し手側」になったつもりで見て下さい。1.借入時年齢原則、住宅ローンは完済時の年齢が80歳と決められている銀行が殆どです。よって借入をする際に年齢を記入しますが、最長35年で組んだ場合、完済の年齢が見えてきます。35歳の方であれば70歳に完済、40歳の方であれば75歳といった具合になります。昨今定年退職の年齢が引き上げられる様になってきていますが、一般的に65歳以降も支払いは可能かを判断する為でもあり、住宅ローンはなるべく若い年齢で組む事の方が有利と言えそうです。2.健康状態筆者が勤務していた時代に「貸付規定」と呼ばれる、融資に際してのルールブックのようなものがありました。その中に「入院中の方には貸出禁止」と記載があったのを記憶しています。理由はお察しの通りですが、健康でなければ仕事ができない=返済できないという懸念が出てくる訳です。入院中などは論外でした。また、銀行で住宅ローンを借りる際に「団体信用生命保険(通称:団信)」という保険に入らなければ、お金を借りる事が出来ないのです(住宅支援機構で借入の場合は任意加入となります)。この保険は、ローン契約者が返済中に万が一亡くなった場合などに、残りの残債を保険で一括清算するもので、借り手側からすると、住宅ローンを遺族が払わなくて良いというメリットと、貸し手側は融資金額の回収が確実に出来るというメリットが発生します。但し「保険」という文字が付いていますので、加入に際して健康状態が良くなければ「保険」に加入できません。健康でなければ、融資も難しいですし、保険にも加入できない。こんな所まで銀行は見る訳です。3.担保評価これは、今回購入予定の物件や土地の事を調べます。融資する際、建物や土地に「抵当権」という権利を設定します。ここで簡単に「抵当権」について解説しておきますね。抵当権とは、お金を借りた人が返さない等、返済が滞ってしまった場合に「抵当権」の付いてある物件を競売にかけて売却し残債を回収する権利の事何とも物々しい権利ですが、これも融資実行の際には必須となります。建物と土地に対して付けるのが一般的です。しかしながら、最近では担保評価自体あまり重要視されない傾向にもあります。なぜなら、建物自体は購入直後から担保価値が下がるからです。自動車でもそうですが、一旦新車で手に入れても、すぐに売却するとなると価値が下がっていますよね。これと同じ理屈です。つまり、残債が満額回収できるとは考えにくいと考える訳です。とは言え設定は必須となります。銀行はあらゆる貸し倒れリスクを軽減しなければなりません。重要視されないのであれば見る必要あるのか?という解釈もできますが、決して見ていない訳ではありませんし、担保評価に代わり重要に見る項目が次の勤務先です。4.勤務先(就業形態・役職含む)これは、借りる方がどの会社に勤務しているのか?を調査します。サラリーマンなのか?自営業なのか?会社経営者なのか?です。サラリーマンですと、会社名を聞けば誰もが知っている会社かもしれませんし、中小、零細企業かもしれません。ここで重要なのは、就業形態です。就業形態とは主に「正社員・嘱託・契約社員・派遣社員・パート・アルバイト」を指します。筆者が勤務していた時代は「正社員」のみが対象となっていました。今でも同じく「正社員」が住宅ローンでは必須の様です。理由は書類上、安定した雇用である事の判別を付ける為です。(もちろん転職等考えられますが、そこまでは審査範囲ではありません)嘱託、契約社員や派遣社員、パート、アルバイトは審査する上で非常に厳しいと言わざるを得ません。見るべきポイントは返済能力です。たとえ大手の勤務先でも契約社員や派遣社員であればいつまで在職できるのか?と思われ35年に渡って雇用されるかどうかシビアに見られます。貸し手側に立つと回収の判断が一つのポイントと言えそうです。また、役職とありますが、係長や課長、部長といった形で年収や今後の勤務において長くいるのかどうか?という判断にヒアリングしてもいました。後述する年収にも直結する部分でもあります。ここで、先程「担保評価」で触れた関連性ですが、審査は担保評価と人物評価共に行われます。担保評価は先程記載した通りです。人物評価とは勤務先の知名度や役職における地位等を考慮し返済出来るかどうかを重要視する傾向が高くなっているという事です。担保価値は年々下がる事もあり、先々返済が難しくなった際の回収リスクを考えると、人物評価に重きを置く傾向であるという事を覚えておいていただければと思います。貸し手側の考えでは担保も人物もどちらも回収を考えると重要で、序列を敢えて付けるなら、人物⇒担保という順番です。5.年収年収は絶対に見られます。年収に対しどれ位まで融資可能なのかを判断しますが、一般的に年収の8倍までは融資可能と判断する銀行は多い様です。また年収に対する住宅ローンの返済割合(これを返済負担率と言います)も合せて見られます。貸し手側にもある一定のルールがあり、年収に応じて返済負担率が決まっておりその範囲内でしか融資はできません。参考までに住宅支援機構と民間の銀行の返済負担率を表にまとめてみました。表の見方ですが、例えば銀行で借りる場合、年収600万円以上だったら、600万円×40%=240万円以下が1年間に返済可能であるとみなされます。240万円を12ヶ月で割ると1ヶ月20万円のローン負担は問題ないと判断されます。年収で判断される事は致し方ありませんが、最近ではご夫婦での合算年収で審査してもらったり、夫婦それぞれが借主になる事もあります。ご希望の融資額を得る為に貸し手側からのアドバイスもありますので、前もって聞いてみるのも良いでしょう。ここで1点注意頂きたいのは、筆者が金融機関に勤務していた頃は、あくまで希望融資額の貸出が出来るかどうかに尽きました。つまり、貸した金額が返ってくる可能性だけを見て審査に出す訳です。ところが、その他支払い関連等はあまり見られなかった事を思い出します。何かと言うと、お子様の学費や生涯通じて大きなお買いもの(例えば自動車等)の事は見ていませんでした。住宅ローンの返済だけでなく、学費や自動車購入など、トータルの支払いを考えて物件価格の設定はしておいた方が得策だと思います。住宅ローン通った!これで家を購入できる!と思っていても、学費の捻出が厳しい等の状況に陥らない様にする為にも、事前に支出の想定をライフプランで算出してみて下さい。6.勤続年数勤続年数は転職を繰り返していたり、短かったりすると審査に通りにくくなります。銀行側としては、「長続きしない」などの憶測で見てしまい、結果返済が滞る可能性に繋がります。少なくとも勤続年数は2年以上が望ましいと言えます。また必要書類に健康保険証の提出がありますが、これは勤務先や入社年月日を確認できる書類でもあります。記入するだけの書類に勤務年数を偽って書いても、裏付け書類で確認が入りますので、気を付けておきましょう。7.連帯保証最後の項目ですが、これは「保証人」の意味ではなく、「保証会社」から保証を受けれられるかどうかの事です。審査がほぼ問題無く通るケースで、最終的に保証会社の審査もある訳です。これは返済が滞ったら、代わりに保証会社が返済を立て替えてくれる、有難いものです。それに伴い保証料を支払わなければなりません。但し、立て替えてくれるから助かった!ラッキー!では済まないんです。なぜか?あくまでも、支払いの肩代わりを行っただけで、返済が免除になる訳ではありません。結果銀行から、保証会社へ債権者が代わり、保証会社から返済の督促等がやってきます。いずれにせよしっかりと返済は行わなければならないという事ですね。まとめ今回、筆者の経験を基に貸し手側の理屈、理論で審査項目を細かに説明してきました。大きなお金を貸すという事は、それだけ審査も厳しくなります。しかし絶対に通らない訳ではありません。購入をお考えの方は前もってチェックされるポイントがクリアできるか、確認してみましょう。
2018年12月13日離婚するときにはお金の問題が発生しますが、そのうちの1つが慰謝料です。「離婚の際には必ず慰謝料をもらえるの?」「慰謝料の相場はいくらくらい?」など、離婚の慰謝料に関してはさまざまな疑問があると思います。本記事では、離婚の慰謝料について説明しますので、離婚を考える際の参考にしていただければ幸いです。離婚の際に慰謝料がもらえるケースとは?離婚の際には、慰謝料の受け渡しをすることがあります。離婚するときには、必ず慰謝料が発生するわけではありません。離婚で慰謝料がもらえるケースについて知っておきましょう。慰謝料は離婚原因を作った側に請求できるお金慰謝料とは、精神的苦痛に対する賠償金のことを言います。離婚で慰謝料が発生するのは、夫婦のどちらか一方が離婚原因を作った場合です。相手の行為により離婚やむなしとなってしまった場合には、離婚による精神的苦痛を被ったことになりますから、慰謝料を請求できます。慰謝料は、民法上は不法行為にもとづく損害賠償金です。慰謝料を請求するためには、相手の行為が違法であることが前提になります。精神的苦痛を受けていても、相手の行為が違法とまでいえない場合には、原則的には慰謝料は発生しません。慰謝料が発生するのは浮気やDVの場合が多い慰謝料が発生する典型的なケースは、一方の浮気(不貞行為)により離婚する場合です。ただし、夫婦の両方が浮気したダブル不倫の場合には、違法行為が相殺されることになり、通常は慰謝料は発生しません。また、暴力(DV)も違法行為ですから、暴力を受けた側は慰謝料請求が可能です。モラハラも言葉の暴力と言えますから、慰謝料請求が認められる余地はあります。そのほかに、裁判で離婚の慰謝料が認められた例としては、性的不能、性交渉拒否、一方的な別居などがあります。慰謝料の支払義務がなくても慰謝料を払うことはある一方が離婚原因を作ったというわけでなくても、離婚の際に慰謝料の受け渡しが行われることはよくあります。たとえば、離婚したい側が、慰謝料を払う代わりに相手の了承を得るようなケースです。この場合には、離婚すること自体の慰謝料と考えることもできるでしょう。また、妻が離婚後すぐに自立できない場合に、夫から扶養の意味でお金を払うこともあります。このような場合を扶養的財産分与と呼ぶこともありますが、慰謝料名目で支払いを行うこともあります。離婚の慰謝料の相場はどれくらい?離婚で慰謝料は、お金に換算して払う必要があります。精神的苦痛は目に見えませんから、慰謝料の算定は簡単ではありません。離婚の慰謝料の金額はケースバイケース慰謝料は精神的苦痛に対する賠償金ですから、精神的苦痛が大きいほど慰謝料の金額は高くなるはずです。と言っても、精神的苦痛の程度をはかるのは実際には困難ですから、過去の裁判例を参考にして金額を考えることになります。裁判では、違法行為の程度、婚姻期間、支払う側の資力、請求する側の自立の程度、夫婦の年齢、子供の有無などさまざまな要素から慰謝料が算定されます。離婚の慰謝料は、金額がいくらと決まっているものではなく、あくまでケースバイケースです。離婚の慰謝料の相場は200~300万円程度離婚の際に、慰謝料としてどれくらいの金額払われているかという近年の統計データはありません。一般には、離婚の際には、200~300万円程度を慰謝料として受け渡すケースが多いと言われています。しかし、上にも書いたとおり、慰謝料の金額は簡単に算定できるものではありません。慰謝料の金額を決める際には、弁護士などの専門家に相談するようにしましょう。離婚の際に慰謝料をもらう方法は?離婚の際に慰謝料を請求できるケースでも、実際どのようにして払ってもらったらよいかがわからないという人もいると思います。離婚の際に慰謝料をもらう方法を知っておきましょう。離婚の慰謝料は話し合いで決めてもいい夫婦間の話し合いにより離婚の合意ができれば、離婚届を出すだけで協議離婚ができます。協議離婚では、慰謝料の金額や支払方法についても、自由に決められます。慰謝料の金額が一般的な相場より高くても低くても、基本的には問題ありません。慰謝料の一括払いが困難な場合には、分割払いの取り決めも可能です。話し合いで慰謝料を決めたら離婚協議書や公正証書を作っておく協議離婚の場合、慰謝料については、離婚届に書くわけではありません。慰謝料などの離婚の条件は、後日のトラブル防止のために、離婚協議書にして残しておくようにしましょう。慰謝料を分割払いにする場合には、約束どおり払ってもらえない可能性がありますから、公正証書にしておくのがおすすめです。お金の支払いについて公正証書にしておけば、支払いがなかった場合に、強制執行の手続きをとることもできます。話し合いで決められないなら離婚調停をする話し合いで慰謝料を払ってもらえない場合には、家庭裁判所に離婚調停を申し立てる方法があります。離婚自体には合意しているけれど、条件面で折り合いがつかない場合にも、離婚調停の申し立ては可能です。離婚調停で慰謝料の支払いについて同意が得られれば、慰謝料を払ってもらえます。調停で決まった内容は、裁判所で調停調書にしてくれますから、調停調書にもとづき強制執行も可能です。慰謝料請求には証拠が必要離婚調停でも慰謝料の支払いについて同意が得られない場合、最終的に裁判を起こすことができます。ただし、裁判で慰謝料を払わせるには、証拠が欠かせません。相手が慰謝料の支払いを拒否しているなら、証拠をとっておかなければ、払わせるのは難しくなってしまいます。たとえば、相手の不貞行為が原因の離婚で慰謝料を請求したい場合、不貞行為の証拠をとっておく必要があります。離婚が決まってからでは証拠もとりにくいですから、早い段階で証拠をとっておき、慰謝料請求に備えましょう。離婚の慰謝料請求の時効とは?離婚の慰謝料は、離婚が成立した後でも請求可能です。ただし、慰謝料には時効があるので注意しておきましょう。不法行為の慰謝料の時効慰謝料は、不法行為にもとづく損害賠償金です。民法では、不法行為による損害賠償請求権を行使できる期間について、次の①②のいずれか先に到来する方と定められています(724条)。損害及び加害者を知ったときから3年不法行為のときから20年離婚成立から3年以内なら慰謝料請求が可能離婚の際の慰謝料については、通常、具体的な不法行為があった時点ではなく、離婚成立時が時効の起算点になります。なお、離婚の場合は相手(配偶者)がわかっていますから、20年(上記②)というのは関係なく、離婚成立から3年(上記①)で時効になります。たとえば、不貞行為が原因で離婚に至った場合、不貞の事実や相手を知ったときから4年経っていても、離婚から2年しか経っていなければ、元配偶者に慰謝料請求することは可能です。不貞相手への慰謝料請求の時効不貞行為の場合には、配偶者の不貞の相手にも慰謝料請求ができます。不貞相手に慰謝料請求する場合には、離婚成立の時期に関係なく、不貞の事実や相手を知ったときから3年が時効となります。なお、不貞行為のあったときから20年経過した後で相手がわかった場合には、慰謝料請求はできません。離婚の慰謝料に税金はかかる?離婚で慰謝料を受け取った場合には、税金がかかるかどうかが気になると思います。慰謝料への課税の有無は、基本的には次のようになります。離婚の慰謝料は原則的に非課税慰謝料をもらっても、無償で財産をもらったわけではありませんから、贈与税はかかりません。また、慰謝料のような損害賠償金は、所得税も非課税となっています。離婚の際に慰謝料をもらっても、原則的に税金はかかりません。現金以外で慰謝料を払った場合には課税されることがある離婚の際の慰謝料を現金で払うかわりに、不動産を譲渡したようなケースでは、次のような税金の課税対象になることがあります。譲渡所得税不動産が購入時より値上がりしていれば、譲渡した側は譲渡所得があったものとみなされ、譲渡所得税が課税されます。なお、譲渡所得税では3000万円の特別控除が受けられるため、実際には税金が発生しないこともあります。不動産取得税不動産の所有権を取得したときには、不動産取得税の課税対象です。離婚の際の清算的な財産分与では不動産取得税は課税されませんが、慰謝料がわりの不動産の譲渡は課税される可能性があります。まとめ離婚するとき、相手が一方的に離婚原因を作った場合には、慰謝料請求ができます。どちらが悪いというわけではない離婚の場合には、慰謝料請求して強制的に払わせることはできません。ただし、夫婦間の話し合いによって慰謝料の取り決めをするのは自由です。相手が任意に慰謝料を払ってくれるという場合には、受け取ってかまいません。慰謝料が発生するケースでも、金額の算定は難しいところがあります。離婚の際に慰謝料の受け渡しをしたい場合には、弁護士などに相談するのがおすすめです。
2018年12月12日初めて日本でがん保険が発売されてから40年以上が経過しました。以来、がん治療の発展とともに、がん保険を取り扱う保険会社も増え、商品も変化し続けて今日に至っています。様々ながん治療が増加するにしたがって、がん保険の保障内容も広がってきたといえるでしょう。一方でそうした保障の広がりには大きな注意点があります。今回はその注意点をがん保障の「一時金」というキーワードとともに、わかりやすく説明していきたいと思います。保障内容と保障金額から商品をとらえ直すがんのための経済的保障をしてくれるのが「がん保険」です。では「がん保険」とは、具体的に、どのような場合に、どれぐらいの金額を保障してくれる商品なのでしょうか?どのような場合に支払われるのか = 保障内容どれぐらいの金額が支払われるのか = 保障額がん保険の商品は、この保障内容と、保障額で構成されているのです。そして、生命保険の商品でいうところの「一時金」というのは、保障額に関する言葉です。100万円以上のまとまった金額のお支払いのことを生命保険では「一時金」と呼ぶことが多いです。では100万円に満たない支払いの金額をどのように呼ぶかというと給付金と呼ぶことが多いです。また「一時金」というのは原則1回だけの支払いを表します。これに対して給付金というのは、1日つき1万円支払います、というように複数回支払われることが前提となった表現です。なお、生命保険の仕組みについては以下の記事で詳しく紹介しましたので、参考にしてください。保障内容と保障額の2軸で考える皆さんが、がん保険の商品を選ぶ際には、保障内容にまず注目されることが多いと思います。これは至極当然のことで、「どんな場合に支払いをしてくれるのか(くれないのか)」が一番重要といえるからです。しかしながら、それと同時に重要なのが、では「その保障内容でどれぐらいの金額を支払ってくれるのか」という視点なのです。では実際の商品でこの保障内容と保障額を具体的に説明していきましょう。今回は、「保障内容を幅広く揃えた商品」と、「絞り込んだ保障内容の商品」という両極端の2商品をご紹介します。この2商品を比べていただくことで、浮かび上がってくる「一時金」という保障額の重要性もご理解いただけると思います。幅広い保障の商品最初に、幅広い保障内容が選べる商品の代表例として、チューリッヒ生命のガン治療保険プレミアムDX(以下、プレミアムDXといいます)をご紹介します。このプレミアムDXは、がん保険ランキング上位にあがってくるほどの人気商品となっています。このプレミアムDXの保障内容と保障額の具体例は下表の通りです。<30歳女性での設計例>保険期間:終身保険料払込期間:終身月払保険料:4,686円表をご覧頂くだけで保障内容の広さ(給付金の種類の多さ)がすぐにわかっていただけると思います。保障内容が細分化されており、この中から自分にとって必要だと思われる保障内容を取捨選択出来るわけですから、人気商品であるのもうなずけます。そしてもう一点、ご注目いただきたいのが、保障額です。自由診療抗がん剤・自由診療ホルモン剤治療給付金は月額60万円、がん診断給付金は50万円ですが、それ以外の給付金の金額(単位)は多いもので10万円、少ないもので数千円となっています。保障内容が幅広い反面、100万円単位の「一時金」といえる保障額はなく、低額の給付金が種類多くある、という特徴の商品となっているのです。とりあえずまとまった金額が欲しい、という方には注意が必要といえるでしょう。保障を絞った商品では次に、保障を絞った商品の代表例として、ライフネット生命のがん保険ダブルエール(以下、ダブルエールといいます)をご紹介します。ダブルエールも、プレミアムDXとは全く異なる商品性によって人気商品となっています。ではダブルエールの保障内容と保障額の具体例を確認していきましょう。<30歳女性、シンプルプランでの設計例>保険期間:終身保険料払込期間:終身月払保険料:4,311円ダブルエールの保障内容はかなり絞り込まれていて、プレミアムDXとは大きく異なる保障内容であることが理解いただけたことと思います。その一方で、がんと診断された時に支払われる、がん診断一時金が300万円となっており、まさに「一時金」と呼ぶにふさわしい保障額になっていることが分かると思います。がんと診断されたら、とりあえずまとまった金額が欲しいという方に適した商品といえるでしょう。理由は保険料負担先程2つの商品の保障内容と保障額を具体的に確認してきました。ここで読者の皆様はこんな風に思われるかも知れません。「プレミアムDXは保障内容の範囲(種類)が多いのに、なぜ保障額を抑えているの?もっと保障額を上げればいいじゃない?」「ダブルエールはなぜ保障内容を絞っているの?いろいろな保障内容を増やせばいいじゃない?」実はこれらの疑問に対する答えは、「保険料」にあるのです。保険料とは、あなたが保険会社に毎月(毎年)支払うお金のことです。がんに罹患した時に、保険会社から保障内容にある一時金や給付金を支払ってもらうためには、あなたは保険会社に保険料を支払わなければなりません。したがって、保険料はあなたにとって出費であり、負担になるものです。もう一度2つの商品の表をご覧いただくと、保険料(30歳女性の例)が掲載されています。プレミアムDXは月払4,686円、ダブルエールは月払4,311円です。仮に、プレミアムDXの幅広い保障内容のそれぞれの給付金の保障額を2倍にしたらどうなるでしょうか?単純計算でも9000円以上になります。保障額を3倍にすれば15000円ぐらいにはなるでしょう。がんの経済的保障がどうしても必要といっても、そのために毎月支払う保険料があまりにも多くなりすぎると、がんになった時のリスクの対処の前に、毎月の家計が大変になってしまうのです。商品を販売している保険会社もその辺りのことはよくわかっていて、保険を検討する人が毎月確実に支払える程度の保険料で商品設計をしてくるわけです。保障内容が幅広いプレミアムDXの保障額は、なぜ抑えられているのでしょうか?その理由は保険料負担を重くしすぎないためです。一時金が充実しているダブルエールの保障内容は、なぜ絞られているのでしょうか?その理由も保険料負担を重くしすぎないためなのです。まとめがん保険は、がん治療の進化とともに、その保障内容が変化してきました。変化の一つの方向性としては、保障を幅広く細分化してラインナップしてきたことです。これにより、自分が必要だと思われる保障を取捨選択して加入できる商品も増えてきました。しかしながら、幅広く細分化してラインナップされてきた反面、それぞれの保障ごとの保障額が低額に設定されている点には注意が必要です。がん治療の進化に合わせた保障が欲しいということで、こうした幅広い保障から取捨選択することもよいですが、がんに罹患した時にはまとまった一時金が欲しいという方は、がん診断給付金(がん診断一時金)が手厚い商品をチェックされることをお勧めします。
2018年12月11日