毎年クリスマスが近づくたび、子どもへのプレゼント選びに頭を悩ませますね。欲しいと言うから買ってあげたおもちゃも、2日もしたら飽きるのが子ども。もう、どうしたらいいか…。そこで、おもちゃのスペシャリストに、子どもが喜ぶプレゼントの選び方を教えていただきました。■おもちゃには「飽きるもの」と「飽きないもの」がある教えてくださったのは、「楽天おもちゃ大賞 2017」で特別選考委員を務められた、玩具研究家の岩城敏之(いわきとしゆき)さん。「2日で飽きちゃうのはね、すぐに飽きちゃう(タイプの)おもちゃだからですよ」と岩城さん。どうやらおもちゃには、子どもが飽きやすいものと、飽きにくいものがあるようです。「飽きるおもちゃは、自分で考えなくても動くもの。スイッチ押したら(自動的に)機械がやってくれるものとかです。刺激的だけど、瞬間的な面白さなんです。一方の飽きないおもちゃは、創造力がいるもの。積み木やブロックなどですね。自分で考えたものを表現することができるから、いつまでも飽きずに遊べます。それでも飽きた時は、その子にとってそれだけでは表現し足りなくなった、つまり成長したってことです」そういえば、棋士の藤井聡太さんも小さい頃からキュボロという積み木で遊んでいて、これが直感力や考える力をつけたのではないかと話題になっていました。子どもがすぐおもちゃに飽きてしまうのは、大人が飽きるようなおもちゃを与えてしまっていたんですね。反省…。「反省しなくていいんです。間違えてしまうことを、怖がらないでください。間違えることで、子どものことをまたひとつ知れるんですから。子どものおもちゃを選ぶのは、親の特権。何を与えても自由。その代わり、選ぶのは子どもの自由。100%(子どもにぴったりのおもちゃに)当たることなんてないので、飽きちゃったら成長したんだと思ってください」■親が関わる遊び、子どもだけで集中したい遊び岩城さんが親の気持ちもくみ取りながら話してくださることにすっかり甘え、「子どもを遊ばせながら親がラクできるようなおもちゃはないですか?」とたずねてみました。「親、特に子どもと向き合う時間が長いママが自由になるのは、大事ですよ。ママが情緒不安定だと、子どもはすぐに見抜きますからね」と、親が自分の時間をガマンしてまで相手をしなくてもいい遊びについて、説明してくださいました。「子どもがおもちゃで遊ぶときって、親に関わって欲しいタイミングと、ひとりで集中して遊びたいタイミングがあるんです。親に関わって欲しいタイミングとは、『相手役が欲しい遊び方をしたい』ときです」相手役が欲しい遊びとは、●イメージを共有する…… 積み木で建物を作る、ままごと など●ルールを作り、守る…… ゲーム など「これは子どもの年齢にもよりますが、逆に、親に干渉されずに自由に集中して遊びたいタイミングの一例を挙げると、『自分の中にあるものを表現して遊びたいとき』です」表現するとは、●同じ色を並べて模様を作る、絵を描く など「子どもがおもちゃで遊ぶとき、親が関わらなくてはいけないとか、逆に絶対に関わってはいけない、ということはありません。けれど、子どもが集中しているとき、子どもは何を面白がっているのかを推測しながら見守ってあげましょう。子どもに話しかけられたら共感するくらいでちょうどいいのです。だからといって、勝手に遊ばせてばかりもダメですよ。生まれてから4歳くらいまでは、いつも寄ってきてうるさく感じるかもしれませんが、子どもがそんなに頼ってくれるのも今のうち。その時間を大切にしてくださいね」 ■忙しくても子どもに優しくなれる、とっておきの方法もうひとつ、ママの自由時間が増やせる、とっておきの方法があるそうです。「子どもが自由にさわってはいけないものを、なるべく家の中に置かないこと。子どもは家にあるすべてのものに興味があります。さわってはいけないものが多いほど、親は神経をとがらせ、時間を奪われ、子どもは萎縮してしまいます」子どもが悪さをするんじゃなくて、子どもが興味を示すものを親が置いておきながら、さわると叱っている、ということですね。耳が痛いです。落書きできる壁紙や、口に入れても害のないブロックなどを利用し、子どもが自由に遊べるようにすれば、子どもは創造力が育ちます。親は片づける手間や叱る精神的ストレスが減り、そのぶん子どもに優しくなれる。これはすぐに取り入れたいアイデアです。■赤ちゃん学の専門家曰く「頭と体を使うおもちゃは飽きない」今回の「楽天おもちゃ大賞 2017」には、岩城さんのほかにもうひとり、特別選考委員として東京大学大学院総合文化研究科広域システム科学系教授の開一夫(ひらきかずお)さんがいらっしゃいました。赤ちゃん学の専門家から見ても、おもちゃは「自分の頭と体を使うものの方が、子どもは飽きない」と感じているそうです。実際に消費者から投票で各賞に選ばれたおもちゃも、ほとんどが子どもが自分で組み立てたり、音を鳴らしたり、家事ごっこしたりするタイプでした。楽天ユーザーが選ぶおもちゃ大賞 2017 一例ぞっこんおもちゃ賞:ぐずる子も夢中になるおもちゃ「マリオブローニ カラコロツリー(0~3歳児向け)」葉っぱの上にビー玉を転がして、木の優しい音を楽しむ木製のオブジェ。葉っぱの大きさで音の高さが変わるので、ビー玉を置く間隔やスピードで色々な和音が聞こえてきます。美しい色と音が、子どもの目と耳を惹きつけます。きゅんとするおもちゃ賞:遊んでいる子どもの姿を見て親がきゅんとしてしまうおもちゃ「エルゴ ベビー ドールキャリア」大好きなお人形やぬいぐるみを抱っこできる、キッズサイズのベビーキャリア。本物のベビーキャリアのデザインがそのまま小さくなったスタイルが、子ども心をくすぐります。お姉ちゃん、お兄ちゃんになったお祝いにも最適。全賞は、以下の特設ページで紹介されています。 ・楽天おもちゃ大賞2017 これで今年のクリスマスプレゼント選びは、かなりスムーズになりそうですね。
2017年11月26日