シャネルが名付け、ゴダールが崇め、ゲンズブールが囁いた革命のミューズとして、ヌーヴェル・ヴァーグのアイコンになった女優アンナ・カリーナの伝説的な人生と映画たちを描いた『アンナ・カリーナ君はおぼえているかい』。この度、予告編が解禁となった。アンナ・カリーナは、1940年9月22日デンマークのコペンハーゲンで、遠洋航路船長の父と19歳の母との間に誕生。17歳の時、パリでココ・シャネルに出会い、アンナ・カリーナと命名される。トップモデルとなり、ジャン=リュック・ゴダールに見初められ、彼の手掛けた『女は女である』『女と男のいる舗道』『気狂いピエロ』などに出演。音楽界の寵児ゲンズブールもミュージカル映画『アンナ』のために14曲を提供した。1972年、彼女は完全な男社会のフランス映画界を飛び出し、自ら製作・脚本・監督・出演した映画をN.Y.で撮影。さらに歌手としての活動を開始、フランスやヨーロッパだけでなく日本でもツアーを行う。女優アンナ・カリーナの伝説的な人生と映画たちを描いた本作は、パートナーであるデニス・ベリー監督が万感の思いを込めて作り上げた、彼女へのラブレター(本人談)である。今回解禁された予告編は、まるでアンナが隣にいて、あの大きな瞳でこちらを見つめるようなシーンから始まる。パリの町なかの映画館カルチエラタンに来たアンナ。永遠のフランスのファッションアイコンらしく、茶のコートとハット、黒のトップスという、すっきりした出で立ちで現れた彼女は、何に心を動かし、どんな風に変わってきたか、映画史そのものである自分の人生をふり返る。スクリーンには過去に演じてきた役柄が次々と映し出され、ココ・シャネルの映像では「アンヌ・カリーヌ・ベイヤーだと伝えると、シャネルはそれを繰り返して、“だめね。アンナ・カリーナにしなさい”と言った」という、運命的な出会いを語る。また、ゴダールから手渡されたメモには「愛しています。真夜中。カフェ・ド・ラぺ」という告白があったことを語る。セルジュ・ゲンズブールは、アンナの声と歌い方は強烈な個性があると称え、その後に続く映像では、アンナはその独特な歌声を披露している。数々の名作の中に、アンナの人生が映る。しかし実際の彼女の人生の方が、映画よりもっとドラマチックで運命的だったかもしれない、そんな思いに駆られる予告編に仕上がっている。『アンナ・カリーナ君はおぼえているかい』は6月13日(土)より新宿 K’s cinemaほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アンナ・カリーナ君はおぼえているかい 2020年6月13日より新宿 K’s cinemaほか全国にて順次公開© Les Films du Sillage – ARTE France – Ina 2017
2020年04月10日ジャン・リュック=ゴダールのミューズであり、『女は女である』、『気狂いピエロ』に出演したアンナ・カリーナが亡くなった。享年79。フランス通信社が報じた。アンナのエージェントが「昨日、パリの病院にてがんの影響によりアンナが亡くなりました」と公表したという。フランスのフランク・リステール文化大臣も「今日、フレンチシネマは身寄りをなくしました。伝説ともいうべき1人を失ったのです」と嘆きのツイートを発信した。デンマーク出身のアンナは、ティーンエイジャーのときに、女優を目指すためにヒッチハイクをしてパリへとやってきた。ゴダール監督にシャンゼリゼ通りで見いだされる前はモデルとして活躍。ゴダール監督は、初長編作『勝手にしやがれ』への出演をオファーしたが、ヌードシーンがあったため、アンナは拒否したとのこと。ゴダール監督が次に撮影した『小さな兵隊』で女優デビューを果たし、その次に出演した『女は女である』で、ベルリン国際映画祭において女優賞を獲得した。このとき、すでにゴダール監督とアンナは恋仲であり、結婚。しかし、2人の結婚生活は長くは続かず、わずか4年で離婚。ゴダール監督との結婚生活には2018年3月に受けたインタビューで触れており、「お互い愛し合っていたけど、彼と暮らすのはとても複雑なことだった。『ちょっと煙草を吸ってくる』と言って、3週間も戻らないような人だから」と語っていた。アンナは2008年の『Victoria』(原題)を最後に、女優活動から遠ざかっていた。昨年、アンナの女優人生をたどったドキュメンタリー作品『アンナ・カリーナ、君はおぼえているかい』が日本で上映された。(Hiromi Kaku)
2019年12月15日ジョニー・デップ演じる海賊が、またもや壮大でエキサイティングな冒険を繰り広げる『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』。本作を象徴するキャラクターである、ジョニー演じるジャック・スパロウは、つかみどころのない飄々とした人柄でユーモアにあふれているが、彼を取り囲むキャラクターも存在感たっぷり。本作でジャックの仲間として加わる2人の新キャラクターとジャックの関係性から、ストーリー展開が見えてくる。まず、今年の注目男子の1人、ブレントン・スウェイツが演じるヘンリーは、フレッシュな若き水兵だ。ウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)の息子であり、呪いにかけられた父ウィルを救うべく、唯一その呪いを解くことができる“ポセイドンの槍”を探しながら旅をしている。そして旅の途中、父のかつての相棒であるジャックの助けを求めてやってくるのだ。先日解禁された予告編では、なぜか檻に閉じ込められたジャックの元にヘンリーがやってきて「死者の軍団が あんたを狙ってる助かりたいなら“槍”が必要だ」とジャックに危険が迫っていることを警告しながら、“槍”探しを手伝うように懇願。危機から逃れるために、ジャックもやむなく“槍”探しを手伝うことになる。そして、予告編でのヘンリーの台詞には「彼女の助けが必要だ」とあるが、その“彼女”というのがもう1人のメインキャラクターとなるカリーナだ。カリーナは、美しき天文学者。知性を持ち合わせた彼女は、父親が残したという“ガリレオの日記”を手掛かりに旅をしていたが、ジャックやヘンリーと行動を共にすることとなる。彼女の持つ“日記”もまた、ストーリーのキーアイテムとなるという。『メイズ・ランナー』シリーズで注目度急上昇中のカリーナ役カヤ・ステゴラリオは、カリーナとヘンリーについて、「2人が初めて出会ったとき、それぞれが自分の旅をしていたの。それぞれ使命をかかえていた。同時に2人はお互いの助けを必要としていた。それで、2人は連帯することになるの」と語っている。さらに、「けれど2人はすべてに同意することができないの。彼女は科学者であるのに対し、彼は“スーパー・ナチュラル”を信じているような人で、2人の意見はたびたび衝突しがちなの。しかし旅をつづけていくうちに、その関係は変化し、共通の価値観が生まれていくのよ」と明かし、ストーリーの展開にもかかわる2人の関係性をにおわせている。この2人がジャックと共に巻き起こす新しい旅に、期待が膨らむ。『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』は7月1日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年05月20日