――ノーアベニューは、21世紀の今だから出来る「文化を開放するプラットフォーム」という感じなのでしょうか。インスピレーションはパリにある1887年創業のカフェ「カフェ・ド・フロール」なんです。かつては、ピカソやダリ、ジャン・コクトーが集ったお店です。でも、その当時でもアーティストもいれば近所のおじさんや子供もいたと思います。もしかしたら、近所のおじさんがワインを飲み過ぎて酔っぱらって言った言葉がピカソ達に影響を与えていたりしたのでは、と想像すると愉快ですよね。三島由紀夫、寺山修司などが通った昔の新宿ゴールデン街も同じですね。そういえばピカソは「良い芸術家は真似をし、偉大な芸術家は盗む」と言ったりもしていますね。――ノーアベニューのファッションにおける役割とはそもそもファッションの仕事は“modality(様相)”を作る仕事だと思っています。新しい装いという意味での“様相”を提案したり、新しい動きを作り出したりすることで社会や洋服の有様を変えていく行為です。そういう大局的な視点を忘れず考えていきたいです。折口信夫の言葉で「客人(まれびと)」というものがあります。異なった文化圏からやってきて、祭りや新しい文化をもたらす異邦人のことです。そういう人を呼び込みたい。また、我々自体がファッションにおいて客人のようなものでありたいという思いがあります。――ファッションにおいての客人とはどういうイメージですかファッションにおける客人はハッカーのような存在かもしれませんね。振り返ってみたとき、時代を作ったクリエーターは、社会へのハッキングを行っていたと思います。例えば、コレクションという概念を作ってみたり、それが定式化すると今度は、古着や黒やぼろ切れを出すのはありえないという一般常識と、そこに厳密なルールが存在しないことを逆手にとって、あえて出してみることでみんなハッとする。こういった一般常識や価値観のぎりぎりのせめぎ合いから文化を解放してきたところには「客人」の影がちらつきます。一般的な意味でファッションの客人というと難しいですが、例えばジュリアン・アサンジ(ウィキリークス創始者)はそのビジュアルだけでなく行動も新しいですし、今話題のピーター・ティール、あるいは神学研究から外交官を経て文筆家になった佐藤優のような人も非常に興味深いですよね。デザイナーはファッションの外にいる人をアイコンにしたり、新しい感覚を求めてきた風潮もありますから、潜在的には客人を求めているのだとおもいます。今は一般的にはファッションからほど遠そうな、中曽根康弘とか渡辺恒雄のようなキャラクターが“ファッションアイコン”になったりするかもしれませんね。その時々の相対的な空気感、ウィットや自由な発送、人間のその人らしさの追求というのがファッションの面白いところですから。――今後の展望について教えてくださいノーアベニューには、まだ歴史や過去のコンテクストがないので、既に確立していて過去の分脈がある組織や企業にはリスクがあってできないような事を積極的に試みて十何に動かしていきたいと思っています。また、そういったコンテクストのある組織や企業とも何かできればとも思っています。ノーアベニューはバーチャルからリアルを自由につなげていくものなので。ターゲットを整理しつつ、マネタイズの方法も含め柔軟にポビットやチューニングをする必要はありますし、今は独自のテクノロジーの開発も進めています。1/2に戻る。
2015年01月25日「コム デ ギャルソン(COMME des GARCONS)」は2015年のDM(ダイレクトメール)にパリを拠点に活動するアーティスト・JRを起用した。コム デ ギャルソンのDMは毎年選んだアーティストの作品を川久保玲が自由に用いてデザインするもの。JRは世界各地で貧困や差別に苦しむ人達と建物の壁面などに写真を貼る制作活動を実施しているストリートを美術館に変えるアーティスト。日本では2013年にワタリウム美術館で個展を開催した。DMには彼の作品にコム デ ギャルソン15SSコレクションを思わせる血しぶきのような赤のグラフィックが施されている。今年の初号は例年より判型が大きくなり、「The Spring-Summer 2015 collections have arrived 2015年春夏のコレクションがそろいます。どうぞおでかけください」とのテキストが入ったカードが挟まれている。例年DMに関連したアイテムや特別インスタレーションなどが発表されており、今回も期待される。同社DMには、今まで現代美術家のアイ・ウェイウェイ(艾未未)、写真家のルネ・ブリ(Rene Burri)、漫画家の大友克洋などが起用されている。
2015年01月08日ドーバー ストリート マーケット ギンザ(DSMG)は11月29日、コム デ ギャルソン(COMME des GARCONS)とマスターマインド・ジャパン(mastermind JAPAN)のコラボレーションブランド「マスターマインド ジャパン ブラック コム デ ギャルソン(mastermind JAPAN × BLACK COMME des GARCONS)」のエクスクルーシブアイテムを発売する。マスターマインド ジャパンのスカルロゴと、ブランドイニシャルの“MBCDG”がアイコニックな今回のDSMG限定アイテム。ウエアにはパイル地を、キャップには光沢のある刺繍糸を用いることで、立体的な仕上がりとなった。Tシャツ(2万円)、クルーネックスウェット(3万6,000円)、スウェットパーカー(4万2,000円)、ニューエラキャップ(1万円)の全4アイテムの展開となる。
2014年11月26日クリエーティブマガジン『プラス・エイティ・ワン(+81)』は最新号vol.66(1,200円)で「コム デ ギャルソン(COMME des GARCONS)」のDMを特集している。2008年より始まった、1組のアーティストやクリエーターをセレクトして川久保玲がデザインするコム デ ギャルソンのDMシリーズ。+81は、08年から14年までそれぞれモンドンゴ(Mondongo)、ブラザーズ・クエイ(Quey Brothers)、アイ・ウェイウェイ(艾未未)、アシューム ヴィヴィッド アストロ フォーカス(assume vivid astro focus)、ルネ・ブリ(Rene Burri)、大友克洋、ロービジョン(RAW VISION)が起用されたDMを撮り下ろし、22ページにわたりビジュアルで紹介している。同号は5年ぶりのファッションイシュー。他に「ケンゾー(KENZO)」クリエーティブディレクターのウンベルト・レオンとキャロル・リム、ガレス・ピュー(Gareth Pugh)、イザベル・マラン(Isabel Marant)らデザイナーへのインタビュー、広告ビジュアルを作るKiDS(アレキサンダー・マックイーン、バレンシアガなど)、Lloyd & Company(ボッテガ・ヴェネタ、Y-3など)らクリエーティブエージェンシー、ショーを演出するサンプロデュースらを紹介。モードフリークにとって読みごたえのある内容となっている。
2014年11月17日「トリコ・コム デ ギャルソン(tricot COMME des GARCONS)」の15SSコレクションは涼しげでナチュラル。デザイナーは栗原たお。“うすく軽やかで、自然な風合い。乾いた印象の夏”を表現したという。ルックの軽やかさとは対照的に、モデルのメイクは汗ばんだようなウェットな肌作り。異常気象かヒートアイランド現象の影響か、年々熱帯化しているように感じる日本で過ごす身としては「乾いた涼しい夏」をまとえる今季のコレクションは理想的に思える。自然な風合いを象徴するのは、生成りの綿リネンシャンブレーやガーゼのように柔らかいテキスタイル。レース柄にプリントされたブラックの薄いラミー(麻)のドレスをはじめ、フラワープリントの透けるオーガンジーのセットアップ、ギンガムチェック、かぎ針編みのレースそのもの、またはそれを柄にしたプリントなど、どこか素朴な中にも洗練された表現が見ていて楽しい。バストラインからフレアに広がるシルエットは禁欲的かつロマンティックな雰囲気。頭にぽんと乗せられた、コック帽のようにボリュームのあるストローハットはコレクションのユニークさを際立たせる。全体を通して、生成り、グレー、モカ、黒をメインに、色数少なく、落ち着きのあるカラーでまとめられた。
2014年10月21日「ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME des GARCONS)」の15SSコレクションはポップでサイバー、底抜けに楽しいショーだった。テーマ「グラフィックマーチ」。先シーズン用いたパッチワークの技法を今回も採用。サークルが幾重にも連なり、重なった部分は色を替えて別布で切り替える。ビニル素材やポリエステルオーガンジーと接ぎ、軽やかな雰囲気。折り紙のように折られたかに見えるサークルやトライアングルが連続するワンピースはすべて縫ってパッチワークされたもの。明るい赤・青・黄の色合いと手の込んだディテールがかつての「テクノクチュール」コレクションを思い起こさせる。後半にはこれらのパッチワークがプリントになって登場。ブランドの定番であるライダースジャケットがプリントされたトロンプルイユカットソーも。カットソーに無理やり縫い付けたようなサークルの袖がユニークだ。
2014年10月17日「コム デ ギャルソン(COMME des GARCONS)」の15SSコレクションは真っ赤だった。デザイナー・川久保玲が掲げたテーマは「Roses and Blood(血とバラ)」だ。ボーンとテープのみで構築したルック、ギャザーや縫い重ねたフェイクレザーにより布を積層したドレス(バラの花弁だろうか?)、詰め物で抽象的な紋様を描き出したドレス、血しぶきのようなプリント、臓物を抉り出したかのようなディテール、テープから滴り落ちるコサージュ、フリルを幾重にも巻き付け上下半身に作り出されたバラ、全体的に不規則なボリュームとバランス……美しい花の裏に潜む狂気を描いたかのようだ。2シーズン前から続く非ウエアラブルなコレクションで川久保は何を訴えたいのだろう。ただただ怒りのみを感じる。
2014年10月15日コム デ ギャルソンが展開するブランド、「ノワール・ケイ ニノミヤ(noir kei ninomiya)」が14-15AWコレクションをそろえるポップアップショップを7月30日、伊勢丹新宿店3階にオープンした。期間は8月5日まで。シーズンごとのテーマを特に設けないブランドだが、14-15AWコレクションは「黒くて静か、そして力強い。同じ“黒”の中にも動きと奥行きがある」(デザイナー・二宮啓氏)をキーワードに製作。新たなテクニックとして、布にリングを通して、服とアクセサリーを一体化させる技法を取り入れ、普通の縫製とは違う“違和感”の表現に挑戦したという。会場では、コム デ ギャルソンのデザイナー・川久保玲がデザインした漆黒の格子の中にガーメントが並ぶ。約70型あるコレクションのうち、20から30型を販売。腕から背中に掛けてフェイクレザーを重ね、シルエットを立体的に出したライダースジャケット(18万5,000円)、前見頃にプリーツ加工と丸いパンチングを施したドレス(9万4,000円)、キルティングスカート、レースのロングスカートなど、ブランド名でもある「ノワール(黒)」のアイテムがそろった。黒の中に素材や技法・加工を駆使して様々な表情を生み出している。13SSの発足から1年半が経ち、徐々に取扱店舗が増えている同ブランド。今シーズンから西武渋谷でも販売を開始。ドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)では1フロア下り、5階に常設スペースができた。アジア・ヨーロッパなど海外からの客も増えており、8月にはパリの老舗百貨店・ボンマルシェのイベントで扱われる。二宮氏は「日常生活に取り入れにくいデザインもあると思うが、これからも、服に対しての驚きと、着た時のドキドキ感を伝えていきたい」と話した。
2014年07月30日「コム デ ギャルソン・オム(COMME des GARCONS HOMME)」が7月29日、15SSメンズコレクションショーを開催した。デザイナーは渡辺淳弥。前半はチャコールグレーや深いネイビー、黒のスーツやセットアップスタイルがメイン。全体的に細めのシルエットで、パンツ丈は短い。細かいチェックやボーダーのシャツは淡く明るいカラーだ。素足にレザーシューズを履いたスタイリングで爽やかな夏のテーラードを提案した。後半は、ハーフパンツのセットアップや白のステッチを効かせたインディゴのブルゾン、ボーダーのカーディガンやパンツなど。マリンテイストを含んだリラックスしたカジュアルな雰囲気。今季の特徴は、アイテムを仕立てた後に加工を施すことで、新たな表情を作り出したこと。ベジタブルコーティングで古着のような風合いを出した綿麻のアイテム、パーカやブルゾンなどに使用されたナイロンも紙のような質感、後染めのスニーカーなどが登場した。毎回様々なブランドとコラボレーションするコム デ ギャルソン・オムだが、今季は1035年創業のイタリアブランド「シーラップ(Sealup)」とのボンディングコートを製作した。
2014年07月30日パリのショールームでショーを開催した「コム デ ギャルソン・シャツ(COMME des GARCONS SHIRT)」。メンズシャツに使用されるオーソドックスなストライプと、鮮やかな色を対比させ、凝ったアイテムを交えながらポップでフレッシュなコレクションを見せた。ヴィヴィッドカラーのパッチワークシャツや、星等のモチーフを縫いつけたピンストライプのシャツには、ロールアップさせたパンツやバミューダをコーディネイト。サイケデリックな色合いのプリントは、ブルックリンを拠点に活動するアーティスト、マイク・ペリーとのコラボレーション。ケープのように両サイドが開いたシャツは、このブランドらしい斬新なアイデアによるもので、一際印象的だったアイテム。清涼感溢れるストライプジャケットのシリーズでショーは終了。ビーチや避暑地をイメージさせ、会場は最後までオプティミスティックな雰囲気に包まれた。
2014年07月23日7月1日発売のメンズカルチャーマガジン『アイスクリーム(EYESCREAM)』8月号(スペースシャワーネットワーク)は、メイン特集として「コム デ ギャルソン(COMME des GARCONS)」を取り上げる。題して特集タイトルは「99人によるコム デ ギャルソン(99 PERSPECTIVES on COMME des GARCONS)」だ。内容は、同誌がクリエーター99人に対し異なった質問を投げ掛け、彼らが自分にとっての「コム デ ギャルソン」を語るという単純明快なもの。同社がリクエストしたことは「同じことは繰り返したくない。やるなら新しい切り口を考えて欲しい」と、特集巻頭に掲げられている。よしもとばなな、ファレル・ウィリアムス、操上和美、森永邦彦、中村ヒロキ、蘆田裕史、高橋盾、真鍋大度、菊池武夫、妹島和世、大友克洋、猪子寿之、ヴァーバル、ジュリアン・ディス、栗野宏文、加茂克也、バジョウ、草間彌生、フィリップ・パゴウスキー等々コム デ ギャルソンとかかわりが深い者からニュージェネレーションまでが54ページにわたり登場。各々が対談・寄稿・ビジュアル製作など様々な形で“語る”。表紙のグラフィックは、アーティスト・河村康輔がコム デ ギャルソンにまつわる様々な印刷物をコピーして製作したもの。彼は以前大友克洋とコラボレーションしている。過去、『ハイファッション(high fashion)』『ペン(Pen)』『美術手帖』などで大きく特集されたコム デ ギャルソンだが、ストリート的側面が強いEYESCREAMという意外な雑誌と組むことになった。
2014年06月30日「プレイ・コム デ ギャルソン(PLAY COMME des GARCONS)」は4月9日から15日まで、伊勢丹新宿店伊勢丹新宿店本館1階=ザ・ステージにて「MARKET」をテーマにしたポップアップショップをオープンする。会場は異国のマーケットをイメージ。今イベント限定アイテムとしてブランド初披露となるリュック(1万7,000円)・バッグ(1万6,000円)の他、過去に製品化されたニットやコットンアイテムを解体し、リメイクしたトップス(2万8,000から3万円)、後染めのハンドメイドリメイクTシャツ(8,500から8,800円)、スニーカー(1万2,000円)などを用意。これらは青山のコム デ ギャルソン路面店でも展開されない予定。どのアイテムにもアイコンのハートマークがワンポイントで入る。9
2014年04月03日パリファッションウィーク中の3月3日、コム デ ギャルソン・パルファム パルファム(COMME des GARCONS parfums PARFUMS )の新香水「ウィステリア・ヒステリア(Wisteria Hysteria)」のローンチイベントがパリ・サントノーレ通りの同社ショップ、トレーディング ミュージアム・コム デ ギャルソンで行われた。このアイテムは帽子デザイナー、スティーヴン・ジョーンズと2回目となるコラボレーションフレグランス。香りは藤をベースに清楚かつ誘惑的、フューチャリスティックかつロココ、と相反する要素を追求したという。スティーブンとのコラボらしくミニハットケースに収められる。イベントでは今回のために製作されたムービーを披露。また、ジョーンズの過去作品もディスプレイ。アントニオ・ベラルディ、マーク・ジェイコブスらとのコラボハット等が並ぶ。日本では5月発売予定。1万6,500円。
2014年03月06日「コム デ ギャルソン・シャツ(COMME des GARCONS SHIRT)」が14-15AWコレクションを発表した。デザイナーは川久保玲。日本を中心に活動する仏出身アーティスト、ニコラ・ビュフ(Nicolas Buffe)とコラボレーションし、彼のグラフィックを用いたルックを多く見せた。ビュフは日本の漫画やアニメをモノクロのアールデコ調に落とし込んだ作風が特徴。その独特なキャラクターがプリントされたシャツや、Tシャツが披露された。シャツは多く展開され、前立てをフリルで切り替えたもの、タックを取り、フレアを入れたものなどパターンに凝ったものも登場した。
2014年02月08日「コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME des GARCONS HOMME PLUS)」が14-15AWコレクションを発表した。デザイナーは川久保玲。ポケット部分に穴が穿たれたジャケットを多く披露。穴からは内に着たシャツのフリルが覗く。この穴はジップでも表現される。今回のテーマは「holy(神聖な)jacket」。このholyは穴(hole)との言葉遊びともとれる。ジャケットのバリエーションは様々に提案され、ポケット口を別布で切り替えたもの、チェンジポケットを複数配したものや、背面に抽象的な紋様縫い付けたものが登場した。ラペルのみのベストを上から羽織ったルックなど、レイヤードでも遊ぶ。ボトムはかなりゆとりのあるワイドパンツが目を引いた。
2014年02月05日コム デ ギャルソンは12月21日、米・ニューヨークに「ドーバー ストリート マーケット ニューヨーク(Dover Street Market New York)」(160 Lexington Avenue New York, NY 10016)をオープンした。ロンドン、北京、銀座に続く4店舗目。店舗コンセプト&ディレクションを手掛けたのは川久保玲。マンハッタンの住宅街キップス・ベイ地区に位置するニューヨーク女子美術工芸大学をリノベーションした。この地区は飲食店などがまばらにある程度で、いわゆるファッションエリアではない。ショップは総面積1,674平方メートルで地上7階を占める。川久保氏が「私は様々なバックグラウンドを持つクリエーター達が、“美しいカオス”のコンセプトのもとで集い、新たな価値を創造するようなマーケットを作りたい」とコメントを発しているように、店内は様々なコンテンツで埋め尽くされる。1階からそびえる3本のアートタワーが、銀座店の名和晃平のアート作品のようにカオスの中でも全体の統一感を均衡。エレベーター手前のロンドン フィールドワークス(London Fieldworks)によるウッドパネルを施した「Spontaneous City NY」とマグダ サイエグ(Magda Sayeg)によるカラフルな「Everlasting Gobstopper (Alcohol inducing)」が6階まで貫き、レオ スーエル(Leo Sewell)による様々なマテリアルで装飾された「Rap Wrap」は7階まで届く。階段周りにはアラカワ&ギンズ(Arakawa&Gins)によるアートトンネル、視覚だけでなく聴覚にも訴えるためサウンドアーティストのカルクス・ヴァイヴ(Calx Vive)の音響作品が至る所にあるオブジェから放たれる。その中で扱われるのはコム デ ギャルソン社の各ブランドの他、「アライア(Alaia)」「ダニエラ・グレジス(Daniela Gregis)」「ジル・サンダー(Jil Sander)」「J.W.アンダーソン(J.W.Anderson)」「パコ ラバンヌ(Paco Rabanne)」「ラフ シモンズ(RAF SIMONS)」「サカイ(sacai)」「サンローラン(Saint Laurent)」「シモーネ ロシャ(Simone Rocha)」「トム ブラウン(THOM BROWNE.)」「ビズビム(visvim)」などだ。また今回、ドーバー初取り扱いとなる「プラダ(PRADA)」の売り場が最上階に設けられた。プラダはアップデートしたアーカイブコレクションを特別に製作。更にルイ・ヴィトンが1階イベントスペースに3ヶ月間の期間限定店舗を出店中。その他、4階にはヤングデザイナーのコーナーが設けられインキュベーションの機能も持つ。もちろんロンドン、銀座にも出店しているオーガニックカフェ「ローズベーカリー(Rose Bakery)」も出店。1階と中2階を占める。コム デ ギャルソンブランドのスペースでメインに用いられた内装材はウッド。そこには世界に先駆けて2014年春夏の商品が並ぶ。オープンを記念し、「シュプリーム(Supreme)」のTシャツ、「マスターマインド×ブラック・コム デ ギャルソン×ドーバー ストリート マーケット ニューヨーク」のスウェット、パーカ、Tシャツなどをエクスクルーシブで発売。当日にはショップ周囲にぐるりと長蛇の列ができた。今後の同地区の変貌に注目が集まる。
2013年12月24日「プレイ・コムデギャルソン(PLAY COMME des GARÇONS)」は、コンバースとコラボレーションした新スニーカーを発売した。ローカット(1万4,175円)とハイカット(1万4,700円)の2モデル。コンバースのバスケットボールシューズ“プロレザー(PRO LEATHER)”をカスタマイズし、アッパーにブランドのシンボルマークであるハートを全面にプリント。白と黒の2色展開。サイズは1cmピッチで22から29cmまで用意。全国のコムデギャルソン店舗にて扱われている。
2013年07月17日アパレル・ブランド「コム・デ・ギャルソン」のクリエイティブ・ディレクターを務める川久保玲が、「エルメス」と提携して同ブランドの定番シルクスカーフ「カレ」の限定バージョンとなる新作スカーフ・コレクション「コム・デ・カレ」を手がけることになった。同コレクションのデザインにあたって、川久保さんは「私は常にエルメスの伝統と職人技を尊敬してきました。今回のコラボレーションでは、身に着けるものとしてのスカーフという概念ではなく、むしろエルメスのカレが持つ美しいアートワークに導かれていったと言えます。そして、その美しさに抽象的なイメージと共に新たなエレメントを加えることで、私たちはユニークで全く新しいスカーフに仕上げることができたと思っています」と自信を覗かせる。抽象的なパターンが描かれたモノクロのファースト・コレクション「ノワール・エ・ブラン」は5種類での展開で、東京、ニューヨーク、パリのコム・デ・ギャルソンの店舗にて発売される予定だ。続いて、鮮やかな色に染められた6種類展開のセカンド・コレクション「クルール」は、川久保がロンドンにオープンさせたセレクトショップ「ドーバー・ストリート・マーケット」にて販売されるという。エルメスが「カレの伝統を覆した」と評する同コレクションは両方とも、来年2月より販売が開始される予定だ。
2012年11月27日