1960年代以降、主にアメリカで展開した美術の潮流「ミニマル・アート」と「コンセプチュアル・アート」について紹介する展覧会『ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術』が、10月9日(土)よりDIC川村記念美術館にて開催される。レンガや金属板、蛍光灯といった工業用素材や既製品を使用し、正方形や立方体などの単純で幾何学的な形態やその反復による構造が一般的な特徴として挙げられるミニマル・アート。作家の感情の痕跡や装飾性などを排除し、その物質性に焦点をあてる表現だ。ミニマル・アートに続いて現れ、同時代に拡がりを見せたコンセプチュアル・アート。芸術にとって最も重要な要素はアイディアやコンセプトだと考え、特定の形態に限定されることなく、言葉や、写真、映像、印刷物、日用品、自然物、さらには作家自身の身体など多様なメディアや形式が用いられてきた。こうした新しい傾向をもつ芸術を紹介する国際的な拠点のひとつとなったのが、コンラート・フィッシャーが1967年にデュッセルドルフに開いたギャラリーだった。フィッシャーはアメリカやヨーロッパの若いアーティストたちをデュッセルドルフに招き、現地で制作をさせるというそれまでにないプロセスで展覧会を実現。妻のドロテとともに、展覧会を手がけた作家たちの作品を蒐集し、同時に書簡や指示書、展示のためのドローイングといった多彩な資料も記録、保管してきた。同展では、故フィッシャー夫妻のコレクションを収蔵したノルトライン゠ヴェストファーレン州立美術館の全面協力のもと、1960年代から70年代のミニマル・アートとコンセプチュアル・アートを中心とした貴重な作品や、その生成を紐解くアーカイブを展覧。さらに、国内所蔵の主要作品を加え、異なる主張や特性を有しながらも、芸術とは何かを問い直し、今日のアートにも多大な影響を与えたこれらの芸術動向を振り返る。出品作家(予定):カール・アンドレ/リチャード・アートシュワーガー/ローター・バウムガルテン/ベルント&ヒラ・ベッヒャー/マルセル・ブロータース/スタンリー・ブラウン/ダニエル・ビュレン/ハンネ・ダルボーフェン/ヤン・ディベッツ/ダン・フレイヴィン/ギルバート&ジョージ/河原温/ソル・ルウィット/リチャード・ロング/ブルース・ナウマン/ブリンキー・パレルモ/ゲルハルト・リヒター/ロバート・ライマンコンラート・フィッシャーとギルバート&ジョージ(デュッセルドルフ、プラターネン通り、1973年11月) Konrad Fischer Galerieドロテ・フィッシャーとコンラート・フィッシャー 1969年 Photo: Gerhard Richter【開催概要】『ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術』会場:DIC川村記念美術館会期:2021年10月9日(土)~2022年1月10日(月・祝)時間:10:30~16:00(入館は15:30まで)休館日:月曜日(1月3日・10日は開館)、12月25日(土)~1月1日(土)料金:一般1,300円、学生・65歳以上1,000円、高中小600円公式サイト: ※事前予約制※2022 年1月下旬より愛知県美術館、3月末より兵庫県立美術館 に巡回予定
2021年10月07日企画展「ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術」が、千葉のDIC川村記念美術館にて、2021年10月9日(土)から2022年1月10日(月・祝)まで開催される。その後、愛知県美術館、兵庫県立美術館に巡回する。ミニマル・アートとコンセプチュアル・アートを中心に紹介ドイツのデュッセルドルフで1967年にギャラリーをオープンしたコンラート・フィッシャーは、同時代の新しい芸術動向をいち早く紹介し、ミニマル・アートとコンセプチュアル・アートの国際的な展開において重要な役割を担った。本展では、フィッシャー夫妻のコレクションを所蔵するノルトライン゠ヴェストファーレン州立美術の協力のもと、1960年代から70年代のアメリカとヨーロッパにおける、ミニマル・アートとコンセプチュアル・ アートを中心とした作品など約100点を紹介する。ミニマル・アートは、1960年代に主にアメリカで興った美術潮流だ。その特徴には、レンガや金属板、蛍光灯などの工業用素材や既製品の使用と、正方形や立方体といった単純で幾何学的な形態やその反復に基づく構造が挙げられる。作品からは作家の感情などを排することで、その物質性が前景化されることになる。一方でコンセプチュアル・アートは、ミニマル・アートに続いて登場し、同時代的に展開。芸術の要素として、実際の制作物よりもアイディアやコンセプトを重要視するものであり、表現媒体にも、言葉をはじめ、写真、映像、印刷物、日用品、自然物、そして作家自身の身体などが多岐にわたって使用された。コンラート・フィッシャーの画廊は、こうした新しい美術動向を紹介する国際的な拠点のひとつとなった。フィッシャーは、完成した作品を海外から輸送するよりも、作家本人をデュッセルドルフに招いて現地で作品を制作したり、作家による指示書に基づいて展示設営を行ったりと、斬新なプロセスで展覧会を手がけたのだった。本展では、ソル・ルウィットやロバート・ライマン、ダン・フレイヴィン、河原温、ダニエル・ビュレンなど、1960年代から70年代のミニマル・アートとコンセプチュアル・アートを中心とした作品に加えて、その生成をひもとく資料も紹介。さらに、国内所蔵の主要作品も展示し、今日の美術にも大きな影響を及ぼしたこれらの芸術動向を再考する。展覧会概要企画展「ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術」会期:2021年10月9日(土)〜2022年1月10日(月・祝)会場:DIC川村記念美術館住所:千葉県佐倉市坂戸631開館時間:10:30〜16:00(入館は15:30まで)休館日:月曜日(1月3日(月)・10日(月・祝)は開館)、12月25日(土)〜1月1日(土)入館料:一般 1,300円、学生・65歳以上 1,100円、小中学生・高校生 600円※事前予約制■出品作家(予定)カール・アンドレ、リチャード・アートシュワーガー、ローター・バウムガルテン、ベルント&ヒラ・ベッヒャー、マルセル・ブロータース、スタンリー・ブラウン、ダニエル・ビュレン、ハンネ・ダルボーフェン、ヤン・ディベッツ、ダン・フレイヴィン、ギルバート&ジョージ、河原温、ソル・ルウィット、リチャード・ロング、ブルース・ナウマン、ブリンキー・パレルモ、ゲルハルト・リヒター、ロバート・ライマン■巡回情報・愛知県美術館会期:2022年1月22日(土)〜3月13日(日)住所:愛知県名古屋市東区東桜1-13-2・兵庫県立美術館会期:2022年3月26日(土)〜5月29日(日)住所:兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1(HAT神戸内)【問い合わせ先】TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)
2021年09月03日