科学の進歩は病気で苦しむ人にとっては本当にうれしく、ありがたいことに違いありません。今回は、最新の研究によって明らかになったグリア細胞の働きに注目します。この新事実によって私たちはどのような恩恵を受けることができるのでしょうか?睡眠障害とグリア細胞の関係私たちの脳の中には「グリア細胞」と呼ばれる細胞が存在します。これは脳内の神経細胞以外の細胞のことで、脳の免疫の修復などさまざまな働きをしています。文部科学省脳科学研究戦略推進プログラムの一環として行われたマウスを使った研究によって、このグリア細胞の機能不全が睡眠障害やうつ病にみられる異常行動を引き起こす、ということが判明したそうです。一体どのようなことなのか、研究内容をかみくだきながら少し詳しくみていきたいと思います。マウス実験で判明したこと人間の脳は、主に神経細胞とグリア細胞の2つで構成されていると言われています。数としては、グリア細胞のほうが多いそうですが、この細胞が精神疾患や神経疾患に対してどのような役割を担っているのかについてはわからないことがたくさんあったそうです。そこでグリア細胞を人為的に欠損させたマウスを用いて実験したところ、正常なマウスに比べてうつ病患者に多くみられる入眠からレム睡眠までの時間短縮やレム睡眠時間の延長などが現れたそうです。このことから、グリア細胞の機能不全が睡眠障害やうつ病の症状に似た異常行動を引き起こす可能性を示唆しているとの結論に至ったそうです。新たな抗うつ薬の開発に期待グリア細胞の働きが明らかになったことで今後は、現在の薬よりも副作用の少ない抗うつ薬の開発が期待されています。抗うつ薬の副作用で現在苦しんでいる人には、近い将来、うれしいニュースが届くかもしれませんね!この研究結果は昨年末、アメリカの科学誌 Journal of Neuroscience(ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス)のオンライン版で発表されたそうです。今後、ますます睡眠の研究は進んでいくことは間違いないでしょう。不眠や睡眠障害で苦しむ人達を少しでも助けられるような研究結果が発表されることを楽しみに待ちたいですね。Photo by David Compton
2015年05月06日イギリスが誇る大女優ジュディ・デンチが主演し、国際映画祭で多くの観客の心をつかんだ感動作『あなたを抱きしめる日まで』。アカデミー賞を受賞した『クィーン』や『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』などを手がけたスティーヴン・フリアーズ監督の最新作で、すでにジュディが2014年のアカデミー賞主演女優賞最有力候補に挙げられるなど、注目を集めている本作のポスタービジュアルが到着した。10代で未婚のまま妊娠して家を追い出されたフィロミナは、修道院に入れられ、男の子を出産する。しかし、アンソニーと名付けた我が子とフィロミナが会えるのは1日1時間だけ。やがて、アンソニーは3歳で養子に出されてしまう…。50年後、フィロミナは隠し続けてきたその秘密を娘のジェーンに打ち明ける。アンソニーを思い続ける母のため、ジェーンはBBCをクビになった元エリート記者のマーティンに話を持ちかける。愛する息子にひと目会いたいフィロミナと、再会を果たす親子の記事に再起をかけるマーティン。全く別の世界で生きてきた2人の旅が始まる――。原作は、イギリスで出版されたアイルランド人主婦の実話。生き別れた息子を探すため、わずかな手掛かりを頼りにアメリカに渡り、真実を見出した彼女の姿を映画化した本作は、ヴェネチア国際映画祭脚本賞、トロント国際映画祭観客賞次点を受賞。「会場は拍手と喝采の嵐で大いに沸いた。これほどまでに大きな称賛はヴェネチア映画祭史上初に違いない」(英タイム誌)、「本作がこれから確実にアカデミー賞に絡んでくるであろうことを観客が証明している」(ロサンゼルス・タイムズ)など、各国のメディアからも絶賛された。今回公開されたのは、ジュディの柔らかく包み込むような笑顔がチャーミングで、心が温かくなるビジュアル。教育はないが愛情にあふれたフィロミナと、セレブから転落したマーティン、まるで『最強のふたり』のように正反対な2人の間に生まれる不思議な友情が生まれる。フィロミナとマーティンの旅の中で描かれる母親の深く切ない愛、親子を引き裂いた真実、人生の大切なものを見つける姿にあなたもきっと心を打たれるはず。『あなたを抱きしめる日まで』は2014年3月15日(土)より全国にて公開。(丸山こずえ(cinema名義))
2013年11月22日