新生児期の育児を分担しているご家庭で、パパが深夜育児を担当していたらノイローゼになってしまったという投稿がTikTokで話題に。投稿者はゆみみンゴTVという夫婦YouTuberで、パパのけんごさんは赤ちゃんの泣き声に怒りを感じてイラついてしまい、「パパ失格だ」と思わず漏らしてしまう…。そんな時に妻からかけてもらった言葉で救われたと語っています。この投稿には「この夫婦ほんとに憧れる」「ノイローゼになるくらい子育てをしてくれている素敵なパパさんです」「育児に悩んでる時に、大丈夫だよと夫に言われるより、辛いよねわかるよと言われたかった」などと、さまざまなコメントが寄せられました。育児のどんなことがつらかったのか、ノイローゼになった際はどういった心境だったのか、夫のゆみみンゴTV・けんごさんに話を聞きました。■「静かにしてくれ!」という怒りが…泣き出す娘にイラつく自分に激しく後悔――深夜に家事育児のたくさんのタスクをやりすぎていたとのこと。どのように話し合い、分担を決めていたのでしょうか?【けんご】生後3ヵ月までは、妻と分担し、時間を分けて家事と育児をやっていました。夫の私はもともと夜型人間だったので、夜22時~翌朝6時頃までを自分の担当時間に振り分けていました。朝起きたときには少しでも家事を減らしておいて、妻の負担を少なくしたいと考えていたため、結果的に深夜のタスクが増加してしまいました。――「2ヵ月間、娘をかわいいと思える瞬間がなかった」と動画で奥さんに打ち明けています。言葉にするのは正直大変だったと思います。気持ちを伝えるのに、どのくらいの勇気が必要でしたか?【けんご】心の疲れがピークになった際に妻が寄り添ってくれたことで、初めて育児の悩みを打ち明けられる状況になりました。「妻が自分の考えを聞いたときにショックを受けてしまったらどうしよう」という不安を抱えながら打ち明けたことを覚えています。――自分が“育児ノイローゼ”かも…と自覚したのは、どのようなときだったのですか?【けんご】娘が泣いているとイライラし始めるようになってしまい、その頻度と間隔が短くなってきたときに、育児ノイローゼを疑うようになりました。――そのときのメンタルの状態は?【けんご】次第に、娘が少しでも泣くと「静かにしてくれ!」という怒りが込み上げてくるようになりました。時間が経つと怒ってしまったことが悲しくなり、娘と向き合うこと自体にも苦手意識が芽生えるようになっていました。――「パパ失格やわ」と奥さんに伝えたとき、けんごさんの心境はどのようなものだったのでしょうか?【けんご】特に、自分が抱っこをしているときに娘が激しく泣き叫び、妻に抱っこを代わった瞬間に安心したように娘が眠ったときに、“パパ失格”と強く感じました。「パパっ子になってほしい」と思って、自分なりに育児に向き合っていた中での出来事だったため、非常にショックでした。娘は生後2ヵ月にして「もう自分のことを怖がっているんだ」と思い込んでいましたね。■妻が認めてくれたことが心の支えに「妻の愛のおかげで生きていける」と感謝でいっぱい「パパ失格だ」と悩むけんごさんに、「娘が泣いているのにも理由がある」「本気で育児をやっていなかったらそんなに悩まないから、ちゃんと育児に向き合っている証拠だ」とママさんからも想いが伝わる言葉が…。「そう言ってもらえることが一番うれしかった」とけんごさんも振り返っています。――奥さんから言葉をかけられたときは、どんな気持ちになりましたか?【けんご】世間一般的には「育児は親としてやって当たり前」という考えがあるため、会社の仕事のように、誰かに褒められたり感謝されたりはしないものです。そんな中で、妻が自分の頑張りを認めてくれたことは大きな心の支えとなりました。――育児に対する向き合い方も変わった?【けんご】逆に、「無理しないでね」とか「頑張れ」といった言葉は、当時の私にはきっと響かなかったと思います。育児において、誰かに頑張りを認められたり感謝されたりすることは、とても大切なことだと感じました。――けんごさんが育児にここまで向き合える原動力は何だと感じますか?【けんご】命懸けで娘を出産してくれた妻への恩返しだと考えています。妻は10ヵ月間も大きなハンデを抱えながらお腹の中で赤ちゃんを守り、痛みと恐怖と闘いながら出産してくれました。妻が頑張ってくれた分、自分がママになる覚悟で育児も全力で向き合いたいと考えています。――パパの育児に対する世の中の印象は「ママより積極的ではない」という部分もまだ多い中、けんごさんの考え方のどのような点に違いがあると感じますか?【けんご】自分が今こうして家庭を築いて幸せに過ごせているのは妻のおかげです。「妻の愛のおかげで自分は生きていけるんだ」という思いを持っているため、育児にも積極的に取り組めていると思います。――けんごさんが思い描く夫婦関係の理想像は?【けんご】お互いがリスペクトし合い、感謝し合える関係であり続けること。リスペクトの気持ちを持てば相手の意見を尊重できますし、辛いときにも相談することができます。夫婦間のコミュニケーション量は円滑な関係を築くためにも必要不可欠で、リスペクトの気持ちがコミュニケーションを増やしてくれます。――ほかにも意識しているポイントはありますか?【けんご】パートナーと長期間一緒に過ごすと、“当たり前化”してくることがあります。お皿を洗ってくれた、洗濯物を干してくれたなどの家事もそうですし、パートナーの存在自体も当たり前に感じてしまうかもしれません。しかし、自分が今幸せに過ごせているのはパートナーのおかげ。「一緒にいてくれてありがとう」という感謝の気持ちを持って生活することは、いつになっても忘れてはいけないと考えています。
2024年04月20日■前回のあらすじ娘の勉強に対する姿勢にイラッとしたとき、薫は夫から言われた「凛は薫じゃない」という言葉を思い出す。さらに、自分の小学生時代を美化しすぎていたことに気づいて…。 >>1話目を見る たとえ気になることがあっても、その日の勉強内容については凛の意見を重視することにしました。そのうえで「これもやれたらいいなと思うけど、どうかな?」と話して、凛に断られた場合は素直に受け入れるようにしています。 勉強中の漫画も、怒ったところでさらに勉強しなくなるのはわかっているので、グッと堪えて見て見ぬふり。あまりに度が過ぎていたら、優しく声をかけたり、ドアをノックしたりするようにしました。 こうして家族仲は改善されましたが、凛の偏差値は下がったまま。受験まで、あと10ヶ月弱――。▼ 『ママ友の塾マウント・櫻島家の場合』 ※この漫画はフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ふゆ
2023年02月02日■前回のあらすじ娘の受験にまつわる不安を初めて吐き出すと、「俺も間違ってた」と反省する夫。しかし薫は、そんな夫に「頑張らず、ただ愚痴を聞いてくれればいい」と伝えて…。 >>1話目を見る 自分が小学生だった時にどんなことをしていたのか―それを考えるとけっして「自分だったらやってた」とは言えない日々でした。私の中では高校生や大学受験の頃の自分を基本として、凛のことを見てしまっていたのかもしれません。これまで自分もたくさん失敗しているのに、凛の失敗を見守ることができませんでした。そしてその後の私たち家族は…。次回に続く(全11話)毎日更新!▼ 『ママ友の塾マウント・櫻島家の場合』 ※この漫画はフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ふゆ
2023年02月01日■前回のあらすじ「娘は本当に受験をしたいのか」と考え込んでいた薫に、優しく声をかける夫。実は、同僚に中学受験経験者がいるらしく、薫が追い詰められているのではとアドバイスをくれたようで…。 >>1話目を見る 夫が同僚から聞いた話は、今まさに私が陥っている状況と同じでした。母親が始めた受験という責任を自分で背負い込まなければいけない…ずっとそう思っていたのですが…。私は夫が受験の勉強管理も塾との面談もしてくれないことに文句を言っていましたが、同時に私に任せてくれてくれたことに感謝もしていたのです。おそらくすべてを把握して仕切りたい私は、夫が請け負ってくれても結局自分の意見を通したくなってしまうから…。私が本当に欲しかったのは、娘の伸びない成績への憤り、合格できないかもしれない不安を一緒に共有してくれて、「大丈夫だよ」と言ってくれる一言だったのだと、夫と話していてわかりました。そして夫はひとつの約束を守ってほしいと言ってきて…。次回に続く(全11話)毎日更新!▼ 『ママ友の塾マウント・櫻島家の場合』 ※この漫画はフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ふゆ
2023年01月31日■前回のあらすじ「受験のために、自分だって我慢していることがたくさんあるのに…」と薫はやる気を見せない娘にイライラしてしまう。それでも気を落ち着かせ、あらためて娘に「中学受験を続けたいのか」と聞こうとするが話せなくて…。 >>1話目を見る 凛に中学受験を続けたいのか、凛の本当の気持ちを聞くことはできませんでした。自分自身の軸がグラグラしていて、今聞いてしまうと「中学受験をやる」という方向性に私が持って行ってしまいそうな罪悪感もあったのです。すると、そんな時に…。毎日家で私の叱る声や凛の怒鳴り声がして、夫も困っていたのでしょう。夫は、中学受験の経験者である同僚に相談したようです。すると中学受験でこんなにも悩み、落ち込み、自分はダメな母親だと思ってしまう人は多いということを認識してくれたようで…。次回に続く(全11話)毎日更新!▼ 『ママ友の塾マウント・櫻島家の場合』 ※この漫画はフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ふゆ
2023年01月30日■前回のあらすじ塾の面談で、テストの点についてプレッシャーをかけすぎていると指摘された薫は、娘の腹痛の元凶が自分にあるのだとショックを受ける。一方で、いつまで経っても受験に本気を出さない娘に不満もあって…。 >>1話目を見る 塾から「子どもには相当なストレスがかかっている」と言われたけれど、私の目の前にいる娘は漫画を読んで勉強をサボっているようにしか見えない。そんな凛を見ていると、どうしてか私がイライラしてしまい…。自分がイライラしているのをなんとか押し殺して、勉強での小言を言わないようにすると、久しぶりに凛がリラックスしていました。こういう時間を作ることがきっと私の役目…そう思うのですが、自分が凛をあたたかく見守れる度量がない…。どうしたらこの苦しさから抜け出せるのか、凛と夫の顔を見ながら考えていました。次回に続く(全11話)毎日更新!▼ 『ママ友の塾マウント・櫻島家の場合』 ※この漫画はフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ふゆ
2023年01月29日■前回のあらすじ受験と向き合えば向き合うほど、自分が娘を追い込んでいるのではないかと自己嫌悪に陥る薫。そんなある日、テスト前になると凛が腹痛を起こすようになったと塾から呼び出されて…。 >>1話目を見る 「宿題は?」「テストの間違い見直しした?」「工業地帯の名前覚えようか」…そんな声がけに対して、娘は「わかってる! 後でやるから!」と返事するのですが…全然やってくれない。「子どもは『勉強しなければいけないこと』をわかっている」と先生が言っていましたが…わかっているだけじゃ意味ない…どうしたら実行に移せるのでしょうか。でもプレッシャーで体調にまで異変が出ている娘。私はどうしてあげればいいのか。私は暗闇の中でひとりもがいているような気持でした。次回に続く(全11話)毎日更新!▼ 『ママ友の塾マウント・櫻島家の場合』 ※この漫画はフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ふゆ
2023年01月28日■前回のあらすじ娘の成績を上げることで頭がいっぱいの薫は、考えに温度差のある夫と言い争いになってしまう。娘に優しい言葉をかける夫の横で、自分は“鬼のような顔”をしていることに気づいた薫だが…。 >>1話目を見る 「成績のことしか見ていない母親」「中学受験で頭いっぱいの母親」…凛も夫も私のことをそんな風に見ているかもしれません。私自身も今の自分の姿は嫌い。でも、私が投げ出してしまったらすべてが終わってしまう気がして、自分がやるべきことをやらずにはいられませんでした。凛が6年生になってから家庭内の雰囲気は悪くなる一方で、自分でも自分のことを「鬼みたい」と思うようになっていました。 私は中学受験をして入学した学校での生活は楽しかったし、一生の友人もできて、すごく満足しています。凛にも同じ経験をさせてあげたいと思ったのですが、凛は望んでなかったのかも…と悩む日々。そんな中、塾から呼び出しの電話がかかってきたのです。次回に続く(全11話)毎日更新!▼ 『ママ友の塾マウント・櫻島家の場合』 ※この漫画はフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ふゆ
2023年01月27日■前回のあらすじ勉強するよう約束していたにもかかわらず、娘のノートは真っ白。そんな娘に大声をあげると、夫に「追い詰めすぎだ」と言われてしまう。しかし塾も学校もサポートしている薫は、何もしないのに文句を言う夫に不満もあって…。 >>1話目を見る 私だって娘を怒りたくて怒っているわけじゃない。怒らなくても成績が上がるならそうしたい…。そう思っているけれど、のんびりしている娘にどうしてもイライラしてしまう。その1日、1時間を大切にすれば、成績が伸びていくはず…そう思うと、焦る気持ちが止められませんでした。私の目の前にいたのは、何も見えていないかのような虚ろな目をした娘でした。よく笑ってお友だちのこと、勉強のことを話してくれていた娘の姿はそこにはなく…。「私立中学に行けば6年間も好きなことに熱中できる」「整った設備の中で、充実した学生生活を送ることができる」…そんな希望を娘に話して始めた中学受験。それなのに家族の心はバラバラになってしまったのです。次回に続く(全11話)毎日更新!▼ 『ママ友の塾マウント・櫻島家の場合』 ※この漫画はフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ふゆ
2023年01月26日■前回のあらすじ小学校の保護者会は、中学受験の話題で持ち切り。親としてのプレッシャーに押しつぶされながらも、娘の成績を上げようと必死になる薫だったが、親子関係はますます悪化して…。 >>1話目を見る 平日は塾と家で勉強している凛。毎日の予定は組んであるものの私が見ていないと、ちゃんと進めているのか不安でした。夫は公立中高出身で、勉強よりも部活中心に生きてきた人。凛の中学受験は「やらなくてもいいんじゃない?」というスタンスでしたが、私の熱意もあって、「凛がやりたいなら」と特に反対もしませんでした。 夫婦の間では初めから受験に対する温度差があり、経験者である私に凛のサポートは一任されていたのですが…。次回に続く(全11話)毎日更新!▼ 『ママ友の塾マウント・櫻島家の場合』 ※この漫画はフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ふゆ
2023年01月25日■前回のあらすじ娘・凛の偏差値が一気に下がってしまい、焦る日々。しかし凛は、中学受験経験者の薫に対して「私はママみたいに優等生じゃない」と反抗的な態度ばかり取って…。 >>1話目を見る 凛のことを思えば思うほど、凛との関係は悪化するばかり…。凛を信じて前を向こうと思っても、すぐに私の頭の中には受験の不安ばかりがいっぱいになってしまい、次第にストレスが溜まっていきました。次回に続く(全11話)毎日更新!▼ 『ママ友の塾マウント・櫻島家の場合』 ※この漫画はフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ふゆ
2023年01月24日■櫻島家のこれまでの話4年生になり、学習塾から中学受験塾に転塾することになった娘・凛。しかし、これまで仲良く学習塾に通っていた友達との間に、あるトラブルが起きてしまい…。4年生だった凛も6年生に。勝負の1年なのに、ここにきて成績に陰りが見え始めて…。親の言うことを素直に聞いていた頃と違って反抗期の凛は、私の言うことをなんでも否定するように。そして凛とは毎日衝突してしまい、関係も最悪に…。凛の前ではなるべく平静を装うように心がけていましたが、それも限界に近づいていました。次回に続く(全11話)毎日更新!▼ 『ママ友の塾マウント・櫻島家の場合』 ※この漫画はフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ふゆ
2023年01月23日夫婦喧嘩のあとから、何でもないときに涙が流れ、ボーッとすることが増え、食欲もなくなっていく。これって育児ノイローゼ…?「わかれちゃうと思って泣いちゃった……」壮絶な夫婦喧嘩のあと、子どもたちに心配されて気を持ち直すママ。しかし、そのあとから涙腺が壊れ、ボーッとする時間が増え、食欲もなくなり……。明らかにおかしくなっていく心。その様子を見たパパが、ついに異変に気づき……? うつ? 育児ノイローゼ? 「最近おかしいぞおまえ」はぁ!? 2日前に限界っだって相談したよね!?さすがに腹立たしいけど、やっと事の深刻さに気づいてくれた……? 次回、最終回! ついにパパに変化が……!? 著者:マンガ家・イラストレーター オニハハ。
2022年07月04日大人気サレ妻シリーズ、今回はトイレのサレ子さん(@sarekochan)さんの投稿をご紹介!「本当にあった怖い話よりも怖い不倫の話」第1話です。デキ婚してから優しくて尽くしてくれていた旦那が徐々に変わっていき、仕事に家事、育児の両立で大変な中、旦那は朝まで飲み歩く日々で…!?本当にあった怖い話よる怖い不倫の話出典:instagram子ども最優先の生活出典:instagram子連れ職場復帰出典:instagram独身気分が抜けず…出典:instagram第二子が生まれても旦那は独身気分が抜けませんでした。父性が芽生えない旦那と母親モードのサレ子さんの間にはどんどん溝ができてしまいました…。次回の配信もお楽しみに!(lamire編集部)(イラスト/@sarekochan)本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。"
2022年04月04日育児は心身ともに大変なことの連続です。「産後クライシス」や「育児ノイローゼ」に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。想定外の過酷な出産を経験したうずらさんもその一人。産後は実家へお世話になるも、実の母親から暴言を吐かれてしまいます。育児に協力的だと思っていた旦那さんからも理解が得られず、一人で育児と家事の両立をこなす日々を送り、ストレスは溜まる一方でした。さらに追い討ちをかけるように大災害が起こり、生活も一変。そんなうずらさんが「育児ノイローゼ」になるまでの過程、そして「育児ノイローゼ」を乗り越えるまでを綴ったコミックに、多くの方々から反響が寄せられました。■想定外の過酷な出産、実母からの心ない一言過酷な出産だったものの、無事に退院。うずらさんは1ヶ月実家に滞在することになりました。しかし実家に来た翌日から実母の態度が豹変。母親から心ない暴言を浴びせられたのです。心ない実母を見かねて、産後すぐに自宅へ帰ることにしたうずらさん。旦那さんも育児に協力的だったため大丈夫だと思っていたそうです。…この時までは。■たった1週間で旦那が音を上げるうずらさんが今思い出してもイラっとするという、旦那さんからの一言。産後誰にも頼れない方も多いかと思いますが、産んだばかりの女性の身体がどれだけズタボロなのか、旦那さんにはきちんと理解してもらことが大切だと、うずらさんは言います。しかし、当時のうずらさんは言いたいことを全て飲み込み、たった一人で家事育児を背負っていくことになってしまいました。■さらに、突然の大災害でこれまでの生活が一変!突然の大災害に見舞われ、車中泊することに…。疲れきってしまったうずらさん夫婦は、うずらさんの実家へ帰ることに。しかしやはり実母とはうまくいかず、うずらさんはさらに追い込まれていくのです。そんなうずらさんは、一体どのようにして育児ノイローゼを乗り越えたのでしょうか?夫・ちゃぼさんに育児の大変さを理解してもらえるよう取った”ある行動”とは?■育児が楽な人なんていない!育児に悩んだ人たちからの共感の声うずらさんの体験談に、共感できるという声が多数届きました。なかには「私だけじゃないんだなって救われた」という声も。・育児ノイローゼになっていく過程が、私と似ている部分があり、大変共感できました。・激しく共感。もう育児が楽な人なんていないと信じてる・うちの旦那もこんな感じだったのですごく思い出す。 出産の時は私がお腹痛くて転げ回ってるのに、私のベッドでいびきかいて寝てた。 一生忘れんわ。・共感できることがたくさんあります。 子育てに関して旦那さんと価値観が違うことが多く、私だけじゃないんだなって救われました。■産後・育児のここが辛い!大変!体験談も続々とくに初めての育児はわからないことだらけ。ストレスや不安を抱えながら育児を頑張っている方々からの体験談も多く寄せられました。・女の子を産んだら物凄く泣く子で、夜中も寝れなくて左耳が聞こえなくなってしまった。・初めての育児は何が正しいのか、自分がしているお世話は間違っていないのか、いつも不安でした。産後、自宅に戻ってきてしばらくは、夫以外会えなかったり、しゃべれなかったりが続き、他の人と話すことが怖くなってしまいました。・母乳はストレスからか生後5ヶ月辺りで出なくなり、完全ミルクで育ててた。ミルク与えるとよく寝るって言うけど全然。 本当によく泣く子で、泣き声聞くのもストレスになり抱っこしたまま一日過ごしたこともあった。・実母には夜泣きがうるさい、育児が下手と言われた上、1ヶ月検診では体重が減少。産院でミルクを足すように言われ、散々な育児スタートでした。■育児のストレスはどのように乗り越えた?そんな大変な育児を皆さんはどのように乗り越えたのでしょうか。「外に出る」「睡眠不足の解消」「なるべく家事を手抜きする」などストレスを溜め込まないことや、旦那さんや周りの方々に助けを求めることが、やはり大事なのではと思います。・産後1ヶ月が過ぎて少しずつ外に出れるようになると、1日中、家にいることをやめました。児童館や公民館や幼稚園のイベントに積極的に参加しました。外に出ることが大事だと思います。・睡眠不足がすぐに体調不良につながるタイプなので、休日は夫が色々やってくれて、その間寝させてもらっていました。振り返ると、子供が全然手のかからない子で、なんであんなにしんどかったんだろうと不思議です。・自分も元気になってやる気が出るまで、なるべく家事も手抜きをした。・ 近所に住んでた同年代のお母さんが子育て支援センターに誘ってくれて、助かった。相談できる先生もいるし、こんな施設がもっと増えたらいいなと思う。・大きくなるにつれ手がかからなくなりました。 卒乳も大変な思いせず、好き嫌いもなしでなんでも食べる。 イヤイヤ期も聞いてたほど酷くなかった。 もっと小さい時の大泣きを経験してたからか耐えられた。多くの反響が寄せられた「育児ノイローゼ」問題。うずらさんのように育児と家事の両立で大変な思いをしている方も多いと思います。旦那さんからの協力も得られず、さらには大災害で生活が一変してしまったうずらさんですが、その後、“ある行動”をきっかけに育児ノイローゼを乗り越えていくことになります。その行動とは!?気になる続きはウーマンエキサイトに掲載されています!▼育児ノイローゼになった話
2021年10月14日「育児ノイローゼになった話」第4話。夫が育児に不満を漏らし、鳥野さんはワンオペ育児状態に。昼も夜も娘さんにかかりっきりの生活になってしまいました。そして娘さんが生まれて3カ月経ったころ、娘さんとふたりきりのなか震災に見舞われて……。育児ノイローゼになった話 第4話 東日本大震災に見舞われた鳥野さん。部屋は物が倒れ散乱し、ライフラインもすべて止まってしまいました。仕事中の夫に電話はつながりません。 生まれたばかりの小さな娘さんとふたり、不安が募って……。監修/助産師REIKO
2021年08月26日「育児ノイローゼになった話」第3話。実家に1カ月滞在するはずが、母とのトラブルで実家の滞在期間2日で自宅へ戻ってきました。「育児は協力するから」自宅へ帰ること伝えたときそう言葉にした夫は、沐浴に夜間の授乳などたしかに育児に協力してくれていました。しかし自宅へ帰ってきて1週間、夫が本音をこぼして……!?育児ノイローゼになった話 第3話 「ねえ、なんで俺日中、外で仕事してるのに、夜中起きてミルクあげなきゃいけないの?」自宅に帰ってきて1週間が経ったころ、夫から言われた衝撃の言葉。朝が苦手な夫は、夜中に何度もミルクで起きることでまとまって眠れずストレスが溜まっていたようでした。 「協力するから」と言っていただけに、夫の言葉に衝撃を受けた鳥野さんですが、言い返すことができず、すべてひとりで背負ってしまうことに。 昼も夜も娘にかかりっきりの生活が始まりました。そして、数カ月がたったころ、鳥野さんの体に異変が――!監修/助産師REIKO
2021年08月25日「育児ノイローゼになった話」第2話。2010年に女の子を出産した鳥野さん。産後は絶対安静が必要で母子別室で過ごしていました。無事に退院し、鳥野さんは娘さんと一緒に実家へ。1カ月実家にお世話になる予定でした。帰省当初、娘を見て「あら可愛い」と言っていた母でしたが……。育児ノイローゼになった話 第2話 もともと、母との関係はあまりよくなかった鳥野さん。月日を重ねるうちに少しずつ関係は回復に向かっていましたが、赤ちゃんと一緒に帰省したことで母の生活環境が一変。目に見えて機嫌が悪くなり、ついには娘さんに心ない言葉を放つほどに。実家の滞在期間2日にして、鳥野さんは娘さんと自宅へ帰ることにしました。 自宅では、夫にも協力してもらいながら家事に育児に奮闘する日々。「育児は協力するから」という夫の言葉。これからも協力してくれるはずと、そのときは思っていました……。監修/助産師REIKO 著者:イラストレーター 鳥野うずら一児の母。フリーランスで漫画を描いています。
2021年08月24日「育児ノイローゼになった話」第1話。ブログやInstagramで家族との日常マンガやオリジナルマンガを掲載している鳥野うずらさん。第一子を出産してから、育児に追われる日々を送るなかで育児ノイローゼになってしまった経験をお持ちです。なぜ育児ノイローゼになってしまったのか、夫婦の関係は? 鳥野さんの体験談マンガを短期連載にてご紹介します。育児ノイローゼになった話 第1話 ※点滴は通常、前腕に固定します。 2010年の12月に待望の第一子を出産した鳥野さん。しかし、産後は絶対安静が必要な状態で、退院までわが子と同じ部屋で過ごすことはできなかったそうです。「赤ちゃん、抱っこしたい」と思っても、すぐに抱っこできない。生まれたばかりのわが子と離れ離れになるのは寂しいですよね。 そして無事に退院し、鳥野さんは赤ちゃんと一緒に実家へ帰省。何事もなく迎え入れてくれたはずの母でしたが……。監修/助産師REIKO 著者:イラストレーター 鳥野うずら一児の母。フリーランスで漫画を描いています。
2021年08月23日夫婦喧嘩のあとから、何でもないときに涙が流れ、ボーッとすることが増え、食欲もなくなっていく。これって育児ノイローゼ…?「わかれちゃうと思って泣いちゃった……」壮絶な夫婦喧嘩のあと、子どもたちに心配されて気を持ち直すママ。しかし、そのあとから涙腺が壊れ、ボーッとする時間が増え、食欲もなくなり……。明らかにおかしくなっていく心。その様子を見たパパが、ついに異変に気づき……? うつ? 育児ノイローゼ? 「最近おかしいぞおまえ」はぁ!? 2日前に限界っだって相談したよね!?さすがに腹立たしいけど、やっと事の深刻さに気づいてくれた……? 次回、最終回! ついにパパに変化が……!? 著者:マンガ家・イラストレーター オニハハ。
2021年06月06日産後のママには、心身の不調がつきものです。さらに、初めての育児に頭を悩ませてしまうママも少なくないことでしょう。今回は、ウーマンエキサイトに寄せられたエピソードを元に、ママたちの産後について考えてみたいと思います。■「産後体質が変わった…」体調不良に悩むママ続出多く寄せられたのが、「産後に思ってもなかったような体調不良に見舞われた」という体験談です。「緊急帝王切開だったため、大量出血し貧血でフラフラして面会謝絶。おなかの傷が痛くて、母乳育児の新生児を抱っこするのも大変でした」「陣痛2日半を経てからの緊急帝王切開でした。身も心もボロボロ。やっと退院できたと思ったら、原因不明の子宮内感染症になり、救急搬送。入院中は恐怖と不安で、悪夢ばかり見るし、今でもあの感覚は忘れません」「産後2日目くらいに、おっぱいがぱんぱんに張って、寝返りを打つのもつらいくらいでした。おっぱいが爆発しそうでした」「寝ぐずりが激しくて全く寝られなかった。自分の体調もすこぶる悪くて、肌荒れ、口角炎、カンジダ、ドライノーズ、記憶力の低下、高熱。全てがストレスでしんどかった」「産前から下半身にむくみが出ていたが、産後にかなり悪化しゾウのような足で、痛くて歩けなくなった。さらに、そのむくみの影響から、産後高血圧にもなっており、気づかず無理して赤ちゃんのお世話をしていたら大変なことになったかもしれないと医師に言われ怖かったです」「出産する度にぜんそくがひどくなり、2人目のときは、産後8ヶ月で肺炎とぜんそくが悪化して、2度入院。その後、一生ぜんそく薬を飲まねばならない肺になりました」「産後2ヶ月くらいの時、体がかゆくなり、たちまち体中にじんましんが! 皮膚科へ行くと、原因は疲れ。育児の寝不足やストレスで体が疲れてるらしい。授乳中で薬も飲めないため、塗り薬で対応。出産で体質が変わったみたい」ありとあらゆる種類の体調不良がママたちを襲っていることがわかります。産後のママは、育児に家事に上の子のお世話など、ついつい無理してしまいがちですよね。そんな無理がたたって、中には大きな病気を患った人もいるようです。産後の体調悪化に、つらい思いをしている人は少なくないようです。■「夜間授乳のたびに涙が止まらない…」産後うつになる人もまた、心の不調を抱えたママたちからのコメントも寄せられていました。「旦那の仕事が残業続きの中、産後赤ちゃんと4歳児の2人育児が始まり、育児ノイローゼになりました。悪露もなかなか止まらず、子どもをお風呂に入れるのも大変。赤ちゃんは今年の3月に産まれたのですが、新生児期にコロナの自粛がはじまり、息抜きができなかった」「産後、話し相手は仕事から帰った夫と実家との電話のみ。もともと休日はよく外出していたので、ものすごいストレス。子どもの泣き声で通報されるのが心配で、家事が中断するのもストレス。旦那に、あなたは仕事で気晴らしできていいよねと、嫌みを言ってしまったり、『産んだのは間違い?』と毎日悩みました」「産後、コロナのせいで面会は1日15分を1回だけに。夫に会えない寂しさと狭い病室でおかしくなって、過呼吸に涙が止まらず、1日中ずっとその状態。『家に帰りたい』と懇願して、退院できることになりました」「産後の入院中、風疹が流行で面会謝絶になり、外の世界と接触がなくなり、授乳もうまくできず、夜間授乳の時に涙が止まらなかった」「頻回授乳を頑張りすぎたせいか、肩と首の神経を痛めて産後1ヶ月で今まで感じた事のないような、ひどい頭痛に見舞われました。里帰りもせず、退院後ほぼワンオペで子育てをスタートした私は、息子のかわいさをかみしめるというよりも、どんなに自分の体調が悪くても生まれたてのか弱い息子を死なせてはならないという責任感の中で押しつぶされそうな思いで毎日を過ごしていました」産後に、心の不調でつらい思いをしているママたちが非常に多くいることがわかります。筆者自身、1人目の産後の入院中はとてもつらかった記憶があります。周りのママたちが順調に母乳をあげている姿を見ると、「自分はこんなに少ししか母乳が出ていない…」と、落ち込みました。また、母子同室を推奨していたため、「自分で赤ちゃんをどうしても見なければ」と、泣き止まない子どもを抱きながら、ベッドの上で途方に暮れて一緒に泣いたこともあります。なぜ、産後うつになるママが多いのでしょうか。妊娠中・産後のうつ病を引き起こしている要素として、この時期は何かとストレスが多い上に、周囲のサポートが不十分な状況が重なっている場合が考えられます。しかも妊娠・出産に伴う女性ホルモンの大きな変化は、脳がストレスに耐える抵抗力を低下させます。その結果ストレスを処理しきれなくなった脳が機能不全を起こし、ものごとを悪くとらえる傾向が強く出てしまいます。出典: 妊娠・出産に伴ううつ病の症状と治療/西大輔(e-ヘルスネット/厚生労働省)(2020) 女性ホルモンや脳の働きも影響しているようです。こういった背景に気づけないと、「なぜこんなに落ち込んでしまうのだろう」と、さらに落ち込んでしまいそうですが、「産後はいつもとは違う状態なんだ」と知っていると、少し気持ちを落ち着けることができそうです。また、自分だけでなく、家族にもこの認識を持ってもらうこと、助けを求められる状況を作っておくことも重要なのかもしれません。■産後の不調を乗り越えるために…それでは、産後のママたちはどのように回復を遂げたのでしょうか。▼子どもの預け先を確保する「孤独感、夜になるのが怖い、赤ちゃんと2人になるのが怖い、訳もなく涙が止まらない。完全な産後うつでした。子どもが幼稚園へ行くようになり、ひとりの時間が取れるようになってからやっと、ホルモンバランスが以前の自分に戻ってきました」「初めての子育てに、他人の何気ない言葉が自分を責めているように感じてしまう日々。泣き止まない子どもを抱き、一緒に号泣しました。保育園に預けて、物理的に離れる時間ができたことは、やっぱり一番の特効薬だったと思います」「第2子出産と同時に、夫の転勤先に引っ越し、慣れない土地で2歳と0歳の子どもの育児をしなければならず、育児ノイローゼでした。自分の余裕を作るため、一時保育やベビーシッターに上の子を見てもらったり、疲れたら遠方の実家に子どもを連れてしばらく帰ったりして、なんとかつらい時期をしのぎました」「気分の落ち込みがひどく、自分は産後うつかもと思っていました。歯医者に行くために、初めて一時保育を利用してみると、『泣くこともなく、お昼寝もできましたよ〜』と言われ、気持ちが軽くなったのを覚えています。それからは、つらい時はプロの力を借りることも一つの手だと心に留めています」▼積極的に外に出る「頼れる身内がおらず、朝から晩までずっと一人で全ての家事をこなしてきた。特に2人目が産まれた後がつらく、イライラしていたところ、近所に住んでた同年代のお母さんが子育て支援センターに誘ってくれて、相談できる先生もいて助かった」「初めての育児は、何が正しいのか、自分がしているお世話は間違っていないのか、いつも不安でした。産後、自宅に戻ってきてしばらく、夫以外の人と、会えなかったり、しゃべれなかったりが続くと、他の人と話すことが怖くなってきたりしました。産後、1ヶ月が過ぎて少しずつ外に出られるようになると、1日中家にいることをやめて、児童館や公民館や幼稚園のイベントに積極的に参加 しました。外に出ることが大事だと思います」▼友達や家族に話を聞いてもらう「1人目を出産時、産後うつのような状況で、子どもが全くかわいいと感じられずつらかったです。学生時代の友人が子連れで遊びに来てくれて、『産後うつと診断されお薬を飲んで直した』とあっけらかんと話す姿を見て、『つらいって言っていいんだ』『変なことじゃないんだ』と気持ちが穏やかになりました」「産後、初産のため何もかもわからない中で、もう気が狂いそうでした。かわいくない。なんで産んだんだろう。一日中同じことの繰り返しで話し相手もいない。負のループでした。たまたま別件で、先輩ママでもある友だちに連絡を取った時に苦しい状況をはき出してみると、少しだけ楽になりました。特に解決策があるわけじゃない育児なので口に出しても無駄だとおもっていましたが、はき出すことでこんなに楽になるのかと思いました」回復の方法にもさまざまな種類があることがわかります。ママたちが、自分に合った対策を見つけて、心身ともに回復できるといいなと、切に願います。最後に、こんなコメントも寄せられていました。「第1子の時、地元を離れて慣れない土地での育児でした。365日24時間赤ちゃんと一緒で、何をしても泣き止まない時には私も一緒に泣いてたこともありました。昔の自分にアドバイスを送れるなら、『もっと肩の力を抜いて。大丈夫だよ』と言いたいです」「産後うつ、私もなりました。子どもに申し訳ないって思ったり、周りと比べて家事育児ができていないと思ってつらかったり、子どもは泣かないのに、私が泣いてました。でも、妊娠、出産は、みんなが当たり前にできるものではないです。妊娠に至らなかったり、死産してしまったり、それでも明るく生きなきゃと頑張ってる人がたくさんいることを忘れたくないです」「一人目の育児中、やりたいことがやりたいタイミングでできない、やらなければいけないことがやるべき期限までに終えられないという、達成感や充実感を実感することができず、参っていることに気づきました。『コントロールできない相手と対峙(たいじ)しているのだから、これまでのペースで生活できなくて当たり前。できなかったことより、できたことに目を向けるべき』と考えて、気が楽になりました」ここまで、ママたちの産後のエピソードを紹介してきました。産後体調が悪かったり、心に不調がある場合は、我慢はせずにSOSを発信し、自分自身が病院へいくことを優先させましょう。子どもの預け先は、保育園の一時保育やファミリーサポート、ベビーシッターなど、いくつか候補を持っておけると安心です。もし子どもの預け先が見つからない場合は、お住まいの役所や保健センターで相談できます。「あれもこれもしなければ」と考えて、家事も育児も1人で抱え込んでしまいがちですが、産後のママが1人で対応するのは相当難しいことであり、周りの協力が不可欠です。家事育児の大変さを抱え込むのではなく、パートナーや親族、友人や公的な機関など、どこかにつながって、少しでもつらさが緩和できるよう、助けを求めてもらいたいと思います。ママが笑顔でいられるために、みんなで助け合って子育てをしていける世の中にしていきたいものですね。参考文献 妊娠・出産に伴ううつ病の症状と治療/西大輔(e-ヘルスネット/厚生労働省)(2020) 出産体験談はこちら
2021年05月26日■前回のあらすじ丸1日家事育児を体験し、その大変さをようやく理解した夫。娘が生まれて以来初めて、夫婦として心を通わせられた瞬間でした。■夫婦は助け合いが大事!この連載を通して一番伝えたかったことは、育児中の無理は禁物だということです。育児って、孤独との戦いです。場合によっては、一番身近な存在の夫にすらも理解してもらえないこともあります。そんな時は、我慢せずに不安でも不満でも夫婦で徹底的に話し合うべきだと思います。育児に対する労いの言葉ひとつあるだけでも、孤独感はかなり薄れるものです。もちろん外で仕事をすることも肉体的にも精神的にも大変なこと。なので、お互い「自分が大変な時であっても相手のことを思いやる気持ち」が大切なんじゃないかなと思います。「育児ノイローゼになった話」はこれで完結です。お読みいただきありがとうございました! 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月11日はじめまして。うずらと申します。娘のひよこ、夫のちゃぼと3人暮らしの主婦です。この物語は、私が産後に経験した育児ノイローゼについて綴っています。■育児ノイローゼになる前の私娘は無事誕生したものの、母親の私は…■壮絶な出産を経て…出産の際に出血量がかなり多く、さらに会陰がとんでもない裂け方をしたせいで、縫った部分が数時間で解けてしまったのでした。しかし娘のひよこは若干黄疸の数値が高かったものの、元気に産まれてきてくれました。そして、退院後実家へ。なんとなく嫌な予感はしていましたが、それが現実のものとなってしまうのでした。次回に続く!本記事はあくまで筆者の体験談で、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年01月27日子育てに対し、未経験者の中には『キラキラしていて楽しいもの』というイメージを持っている人は少なくないかもしれません。しかし、現実の子育ては心身ともに大変なことばかり。ストレスが蓄積した結果、産後うつや育児ノイローゼになってしまう親が数多く存在します。親も1人の人間であり、誰もが最初は子育て初心者です。いくら愛しい我が子とはいえ、夜泣きやイヤイヤ期、ワンオペ育児などが原因で疲れてしまうでしょう。産後うつや育児ノイローゼになってしまうと、従来のうつ病のように何もやる気が起きなくなってしまったり、常にイライラしてしまったり、突然泣き出してしまったりと情緒不安定な状態になってしまいます。『育児ノイローゼ気味だった時に描いた漫画』が話題に漫画家であり、2児の母親である、すがたひかる(@hen8996)さんも育児ノイローゼを経験した1人。3歳の長男が生まれたばかりの頃、初めての子育てに追われ、すがたさんは忙しい日々を送っていました。その頃を思い出すように、すがたさんは当時描いた漫画を2020年10月16日にTwitterへ投稿。すがたさん自身も「カオス」と評する内容に反響が上がっています。続き pic.twitter.com/9q3F5PJjWl — すがたひかる (@hen8996) October 16, 2020 生後11か月だった頃の長男は、元気すぎるほどだったそうです。常に叫び声や泣き声が家の中に響き渡り、すがたさんは我が子の甲高い声を聞き続けなければなりませんでした。そんな中、すがたさんに声をかけてきたのは…両耳の鼓膜!「お願いします、耳栓をしてください…このままではつらいのです…」と助けを求めてきたのです。鼓膜たちのSOSは、すがたさんの心の声だったのかもしれません。ユーモアたっぷりに描かれていますが、育児ノイローゼの恐ろしさが伝わる作品です…。漫画は拡散され、多くの子育て経験者から共感する声が寄せられています。・私も耳栓を着けたら落ち着きました!心に余裕もできた気がします。・ミギノミミコマクヌシのセンスがありすぎて笑えない話なのに笑った。・自分も子育て中はよく脳内の自分と会話してたな…。まさに今、我が子の声でストレスを溜めている人は、左耳の鼓膜さんのアドバイスを参考にしてみてはいかがでしょうか。あなたの左耳の鼓膜さんとミギノミミコマクヌシも、助けを求めているかもしれません…。[文・構成/grape編集部]
2020年10月18日「子どもはかわいいし、きちんと育てたいと思っている。でも…」家の中でずっと子どもと相対していると、逃げ場がなくなって心が折れてしまいそうになる親は少なくありません。育児ノイローゼ、産後うつなどにならないためにはどうしたらいいのでしょうか?小児科医で2人のお子さんのお母さんでもある森戸やすみ先生は、そういった子育ての不安やイライラ、焦り、迷いを抱えるお母さん・お父さんに向けて、SNSやさまざまな医療メディア、そして著書 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 (内外出版社)などで子育てが楽になるヒントやアドバイスを発信してきました。そんな森戸先生に、お母さん・お父さんが日頃感じている子育ての悩みやつらさはどうして起こるのか、それを軽減するにはどうしたらいいかなどお話をうかがいました。●森戸やすみ(もりと・やすみ)先生小児科専門医。一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、2020年6月1日、東京都台東区に『どうかん山こどもクリニック』を開業。『小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK』(内外出版社)など著書多数。二児の母。Twitter: @jasminjoy Facebook: ■自分の子育てを自分で責める、あなたの中の「インナー姑」――子育ての悩みにはいろいろありますが、お母さん自身が自分を責めてしまっている、先回りして自分を制してストレスがたまっているケースはないでしょうか。森戸やすみ先生(以下、森戸先生):そうですね。私はそれをインナー姑と呼んでいます。現実に姑から注意されたわけでもないのに、自分の子育てを責める自分がいるんですよね。例えば、お母さんは出産後に美容室へ行くのも申し訳ない、誰に子どもを頼もうかと悩むでしょう。でも、想像してみて欲しいのが、夫も同じ理由で悩むでしょうか? 「子どもが生まれたばかりなのに申し訳ない」と思いながら理容室へ行くでしょうか?お母さんは育児に一生懸命で責任を感じているから、自分ばっかり背負ってしまうところがあります。でも、子どもの親はお母さんだけではありません。1人ですべてを背負いこむことはないのです。――そうですよね。どうしてお母さんの中にはインナー姑が存在してしまうのでしょうか?森戸先生:「子どもの頃から子育てはお母さんがするもの」と刷り込まれているため、そういった社会的イメージにとらわれてしまうのかもしれません。この前、取材で会った方の『子どもができたら以前のように夫にいろいろやってあげられないのが申し訳ない』の言葉に私、ポカンとしちゃって(笑)。家族が1人増えたんだから、今まで通りにはいきません。親になるのはお母さんだけではなくお父さんもなんですから、夫にも自分のことは自分でしてもらうのは当然で、今までのように受け身で待つのはおかしいですよね。――先生のおっしゃる「社会的イメージ」というのは、小さい時から蓄積されてきた良妻賢母のイメージだと思います。それはお父さんとお母さん両方が持っていると思いますが、どうやって切り替えていけばいいのでしょうか。森戸先生:女性は、将来こういう風に子育てをしたい、こういう家庭にしたいと具体的に考えている方が多いように感じますが、男性でそこまで考えている方は少ない印象です。そのため、お父さんは子育てをしながら自分の育児観をつくっていくのでしょうが、その過程で前の世代の刷り込みが出てきてしまうのでしょう。私の場合、小児科医として時短で働いていましたが、夫の衣類をクリーニングに出そうとしたとき、『これって私がしなければいけないこと?』とふと気づいた瞬間がありました。私は子どものために時短勤務をしているわけで、夫のためではない。どうして私だけが仕事をセーブしなければいけないの? これはおかしいと気づいたのです。――でも、お母さんは気づいてもお父さんのほとんどは「それはおかしい」とは気づいてくれませんよね(笑)。森戸先生:それは、誰からも言われないからでしょう。ずっと妻が不機嫌で口をきいてくれないのはどうしてだろう? とは感じることはあっても、それがワンオペ育児で疲れているから、不満があるからとは想像できないのです。だから、『家族が1人増えたのだから物理的に私1人でこなすのは無理です』と伝えた方がいいです。そういう夫へのアドバイスや指導を子どもが生まれる前にできるといいのですが、医療機関にそのインセンティブ(意欲を引き出すための外部からの働きがけ)は残念ながらありません。医療行為ではないから診療報酬につながらないため、ほとんどの両親学級や父親学級でそういった指導は行われていませんね。――「まだ大丈夫」と無理をして体調を崩してしまうお母さんもいますよね。そうなる前に、自分で限界ラインが判断できるポイントはありますか?森戸先生:例えば、食べられない・眠れない場合はかなりつらいい状態だと思います。でも、妻がそんな状態になっていたら、夫に先に気づいてほしいですね。夫がそれに気づかないのは、コミュニケーション不足。育児に大変そうな妻に『大丈夫?』の一言も声もかけられないのだとしたら、それは家族とは言えませんよね。■仕事で子どもに「ちょっと待って」と言う罪悪感――今回のコロナ禍で、保育園から「なるべく登園させないようにご協力ください」と要請されたという話も聞きました。森戸先生:そう言われてしまうと、真面目な保護者ほど『先生たちが大変だから行かせないようにしよう』と頑張ってしまいますよね。そういったときのためにも、預け先の選択肢はなるべく多く持っておくといいです。『預けようと思えばいつでも預けられるけど、まだ大丈夫だからうちで見る』という状態で子どもを見るのと、『私しか子どもを見る人がいないから見るしかないんだ』というのとでは心の余裕が大きく違いますから。――家で子どもを見ながらテレワークをしていたお母さんは「仕事だからちょっと待ってて」と子どもに言わなければいけなかった状況も多かったと思います。そうやってプライベートと仕事が混同する生活は、子どもに負担をかけることになるのでしょうか?森戸先生:それは、『ちょっと待ってて』と言う理由が仕事だから、お母さんが罪悪感を持ってしまっているだけではないでしょうか。どんな場合でも、緊急度の高い順からお母さんは対応せざるを得ないので、それは仕事に限りませんよね。例えば、下の子のお世話をする場合でも上の子に『ちょっと待ってて』と言っていると思います。上の子がいろいろお母さんに話しかけていても、下の子がお椀をひっくり返した、うんちがおむつからはみ出したなどの一大事だったら『ちょっと待ってて』と、そちらにかかりきりになりますよね。それは仕方のないことで、仕事だから特別子どもが傷つくということはないと思います。――確かにそうですよね。それでも罪悪感を持ってしまうお母さんは、自分の気持ちをどうコントロールしていけばいいでしょうか。森戸先生:先ほども言いましたが、『夫も同じように罪悪感を持つだろうか? どうして私はそう感じるんだろう?』と冷静に想像して、子どもや子育てに対して距離を置いてみて欲しいのです。テレワーク中の夫は、ウェブ会議だからと子どもを部屋から締め出しても、おそらく罪悪感は抱かないと思うのです。男性はそれができるのに、どうして私は罪悪感を抱えるのだろうと客観的にとらえるとイライラしなくなるのではないでしょうか。生きていくためにはお母さんも仕事をしなければいけないし、子どもにも協力してもらわなければ共倒れになってしまいます。子どもと仕事、どちらも大切で責任感を持っているからこそ罪悪感が生まれるのであって、一時的にどちらかを優先してしまうことは仕方のないことです。子どもが理解できる年齢かにもよりますが、お母さんもお父さんと同じくらい一生懸命仕事をしていること、だから協力して欲しいことを子どもに伝えるのはいいですね。子どもに説明することで、お母さんが自分で自分を納得させるという効果も期待できます。――コロナ禍のテレワークで、子育てをお母さん1人ですることがどれほど大変か理解できたというお父さんの声も耳にします。お父さんは次にどういった行動に移ればいいと思いますか?森戸先生:今回のことをきっかけに、また保育園が預かってくれなくなった場合はどうするか、もし親のどちらかが病気をしたらどうするか、もし勤務先が倒産したらどうするかなど、もしものときへの備えについてこの機会に話し合ってはいかがでしょうか。■「夜が来るのが怖い…」寝かし方が間違っていたかも!?――なかなか子どもが寝てくれない、夜泣きがひどいなどで「夜が来るのが怖い」というお母さんが多いようです。森戸先生:アジア全域では、子どもに添い寝して家族みんなで寝るのが一般的ですね。日本もしかりで、赤ちゃんが寝るまで親は寝かしつけをし、夜泣きをしたら抱っこしてあやすなどをお母さんはしているでしょう。しかし、寝つくまでに何時間もかかる、夜泣きで度々起きなければいけないなどで、お母さんの多くは「夜が怖い」と感じてしまいます。そういった生活が続き寝不足になるお母さんが陥りやすいのが「産後うつ」や「育児ノイローゼ」です。実は、このお母さんの行動こそが赤ちゃんが寝つきにくく、夜も頻繁に起きる原因ではないかといわれています。子どもとしたら、起きている限りお母さんはずっとそばにいてくれるし、泣けばずっと相手をしてくれるわけですから。なかなか寝なくなるのは当然かもしれません。日本流の寝かしつけや夜泣き対応をしていると、子どもは1人で寝る学習がなかなかできないわけです。――夜泣きについて、先生は著書で「消去法」を推奨されていますね。森戸先生:消去法というのは、欧米で取り入れられている子どもの睡眠方法。生まれて数日したら親子は別々の部屋で夜を過ごし、子どもは1人で寝る練習をするというものです。この消去法では、赤ちゃんが泣いてもなるべく手を出さないようにして様子を見ることが大事。まるっきり一人にする必要はなく、赤ちゃんの様子を観察しつつ、なるべく抱っこしないようにします。そうすることで、一人では眠れない、泣いたらママが来てくれるといった入眠の誤学習を防ぐ方法です。眠りのトレーニングを生まれてすぐすることで、こうやって眠ればいいんだと子どもは生後3〜4カ月までには習得するようです。――泣いても相手をしてあげないと、愛情を感じずサイレント・ベビー(無表情で言葉も遅い赤ちゃん)になってしまうのではないかと心配するお母さんもいるようです。森戸先生:このサイレント・ベビー説は日本で長年信じられてきた育児神話の一つですが、医学的根拠が大変薄いのです。一小児科医が提唱した考えなので科学的根拠もありませんし、その説が正しいとしたら、消去法を取り入れている欧米の子どもはみんなサイレント・ベビーになってしまいます(笑)。赤ちゃんが夜、長時間ぐっすり寝られるように、海外には、夜用の腹持ちのいいミルクもありますよ。日本では、母親が子どものために尽くすことが美徳のようにいわれますが、お母さんも人間なので睡眠はとても大事です。生活リズムを子どもに合わせていたら寝られないし働けないというのなら、そこは大人に合わせてもらうのでいいと思います。子どもの安全を確認しつつ、一人で寝かせてもいいのではないかと考えます。例えば、夜8時に寝かしつけを始めたけれど、結局10時まで寝ないというお母さんが相談に来られるんですけど、その2時間があったらお母さんはいろいろなことができますよね。夜8時に寝かせようと頑張る母親と絶対に寝ないと頑張る子どもの戦いが毎日(笑)。それなら、9時半に寝かしつけるようにしてもいいと思うのです。育児が思い通りにならないと、イライラしてキーっとお母さんもなってしまいますよね。それでは、お母さんも子どももお互いがつらくなってしまいます。それより、多少理想とは違う子育てになっても、お母さんと子どもの両方が楽でうれしい方を選んでいいと思います。例えば『完璧なおやつを手作りしたいからキッチンへ来ないで』と子どもを追い出すよりも、2人でスナック菓子でも食べていた方がお母さんも子どもも幸せではないでしょうか。インナー姑に従って自己満足のためにやる育児ではなく、子どもと親の両方が笑顔で過ごせる方法は? という観点で優先順位を考えた方がいいですね。■「叱った後はやさしく抱きしめる」は本当に正しいの?――子どもへのしつけですが、よく育児書に「子どもを叱った後はやさしく抱きしめてあげましょう」と書いてありますが、その通りなのでしょうか? それは、DV夫が暴力・暴言の後に「ごめんね」と妻にやさしくなるのと一緒ではないかとモヤモヤするお母さんもいるようです。森戸先生:そうですね、叱られてすぐに抱きしめられたら、子どもは混乱しそうですよね。さっきまで叱っていたお母さんが急に抱っこするので「どうして?」と子どもは思います。それに、最終的にやさしく抱っこされるのなら、子どもは何をしたら叱られるかという基準がわからなくなるかもしれません。それに、大きな声やきつい言葉で叱るなどはエスカレートしやすいですし、人前で恥をかかせる行為にもなるので、子どもには逆効果となります。好ましくない言動をしたらお母さんがかまってくれると子どもが誤解しないように、叱るのではなく目を合わせない、話しかけても答えないなど、「無視」が効果的だといわれています。また、タイムアウト法といって、子どもを別部屋に連れていくなど1人にして考える時間を与えるというのも保育園などで取り入れられています。ただし、ほかの人や物、自分自身にも害が及ぶような危険な言動を子どもがした場合には、直ちに止める必要があります。――叱らず相手にしないのが効果的とのことですが、おでかけ先で子どもが泣いたり暴れたりしたとき、親が叱らないと「何だあの親は」と周囲は思いますよね。森戸先生:日本では、周囲へのパフォーマンスとして親の強く怒ってる姿を見せなければいけないというのがあるかもしれませんね。周囲に迷惑をかけるようなら、乳幼児の場合は外に出る、あやすなどの対応をし、言い聞かせることができる年齢の子なら、繰り返し穏やかな声で「静かにしなさい」と短くわかりやすく指令を伝えるブロークンレコードという手法をおすすめします。ただし、周囲へのパフォーマンスとして大声で強く叱ったりする必要はありません。でも、そういった子連れに対して文句を言う人たちは、手を貸してくれるわけではないですし、何か起こったときに責任を取ってくれるわけでもありません。だから、お母さんはあまり気にしなくていいと思います。実は、そういった文句だけの人は少数派だと思います。多くの人が『子どもが泣いてお母さん大変そうだな』『元気な子どもでかわいいな』って思ってる人の方が多いけれど、『うるさいな』というマイノリティーの言葉の方が目立つだけではないでしょうか。だから、そういうお母さんに対する周りの圧力みたいなものは気にしなくていいと思います。――家ではいろいろできそうですが、外では見逃してしまいそうです。森戸先生:それをしてしまうと、子どもは『外なら泣いたり暴れたりしても大丈夫』と覚えてしまうので、お母さんは外でも一貫性を示す必要があるでしょう。場所がどこであっても『やってはいけないことはやってはいけません。お母さんはもう知りません』という態度を示せるといいですね。なかなか難しいとは思いますが…。■イヤイヤ期の子育てがつらい、限界だというお母さんへ――2、3歳のイヤイヤ期の子を持つお母さんで、子育てが楽しく思えない、子どもをかわいく思えないというのは少なくありません。でも、そう感じてしまう自分をまた責めるという悪循環が生まれています。森戸先生:そう思うのは当然ではないでしょうか。例えば、自分もお父さんやお母さんから、いつも100%好かれていたと思いますか? 逆に、自分も親のことはすごく大好きだけど、すごく嫌いなときもありますよね。親から怒られたことがない、親が嫌で家出したいと思ったことがない人の方が少ないのではないでしょうか。子どもだから、家族だから100%好きでなければいけないことはありません。好きだけど嫌いという感情があるのは自然だと思います。――確かにそうですね。でも、頭では納得していてもイヤイヤ期の子どもにはイライラしてしまいます。それをやり過ごすコツや、自分をコントロールする方法はありますか?森戸先生:子どもに尽くそうと思わないこと。人間ですから睡眠も必要ですし、1日に1つは子どものこと以外の楽しみがあるといいですね。イヤイヤ期の子どもは暴言もはきますし、たたいてくることもあるでしょう。親であってもムカッとするのは当然です。そういった楽しみがなければ子育ては続きません。――ときにはお母さんが感情的になってしまうこともあると思います。森戸先生:いつも冷静に大きな声を出さずに子どもを育てるのは無理な話です。それでお母さんが罪悪感を持つことはありません。叱っても子どもに悪いことをやめさせる効果はないかもしれませんが、思わず大きな声が出てしまうのは仕方のないことです。うちもイヤイヤ期は大変でしたけど、当時はタイムアウト法など知りませんでした。でも、子どもが好ましくない行動をしたら無視する、応じられないものには毅然とした態度で受け入れないなど、今から考えるとタイムアウト法に近いことをやっていました。――そうなんですね。先生が子育てで一番悩まれていたのはどんなことでしたか?森戸先生:私は当直があったので『お泊まりで仕事行かないで』と娘が泣くんですよ。うちで子どもが泣いてるのに、病気の子を診なければいけない自分にすごく罪悪感を持っていました。でも、病院には私をすごく必要としてくれる子がいるのに、行ってあげられないというのも嫌だったんです。ですから、2人目が生まれた時には育休を長めにとったり、時短勤務に切り替えたりと働き方を考えました。――ということは、お子さんは0歳から預けられていたんですか?森戸先生:母に預かってもらうこともあったし、職場の保育室へ連れて行ったり、認可保育園に空きがでたら保育園へ。第一子のときは『預けて働くなんてごめんなさい』と思っていましたが、保育園の方が常に複数の先生がいらっしゃるし、相手は子育ての専門家。かわいそうなことは何にもなく、誤解だと気づきました。知らなかったからそんな不安があったんですね。3歳まではお母さん1人で子育てした方がいいといういわゆる『3歳児神話』は厚生労働省によってすでに否定されています(厚生労働省 『厚生白書(平成10年版)』 )。母親だけが育児をするものではないし、むしろ弊害があるケースがあるとはっきり提言を出しているのです。人は社会の中で生きていくのですから、小さい頃から社会に触れるのは大事だと思いますし、むしろ良い面の方がたくさんあると思います。今は、仕事を持つお母さんの方が専業主婦の倍以上いるのですから(厚生労働省 『厚生白書(平成30年版)』 )、子どもを保育園などに預けることは普通のことですよね。■自分の中の「インナー姑」を追い出すには?――自分の中の「インナー姑」を追い出すにはどうしたらいいと思いますか?森戸先生:日本の絶対は、世界の絶対ではないことに気づくことですね。外国人のお母さんに『赤ちゃんは毎日お風呂に入れてますよね?』と聞いたら『いいえ』と言われたことがありました。へその緒が取れるまでお風呂に入れてはいけないという国もあれば、北欧など寒い国では体を冷やさないように毎日お風呂には入れないそうです。子どもは毎日お風呂に入れるものと私にも先入観がありましたが、首も座らない赤ちゃんをベビーバスへ毎日入れるのは大変ですよね。目的は清潔を保つことだから、拭くだけの日があってもいいわけです。『これが絶対』と思わず、いろいろな価値観を知ると、日本古来の『インナー姑』はいなくなるのではないでしょうか。そういった意味でTwitterなどのSNSを利用したり、ネットを活用して情報を収集するのは良いと思います。例えば、母乳をよく出すと言われる食材は国によってバラバラで、決まった食材はないのです。日本ではごはんを食べるように言われますが、じゃがいもとかかぼちゃは食べるけどごはんは食べない国もあります。離乳食も、ヨーロッパはみんなじゃがいもですが、東南アジアはタロイモ、日本はおかゆ。それぞれでいいのだと気づきます。SNSやネットには嘘か本当かわからない情報も氾濫していますが、真偽が怪しいと感じたものは、コメントで質問したりするといいと思います。それで返事がない、リプライがもらえないようなら、そのまま信じずに保留で。そして、同じような意見を持っている人がほかにもいないかリサーチして、総合的に信用できるかできないかを自分で判断するようにしたらいいでしょう。「小児科医はもちろん、産科の先生や看護師、保育園や幼稚園、学校の先生など、子どもに直接関わる仕事をしている人でも、未だに医学的・科学的に根拠のない『育児神話』を唱える人が後を絶ちません。そういったママを追い詰める日本特有の『育児はこうであるべき』が早くなくなればいいと考えています」と森戸先生。その歯に衣着せぬ「子どもを100%好きでいなくてもいいのよ」「お母さんだけが育児を背負いこむことはありません」「できないことは仕方がないから無理しないで」という言葉の数々に救われたお母さんも多いでしょう。森戸先生の著書のタイトルの通り、「子育てはだいたいで大丈夫」。子どもとお母さん、そしてお父さんみんなが幸せなことが、その家族の育児の形なのではないでしょうか。■参考書籍 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 内外出版社/森戸やすみ著/1540円(税込)朝日新聞の医療サイト『アピタル』の連載「小児科医ママの大丈夫!子育て」をまとめ、大幅に加筆したた1冊。<参考サイト>厚生労働省: 「厚生白書(平成10年版)」 厚生労働省: 「厚生白書(平成30年版)」
2020年07月20日感染症により、休園・休校の長期化、不要不急な外出の自粛要請で、子育て中のママやパパの負担やストレスは一層倍増しているでしょう。ちょっと気晴らしにお散歩やおでかけも難しい今、家の中でずっと子どもと相対していると、逃げ場がなくなって心が折れてしまいそうになることも。「子どもはかわいいし、きちんと育てたいと思っている。でも…」と悩む親は少なくありません。育児ノイローゼ、産後うつなどにならないためにはどうしたらいいのでしょうか?子育ての不安やイライラ、焦り、迷いを抱えるママやパパに向けて、内外出版社から新刊 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 が発売されました。著者は、小児科医で二人のママでもある、森戸やすみ先生。育児に悩むママやパパへ向けたこの本では、これまで信じられてきた育児神話の“本当のところ”や、とくにママがつらく感じる原因、自分らしくラクになれる子育てのヒントなどが、小児科医の視点でわかりやすく解説されています。●森戸やすみ(もりと・やすみ)先生小児科専門医。一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、2020年6月1日、東京都台東区に『どうかん山こどもクリニック』を開業予定。『小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK』(内外出版社)など著書多数。二子の母。Twitter: @jasminjoy Facebook: ■育児のトラブル・悩みはすべてママのせい?たとえば、おでかけ先や公共の乗り物の中で、子どもがなかなか泣きやまない。わが子がほかの子とうまく遊べなくて、つい手が出てしまう。せっかく離乳食を作っても、あまり食べてくれない。子育てではよくあることですが、そういう時になぜか決まって言われるのが「それって、愛情不足じゃない?」「もっと子どもには手をかけてあげないと」といった言葉です。とくに、子どもを保育園や学童に預けながら働いているママの多くは、家族だけではなくママ友や会社の同僚、よく知らない人にまで、同じようなことを言われた経験があるのではないでしょうか。実際、著者の森戸先生も、テーマパークで遊び疲れた娘さんが帰りの電車でグズったとき、たまたま乗り合わせた高齢のご婦人から「お母さん、もっと抱きしめてあげて」と諭された経験があるそうです。娘さんがグズったのは、森戸先生が抱きしめなかったからではなく、遊び疲れたからなのに。「それは本当に“親の愛情不足”が原因でしょうか?」と森戸先生は問いかけています。育児で何か問題や困ったことが起こったとき、人はどうしてなのかと原因を求めたくなるもの。しかし、子どもはそれぞれ個性がありますから、どの子にも当てはまる育児の定石はなく、大人の理屈では理解できないことも多いでしょう。一方、愛情というのも数値で測れるものではなく、親がどれほど子どもを愛しているかは目で確かめることはできません。そこで、「理解できない子どもの行動は、誰にも確かめられない親の愛情量に責任転嫁されているのではないか?」と、森戸先生は読み解きます。たしかに、親の愛情不足が原因としてしまえば、言った本人は間違いだと反論される心配もなく、自分に責任がないことも遠回しに主張できます。親に責任を押し付けることで、理屈の通らないことが解決できたと自己満足もできるわけです。しかし、子どもが泣いたりわめいたりすることと、親の愛情不足との因果関係は誰にもわかりません。子どもの数だけ個性もそれぞれで、グズってしまう原因もそれぞれ。それを、手っ取り早く原因を見つけたい大人が、こじつけているだけなのです。ところが、「小児科医をはじめ子どもに関わる専門家の中にも愛情の多寡(たか)の話をする人がいるのですから残念なことです」と森戸先生。たしかに、筆者もわが子を預けていた保育園の先生から同じようなことを言われたことがあったことを思い出しました。こういった周囲の「なんでもかんでも親の愛情不足が原因」というプレッシャーから、育児で何か困ったとき、「ほかの親ほど自分は愛情をかけてあげられていないのではないか」「もっと私がちゃんと子どもを見ていれば」と、無意識のうちに自分を責めてしまう方は少なくないでしょう。でも、それは周りからの勝手な押し付けであって、“親の愛情不足”と決めつけることは害でしかないと森戸先生は一刀両断。この言葉に、悪い夢からスッキリ目覚めたような清々しささえ感じます。■育児神話「根拠のないもの、気をつけたいもの」「子どもの問題は親の愛情不足が原因」と同じように、根拠なく信じられ続けている“育児神話”はたくさんあります。本書で紹介されているだけでも、以下のものが挙げられます。●3歳児神話「3歳までは家で母親の手で育てることが子どもの精神的な発育に一番良い」というイギリスの精神医学者ジョン・ボウルビィによる戦争孤児を対象とした調査報告(1951年)が元となっている考え●スマホ育児批判かつてはテレビやビデオ、パソコン、今はスマホといったメディアを使って子守りをしたり、親自身が夢中になることで、親子関係や子どもの心身の発育が阻害されるという日本小児科医会の提言(『スマホに子守りをさせないで!』(※1)●子どもの夜ふかし子どもは夜9時までに寝ないと、成長ホルモンが分泌されないために発達が遅れ、しかもキレやすくなるというもの●母乳信仰ミルク(粉・液体)よりも母乳の方が優れていて、どんな状況においても絶対に母乳のみで育てる方が赤ちゃんのためには良いという考え●離乳食を遅らせてアレルギー予防離乳食の開始を遅らせ、なるべく母乳だけで長く育てた方が、食物アレルギーの発症を予防できるというものいずれも、日本で一般的に信仰されている“育児神話”です。おそらく多くのママやパパが、これらのほとんど、もしくは全部を正しいと信じ、厳守しながら育児をしているのではないでしょうか。しかし、森戸先生はこれらに「すべてが根拠のあることなのでしょうか?」と疑問を投げかけています。たとえば、「3歳児神話」。精神医学者ジョン・ボウルビィが提唱していたのは、「子どもが育つ過程で、信頼できる大人との愛着関係を築くことが大事だ」ということ。それが、なぜか日本では「3歳まで母親の手によって育てられることが大事だ」にすり替わって信じられてきました。この3歳児神話はすでに国内外では否定されている考え方で、1998年の「厚生白書(平成10年版)」(※2)では「少なくとも合理的な根拠は認められない」とされ、さらに「母親と子どもの過度の密着はむしろ弊害を生んでいる、との指摘も強い」とされています。しかし、いまだにこの古い神話を信じている年配者は多く、「こんなに小さいのに保育園に行かせるなんて」「3歳までは家でお母さんが見た方がいい」といったことを言い、ママは根拠のない罪悪感を背負わされながら働くという事態がいまだに起こっているのです。それは、ほかの育児神話にも当てはまることだと本書は伝えています。たとえば、今のママはスマホから育児情報を得る機会が多く、小児科の予約をスマホでしたりお薬手帳のアプリを使ったりもします。スマホを使っているからといって育児をおろそかにしているわけではないし、息抜きにゲームをしたとしても一日中ではないのだから何も悪くないということ。子どもの夜ふかしがよくないのはたしかだけれど、その理由の一つとされてきた「成長ホルモンは夜10時〜翌2時に分泌される」というのは、今では間違いだとわかっていること。夜9時に寝るべき、早く寝ないとキレやすくなるという説に根拠はないということ。同様に、どんな状況でも母乳育児がいい、離乳食を遅らせたらアレルギーを予防できるという説も、間違っていることがいまでは明らかになっています。むしろ、離乳食に関しては、開始を遅らせることでかえってアレルギーのリスクが高くなることがわかっています。しかし、前述の「“親の愛情不足”ですべて片付ける問題」と同じように、小児科医や産婦人科医、看護師、保健師、保育園や幼稚園の先生といった普段から子どもと接している方でも、いまだにこれらの育児神話を唱える人は少なくありません。そういった専門家でさえ信じているのですから、夫や両親、兄弟、ママ友、会社の同僚が不用意に育児神話を持ち出してくるのも納得です。では、そんな古くさい育児神話とママはどう立ち向かえば良いのでしょうか?■今だから夫婦・家族と子育てについて考えようママが育児に不安を感じたり悩んだりするきっかけの一つに、ほかの人からの言葉かけがあります。たとえば「母乳なんでしょ?」「2人目は?」「こんな小さいのに連れ歩いて」「保育園に通わせるなんてかわいそう」など、挙げていけばきりがありません。子どもを生んでまず最初にびっくりするのは、こういった「余計なお世話」とも取れる不用意な言葉をかけてくる人が本当に多いことです。家族や友人ならまだしも、通りすがりの知らない年配者からも「今日は良いお天気ね」のノリで「私たちの頃はね…」と育児アドバイスが始まったりします。また、そういった言葉はほとんどの場合、お父さんではなくお母さんにだけ向けられるのも不思議です。それは、暗に「子育てのメインは当然、母親」という育児神話の押し付けが見え隠れしているようです。このようなママを悩ませる言葉や態度は、元をただせば前述した根拠のない育児神話がベースになっていることが多い印象です。森戸先生は、「そういった言葉はスルーしていい」と本書の「祖父母世代と親世代のギャップの埋め方とは」の章で解説しています。スルーしていい理由として、次の2つが挙げられています。 祖父母世代が育児をしていた頃の常識が、いまでは非常識となっていることが多い 育児はとてもナイーブで個人的な体験のため、各家庭で事情が違う大抵の場合、言葉をかけた側の問題ですが、相手が義両親や実両親の場合は、育児を手伝ってもらったり一生お付き合いを続けていく関係だからこそ、ことを荒立てられずにイライラ・モヤモヤしながら多くのお母さん、お父さんは我慢しているでしょう。そういった相手の言葉は聞き流す、適度に反論して距離をとるなどして、それでも改善が見られないなら、「育児で大変な時に、無理して会わなくてもいい」と森戸先生はバッサリ。育児の協力者は何も家族でなければいけないことはなく、幼稚園や保育園、保育ママ、ファミリーサポートなどの行政サービスを活用するなどで頼れる先をいくつも持っていた方が、子育てのストレスは軽減されることに気づかせてくれます。そういったことを夫婦で話すことも大切だと本書では伝えています。「育児は母親のもの」といった育児神話によって、これまでずっと子育てにおいて部外者扱い、戦力外通告をされてきたパパ。でも、いまはもうそんな考え方は古く、夫婦2人で子育てに関わっていく時代。パパも育児の当事者であり、同じ視点から、同じゴールに向かってどう子どもと関わっていくかを夫婦で話し合うことが、育児をもっとラクで楽しいものにしていくのでしょう。そのためにも「父親も育児参加できるよう排除しないで後押しを」と社会全体の意識改革も必要だと訴えています。■子育てでつらい、不安になったときは「子どもはかわいいし、初めてのことばかりで大変だけど、育児も毎日発見の連続で楽しい。でも、なぜかイライラ・モヤモヤしてしまうのはどうして…」そんな風にママやパパが悩み、「自分がおかしいと感じているのに『それは、おかしい!』と声を上げられない周囲からの育児プレッシャーが原因」と本書で読み解いてくれた森戸先生。そのほか、子どもの発達に関する疑問やお悩み、子育てメディアとの付き合い方、小児医療の正しい知識などを、小児科医として、また2人のお子さんのママとしての視点から、わかりやすく解説しています。読後は、心の中のモヤモヤがすっきりと晴れわたり、「子育てはだいたいで大丈夫よね!」と育児にたずさわるすべての人に安心と勇気を与えてくれる一冊となっています。■参考書籍 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 (内外出版社 森戸やすみ著 1540円(税込))朝日新聞の医療サイト『アピタル』の連載「小児科医ママの大丈夫!子育て」をまとめ、大幅に加筆したた1冊。●森戸やすみ先生1971年東京生まれ、埼玉育ち。1996年私立大学医学部を卒業し、医師国家試験に合格。専門的な学術書と手に取りやすい気軽な本の中間に位置するようなものを作りたいと考えている。<参考サイト>※1 公益社団法人 日本小児科医会: 日本小児科医会の提言(『スマホに子守りをさせないで!』) ※2 厚生労働省: 「厚生白書(平成10年版)」
2020年05月17日■ 前回 のあらすじノイローゼのようなしんどい状態になっても「育児がつらい」と周りに言い出せないモチコさん。唯一、伝えられた夫は協力的だったのですが、そんな夫の優しさにすら追い詰められていき…。 「夫の想いすら重圧。母親失格におびえる日々… | 私、育児ノイローゼかも(2)」 ※今まさに育児がつらい渦中の方へ。読んでる最中に不安が増したりつらくなったりしたら、無理せず読むのはやめてくださいね。■「育児がつらい」毎日を乗り切るために大人と会っておしゃべりをする時間がほぼなくなり、娘と2人きりで過ごす毎日を過ごすうちに、育児がつらくなってしまった私。子ども好きだった私が、子どもとずーっと2人の生活が、本当にしんどい。その後、公園に行っても児童館に行っても、同じくらいの年齢の子を連れた親子には出会うことはできず、ママ友はできないままでした。でも大人と話したくて、私ができる範囲でした対策は…相手の負担にならない範囲で、大人と会う予定を入れました!それでも鬱々とした気持ちは晴れず…でもなんとか毎日しのいで過ごしていました。そして新しいママ友はなかなかできないまま、約半年が経ち…。その頃からイチコのプレ保育(親子で参加)が月一で始まったり、自治体の親子学級のようなものに参加したりして、少しずつ人と会う予定が増えていき、週2~3日ほどの頻度になりました。さらに二太郎を妊娠したことで、よく実家のお世話になるようになり、実家の家族と会うことが激増!そうなると、ノイローゼのような鬱々とした気持ちは少し軽くなりました。ただ軽くはなったもののなくなることはなく、やっぱりしんどさを感じながら過ごしていました。これがまったくなくなったのは…■育児のしんどさがなくなったきっかけは毎日送り迎えでママ友と会って話をする機会ができるようになってからです。話と言っても、立ち話をダラダラするのではなく、送り迎えの1日2回のタイミングでちょろっと話すだけ。それでも…二太郎はいるものの、イチコと離れる時間ができたのも良かったのだと思います。(当時二太郎は生まれたてホヤホヤ…。意思はないのでややこしさゼロでした!)こうして今まで感じていたような、鬱々とした気持ちも、強い育児のストレスを感じることもまったくなくなりました。むしろ…そしてそのまま今に至ります。育児、大変やけど楽しい!■同じように「育児がつらい」ママたちへ今、育児がつらいお母さん、たくさんいらっしゃると思います。私は「育児がつらい」と言うことができず、誰かに頼ることは上手くできませんでした。他のみんなはちゃんと育児できてる(ように見える)。さらに、母親って「常に子どもを受け入れる存在でなければいけない」といった見えない空気があるような気がしてしまうんですよね。そして「私より過酷な状況でがんばってる人だっているはず」と思うと、なかなか「つらい」と言いだせない…。「育児がつらい」と口に出すと、母親失格の烙印を押されてしまうような気がして。でも全然そんなことない! と思うんです。話が通じない相手と1日中一緒にいるなんて、普通に考えて大変!しかもその相手を育てなきゃいけないし、最低限の家事もしなきゃいけないし…体力的にも精神的にも疲れて当たり前だと思います。これが24時間365日…。「大変」「つらい」って言っていい!当時「育児がつらい」と感じていた私。今、同じように「育児がつらい」と思っている方に、私の体験から学んだことが少しでも役に立てば…と思います。●ひとつめ周りにはどんどん頼ってほしい実家、義実家、ママ友、自治体の相談機関、一時保育…。「育児の大変さ」は解決できないかもしれなくても、話を聞いてもらうだけ、共感してもらえるだけ、一緒に悩んでくれるだけでも気持ちは変わってくるかもしれません。●ふたつめ話相手となるママ友が欲しいときは、隣の校区の公園まで足を延ばしてみて!育児がつらかった当時はわかっていませんでしたが、校区によって子どもの数が全然違うんです! だから、当時隣の校区の公園まで足を伸ばしていたら、もしかしたらママ友が早くできていたかもしれない…と今となっては思います。●みっつめ自分を責めずに環境を変えてみてください私にとっては、大人の話し相手がいるだけで、育児は楽しいものに変わりました。つまり私は1人で育児をすることが合わなかったんだと思います。「育児そのもの」ではなく、「1人で育児すること」が。私は、大人の人やママ友と会話することで育児がつらくなくなりました。でも人と話すことにストレスを感じる人もいるでしょうし、一人になることや自然の中に身を置くことでストレスが発散される方もいるかと思います。また仕事に行く方がストレスが少なくなる場合もあると思います。人によって、ストレスを感じる環境、楽に感じる環境はきっと違うと思うのです。私がしてしまった「自分が悪い」、「私は育児向いてない」と自分を責めること。この自分を責めることをしないためにも、今いる環境のどこか1つでも変えて、少しでも明るく過ごせる時間を増やしてみてほしいなと思います。※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。症状がつらいときには、専門家への受診をおすすめします。>> 【医師監修】それって育児ノイローゼかも?! 症状と解消法とは \モチコさんの人気記事が動画に!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年02月10日■ 前回 のあらすじ引っ越しを機に、しゃべる相手がいなくなったことで、イヤイヤ期の娘と2人きりの生活となったモチコさん。気が付いたら、娘と2人で過ごす時間が苦痛に…。 「子育てがつらい…子どもが好きだったはずなのに | 私、育児ノイローゼかも(1)」 ※今まさに育児がつらい渦中の方へ。読んでる最中に不安が増したりつらくなったりしたら、無理せず読むのはやめてくださいね。■どうして「子育てがつらい」と言えないのか?私は元々、人と会っておしゃべりをすることがとても好きでした。でもそれができない環境になることが、「つらい」ことだとはまったく想像もしていませんでした。引っ越しでママ友が誰もいなく、さらに大人と会っておしゃべりをする時間がなくなって、初めてそういった時間が、自分にとってどれだけ大切だったのかを知ったのです。そして大人としゃべらず子どもとだけ過ごすことが、ノイローゼのような状態に陥るほどしんどいとも思ってもいませんでした。しかし、私は「子育てがつらい」とは、なかなか人に打ち明けることができませんでした。なぜなら「子育てがつらい」と言う感情は、そのときの私にとっては、「母親失格なんじゃ…」と思わせるものだったからです。母親としての自分を否定されているような、母親失格と誰かに言われているような、ネガティブな気持ち。もちろん誰もそんなことは言っていません。ましてや、私ではない誰かが「子育てがつらい」と言っていてもそんなことは思いもしません。ただ当時の私は、そういったマイナス思考になっていました。■母にも言えない本音。唯一、話せた夫は…そういう思考になっていると、周りに頼るのも難しくなってしまいます。実の母にすら「ママ友や大人の人とおしゃべりできなくてしんどい」とは言えても、「子育てがつらい」とは伝えられませんでした。唯一「育児がしんどい」とちゃんと言えたのは夫のチチオだけ。でも、チチオは遅くまで仕事をしていたので、平日は少ししか話せませんでした。引っ越し前までママ友と仲良くおしゃべりしてきたことを知っていたチチオは、それがどれだけ私を救っていたかもわかっていました。ということで、夫婦の見解としては…で一致。そして夫は、職場の同期に「モチコが大人と話せなくて育児がしんどいみたいやから、今度家族で休みの日に集まろう」と提案してくれました。「そこからママ友になれたらいいね」と。ところが私は… ■夫が良かれと取った行動に、さらに追い詰められるとてもありがたいことなのですが…当時の私が1番に頭に浮かんだのは「なんで『育児つらい』って他の人に言っちゃうの」という気持ち。チチオは何も悪くないんです。私は口止めしていなかったし、悪い状況を少しでも好転させようと、私を思ってしてくれたこと。ただ当時の私はと思っていました。「子ども好き」だった私が、「育児がつらい」ことを他人に知られることはとても怖かったんです。それくらい「育児がつらい」という感情は私にとってプレッシャーで、マイナス思考に陥っていました。繰り返しますが、他の人に対してそんなことは当時も今もまったく思っていません。「母親はこうあるべし」という理想像が、自分への呪縛のようになっていたんだろうなと思います。…と書くと、すごい完璧育児を目指してたみたいですが、そんなことはまったくありません。笑イチコが生後1ヶ月のとき保健師さんに「育児、適当だね! いい意味で!」と言われたくらいの適当さ。そんな適当育児しかしていなくても、環境が変わるだけで育児がつらくなってしまうんです。むしろ適当だからこそ「適当育児なのにつらくなるなんて…」と自分を責めていたのかも。誰に言われたわけでもなく、やはり自分で自分にプレッシャーをかけてしまっていたのでしょう…。さて、ここから精神的にどう立て直したか…は、次回に続きます!次回は、「育児がつらい」というプレッシャーをモチコさんは克服していきます。更新は、2月10日(月)を予定しています。※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。症状がつらいときには、専門家への受診をおすすめします。>> 【医師監修】それって育児ノイローゼかも?! 症状と解消法とは
2020年02月03日「子どもをかわいく思えない」「いつもイライラしている」「何もやる気が起きない」などの自覚症状はありませんか? それは、もしかしたら育児ノイローゼかもしれません。子どもとの生活は幸せなはずなのに、つらい、苦しい、逃げ出したい…。お母さんを追い詰める育児ノイローゼの症状や原因、予防法などをくわしくご紹介しましょう。【監修】イシハラクリニック副院長 石原新菜 先生小学校は2年生までスイスで過ごし、その後、高校卒業まで静岡県伊東市で育つ。2000年4月帝京大学医学部に入学。2006年3月卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。著書に、13万部を超えるベストセラーとなった『病気にならない蒸し生姜健康法』(アスコム健康BOOKS)をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』(PHP研究所)等30冊を数える。■育児ノイローゼとは育児ノイローゼって?ノイローゼとは、心の病気の中で神経症をさします。不安といったストレスによって発症するといわれていますが、その定義は曖昧(あいまい)です。出産・子育て中のお母さんが情緒不安定になったり、うつ、睡眠障害などの症状があることを育児ノイローゼといいます。主に、子育てに対する不安や悩みなどが原因といわれています。子育て学協会が6歳以下の子ども(未就学児)を持つ親に行った調査によると、育児の不安を感じるのは1位「いろいろ心配事がある(58.6%)」、2位「育児ノイローゼに共感できる(48.9%)」、3位「子育てに自信がもてない(48.4%)」と、いずれも半数前後が精神的なトラブルをことがわかりました。また、厚生労働省の研究によると、1年間に出産する約100万人のうち、その4%、約4万人が精神疾患の診断もしくは疑いがあり、ヘルスケアが必要とされるという結果も出ています。お母さんの多くが、育児ノイローゼに苦しんでいることが、こういった研究結果でもわかります。産後うつとの違い 診断する医師にもよりますが、育児ノイローゼと産後うつには医学上、はっきりと明確な区別はないようです。産後1カ月くらいからお母さんの約10%が感じる、気分の落ち込み、疲労、不安、焦り、不眠といった症状を産後うつといいます。数カ月から長い場合は数年間続くといわれています。かつては、出産後のホルモンバランスの崩れが原因といわれていました。しかし、産後うつが出る時期にはすでにホルモンの急激な変化は収まっていることから、今では産後の慣れない育児や体の不調が原因ではないかといわれています。一方、育児ノイローゼは、育児の不安や悩みによるストレスから、産後うつと同様な症状が出ます。例えば「子どもが癇癪を起こしていうことを聞いてくれない」「せっかく作ったごはんを子どもが食べない」「夜泣きがひどくて寝られない」といった悩みがストレスとなって、心や体に不調をきたすのです。産後の体の不調、違和感や、子どもとの生活に慣れていないことが原因の産後うつは一過性で長引くことは少ないのに対し、育児の不安が原因の育児ノイローゼは長期化する傾向にあります。そのため、2〜3歳のイヤイヤ期にも育児ノイローゼは発症する可能性があります。誰でも育児ノイローゼになる可能性はある!産後うつは、これまでにうつを患ったことがある人の発症が多いのに対し、育児ノイローゼはそういった傾向はありません。誰でも、発症する可能性があります。■育児ノイローゼ5つの症状育児ノイローゼの主な症状として、次の5つが挙げられます。一つでも当てはまるようなら、育児ノイローゼの可能性があります。育児ノイローゼの症状1: 子どもがかわいく思えない「母親は子どもを愛して当然」という母性愛神話が根強く残るなか、我が子がかわいく思えないとは口に出して言えないでしょう。しかし、毎日の子育てに悩みや不安があり、つらく感じているなら「子ども=ストレスの対象」となっても仕方ありません。そして、子どもをかわいく思えない自分を「母親失格」と感じ、さらに自分を追い詰めるという悪循環が生まれてしまうのです。育児ノイローゼの症状2: イライラが止まらない例えば、子どもが水の入ったコップを倒した、夫が帰宅して「晩ごはんは?」と聞いてきたなど、以前なら気にならなかったちょっとしたことでも、「余計な家事を増やして!」「晩ごはんの支度を急かされているようで嫌だ」とイライラしてしまう…。出産前なら気にならなかった些細なことや言葉に敏感に反応してイライラした気持ちになることはありませんか?。育児ノイローゼの症状3: よく眠れない、寝付きが悪い3時間起きの授乳や夜泣きの時期は、お母さんはあまり長い時間寝ることができませんよね。さらに、寝つきが悪い、寝てもすぐ目が覚めてしまうなどの症状で、一層、心身ともに疲れてしまうでしょう。育児ノイローゼの症状4: 家事がうまくできなくなってきた子どもの生活サイクルに合わせていると、なかなかこれまで通りに家事をこなすこと自体、難しいですよね。育児で心身ともにヘトヘトになっている中、家事へのモチベーションを上げるのは難しいでしょう。育児ノイローゼの症状5: 何に対してもやる気が起きない頭がボーッとして何に対してもやる気が起きない、外出も億くうになって1日、子どもと2人きりで家にこもっている、これまで好きだったことに興味がわかなくなるなど、気持ちの変化はありませんか?何に対しても無気力な生活を送ってしまうのも一つの症状です。■育児ノイローゼの原因育児ノイローゼの原因は、主に「育児に対する不安」が原因0歳代の育児ノイローゼの原因0歳でも、生まれて数カ月と、1歳間近では育児の悩みは大きく違うでしょう。生まれて数カ月は、赤ちゃんは寝ているか泣いているかなので意思の疎通ができず、おっぱい・ミルクも3時間おき。昼夜の区別もないことから、お母さんは24時間、赤ちゃんにつきっきりでしょう。それまでの生活とは180度変わり、どうして泣いているかもわからず、お母さんは戸惑いと不安でストレスを感じるでしょう。一方、0歳後半となると、ある程度表情や言葉で意思の疎通ができるようになり、夜も長く寝てくれるようになってきます。しかし、おすわり、ハイハイ、立っち、歩き始めと動き回れるようになって、危ないことも。さらに、赤ちゃんはお母さんとほかの人と区別できるようになり、後追いを始めます。生まれてすぐとは別の意味で目が離せなくなり、お母さんは一人の時間を持つのは難しいでしょう。1〜2歳代の育児ノイローゼの原因早い子どもなら、1歳後半から「イヤイヤ期」が始まります。なんでも自分でやりたがって、でもうまくできなくて、癇癪(かんしゃく)を起こし泣いて怒って暴れるの繰り返し…。言葉もある程度交わせるようになったとはいっても、通じるかどうか、子どもが理解できるかどうかはまた別の話。そのフラストレーションも合わさって、お母さんが一番、育児をつらく感じる時期かもしれません。3、4歳以降の育児ノイローゼの原因3歳、4歳となると、ほとんどの子どもが幼稚園、保育園に通うようになり、同年代の子どもと集団生活を送ります。子どもの世界が広がると同時に、子ども同士のトラブルも増えます。また、お母さんはほかの子どもと我が子を比較する機会も多くなり、言葉や行動の遅れなどがあると心配になりますよね。また、ほかのお母さんと自分を比べて「どうして私はうまくできないんだろう」「母親として失格かもしれない」と落ち込むこともあるかもしれません。「同じ年代の子どもを持つお母さん」としての世界が広がり、ママ友や相談する相手が増えるメリットがある反面、別のストレスや悩みが増える時期かもしれません。全年齢に共通する育児ノイローゼの原因子どもの年齢に関係なく、共通する育児ノイローゼの原因に、次の3つが挙げられるでしょう。▼ワンオペ育児核家族化で、さらに夫が仕事で忙しく帰りも遅いとなると、育児の負担はお母さんの肩にかかってしまいます。子育て学協会の調査によると、3人に1人が「父親母親どちらか一方に子育ての負担が偏っている」と答えているそうです。特に、仕事復帰前や専業主婦の場合、子どもと24時間一緒で息抜きもできず、いつも緊張した状態が続き、負担が大きいでしょう。▼身近に頼れる人がいない実家や義実家が遠方だと、身近に頼れる人がいないため、一層子育てのプレッシャーを感じることが多いでしょう。保育園や幼稚園に通うようになれば、子どもを通してママ友や園の先生など、相談できる人が増えますが、それ以前は、公園や児童館などで積極的にママ友作りをしない限り難しいといえます。子育ての悩みや不安を気軽に話せる相手がいないことがストレスとなるでしょう。▼完璧主義で手抜きが苦手育児ノイローゼになりやすい性格というのもあるようです。生真面目で完璧主義なタイプは、想定外のことばかりで自分の思い通りにならない子育ては精神的に追い詰められる傾向にあります。そういった人は頑張り屋でもあるため家事や育児に「ま、いいか」と手抜きができず、自覚がないまま育児ノイローゼになっているケースも少なくありません。■育児ノイローゼの予防・解消法育児ノイローゼには原因があります。それを一つ一つ解消していくことが、予防や解消につながるでしょう。育児ノイローゼの予防・解消法1: 誰かと話す育児ノイローゼの原因として、身近に「話し相手がいない」というのが大きいでしょう。まずは誰かと話すことから初めてみます。例えば、お店で店員さんと話す、宅配便の人にお礼を言うなど、一言、二言のあいさつくらいの言葉を交わすだけでも効果があります。また、自治体の子育て支援センターなどが開催している、親子で参加できるイベントに出かけてみるのもいいでしょう。育児ノイローゼの予防・解消法2: ワンオペ育児を解消する24時間365日、子育ての不安と責任がお母さんだけにのしかかる状況をまずは変えましょう。例えば、休みの日は夫に子どもを見て欲しいと相談しましょう。それが難しいようなら、一時保育を利用する、ベビーシッターを頼むなど、育児の分担を。育児ノイローゼの予防・解消法3: 一人の時間を作る子育て中、それも子どもが小さければ小さいほど、「自分一人の時間が欲しい」というのは自分勝手なわがままだと感じ、自分を責めてしまうお母さんは少なくありません。でも、育児ノイローゼの症状の一つ「我が子がかわいく思えない」というのは、ずっとべったり一緒にいるからではないでしょうか。時には夫に子どもを任せ、一人で出かけてみてはいかがでしょう。それが難しいようなら、あらかじめ子どもの安全を確認したうえで、しばらく隣の部屋に移動する、トイレにこもるなどで短時間でも一人になれる時間を作るようにしましょう。育児ノイローゼの予防・解消法4: 人に頼るクセをつける「子育ては母親の担当」という周囲の無言のプレッシャーから、なかなか「手伝って」「お願い」というのは言いにくいですよね。特に、育児ノイローゼになりやすい傾向のある「完璧主義タイプ」「頑張り屋タイプ」はなおさらでしょう。でも、心身ともに不調をきたすまでお母さん一人で抱え込む必要はありません。「子どもはみんなで育てるもの」と気持ちを切り替え、実家の両親やきょうだい、夫、ママ友などに相談して、頼れるところは頼りましょう。育児ノイローゼの予防・解消法5: 手を抜くことを覚える育児に完璧、100点を求めないことが肝心です。子どもとずっと一緒にいると一心同体のような感覚になりますが、どんなに小さくても別の人間で別人格を持っています。あなたがどれだけ完璧な子育て目指して用意周到しても、子どもは思う通りの反応や行動はしてくれませんよね。それならば、お母さんも気楽に「ほどほど」を目指せばいいのではないでしょうか。育児も家事も手を抜けるところは抜いて、お母さん自身が楽になれる着地点を見つけましょう。育児ノイローゼの予防・解消法6: 公的機関で相談する例えば、自治体の子育て支援センターでは、主に乳幼児の子どもを持つ家庭を対象に、公共施設や児童館などで地域に根ざした子育て支援サービスを行っています。自治体ごとに内容は異なりますが、育児講座や親子で参加するイベントの開催、遊び場スペースの提供、子育て相談、保育サービスの案内などを行っています。また、気軽に利用できるように、電話やインターネットで子育てに関する相談を受け付けている自治体もあります。まずは、お住まいの市区町村のホームページをチェックしてみてはいかがでしょうか。育児ノイローゼの予防・解消法7:専門家に相談する産婦人科の多くが、産後フォローの一環として、子育て相談にものっています。産後や子どもの健診などで受診した際、相談してみてはいかがでしょうか。また、子育てがままならないほど気持ちが疲弊してしまっているようなら、心理カウンセリングの利用や、心療内科・精神科の受診をおすすめします。その際は、夫にも付き添ってもらいましょう。子育ての大変さや、お母さんが今どういった状態かを第三者である専門家から説明されることで、夫も状況が理解でき、その後の育児参加が期待できるからです。■まとめ育児ノイローゼと一言で言っても、お母さんの状態や置かれた状況、子どもの年齢、周囲の環境などで、その程度も症状もさまざま。ただ一貫して共通しているのは「育児に対する不安」がその原因であることです。「もしかして私、育児ノイローゼかも…」と感じたら、まずは、その原因を取り除くことから始めてみましょう。参考資料:・日本産科婦人科学会 「HUMAN+」 ・日本生活習慣病予防協会 「メンタルヘルスケアが必要な妊産婦は4万人 育児不安や虐待の原因に」 ・労働政策研究・研修機構 「育児と仕事の両立に関する調査」報告書(2003年9月) ・子育て学協会 「幼児期の子育てに関する悩み調査」(2014年)
2019年11月27日こんにちは、まりげです。埼玉から京都に引っ越してきて、約半年間ダンナの家族と同居していました。一年前のわたしを今になって振り返ると…夜中に悪夢や不安で目覚めることも。同居と慣れない環境のストレスでノイローゼのようになっていました。最終的には、あいさつをかわすのに顔も見られないくらい関係がこじれてしまいました。そんな状況を変えるために古民家をリノベーションし、一年ほど前に同居を解消しました。引っ越し先でインターネットが使えるようになるまでの間、Wi-Fiを利用させてもらうために義実家に近づくも駐車場に隠れてコソコソ…。同居していたときの記憶を思い出すと、どうしても義実家の玄関をまたぐことができずにいました。しかしそれからさらに半年がたち…遠からず近からずの距離に引っ越したので、ときどき差し入れをもらったり、だれかの誕生日にはお義母さんが注文してくれたケーキをみんなで食べたりするようになりました。同居していたときは子どもたちの夜泣きや足音が気になり寝不足で余裕がなくなっていたお義母さんも、いまでは長男を連れて出かけてくれたりするようになりました。時間と距離を置くことで、お互いいろいろと目につきすぎない関係でいられるようになりました。わたしは同居に失敗して壊れかけた人間なのでえらそうなことは言えませんが、ひとつだけ言えることは“人間関係に疲れたときは、自分の心とからだを健康な状態に戻すことが最優先”つらい状況と向き合うことはいったん置いておいて、野菜作りでもしながら太陽の光を浴びることをおすすめします。
2018年07月13日