春~初夏にかけて旬を迎えるアスパラガスは疲労回復に効果のあるヘルシー食材。最近はホワイトアスパラガスも日本で見かけるようになってきました。グリーンとホワイトの違いは栽培方法アスパラガスはヨーロッパ原産のユリ科の植物で、葉や枝が出る前の若茎を食べます。春先から芽を出し、地域によっても違いますが3~6月くらいが旬。日本で見るのは緑色のグリーンアスパラガスが大半ですが、ヨーロッパではホワイトアスパラガスの方がポピュラーです。実はグリーンとホワイトは同じ品種で、色の違いは栽培方法によるもの。ホワイトアスパラガスは芽が出たら土を盛ったり、遮光フィルムを用いたりして日光に当てずに育てます。ほかにちょっと珍しい紫アスパラガスもありますが、こちらは品種が違います。ホワイトアスパラガスはヨーロッパ、とくにドイツやベルギーでは春の訪れを告げる食材としてとても親しまれています。シーズン中は市場にも大量に並び、専用の鍋や皮むき器を持っている人も少なくありません。古代ギリシャ時代から栽培が始まり、古くは美食家のルイ14世にも愛されてベルサイユ宮殿でも栽培されていたのだとか。日本でホワイトアスパラガスというと以前は缶詰が多かったのですが、最近は生のものも増えてきました。グリーンアスパラガスが硬くシャキシャキしているのに対して、ホワイトアスパガラスはさくっとしたやわらかい歯ごたえがあり、甘味とほろ苦さが特徴です。アスパラギン酸でスタミナ強化アスパラガスの注目成分は、アスパラギン酸という非必須アミノ酸。アスパラガスに最初に見つかったことからこの名が付いており、最近注目されている成分です。エネルギーの代謝に使われ、疲労回復を助けたり、スタミナ強化の効果があるといわれます。また、穂先にはルチンという成分が豊富。ルチンには血管を強くしたり、血圧の上昇を抑える働きがあるため、高血圧や動脈硬化の予防に効果的です。抗酸化作用を持つ栄養カロテンは緑黄色野菜の割にはそれほど多くありませんが、吸収力を高めるビタミンCも含まれているので、効果は高いといわれています。ちなみにグリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスを比べると、太陽の光を浴びていないホワイトの方がビタミンなどの栄養価は若干少ないですが、ガン予防などを助ける抗酸化作用を持つサポニンはホワイトの方が多め。紫アスパガラスには色素成分アントシアニンが豊富に含まれ、目の機能向上などを助けてくれます。選び方と保存方法穂先がしまっていて、切り口がみずみずしいものを選びましょう。保存は新聞紙で包んで冷蔵庫へ。この際、立てて置くのがポイントです。調理する時は、根元を1~2cm程度切り落として皮をむきます。ホワイトアスパラガスの場合は、ゆでるお湯に塩ひとつまみと砂糖少々、レモンの薄切りを加えると、きれいな色にゆで上がります。シンプルに食感を楽しむレシピがおすすめアスパラガスの醍醐味は色合いや食感なので、シンプルな食べ方がベスト。ヨーロッパでもホワイトアスパラガスは、茹でたものに溶かしバターやソースをかけるのが定番です。少し華やかさを加えるならこちらのメニューもおすすめ。▼「ホワイトアスパラと温泉卵のサラダ」「ホワイトアスパラと温泉卵のサラダ」のレシピはこちら→ たまには変わった味付けを……と思ったら、グリーンアスパラをクミンシードで炒めた「アスパラのクミンバター」はいかが。スパイシーな一品は、お酒のおつまみにもぴったりです。▼「アスパラのクミンバター」「アスパラのクミンバター」のレシピはこちら→ 栄養価の高いグリーンアスパラガスと季節感たっぷりのホワイトアスパラガス。この時期ならではの味わいを思う存分楽しみたいですね。
2015年05月03日