日本のロック黎明期よりプロデューサーとして活躍し、還暦を迎えた2002年より筆をとったという異色の経歴を持つ絵師・木村英輝の展覧会『木村英輝 EXHIBITION ― 大人のストリートアート ―』が6月16日(金) よりポーラ ミュージアム アネックスで開催される。京都を拠点に活動し、京都・青蓮院門跡 華頂殿の襖絵や関西国際空港、京都市動物園の壁画などで知られる木村英輝。「アトリエでカンバスに向かうのではなく、“ライブ”な街に絵を描きたい」というこだわりをもち、鯉や牡丹、孔雀など、日本の伝統美術に用いられてきたモチーフを鮮やかな色彩と躍動感あふれるタッチで描き出し、街の中=ストリートを表情豊かに彩ってきた。初めての大規模な個展となる今回は、円形やF20号を中心とした多様なキャンバス作品から、およそ2メートルのタペストリー型の作品まで、50点を超える新作を展示。さらに親交のあった俳優・樹木希林の依頼を受け2005年に制作された板戸《蘇る蓮/ Lotus Revives》を樹木邸より借用し初公開するほか、「Lotus Revives」シリーズの新作も発表する予定だ。また、展覧会初日より5日間は、二曲一双の屏風絵の公開制作が予定されている。<開催情報>『木村英輝 EXHIBITION ― 大人のストリートアート ―』6月16日(金) ~7月30日(日)、ポーラ ミュージアム アネックスで開催
2023年06月08日映画『ブリッジ・オブ・スパイ』の試写会が1月5日(火)に開催され、主人公の職業である弁護士にちなんで、メディアでも活躍する弁護士の八代英輝、菊間千乃、菊地幸夫がトークセッションに出席し、弁護士ならではの視点で作品を解説した。主演トム・ハンクス、スティーヴン・スピルバーグ監督の4度目のタッグで、脚本にはコーエン兄弟も参加している本作。実話をベースに米ソ冷戦の時代に、「誰もが公平に裁判を受ける権利を有する」という己の信念に従い、ソ連のスパイの弁護を引き受け、さらに、ソ連に拘留された米のスパイとの交換という難題に挑む弁護士の姿を描く。八代さんはTBSの「ひるおび!」、菊地さんは日テレの「行列のできる法律相談所」などにレギュラー出演中で、菊間さんは元フジテレビのアナウンサーということで、メディアに露出の多い3人だが、実はこの日が初対面とのこと。壇上で、各局の代理戦争が勃発の予感…?八代さんは映画を見て、己の信念を曲げない主人公のドノヴァンの姿に「自分はこういう気持ちを持ち続けてたか?と我が身を振り返った」と語り「見て惚れる、男気のある弁護士です!」とドノヴァンを絶賛!菊間さんは「誰もが公平に裁判を受ける権利を有する」という言葉について「同じことをいま、私が所属する弁護士事務所のボスも言っていた」と明かす。実際、その上司はかつて、その信念の下、元日本赤軍の容疑者の弁護をした経験があり「その記事を読んで『かっこいいな』と思って、いまの事務所に入りました。ドノヴァンがボスと重なったし、同じ時代に生きていたら、こういう弁護士の下で働きたい」と語る。菊地さんは、弁護士を扱った数々の映画に触れ「専門家が見て『こういうことは言わない』というシーンがある」と断った上で、本作に関しては「これはあり得るなと思った」とそのリアリティを称賛した。もしも、同じような案件が自分の元に舞い込んだら?という問いには3者とも「弁護を引き受ける」と力強くうなずく。八代さんは「裁判官だったとき、暴力団の抗争で官舎に弾丸が撃ち込まれたり、カルト教団の裁判ではカメラに追い回されたこともあった」と明かしつつ「法律家はそういう状況で逆に燃えるもの」と闘志がかき立てられたと語り、ドノヴァンと自身を重ねつつ「映画から不条理への憤りが伝わってきました。どの弁護士でも拒む方はいないと思います」と熱弁をふるう。菊地さんは、自身が国選弁護士を務めた際の経験として「暴力団の事件を担当したとき、組の人間が『(被告が)何をしゃべったか教えろ』と言ってきて『それは言えない』と言ったら『ホームの端を歩かないようにしろよ』と脅された」と告白。こうした経験とドノヴァンの立場を重ね合わせつつ「誰かがこの役目をやらないといけない。日本に法があることを示さないといけない」と語り、3人の意見が一致した。一方、映画を見て弁護士ならではの「あるある!」と思ったポイントは?という問いに菊地さんは「法律家は、言葉の概念を正確に扱わないといけない」と前置きし「私はカミさんに『ティッシュ一枚とって』と言われたら、ティッシュを抜き取って2枚一組になっているのを分けて、1枚を渡す」と細かすぎる性格を明かしたが、これには菊間さん、八代さんから「そんなひと(菊地さん以外)いない!」とブーイングが…。言葉の正確さが求められるという点については、八代さんも「ひとつの文書で数字が全角と半角の混在が許せない」、菊間さんも「裁判官からできない弁護士だと思われてしまう」とその必要性は認めつつ、「ティッシュは2枚で一組だから」という、菊地さんの細かすぎる主張は弁護士全般の話ではないと強調し、会場は笑いに包まれた。『ブリッジ・オブ・スパイ』は1月8日(金)より公開。(text:cinemacafe.net)
2016年01月05日