わたしたちが健康に暮らすために、毎日欠かせないのが食事です。料理に必須な道具である包丁について、ご家庭ではこだわりを持って道具をそろえているという方もいれば、なんとなくあるものをお使いの方もいらっしゃると思います。種類がとても豊富な包丁ですが、それぞれの特徴とそれに合った「持ち方」というのも実はとても重要なのです!毎日の事ですので、せっかくなら正しい使い方を知って、効率をあげて料理を楽しめたらいいですよね。■包丁の正しい持ち方普段は何気なく使っている包丁ですが、食材や切り方によって持ち方を使い分けることができれば、包丁の特性を活かした効率のいい作業が期待できます。また、力がスムーズに伝わることによって疲れにくくなるというメリットもありますね。ここでは6パターンの持ち方をご紹介します!・握り型包丁持った時に自然と握っている状態が、その名のとおり「握り型」といい、一般的な持ち方です。柄の付け根部分をしっかりとはさみ、手の全体を使って握る持ち方なので、野菜を刻むなどの細かい動きに適しています。・指差し型握り型と基本は同じですが、人差し指を包丁のみねに平行になるようにして刃の上に置きます。微妙な力加減ができますので、板前さんがこの持ち方をしていることも多いです。正確で繊細な職人さんの仕事の陰にはこんなコツもあったのですね!・押さえ型人差し指と親指で刃の根元を挟むようにして握り、残り3本の指で柄の根元を自然に握ります。刃をしっかり固定する持ち方のため力を入れやすくなるので、筋のあるお肉や繊維質な食材などを切るときなどに適しています。特に家庭で主婦の方が包丁を使うときにはなかなか力も入りにくいと思いますので、この持ち方がおすすめです。刃の根元を触ることになりますので、人差し指の腹でしっかり挟み、左右にぶれないように十分に気を付けてくださいね!・ペンシル型主にペティナイフで繊細な作業をするときに使われる持ち方です。こちらもその名のとおり、鉛筆を持つように持ちますが、刃の近くを握るのでよく注意しなければいけません。といっても、飾り細工をするなど専門的な技術のある人しかあまり使うことのない持ち方かもしれませんね。・皮引き型(逆包丁型)魚介類の下ごしらえや、野菜を削ぎ切りするときに使われます。魚の皮引きをイメージしていただければわかりやすいと思いますが、刃の向きを外側に向ける持ち方で、押さえ型の包丁だけを反転した形になります。用途が限られているため、あまり馴染みのない持ち方ですが、料理の上級者には当たり前に使われています。使いこなせるようになれば、できる人だな…と、一目置かれるかもしれません!・皮むき型こちらは、ご家庭でもフルーツや野菜の皮むきをするときによく使う持ち方ですよね。握り方は押さえ型と同じですが、包丁を動かさずに食材の方を動かしながら刃先も握るので、やや技術が必要になります。初心者の方やお子さまは慎重に取り扱うようにしてくださいね。■包丁の種類と適した持ち方6パターンの持ち方をご紹介しましたが、包丁にも種類があります。ご家庭では何本も包丁を揃えるというのは大変ですから、どんな食材にも平均的に使いやすい、いわゆる「万能包丁」が多く使われていますよね。もちろん便利な万能包丁ですが、形状や材質によって得意な用途が違う包丁の種類を知って、自分に合った道具を揃えるのも楽しいかもしれません。・包丁の種類と持ち方代表的な包丁の種類と簡単な説明と一緒に、適した持ち方を紹介していきます。三徳包丁家庭でいう万能包丁のことで、肉も魚も野菜も切れることから「三徳」です。とりあえずこれが一本あれば大丈夫!という包丁です。…握り型・押さえ型牛刀包丁西洋でいうところの万能包丁で、三徳包丁よりも鋭く刃の幅が細いのが特徴です。野菜やほかの食材も切れるので、こちらも三徳包丁同様、入門にいい包丁といわれています。…握り型・押さえ型ペティナイフ小型の牛刀包丁。果物や野菜の皮むき、細かい作業に向いています。肉や魚も十分に切れますので、あまり料理をしない一人暮らしの学生さんなどはこれ一本でも十分かもしれません。…皮むき型・ペンシル型出刃包丁魚をさばいたり、おろしたりするのに使われます。刃が厚く重量感があるので、魚の頭を落としたり、骨を切ることに長けています。肉のかたまりを切るのにも使えます。…押さえ型・皮引き型柳刃包丁刺身包丁の一種で、刃先がするどく、刃渡りも長く作られています。これは、刺身を切る際に切り口を美しく見せるためなのだそうです。…指差し型・押さえ型菜切り包丁四角くて幅が広く、薄い刃をした包丁で、野菜をぶつ切りにしたり刻んだり、大根の桂むきにも向いています。野菜全般に使用されますが、魚や肉を切ったり、細かい作業にはあまり適していません。…握り型・皮引き型・包丁の選び方なかなか買い替えのタイミングがなく、お店に行っても種類が多く並んでおり悩んでしまいがちですよね。種類や持ち方の知識があれば、普段の料理の程度などから自分に選んだ道具が選べるようになるのではないでしょうか!お野菜重視の食生活をしているのならば、三徳包丁の他に菜切り包丁を取り入れてみたり、おうちで魚をさばけるようになりたい!と張り切って出刃包丁を新調してみてもいいですね。あとは、しっかりお店の方と相談して選んでみるのも大切です。前述した包丁の種類の他にも、「材質」や「重さ」などにもたくさんの種類がありますので、自分の手に合ったお気に入りの包丁をぜひ探してみてください!・子供が使う包丁お子さんと一緒に台所に立って料理をするというのも、お母さんからすると成長を感じることもでき嬉しい時間だと思います。ただやはり包丁を使わせるのは少し怖いという気持ちもありますよね。そういう時は、子供用の包丁も売られていますので、そろそろ…と思われたらぜひ選んであげてください。握りの部分やサイズも大人用とは違い持ちやすくなっており、安心です。また、ポイントは「よく切れるもの」を選ぶこと。おもちゃのようなものの方が、切れ味が悪く力が入ってしまい危険です。■包丁の持ち方と使用時の注意点最後に、包丁を使う上での基本的な注意点をおさらいしましょう!・まな板が動かないように固定安定した場所で使わなければ、正しく持っていても力がうまく伝わらなかったり、滑ってけがの原因になってしまいます。家庭で使うまな板は、お店と違ってしっかりと重いものを使っている方は少ないと思いますので、料理をする際にはまな板の下に1枚台ふきんを敷いて固定するようにしましょう。・食材を押さえる手食材にはきちんと手を添えて、手先は猫の手のように丸めましょう。基本中の基本ですね。固めの野菜などは、水洗いした水分で滑って手を切ってしまう可能性がありますので、キッチンペーパーなどで水分をしっかりとふき取ってから切るようにするといいですよ。・切り方みじん切りや乱切り、ざく切り…といったように切り方の種類もたくさんありますし、その他にも切り方の「コツ」もあります。例えば刺身は刃を小刻みに動かさずに一度で引き切る。野菜類は真下に力を入れるのではなく「押す」「引く」の動作で硬いものも楽に切れますし、魚は逆に真下に力を入れた方が頭や骨を一気に切れる…といったように、食材によってさまざまです。高級なお店などでは、切り口ひとつで味も変わるとされているくらいですから、本当に包丁というのは奥が深いですね!■自分に合った包丁で、毎日の料理を効率よく楽しく持ち方ひとつでその特性を活かすことができる包丁。使っていなかった包丁も、正しい使い方で大活躍してくれるかも…。まずはおうちにある包丁を今一度確認してみてください!今まではなんとなく使っていたものも改めて見直してみると、驚くほど楽になることもあるかもしれません。毎日の料理がもっと楽しくなるといいですね。
2020年08月01日