一般的に定期保険は掛け捨て型の保険が多く、注意しておかなければならない点があります。それは、「自動更新」という制度です。死亡保険では一定期間が経過すれば保険料が上昇していくといったことを耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。これは、この自動更新制度があるためです。自動更新とは?定期保険は一定期間のみ保障する保険ですので、満期日(保険契約が終了する日)があります。定期保険には「更新型」と「全期型」があり、通常であれば、その満期日が過ぎることでその保険契約の保障は終了します。掛け捨て型である定期保険の全期型の場合、保険期間が長く保険期間満了と同時に契約が消滅しますが、更新型の場合、満期日を迎えた後も自動的に加入し続けることができるのです。この制度のことを「自動更新」といいます。自動更新とは、定期保険などにおいて10年などの保険期間が満了した時に、健康状態に関係なく、保障内容・保険金額(保障金額)・保険期間(保障期間)については、それまでと同じ内容で継続できる制度です。なお、永遠に保険契約を継続できる訳ではなく、60歳や80歳までなど年齢の制限を設定している保険会社が一般的です。ただし、毎月支払う保険料については、自動更新の時点(満期日時点)での年齢で保険料などが再計算されるため、保険料も上がってしまうのです。これは、満期日の時点では加入した時よりも必ず年齢が上がっているためです。したがって、自動更新を迎えるごとに保険料は上昇していきます。図1 自動更新のイメージ図この自動更新の注意点ですが、一般的に保険の満期日を迎える数カ月前に保険会社から保険契約者に対して自動更新についての案内があり、満期日を迎える2カ月前など保険会社が定める期間までに「保険契約を更新しない」、「保障額を減額して更新する」などの希望を伝えない限り、自動的に毎月支払う保険料が上昇した内容で保険契約が継続されます。特約も自動更新で保険料は上昇する!保険契約では特約(オプション)をセットにしている場合も多いでしょう。この特約も満期日(保険契約が終了する日)があり、自動更新の対象になっています。例えば、多くの方が加入されている定期保険特約付終身保険の場合、この保険の主契約(契約のベース)は終身保険ですので満期日はありません。したがって、自動更新もありません。しかし、特約として加入している定期保険の部分は、例えば、保障期間が10年になっている場合、10年ごとに満期日を迎え、自動更新の対象になります。自動更新がされると、保険金額(保障金額)は同じですが、保険料は自動更新の時点(満期日時点)での年齢で保険料などが再計算されるため、保険料も上がってしまいます。図2 定期保険特約付終身保険の自動更新(例)最後に、自動更新を迎えるごとに保険料が再計算されますので、更新時期は保障内容の確認とともに見直しのタイミングとして捉えることもできます。気がついたときには、毎月支払う保険料が上昇していたということにならないように注意しましょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年10月29日