仮面ライダー誕生45周年記念映画『仮面ライダー1号』(3月26日公開)にて、主役の仮面ライダー1号/本郷猛の宿敵といえるショッカー大幹部・地獄大使が登場することが2日、明らかになった。本作で地獄大使を演じるのは、7年前の映画『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』(2009年)でも同役を担当した、俳優の大杉漣。地味なサラリーマンからド迫力のヤクザまで幅広い役柄をこなす大杉が、今回地獄大使をどのように演じるのか、大いに期待が持たれる。ではここから、第1作『仮面ライダー』(1971年)に登場したショッカー、そして地獄大使をはじめとする凶悪なる大幹部たちを紹介していこう。○悪の秘密結社ショッカーとは「ショッカー」とは、世界征服をたくらむ悪の秘密結社である。正体不明の「首領」が頂点に君臨し、配下はすべて人間としての意志、自由を奪われた「改造人間」で固めている。ショッカーは世界の各地に網をめぐらせ、優秀な頭脳や体力を備える人間を選び出して仲間に引き入れるが、一方で弱い者、必要でないと判断した者は奴隷のように強制労働を強いるか、あるいは容赦なく命を奪ってしまう。人間の自由、尊厳を完全否定した冷酷非情な組織である。怪人(幹部)が率いる戦闘員たちは、ショッカーの世界征服を達成するべく、強奪、誘拐、重要人物の暗殺など、ありとあらゆる悪事を働くが、同じくショッカーの科学技術で生み出されながら人間の意志を失わなかった仮面ライダー1号/本郷猛によって、作戦のいくつかをつぶされる結果となった。当初は日本に重きを置いていなかったショッカー首領だが、仮面ライダーをなんとしてでも倒そうと、世界各地で征服作戦を成功させてきた実力ある改造人間たちを続々と日本支部へ派遣。メキシコのダムを壊滅させた功績を持つ魔人サボテグロン(第14、15話)などはその代表格だった。○大幹部、日本に現る本郷に助け出され、第2の仮面ライダーとなった一文字隼人に日本の守りを託し、仮面ライダー1号/本郷猛は海外にもその魔の手を伸ばすショッカーを追って旅立った。いよいよ仮面ライダー手強しと見たショッカー首領は、日本支部のさらなる戦力強化を実行。怪人や戦闘員を束ねる「大幹部」がついに着任することになった。最初の大幹部は、中近東で猛威をふるった冷酷な軍人・ゾル大佐(演:宮口二朗)。着衣の乱れは心の乱れと、たとえ戦闘員の全身タイツであっても乱れた着こなしを絶対に許さない厳しい性格のゾル大佐は、ショッカー日本支部にピリピリとした緊張感を与える役割を担った。狼男の正体を現して仮面ライダー2号に倒されたゾル大佐に代わって日本にやってきたのは、怪人作りの名人と名高い死神博士(演:天本英世)。まさに死神と称するにふさわしい不気味な顔色とスラリとした長身には強いインパクトがあり、テレビの前の子どもたちを震え上がらせた。グロテスクな怪人を好んで作り上げ、自信作だと得意げにほほ笑んでみせるマッドサイエンティストの一面を持つ一方で、怪しげな催眠術を使ったり、巨大なカマで立ち回りを見せたりと、意外なアクティブさもうかがわせた。○地獄大使登場第52話を最後に姿を消した死神博士に代わり、第53話より新たな日本支部の指揮官に地獄大使(演:潮健児)が着任。南米へと旅立った一文字に代わって再び本郷猛が日本の守りについたのと同じタイミングであり、本郷は地獄大使の指揮する強力な怪人に苦しめられることになった。途中、死神博士も第61話、第63話、第68話と三度来日し、三度めには自ら怪人イカデビルに変身して戦いを挑むも、はかなく散った。地獄大使は作戦がうまくいくとワハハハと高笑いし、失敗すれば手に握ったムチを床にたたきつけてカンカンに怒る、喜怒哀楽のはっきりしたキャラクターが持ち味。残忍で冷酷な大幹部でありながら怖いだけではない愛嬌をも備えており、『仮面ライダー』屈指の人気悪役として抜群の知名度を誇っている。しかし彼もまた、度重なる作戦の失敗によって首領から見限られ、怪人ガラガランダに変身して仮面ライダー1号と戦い、最後は「ショッカー軍団、万歳!」と唱えて爆発した。○新組織ゲルショッカー地獄大使の死を契機に、ショッカー首領は組織を再編成。アフリカ奥地で戦闘訓練を積んだゲルダム団の力を加えて新組織ゲルショッカーを結成した。ゲルショッカー大幹部・ブラック将軍(演:丹羽又三郎)は頬をピクピクと動かす神経質そうな表情が特徴で、強力なゲルショッカー怪人をも黙らせる威厳を感じさせている。仮面ライダー1号を何度も絶体絶命の危機に陥れたゲルショッカーだが、1号、2号のダブルライダーにはかなわず、ブラック将軍も真の姿・怪人ヒルカメレオンとして戦いに臨み、壮絶な最期を遂げた。最新映画『仮面ライダー1号』には、地獄大使のほかに新組織「ノバショッカー」の3人の幹部が登場。人間の姿から怪人の姿へと変身して戦う設定など、45年前のテレビシリーズと同じテイストを持っており、かつて仮面ライダーをテレビで応援していた大人のファンをも興奮させる要素を満載させているようだ。映画『仮面ライダー1号』は2016年3月26日公開。(C)「仮面ライダー1号」製作委員会(C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映
2016年02月03日公開初日を迎えた特撮映画『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』の初日舞台あいさつが21日、東京・丸の内東映にて行われ、主要キャスト陣が登壇した。歴代「仮面ライダー」や「スーパー戦隊」が夢の共演を果たす「スーパーヒーロー大戦」シリーズの4作目にあたる本作は、石ノ森章太郎氏が実際に原作漫画に登場させていたものの映像化に至らなかった幻の「仮面ライダー3号」が復活。仮面ライダーV3との邂逅も描かれ、全てのライダーファンのみならず、日本のヒーロー史における常識をも覆す物語が描かれる。この日の舞台あいさつには、仮面ライダードライブ/泊進ノ介役の竹内涼真、仮面ライダーマッハ/詩島剛役の稲葉友、詩島霧子役の内田理央、仮面ライダーゼロノス/桜井侑斗役の中村優一、仮面ライダーギャレン/橘朔也役の天野浩成、仮面ライダーファイズ/乾巧役の半田健人、仮面ライダーBLACK/RX/南光太郎役の倉田てつを、ブラック将軍役の高田延彦、仮面ライダー3号/黒井響一郎役の及川光博が登壇した。先輩ライダー俳優に囲まれて晴れやかな笑顔を浮かべる竹内は「自分にとって最強の存在は?」との問いに対して「お母さん」と返答し、客席に座っているという母親に向かって、改めて感謝の気持ちを伝えていた。映画については「みなさん、多くの人たちに『絶対観たほうがいいよ』と薦めてください。仮面ライダーはファンの方々がいるおかげで成り立っています」とファンに呼びかけた。仮面ライダーゼロノスの名乗り「最初に言っておく。俺はかーなーり、強い!」を披露してファンを沸かせた中村は、劇中の印象的なシーンに「黒井、剛、侑斗が並んで変身するところ」を挙げ、及川の変身ポーズのカッコよさを強調。「及川さんは現場でポーズを何度も練習していて、仮面ライダー愛を感じました」、自身の変身シーンについては「及川さんも稲葉くんもカッコいい変身ポーズがあるんですけれど、僕の変身はカードを持つだけですからね。2人のポーズが終わるまでカードを持ったままゆっくり動くしかなかった(笑)」と観客の笑いを誘っていた。稲葉も同時変身について話し「僕がレッツ・変身! のかけ声で変身するんですが、『レッツ』のタイミングでお2人の声が合わせやすくなったんです」とエピソードを紹介。続く天野は「10年ぶりの変身だったので、最初はうまくできるかどうか心配だったのですが、柴﨑(貴行)監督とモニターチェックをしていくうちに、昔はこんな感じだったなあと感覚をつかみました。とても楽しい撮影でした」と振り返っていた。内田は「倉田さん演じる南光太郎に手錠をかけるシーンは緊張しました。何度も失敗して倉田さんの手首が赤くなったりして……」と話し、後に倉田本人から手錠のかけ方についてアドバイスをもらったという。そして、登壇者の中で唯一の悪役・ショッカーの大幹部ブラック将軍を演じた高田は「伝統ある仮面ライダーという作品に参加できたことを幸せに思います。今日はうちの家族が観に来ています」と客席を見渡しながら「自分の名前がエンドロールに登場することは、人生の中でも誇りに思えること」と胸を張った。ただ、息子たちの反応は薄かったらしく、半田から「ライダーに出演したことは、10年、20年してから効いてきますよ」と絶妙なフォロー。それでも「ちょっと待って。20年後だったら俺、70歳過ぎてるよ! もっと早く反応がほしい」とこぼし、高田、半田のかけあいが大爆笑を巻き起こしていた。その半田は「『仮面ライダー555/ファイズ』から約10年。久しぶりに出演しても、仮面ライダーを応援してくださるファンの方々は10年前と同じ温度で迎えてくれるのがうれしい」と喜びをあらわに。劇中では仮面ライダーBLACKから、仮面ライダーBLACK RXに二段変身を果たす倉田は「『仮面ライダーディケイド』以来6年ぶりの変身を披露したことについて「変身はいつやっても血がたぎるというか、うれしかったし、楽しかったです」と感慨深げに語っていた。自身の歌う本作の主題歌「Who’s that guy」と共に登場した及川は、満場の観客に対して輝くようなミッチースマイルであいさつ。自分にとって最強の存在は? の問いに、竹内同様「母が最強」と答えながらも、「もう一人いた。美輪明宏さんです」と、年齢を超越した美貌の持ち主である美輪を称えた。中村が「カッコいい」と称えていた変身ポーズについては「やはり、仮面ライダーファンの期待を背負って緊張するので、待ち時間にひたすら練習をしていた」と、並々ならぬ熱意をもって撮影にあたっていたという。及川にとって、今年(2015年)は芸能界デビュー20周年という節目の年。20年後に叶えたい夢は? との問いについて及川は「そのころはもう60歳を越えていますよね。じゃあ、死神博士を演じたい」と返答し、かつて天本英世が演じたショッカー大幹部「死神博士」役に挑む意欲を見せていた。最後のあいさつで及川は「今バリバリの少年も、昔少年だった大人の方にも、胸を熱くしていただきたい映画。そして女子の方には、これだけの"変身男子"が揃っていますので、おそらく一人くらいは胸がキュンとするシーンがあるのではないかと思います。老いも若きも、男性も女性も、この春は『仮面ライダー3号』で胸を熱くしていきましょう!」と締めくくった。なお、この日の舞台あいさつには仮面ライダー1号、2号、V3が応援にかけつけ、V3から「君こそ本当の仮面ライダー3号だ」という言葉と共にトロフィーを受け取った及川は「まさかV3からトロフィーをいただくなんて、人生何が起こるかわからない。でも、本当の仮面ライダー3号はあなただよ!」と、少年時代に憧れたヒーロー・仮面ライダーV3に最大級のリスペクトをしつつ、固い握手を交わした。
2015年03月22日