「コミックブレイド」(マッグガーデン刊)にて連載されている天野こずえ氏の最新作『あまんちゅ!』のTVアニメ化が決定。2016年夏より放送開始となることが明らかとなった。TVアニメ化にあたり、総監督は「ARIA」TVシリーズや現在上映中の『ARIA The AVVENIRE』を手掛けた佐藤順一氏、監督は『ハチミツとクローバー』『バクマン』を手掛けたカサヰケンイチ氏、脚本は「ノラガミ」シリーズの赤尾でこ氏がそれぞれ務め、アニメーション制作はJ.C.STAFFが担当する。「日常、ときどきダイビング。」「FUN for ALL.ALL for FUN.」のキャッチフレーズで贈る天野こずえ氏の新たな蒼の物語。公式サイト、公式Twitterも開始しているので、こちらもあわせてチェックしておきたい。○TVアニメ『あまんちゅ!』 - スタッフからのコメント■原作者 - 天野こずえいよいよ待ちに待った情報解禁…『あまんちゅ!』アニメ化です! しかも『ARIA』でお世話になった佐藤監督と共にまたあの「素敵んぐ!」な楽しい時間を皆様と一緒できる…私は本当に幸せ者です。『ARIA』の連載終了後、私がダイビングのライセンスを取ったのは、当時の新連載作品アイデアにあった別作品の設定のためでした。海の中の世界を知りたくて体験した結果、それがあまりにも「素敵んぐ!」な世界だったので、その感動を多くの人にも知ってもらうべくダイビングそのものをメインテーマに据えて新たにゼロから始まったのがこの『あまんちゅ!』という作品です。ダイビングは、私達が行こうと思えば実際に行くことができる、ファンタジーの世界です。陸の日常と海の中のファンタジーを行き交う『あまんちゅ!』、素敵なアニメの世界でも是非ご一緒しましょう!■総監督 - 佐藤順一漫画の連載が始まった時から、きっとアニメ化の話はあるに違いないと思っていました。しかし、自分以外の誰かが作るかもしれないと考えると、楽しみでもある反面、寂しくもあるなぁ…などと思っていたら、またアニメ化やってよしとのありがたいオファーをいただきました。その上、奇しくも『ARIA』TVアニメ放送10周年のBD化と劇場新作を作っている、この時期に発表できるという素敵っぷりに、なんだか10年前からの素敵な奇跡がまだずっと続いているような気がしています。原作では素敵なお話やキャラクターが続々と増えているので、「どのエピソードをどう繋いでどうアニメにしようか」「どんな音楽がいいだろうか」「どんなキャスティングにしようか」…などなど『ARIA』同様、楽しい苦悩の日々が始まりました。皆様を『あまんちゅ!』ワールドにお招きできるのはもう少し先になりますが、どうか楽しみに待っていてください。■監督 - カサヰケンイチこの度、尊敬する佐藤監督とご一緒に参加させていただくこととなりました。とても光栄に思うと同時に、御迷惑をお掛けしないかと緊張しております。本作は不心得ながらご紹介いただくまで存じておらず、既刊の単行本を一気に読ませていただきました。心優しい登場人物の織り成す人間模様に、じんわりと胸が温まりました。アニメ化にあたっても大切に扱っていきたいと思います。自分は港町の生まれですが物心がつく前に山間部に転居しており、スキューバダイビングは未知の題材です。モデル地となっている伊豆半島についても明るくないので、どちらもしっかりと勉強して臨みたいと思います。原作愛読者の方はもちろん、初めて目にする方にも楽しんでもらえるよう頑張ります。■脚本 - 赤尾でこ『あまんちゅ!』の中の、てことぴかりの物語は女の子の大切なモノがたくさん詰まっていると思います。よく知っている気持ちもあれば、まったく経験したことのない気持ちもあって、原作を読みながら深く頷いたり羨ましくなったりしました。そして、同時に海と少女の相性の良さにうっとりしました。海を真っすぐ見つめるてこ、海の底をたゆたうぴかり…何故、水分を含んだ青春はこんなにも眩しいのでしょう。波の搖らぎのように繊細な彼女達の感情を一滴もこぼさず、掬い取って脚本という形にしていけるよう努めます! 楽しみに待っていてくださると嬉しいです。■キャラクターデザイン - 伊東葉子今回『あまんちゅ!』でキャラクターデザインという形でご一緒させていただけると決まった時は、ぴかりと一緒に「うぴょーーーっ!!!」と飛び上がってしまいたくなるくらい嬉しかったです。尊敬するお二人の監督に大好きな原作者様の大好きな大好きな作品。心が踊ると同時に、私がデザインをさせていただくということにとっても緊張しています。『あまんちゅ!』の思わず笑顔がこぼれてしまうたくさんの優しさや胸を打つ切なさ、楽しいことを探すのに全力疾走なワクワクする感じを、原作ファンの方はもちろん、初めてこの作品を目にする方にもお伝えできるように、ぴかりやてこ達が思いっきり走り回れるような絵作りを精一杯頑張ります!!TVアニメ『あまんちゅ!』は2016年夏の放送予定。(C)2016 天野こずえ/マッグガーデン・夢ヶ丘高校ダイビング部
2015年10月05日Amazon.co.jpは、7月15日に開催する過去最大セール「プライムデー」の一部商品を公開した。キャラクターデザイナーの天野喜孝氏の原画を販売代理店希望価格から6千万円値引きの2億円で販売するなど、一部の目玉商品が公表され始めた。「プライムデー」は、Amazonが今月16日に20周年を迎えることを記念し、日本、米国、英国など9カ国で開催されるセール。15日の深夜0時からスタートし、1日限定のセールとなる。購入できるのは、Amazonプライム会員ほか、Amazonファミリー会員、Amazon Student会員。PCほか、スマートフォンからもセールに参加できる。今回公表されたのは、天野喜孝氏のアクリル原画12枚+DVDセット、グランドピアノ「エストニア グランドピアノ168 クイーン・アン」、ゲーミングPCの「MSI GT80 Titan SLI」の3点。天野喜孝氏の作品は2億円という価格が提示されたが、それ以外の販売価格については、7月15日セール当日に発表される。
2015年07月08日お笑いコンビ・キャイ~ンの天野ひろゆき、ウド鈴木、女優でフィギュアスケーターの本田望結が4日、都内で行われた、映画『トゥモローランド』公開記念「理想の未来イラスト・コンテスト表彰式」に出席した。6日に全国公開する本作は、ウォルト・ディズニーが遺した世界"トゥモローランド"の冒険を描くミステリー・アドベンチャー作品。公開を記念して行われた同コンテストには、"理想の未来"をテーマにしたイラストが寄せられ、津田楓さんの作品が最優秀賞に選ばれた。特別審査員を務めた本田は、登場するなり、キャイ~ンと一緒に決めポーズ。「1枚1枚夢中で見ました。こんな未来が待ってたらいいな」と笑顔を見せ、自身の将来を聞かれると、「夢を諦めない姿を見て頂いて、人の役に立てれば。『フィギュアでオリンピックに出るのが夢』って自信を持って言うことが夢です」とハキハキ回答。そんな本田の様子に、「しっかりしてる~!」と感嘆の表情を浮かべた天野は、一方で、「将来はウドちゃんの滑舌がもっと悪くなりそう……」と苦笑いした。表彰式終了後は報道陣の取材に応じ、昨年2月に元アナウンサーの荒井千里と結婚した天野は、「結婚式で15kg痩せたけど、7~8kg戻った。未来は球体になってると思う」と中年太りの体型を自嘲しながら、「おかげ様で、仲良くさせていただいてます。料理も頑張ってやってくれてる」と順調な結婚生活を報告。報道陣に子どもの予定を聞かれた際は、「作る作業は好きだけど、なかなかね~」と笑いを誘い、「良い報告ができれば。望結ちゃんみたいな子が生まれたら大変!」と2世誕生を心待ちにしている様子だった。
2015年06月05日天野こずえ原作による未来形ヒーリングコミック『ARIA』が、完全新作アニメーション『ARIA The AVVENIRE』として9月26日にイベント上映されることが決定し、特報映像とキャラクター設定、最新場面カットが公開された。『ARIA』は、前身作『AQUA』(2001年)から漫画誌『月刊ステンシル』(エニックス)にて8年かけて連載。単行本は累計420万部、関連書籍は累計60万部とシリーズ累計480万部を記録している。2005年のTVアニメ『ARIA The ANIMATION』から、2006年に2ndシーズン『The NATURAL』、2007年に『The OVA ~ARIETTA~』、2008年には3rdシーズン『The ORIGINATION』が放送され、多くのファンを獲得。惑星改造により生まれた水の惑星「アクア」の観光都市ネオ・ヴェネツィアを舞台に、ゴンドラを操りウンディーネと呼ばれる水先案内人として働く少女たちの日常を描いている。1stシーズンから10年目を迎える2015年、10周年記念プロジェクト「蒼のカーテンコール」として本作の制作が発表され、メガホンをとるのはTVシリーズを手がけた佐藤順一監督。脚本も同様にTVシリーズを担当した吉田玲子氏という「ARIA」シリーズの制作陣が再集結している。本作は、アニメ化されなかった原作のエピソードにオリジナルストーリーをプラスした内容にとなり、原作者の天野こずえがデザインした新キャラクターも登場するという。公開された特報映像では、TVシリーズのメインキャラクターである、プリマ・ウンディーネの灯里と、新米ウンディーネとして働くアイの姿も。同時に、灯里とアイのキャラクター設定も公開されている。個人経営の水先案内店・ARIAカンパニーを切り盛りする、マンホーム出身のプリマ・ウンディーネである灯里は、すてきな物事に対する感受性が人一倍強く、これまでアクアのさまざまな魅力を発見する。通り名は「遙かなる蒼(アクアマリン)」。一方、かつて旅行中に灯里のゴンドラに乗ったのをきっかけに、アクアとウンディーネの魅力に開眼し、ARIAカンパニーに入社したアイは、まだシングルの身でありながら、先輩である灯里のサポートをてきぱきとこなすしっかり者という役どころとなる。灯里を演じる声優の葉月絵里乃は、「私がひとつひとつのお仕事が初めての連続だったので、芝居ひとつにしてもコメントひとつにしても、合っているのかダメなのかさえもわからない、いつも不安であたふたしていました。そんな自信のなさ加減からほわほわな灯里が出来上がっていったのだと思います」と当時を回想。そして新作の公開にあたり、「この10年でそれぞれいろんな事があったと思います。そんな自分の足跡を少し振り返りながら、もう一度ネオ・ヴェネツィアの世界に浸ってください。変化した事もしていない事も、また新たな発見があると思います」と呼びかけている。『ARIA』のことを"忙しい日常の中にぽっかり浮かんだ優しいオアシス"と語る、アイ役の水橋かおりは、「アリシアさんの想いを灯里ちゃんが継いだように、アイちゃんも早く一人前になって、灯里ちゃんの想いを受け継いでほしいなあと思っています」と、アイの成長に期待を寄せている。アリスを演じる広橋涼は「まさかまさかの完全新作です。みなさま以上に驚いています。またARIAのみんなに会える、演じられる、こんなにすてきな奇跡はありません。とにかく"でっかい"楽しみです」と喜びをあらわに。アリシア役の大原さやかは、「ときどきイライラしたり、自分を見失いそうになったときに、アリシアさんの『あらあら、うふふ』を思い出してみたり、日常のなにげないものの中にすてきなものを見つけると、アリシアさんならなんて言うかなあと考えたり……。いつも笑顔で、誰かの心にスッと寄り添える人。私にとって、すてきな大人の代表であり、憧れの女性です」とアリシアの魅力を語っている。そして、晃を演じる皆川純子は「アフレコしている時も号泣、オンエアを見る時も号泣、こんなに制御が効かず泣くなんて、役者失格なんじゃないかと自分で心配になるほど泣きました」とアニメ放送当時を振り返り、「新作が出ると聞いた時はそれはもううれしくて変な声が出ました」と明かし、「みなさんに『やっぱりARIAが大好き』と思ってもらえるように、思いをこめて晃を演じたいと思います」とコメントした。(C)2015 天野こずえ/マッグガーデン・ARIAカンパニー(C)2015 Kozue Amano/MAG Garden・ARIAcompany All Rights Reserved
2015年04月07日2015年1月17日に公開される特撮映画『烈車戦隊トッキュウジャーVSキョウリュウジャー THE MOVIE』のゲスト声優として、お笑いコンビ・キャイ~ンの天野ひろゆきの出演が决定した。天野は、本作品のオリジナルキャラクター「紅蓮神官サラマズ」の声を担当。サラマズは突如地球を襲った悪の創造主「デビウス」の側近で、デビウスの完全覚醒のためにシャドーラインの力を吸収し、トッキュウジャーとキョウリュウジャーの前に立ちはだかる役どころとなる。天野といえば『烈車戦隊トッキュウジャー』で車掌役を演じている関根勤と同じ事務所。今回は関根たちトッキュウジャーに立ちはだかる悪役を天野が演じ、映画の中で先輩後輩対決を繰り広げるという。小さい頃から「スーパー戦隊」シリーズが大好きだったという天野は「普段から良くしていただいてる先輩の関根さんが出てますから『烈車戦隊トッキュウジャー』ももちろん見てました」と前置きしながら、「大人になってから『秘密戦隊ゴレンジャー』を見直したことがあるのですが、なんとゲストに関根さんが出ている回があって、その時の演技が、トッキュウジャーの演技と非常に酷似しているんです(笑)」と、『秘密戦隊ゴレンジャー』第57話「黒い包囲網!五つの顔のペギー」(1976年)を観直した模様。「結婚したばかりで私も生活がかかっていますので、精いっぱい悪役としてがんばらせていただきます。関根さん率いるトッキュウジャーたちを倒し、レギュラー悪役として定着するのが目標ですので、よろしくお願いします(笑)」とアピールしている。また、対する関根は「トッキュウジャーは強いですよ! 数々の敵を倒してますから。天野はレギュラー定着を狙っているなんて言ってるみたいですが、そんな甘い考えじゃ、コテンパンにやられると思います」と挑発しながらも、「天野は間も良いしお笑いのセンスも演技力もずば抜けていてとにかく達者なんですが、特に声が良い」と絶賛。「初対面の人や先輩など、普通なら気を遣うような人たちに対して、どこまで踏み込んだら怒るのかっていうのをわざと試す、いやらしいところがあるんです。だからサラマズみたいな憎たらしい悪役をやらせたらぴったりですよ(笑)」と天野の役どころに太鼓判を押している。『烈車戦隊トッキュウジャーVSキョウリュウジャー THE MOVIE』は、現在テレビ朝日系で放送中の「スーパー戦隊」シリーズ第38作『烈車戦隊トッキュウジャー』と前シリーズ『獣電戦隊キョウリュウジャー』が、"イマジネーション〟と"ブレイブ"を合わせ、奇跡の共闘を果たすという。「トッキュウジャーVSキョウリュウジャー」製作委員会(C)テレビ朝日・東映AG・東映
2014年12月06日先日、結婚式と披露宴を行なったばかりの「キャイ~ン」の天野ひろゆきが、相方のウド鈴木と共に10月9日(木)、応援隊長を務めるフランス発の話題のアニメーション映画『ミニスキュル ~森の小さな仲間たち~』の試写会に出席した。実写の自然の風景とCGアニメーションを組み合わせて製作された本作。角砂糖の入った箱を巡り、アリとテントウムシの凸凹コンビが繰り広げる冒険を描き出す。劇中のテントウムシとアリのコンビに負けず劣らず「世界一仲の良いコンビ」として応援隊長に就任した「キャイ~ン」の2人。ウドさんは「ムシに憧れてこの世界に入りました!」と意味不明のアピールで会場をわかせる。天野さんは作品について「ムシの世界を描いてるけど、見ている内に人間界に置き換えてもこういう人いるな!と思えてきます」とムシの世界と人間の世界の類似を語った。翌10月10日は記念日協会に正式に認定された「てんとう虫の日」ということで、共に10歳の人気子役コンビの「すたーふらわー」の鈴木星蘭ちゃんと谷花音ちゃんがテントウムシのキュートな衣裳で認定証を持って登場した。2人の姿にウドさんも天野さんもメロメロ!「すたーふらわーの鈴木星蘭です」「谷花音です」という自己紹介に続いて「すたーふらわーのウド鈴木です」と仲間入りを直訴?この日、星蘭ちゃんと花音ちゃんは、ムシの世界に入ったウドさんと天野さんの絵を描いてきたが、星蘭ちゃんの手でウドさんはアオムシに、花音ちゃんにより天野さんはカブトムシに変身した姿が描かれており、これには2人とも大感激!天野さんは「LINEのスタンプにしたい!」と目尻を下げていた。イベント終了後に4人は報道陣の取材に応じたが、星蘭ちゃんと花音ちゃんは、しっかりとした口調で映画の魅力や見どころを伝えてくれる。一方で大人の2人は…。「世界一仲のいいコンビ」という言葉に天野さんは「『Take2』や『Wコロン』、『オセロ(※既に解散)』よりは仲が良いですね」と聞かれてもないのにほかコンビの名を挙げ、火種を巻きまくり、慌ててウドさんが「いろんな事情がありますからね…」とフォロー。また、CM用の予告編でアリの声を担当したウドさんは「アリのままで~」と別会社配給のアニメーション『アナと雪の女王』の主題歌でダジャレにしてしまうなど、失言のオンパレードだった。天野さんは挙式の話題に「ウドちゃんの方が自由にやってまして、絶好調でしたよ」とニッコリ。ウドさんは「てんやわんやの大騒ぎで、日本三大祭りに入れてほしいくらい」と盛り上がりの様子を語る。ゲストへの様々なサプライズもあったようだが天野さんは「僕もサプライズを用意してたんですが、僕の知らないところでサプライズ返しもありました」と語り、さらに「プチサプライズとして千秋と(元夫のココリコの)遠藤(章造)を並べて座らせて、夫婦円満の秘訣を2人に聞きました」と明かした。新婚生活については、映画になぞらえ「僕も料理をしますが、働き者のアリのように(妻は)頑張ってくれています。そして、僕が時折、オナラをしてます」と幸せいっぱいのよう。子どもの話題になると星蘭ちゃんと花音ちゃんを見やり「こんなカワイイ子が出来たら現場に行きたくなくなって仕事が大変!」と「仕込みの仕方がいまいち分かんなくて…(笑)」とやはり最後は下ネタに持っていき、ウドさんから制されていた。『ミニスキュル~森の小さな仲間たち~』は10月18日(土)より全国のイオンシネマ(一部劇場を除く)にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ミニスキュル森の小さな仲間たち 2014年10月18日より全国イオンシネマにて公開(C) MMXⅢ Futurikon Films - Entre Chien et Loup - Nozon Paris - Nozon SPRL - 2d3D Animations. All rights reserved.
2014年10月09日報道ステーションやニュースプラスワンなど、全国ニュースがこぞって取り上げる夢の国がそこにはあった。名古屋駅から名鉄で約1時間。西尾駅すぐの「天野ゲーム博物館」を、ライター中宮タカシが直撃取材した。扉を開けると懐かしのテレビゲームの数々が、筆者を待ち受けていた。インベーダー、パックマンといった有名なゲームはもちろんのこと、ダライアス3画面筐体(きょうたい)機やガントレット、ロストワールド2・エコロジーなど。もはや他ではお目にかかれないマニアックな名作まで、約100タイトルがずらりと並ぶ。この博物的価値の大きさは、あのトヨタ自動車などがイベントに出展するために貸してほしいと頭を下げてくるほどだ。店に出ていない基板が物置には山と積まれ、不定期に作品を入れ替えているというのだから、常連さんにとってたまらないことこのうえない。しかも朝の9時から夜中の0時まで、なんと「年中無休で」営業しているというのだ。取材当日、名鉄西尾駅に降り立った筆者は駅の観光センターに直行し、博物館までの行き道を訪ねた。「お好きな方々が全国からいらして、ここでよく場所をお尋ねになるんですよ」。受付の女性は柔らかくほほ笑む。ゲーム博物館へ到着するまでの間、道を教えてくれた地域の人々も、面倒くさがることなく誇らしげに行き道を教えてくれる。「天野ゲーム博物館」には、「隠れ家」という言葉がふさわしい。大通りに面しているのに、注意しないとうっかり通り過ぎてしまうほどだ。今年75歳の天野館長のこだわりで、外観も隠れ家的な建物に設えられている。しかし一歩中に入ると、広々とした魅力的な空間でゲストを包みこむ。そこにあるのは単なるレトロゲームの陳列ではない。まさに人間の夢の歴史なのだ。ゲームマニアたちの夢、地域の人々と交流と助けあいにより運営されてきたつながりの夢、ゲームの配置から椅子や建物の内装にまでこだわった館長の夢。数えきれないほどの夢が、ここにはぎっしりと詰まっている。日曜祝日の店内は、足の踏み場がないほどの人々で埋め尽くされる天野ゲーム博物館。ひとりで黙々とプレイするゲーム機と違い、ここでは筆者も他の客も館長も、みんなが仲間であり友達だ。プレイしていると周りにギャラリーができ、巧みなプレイには称讃(しょうさん)と驚嘆の声がこだまする。高スコアには万雷の拍手が送られ、誰もがゲームの腕ひとつでヒーローになれるのだ。ジュースがおごられカップラーメンが振る舞われ、ゲームを絆にして人々が出会い、ここでひとつになる。ここで生まれたカップルも多く、その後、結婚して子を産み、一家そろって再びここを訪れるというのだ。子供が見たこともない20年近くも前のレトロゲームのやり方を、両親が楽しげに教える。いつもは見せない親のはしゃぐ横顔と巧みな腕前に、子供たちは驚きつつも、その新鮮な体験に共鳴していくのだ。ここは男性客や家族連れだけでなく、若い女性の姿も目立つ。なぜか?最近のゲームは、対戦タイプなどが主流であり、操作を覚えるのが難しい。しかも、数分で100円玉が吸い取られてしまう。しかし、ここにあるようなレトロゲームはシューティング系が多く、操作法がカンタンなのだ。さらに100円玉1枚で長時間遊ぶことができる。そんなわけで、北は北海道から南は沖縄まで、まさに日本全国から多くのゲームマニアが押し寄せてくるのだ。知人友人と車やバスに乗り合わせ、朝から夜中までゲームをプレイし倒し、中には、6カ月もホテルから通い続けたつわものもいると言う。このゲーム博物館に対する館長のこだわりと気配りたるや、並外れている。建物は昔のゲーセンの雰囲気を出すために、タイルだけで2,000万円近くを投資、身分証明証の提示が必要なVIPルームでは、半端ないふかふか具合の椅子が用意されている。今やメーカーでも修理できないゲーム機本体は、基板のハンダ付けまで館長ひとりがこなすというから驚異的である。採算度外視、出血大サービスとはこのことだ。館長は「やりたいことをわがままにやってきた私に今があるのも、皆さんのおかげ」と目を細める。その言葉にうそはない。周辺住民もお客も、皆がこの憩いの場を、誇らしげに語っているからだ。天野ゲーム博物館は、ただのゲーセンでもなければ、まして過去の遺物を陳列しただけの博物館でもない。ここは現在進行形で最高のエンターテインメントを提供し続ける場であり、同時に人々が絆をつくり、確かめ合えるコミュニティーでもあるのだ。あなたも100円玉を握りしめ、この夢と絆の世界に一度、飛び込んでみないか!?【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月10日