ママ友からの誘いを初めてお断りした日娘が幼稚園の4年保育に通っていた最初の年の秋のことです。娘は楽しく幼稚園に通い、私もクラスをまとめてくれるママに誘われて、ランチ会に参加するようになりました。連絡をとるのはいつもSNSですが、その日はたまたま娘を幼稚園に送ったときにランチ会に誘われました。でも、その日はずっと行きたかった漫画の原画展に行くため、初めてランチ会をお断りしたのです。園の行事もランチ会も、いつも都合をつけて参加していたので、特に仕事や用事はないはずだと思われていた私。趣味の話も自分から話す方ではないので、なんとなく漫画の原画展に行くとは話しづらく…。スマホに届いたママ友からの心ないメッセージそして自転車で駅に向かう途中。さっき会ったママから、同じクラスの他のママ宛ての、私への心ない言葉を書いたメッセージが間違って送られてきたのです。私はそのメッセージを見てしまったのですが、送信者側ではすぐに削除したようです。削除したあと、そのママから「間違いメッセージ送っちゃったから消したよ!ランチまた誘うね~」と、何事もなかったかのようなメッセージが届きました。誰をどこまで信じたらいいのかわからないその日、すごく楽しみにしていたお出かけもそのことが頭から離れず、まったく楽しめませんでした。『話すのは苦手だから、「うんうん」ってみんなの話を聞く側で参加していたけれど、それじゃダメだったのかな。お出かけを諦めて、ランチ会に行けばよかったのかな。それとも、「漫画の原画展に行くから」って言えばよかったのかな』そして、私の知らないSNSのグループでは、こんな会話がされているのかもしれないんだ…と初めて思った私。誰をどこまで信じてお付き合いすればいいのか、どんなことを話せばいいのか、どんどん頭の中が混乱していきました。楽しかった時の写真を見て気づいたことある日、娘が赤ちゃんの頃に参加していたバレエ講座でお友達と撮った写真をたまたま見つけました。その講座では、みんなで身体を動かし、笑い合っていました。先生も子育て中なのに、キラキラした笑顔いっぱいでステキで…。そして、ふと思ったのです。「私が好きな場所へ行けば、同じものが好きな人がいるのかも」と。勇気を出して、一歩踏み出してみた!そして、私はその先生が子育て支援センターとは別に主催しているバレエ教室の体験レッスンの申し込みの電話をしました。たった1本の電話をするのに、1週間悩んだ私。もしかしたらこの先何か悪いことが起こるんじゃないかという想像力がめいっぱい働いてしまうのです。だから、はじめの一歩を踏み出すのにすごく勇気が必要で。でも、踏み出した先には私を「バレエが好きな仲間」として受け入れてくれるママたちがいました。一気に広がった自分の世界そこにいるのは、子どもの年齢がバラバラで、住んでいる地域もそれぞれ違うママたち。彼女たちと一緒に体を動かすことで、ちょっとしたストレスもスッと消えてなくなるようになりました。そしてバレエの話だけではなく、いろいろな価値観を持つママたちからたくさんの話を聞かせてもらえるように。ここから、自分の世界が一気に広がったのです。「今までの私は狭い世界にいたんだな。ステキなママがこんなにいるんだなぁ」と知ることができ、心がワクワクする時間を過ごせるようになりました。子どもたちと大好きなママたちに感謝あのSNSを見た日の悲しさは大きかったけれど、あの出来事がなければ今の私はいません。人生ってそんな日々の積み重ねですよね。一度しかない、子どもとの貴重な今の時間。悲しい気持ちのまま過ごしていたらもったいない!と思えるようになりました。今は、この出会いをもたらしてくれた子どもたちと大好きなママたちに感謝の気持ちでいっぱいです。<まんが・文:しみず宇海>
2020年09月30日