■今年の小満は2016年5月20日!5月の下旬ごろ、二十四節気では「小さく満ちる」と書いて「小満(しょうまん)」と呼ぶ節目があります。2016年は、5月20日がその小満にあたります。小満は太陽の光を浴びて作物が成長し、大きく無事に育っていく時期。あらゆる生命が成長していくパワーみなぎる季節です!■農業では作物が育ってホッと一安心農業では、秋に撒いた麦穂が黄緑に色づき始めたり、梅の実が膨らんできたりする時期。「小満」には、順調に育ってきている作物を見て、ひと安心するという意味もあります。とくに麦は、二毛作で作る場合、梅雨入り前のこの時期が収穫時期。実が熟し、麦にとっての収穫の「秋」であることから「麦秋(ばくしゅう/もしくは、むぎあき)」という言葉もあります。熟した麦を取り入れる、初夏を指す季語です。■小満の日には、何を食べる?野菜では、さやえんどう・グリーンピース・空豆などの豆類がおいしい季節です。黄緑や緑などパステルカラーのお豆類を使えば、初夏らしい彩の料理が作れそうですね。さらにアスパラガス・紫蘇(しそ)・明日葉などの葉っぱ類も豊富です。皮がやわらかい新じゃがいも・新たまねぎも並びますね。果物では、枇杷(びわ)・夏みかんが走りの季節をむかえます。魚貝類では、鯵・鰹・鱚(きす)・きびなご・いさき・雲丹(うに)・さざえ・車海老・真だこ・烏賊(いか)など。こうした旬の食材が並ぶ食卓にすると、自然の実りを食事から学べるでしょう。 ■小満の時期の行事は?この時期には多少天気がぐずつくこともありますが、基本的に気候は穏やかです。まもなく、夏に入る準備「梅雨」がやってきます。そして、6月1日は衣替えです。梅雨に入る前、晴れた日に衣替えや虫干しを済ませてしまいましょう。また、お出かけするなら、潮干狩りはいかがでしょう? 潮の引く時間が徐々に長くなり、気温も水温も暖かくなってきます。産卵のシーズンを前に、栄養を蓄えてぷくっと太り出したこの時期のアサリをはじめとした貝類は味も良く、中身もたっぷり詰まっていて食べごたえがありますよ! 子どもにとっても、きっと楽しい思い出になることでしょう。今回は「小満」の季節についてでした。日本の四季を楽しむ節目、お子さんとの会話や料理の中に取り入れてみてはいかがでしょうか?
2016年05月15日5月21日は、二十四節気の「小満」(しょうまん)の時期にあたる日です。「しょうまん」と聞いてもピンとこない人が多いかもしれませんが、実は私たちの「食」にまつわるありがたい日です。現在の日本では太陽の動きを基準とした「太陽暦」が採用されていますが、古代中国では、月の運行をもとにした「太陰暦」が用いられていました。太陽暦と太陰暦とでは、1年が11日程度ズレると言います。数年に一度、1年を13カ月にする閏月 (うるうづき) を設けてズレを調整していたのですが、それでも春夏秋冬という季節感とそぐわなくなることがあったようです。言うまでもなく、農耕において正確な季節を知ることは欠かせない作業です。そこで、季節の移り変わりを表現するものとして考え出されたのが「二十四節気」でした。上述のとおり、二十四節気は1年を24等分(約15日ずつ)して季節を表したものです。中国の気候が基準となっているため、すべてが日本の気候にピッタリ合うわけではありませんが、季節の目安として取り入れられたようです。現代でも、「暑中見舞いを出す期間」が「小暑 (7月7日頃) から立秋 (8月7日頃) の前日まで」とされるなど、暮らしの中に息づいているのが二十四節気なのです。○二十四節気・春立春 (りっしゅん)2月4日頃雨水 (うすい)2月18日頃啓蟄 (けいちつ)3月5日頃春分 (しゅんぶん)3月21日頃清明 (せいめい)4月5日頃穀雨 (こくう)4月20日頃・夏立夏 (りっか)5月5日頃小満 (しょうまん)5月21日頃芒種 (ぼうしゅ)6月5日頃夏至 (げし)6月21日頃小暑 (しょうしょ)7月7日頃大暑 (たいしょ)7月23日頃・秋立秋 (りっしゅう)8月7日頃処暑 (しょしょ)8月23日頃白露 (はくろ)9月8日頃秋分 (しゅうぶん)9月23日頃寒露 (かんろ)10月8日頃霜降 (そうこう)10月23日頃・冬立冬 (りっとう)11月7日頃小雪 (しょうせつ)11月22日頃大雪 (たいせつ)12月7日頃冬至 (とうじ)12月22日頃小寒 (しょうかん)1月6日頃大寒 (だいかん)1月21日頃○七十二候 (しちじゅうにこう) とは七十二候は、二十四節気の1つずつを、さらに3つに分けたものです。二十四節気が約15日間なので、七十二候はそれぞれ約5日間となります。中国から伝来した二十四節気がそのまま使用されているのに対して、七十二候は日本の季節に合うように何度か修正されながら現在に伝わっています。そのため、名前も読み方も、時期によって微妙に異なっているのが特徴です。<参考文献>三省堂年中行事辞典【改訂版】(三省堂) / 入門日本の旧暦と七十二候 (洋泉社) / 原色シグマ新国語便覧増補三訂版 (文英堂) / 暮らしのしきたり十二か月うつくしい日本の歳時と年中行事 (神宮館) / 日本の風俗の謎 (樋口清之著、大和書房) / 日本人のならわしと暮らし暦12か月 (瀧本マリ子と日本人の暮らし研究会著、海龍社)執筆:野村佳代株式会社アスラン編集スタジオ 代表取締役。編集・ライター。一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師。Webサイト「ビジネス文章力研究所」を運営している。
2015年05月21日