2007年秋、イデーはひとつの家具との出会いをきっかけに、日本のモダンデザインを検証するプロジェクト「JAPANESEMODERNMASTER」を立ち上げました。このプロジェクトを通じて、先達のデザインに学びながら、ものづくりの姿勢や受け継ぐべき思想や理念、豊かな生活とは何かを探り、名品の復刻と販売を続けています。10年を経て、名作の佇まい、生まれた背景、そして現代の暮らしにおける魅力とはなにか、あらためて今の視点で、その魅力を捉えていく本プロジェクトのスペシャルサイトがこの度オープンしました。写真やインタビューなどを通して、モダンマスターの思想やデザインを検証あるひとつの家具との出会いをきっかけに、イデーは日本のモダンデザインに目を向けることとなりました。それが、昭和を代表する建築家、村野藤吾が都ホテル(現ウェスティン都ホテル京都)のために手掛けたラウンジチェアです。ホテルという特別な空間のために生まれた家具ながら、その佇まいがもつタイムレスな普遍性に惹かれていったそうです。村野の家具がもつ魅力のルーツを紐解くうち、時の流れのなか埋もれてしまった数多の良作の存在を知ったといいます。色褪せることないマスターピースの数々をいまに届けたい、その想いから2007年に「CHIYODASOFA」(写真上)が復刻されました。村野藤吾が千代田生命保険相互会社本社ビル(現目黒区総合庁舎)の役員室のためにデザインしたソファです。そこから「JAPANESEMODERNMASTER(JMM)」は始まりました。#01建築家・村野藤吾JMMのプロジェクトが始まったきっかけのひとつである村野藤吾の「CHIYODASOFA」。このソファのルーツである千代田生命保険相互会社本社ビル(現目黒区総合庁舎)は、写真家・鈴木理策氏の撮り下ろしです。映し出されたのは、この建築に込めた村野の思いを読み取り、導かれるかのように建物の中へ歩を進めながら、鈴木氏が捉えていった、村野の思想、そこに流れる時間、そして空気。下記JMMスペシャルサイトで公開されています。ぜひご覧下さい。JMMスペシャルサイト鈴木 理策(すずき りさく)1963年和歌山県生まれ。主な個展に2007年「熊野雪桜」(東京都写真美術館)、2015年「意識の流れ」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、東京オペラシティアートギャラリー)、2016年「意識の流れ・水鏡」(田辺市立美術館・熊野古道なかへち美術館)、2016年「MirrorPortrait」(タカイシイギャラリー)。写真集に『SAKURA』『White』(共にeditionnord)、『海と山のあいだ』(アマナサルト)、『AtelierofCézanne』(NazraeliPress)、『熊野雪桜』(淡交社)等。「村野藤吾の家具」展開催JMMプロジェクトの一環として製品化を実現した村野藤吾の家具を関西で初めて一堂に会します。村野が手がけた建築にあわせてデザインされた、細部にまでこだわった家具を鑑賞できますよ。【同時開催】写真家鈴木理策氏による村野建築の撮り下ろし作品の展示日時:2017年7月28日(金)-8月31日(木)会場:イデーショップ梅田店(大阪府大阪市北区大深町4-20グランフロント大阪南館5F)「村野藤吾の家具展」informationスペシャルサイト、次回は秋の始まりの頃に、村野藤吾vol.2が予定されています。写真家やアーティストとのコラボレーション、若手建築家へのインタビューなど、これまでとは違う視点を通して、モダンマスターの思想やデザインが紐解かれていきます。楽しみですね。
2017年07月26日