2023年5月20日(土)より、府中市美術館では、『発掘・植竹邦良ニッポンの戦後を遷す夢想空間』が開催される。幻想的なモチーフやダイナミックな都市風景を緻密に描いた、植竹邦良(1928~2013)の全貌を紹介する初の回顧展だ。1928年(昭和3)、東京に生まれ、学徒動員や空襲に脅かされながら青年期を過ごした植竹邦良は、戦後、米軍管理下の印刷工場で働きながら画家を目指した。そんな彼が1960年代以降たどりついたのが、戦時下の記憶や、安保闘争、学園闘争といった社会の状況が複雑に編み込まれた夢想的な空間描写。個人的な記憶や世相を象徴するモチーフが入り乱れ、反復しながらどこまでもつながっていくその緻密な作品は、当然コンピューターグラフィックなどであるはずはなく、正真正銘、植竹が手で描いたものである。その圧倒的なイメージと異様な迫力に、息をのむ人は多いに違いない。さらに1970年代以降、彼の非現実的な空間は、様々なアングルで自ら撮影した地形模型や、高度経済成長で増殖していく巨大構造物を取り込みながらますますダイナミックに展開した。かくも独特な世界の構築に影響を与えたのは、1950年代の若き日、彼が接点を持ち、その多くを吸収した前衛美術会周辺の画家たちだった。同展では特集展示として、当時盛んだった社会運動などに取材したルポルタージュ絵画で知られる前衛画家たち――中村宏、池田龍雄、尾藤豊、桂川寛らの作品もあわせて紹介する。植竹邦良の作品に大きな影響を与えた、戦後昭和の激動と美術との関係を、肌で感じることができるだろう。なお同展会期中には、戦後社会の美術家や実際の作品を解説する講座なども開催。詳細は、美術館ホームページで確認を。<開催情報>『発掘・植竹邦良ニッポンの戦後を映す夢想空間』会期:2023年5月20日(土)~7月9日(日)会場:府中市美術館時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)休館日:月曜料金:一般700円、大高350円、中小150円公式サイト:
2023年05月08日吉阪隆正(1917~1980)は、戦後復興期から1980年まで建築家として、また、建築を中心とした教育者、登山家、冒険家、文明批評家など横断的に活躍した。東京都現代美術館で3月19日(土)から開催される『吉阪隆正展ひげから地球へ、パノラみる』では、そんな幅広い顔を持った吉阪の活動を紹介する。1917年に東京で生まれた吉阪は、「考現学」の創始者として知られる今和次郎、近代建築の巨匠ル・コルビュジエに師事。戦後の住宅難解消のため、住むためにすべてが準備されている大地を人工の力でつくる「人工土地」を提唱した。そんな人工土地の上に住む住宅《吉阪自邸》や、《ヴェネチア・ビエンナーレ日本館》、《アテネ・フランセ》などを手掛け、コンクリートによる彫塑的な造形を持った独特の建築で知られている。世界各国の大学や会議に招聘されるなど国際的に活躍する一方、吉阪は新しい社会や環境、未来へ向けた集住とすがたを提言した。自身の著作執筆だけでなく、師のコルビュジエの著作も数多く翻訳して、日本での普及に努めた。さらに住宅建築、公共建築、山岳建築や地域計画を手掛けたり、アラスカやアフリカなどへ探検する冒険家・アルピニストの活動も行った。同展では吉阪の生涯と領域横断的な活動を、7章に構成して紹介する。主宰した設計アトリエの「U研究室」、教鞭を執った大学院の学生らと共に、ディスカッションをしながら、集団で建築を作り上げていった30の建築とプロジェクトを、スケッチ、原稿、ノート、書類、写真といった創造の源泉となる資料とともに紹介。吉阪が建築によって目指したものとは何か、社会へのメッセージを紐解いていく。その中でも、地域計画のプロジェクト展示は初めてとなる。同展を、地域や時代を超えて見渡すことなどを意味する、吉阪自身の造語“パノラみる”ことで、個から地球規模への活動の広がりを知り、現代における吉阪隆正の仕事を再評価する絶好の機会となるだろう。《サイコロ世界地図》1942年(C)吉阪隆正《吉阪自邸》1955年 (撮影:北田英治、1982年)《ヴェネチア・ビエンナーレ日本館》1956年 (撮影:北田英治、1997年)自画像《一筆描きのタカ》1979年(C)吉阪隆正【開催概要】『吉阪隆正展ひげから地球へ、パノラみる』会期:2022年3月19日(土)~6月19日(日)会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F時間:10:00~18:00(展示室入場は17:30まで)休館日:月曜(3月21日は開館)、3月22日(火)料金:一般1,400円、大学・65歳以上1,000円、高中500円■公式サイト:
2022年03月07日JR東日本グループの鉄道会館は31日まで、運営する東京駅改札内地下1階エキナカ商業施設「グランスタ」と、同1階「グランスタダイニング」にて「エキナカコラボフェア」開催している。○人気店同士のコラボレーションに注目期間中は、2つのショップのハイブリッドな魅力を楽しめる新商品が期間限定で登場する。コラボ商品は以下の通り。植竹隆正シェフがプロデュースするグランスタのリゾット専門店「リーゾカノビエッタ」では、明治28年創業の老舗「浅草今半」とコラボした「トマトすき焼き風リゾット」を提供。浅草今半の割り下で炊き上げた牛肉をリゾットに乗せた。価格は1,850円。1日10食限定で販売する。宝暦3年創業の老舗茶屋「京はやしや」は、手のひらサイズの手ぬぐいで包む 「まめぐいみやげ」の「まめぐい」とコラボ。グランスタの「まめぐい」で、「お包み茶摘み娘セット(もなかマドレーヌ抹茶orほうじ茶」(756円)と、「お包み蔓朝顔セット(ほろほろクッキー抹茶orほうじ茶)(972円)を販売している。泡をテーマにしたリカー&フードストア「ル コリエ 丸の内」と、大阪手塚山に本店を構えるチーズケーキ専門店「FORMA(フォルマ)」がコラボ。グランスタの「FORMA」にて「白ワインのチーズケーキ」を販売。東京駅限定販売のワイン「トーキョーステーションワイン」の白を使用した。価格は1,728円。ジンジャーのおいしさを提案する専門店、グランスタダイニングの「銀座のジンジャー」と、グランスタで展開する葛飾の煎餅店「富士見堂」がコラボ。両店舗で「銀座のジンジャーシロップでつくった醤油煎餅」を9月末(予定)まで販売する。価格は390円となる。※価格はすべて税込。
2015年07月26日