俳優の西村雅彦率いる「ドリス&オレガコレクション」の第6弾公演『地球の王様』が、10月26日、東京・シアター1010にて開幕した。初日前日の25日にはマスコミ向けに公開リハーサルが行われた。『地球の王様』チケット情報脚本を手がけるのは、「ドリス&オレガコレクション」への参加はこれが4度目となる金子茂樹。また映画『沈まぬ太陽』やドラマ『やまとなでしこ』などで知られる若松節朗が、初の舞台演出に挑戦している。物語はウィルスの感染により、世界中の人々が死に至る事件が勃発したことからはじまる。生き残った6人の日本人たちは、時に衝突しながらも、富士山の山小屋で穏やかな日常を過ごしていた。そんなある日、宇宙飛行士を名乗るひとりの男が山小屋に現れる。彼はウィルスが蔓延する前に宇宙へと旅立ち、地球に戻ると、生命反応が確認出来るのは今この場にいる7人だけになっていたと言う。人類存亡の危機に直面した7人。彼らは残された人類のリーダーとなるべき、“地球の王様”を決めようとするのだが……。“人類再生”という壮大なテーマを掲げながらも、そこに登場するのは食品会社の社員と清掃員という、いわゆるフツーの人々。だからこそ彼らは、嫌味な上司に対して愚痴をこぼすこともあれば、恋愛を巡ってすったもんだも巻き起こす。とても“地球の王様”に選ばれる者とは思えない、身勝手で情けない、でも妙に愛おしい、小市民たちの実像が浮き彫りになっていく。しかしそこに一石を投じるのが、“宇宙飛行士”というトップレベルの肩書きを持つ男の存在。ウィルスさえ無ければ、彼とほかの6人の人生が交わることは恐らく一生なかったであろう。しかし地球上に残された人類は、この7人の男女のみ。そんな状況のなかで彼ら彼女らがどんな決断を下すのか、非常に興味深いラストが待っている。カンパニーを引っ張るのは、やはりベテランの西村。クセのある中年男のなかに見え隠れする、悲哀とかわいらしさを体現させたら、この人の右に出る者はいないだろう。宇宙飛行士役の永井大は、自尊心の強い男ならではの表と裏の顔を使い分け、真骨頂を見せる。ほかに岡田義徳、大塚千弘、浅利陽介、高橋ひとみといった実力派が脇を固め、清掃員役の片桐仁が、独特の空気感と間で客席の笑いを誘っていた。近年の世界の状況を考えれば、この物語が現実になる日もいつか来るのかもしれない。だがそんななかでも生きていく、人間の図々しいほどのたくましさを、この舞台に見た気がした。公演は兵庫、宮城、大阪、福岡と各地を巡演する。なお、東京公演は11月14日(水)から25日(日)まで紀伊國屋サザンシアターにて上演。チケットは一部を除き発売中。取材・文:野上瑠美子
2012年10月26日第144回芥川賞を受賞した西村賢太氏の同名小説を、『天然コケッコー』『マイ・バック・ページ』などを手掛けた山下敦弘監督が映画化した『苦役列車』が 7月14日、全国で封切られ、西村氏と山下監督をはじめ、主演の森山未來、共演する高良健吾、前田敦子(AKB48)、マキタスポーツが東京・丸の内 TOEIで初日舞台あいさつに立った。その他の写真三畳一間に住み、日雇い労働にすがる19歳の青年役に森山を迎え、実力派俳優の高良と、映画オリジナルのヒロインを演じるAKB48の前田が脇を固める本作。原作は壮絶な自身の過去をベースに書き綴った“私小説”だが、西村氏は完成した映画をさまざまなメディアで公に酷評し、大きな話題と熱い議論を巻き起こしていた。舞台あいさつでもその言動に注目が集まったが、この日は「ご覧いただき、ありがとうございます。小説家として終わりかけたときに執筆した思い入れのある作品。妙に図々しさとしぶとさがある小説なので、その部分に皆さんが共鳴してもらえたら、こんなにうれしいことはない」と観客への感謝に終始した。それでも山下監督と言葉を交わすことはなく、いまだ埋められない“距離感”が見て取れたのも事実。今後、両者の確執がどのようにクリアされるか、さらに注目を集めそうだ。山下監督は「毎日、日替わりで面白い人がやってくる、まるでイベントのような現場だった」と多彩なキャストが集結した現場を振り返っていた。主演の森山は「昨日、急に十二指腸あたりが痛くなって、まさかの『体調不良で舞台あいさつ欠席』になるところだった」と同日、公開初日を迎えたライバル作『ヘルタースケルター』に主演する沢尻エリカを連想させる第一声で客席の笑いを誘い、高良は「憧れの山下組で、素敵な経験ができた」と感激しきりの様子だった。また、先日21歳になったばかりの前田は「ぜひ、同世代の人たちに見てほしい」とアピールしていた。『苦役列車』公開中取材・文・写真:内田 涼
2012年07月17日1年に1度の情報冊子朝日生命保険相互会社が、年に1回発行している契約者向け総合情報冊子「インフォメールあさひ」の発送を開始している。これは例年10月中旬から11月上旬にかけて契約者向けに送られるもので、同社の現況や商品説明のみならず、各種制度や手続きの案内など、保険に関する情報が豊富に記載されている。また情報冊子の他にも、契約者の加入している商品の最新状況や、生命保険料控除証明書、契約時の住所等に変更があった場合用の返信封筒なども、「契約冊子」として同封されている。※画像はイメージよくある質問同社は「インフォメールあさひ」について、よくある質問も公表。「加入したはずの契約が契約冊子に掲載されていない」という質問には、「契約日が平成22年8月2日以降である」「作成時点で保障見直しなど様々な手続きの最中である」などの場合については、契約冊子の掲載対象外となることがあると回答。さらに「生命保険料控除証明書を再発行するための手続きは」との質問には、ホームページで受け付けることや、届くまでに3~7日かかることなどを挙げた。
2010年11月19日