義務教育の9年間。その決して短くはない期間に学んだこと、学ばされたことは数知れず。しかし、左手がフレミングの法則をキメていたとき、頭の中に「?」がなかったかと言えばうそになります。「これは本当に役に立つの?意味があるの?」と疑いながら学んでいたような気がします。大人になった今、私にはまだフレミングの法則に救われる瞬間は訪れていません。皆さんはいかがですか?フレミングのみならず義務教育が役に立っていると実感できていますか?COBS ONLINE読者にそんな義務教育の実感をアンケートで調査してみました。調査期間:2011/3/1~2011/3/7アンケート対象:COBS ONLINE会員有効回答数 754件(ウェブログイン式)まずは、皆さんにこんなことを聞いてみました。■義務教育の勉強は好きでしたか?好きだった(50%)嫌いだった(50%)意外にも?ちょうど半数の人が「義務教育が好きだった」と回答しました。好きだった人は、そこから得たものがあると実感しているからということなのでしょうか?続いて、本題をずばり聞いてみました。■義務教育で学んだことは生活の役に立ちましたか?役に立った(59%)役に立っていない(41%)義務教育が嫌いだった人の中にも、「役に立った」ことを認めざるを得ない人もいるようです。そこで、「役に立った」と答えた方に、「どんなとき」に「どんな科目」が役に立ったと実感したのか聞いてみました。「買い物でお金の計算をするとき。算数の足し算、引き算、掛け算、割り算を学んでおいてよかったと思います」(24歳/女性)「役に立った」と答えた方の多くが、算数や数学で学んだ基礎的な計算能力が役立っていると考えているようです。これは誰しもが疑いようのない実感ですね。「生物や化学を学んだことで、身近な食品、添加物、洗剤などの薬品に詳しくなり、怪しげな化学効果にだまされなくなった」(24歳/女性)理科で学んだことを生かせるのは理系に進んだ人だけではありません。私たちの身の回りには生物や化学といった理科があふれているのです。「出身地の地理や特産品を知っていたことで、社会人になって県外の人と話すときに役に立った」(25歳/女性)出身地トークは何かと会話の切り口になったりするもの。出身地を聞いてすぐに特産物が思い付ける人は、地図帳をずっと眺めていた人か、テレビゲームの「桃鉄」をやり込んだ人でしょう。「クイズ番組を見ているとき、理科や社会で学んだ知識で答えられるものがあった」(28歳/女性)雑学の知識を問うクイズ番組も多い昨今。確かに義務教育で学んだ知識で答えられる問題も少なくありません。「算数の円周を求める計算式は、今でも何か作るときやカタチを考えるときに使う」(27歳/女性)ゆとり教育の象徴のように扱われた円周率ですが、3.14で学んだ世代が実生活でも活用しているという現実は、まさに義務教育が無駄ではなかったことの証明なのかもしれません。「英語を学んでおいたことで、海外のwebサイトも単純なものなら抵抗なく読める」(30歳/女性)英語は、必ずしも話せなくても、リーディングの能力が役に立つこともあります。あのとき覚えた、たった一つの英単語さえも無駄になることはないはずです。「上司の上着のボタンが取れているとき、家庭科の裁縫で習った玉どめが役に立った」(27歳/女性)こんな瞬間に義務教育で習ったことを生かせる人は、間違いなく出世するのでは?「迷子になったとき、理科で習った太陽の動きから、歩くべき方向がわかった」(26歳/女性)この方は、理科の知識がとても具体的に役に立ったようですね。義務教育は、私たちが自然の中で生き抜く術さえも教えてくれたのでは?と思いたくなります。「保健体育の性教育の授業がリアルに役に立っている」(24歳/男性)二言はありません。まさに、その通り。性教育がなかったら、私たちの性活動は大変なことになっているでしょう。性を扱った保健体育のテストでは、男子の平均点が異様に高かったのも思い出深いです。私も、大学生のころ、インドを旅行中にイラク戦争が始まってしまい、現地の英字新聞を必死に読み解こうとしたことがありました。英語が得意というわけでもなかったのですが、恐怖という窮地に陥ったことで、義務教育のころに学んだ文法や単語をどんどん思い出し、ヒアリング力までも研ぎ澄まされていきました。あのときほど、義務教育に感謝したことはありませんでした。9年間学んだことは、脳や体の奥底に潜在しているのかもしれません。今、義務教育を学んでいる小学生や中学生の皆さん、学んでおいて損はないですよ。きっと、フレミングの法則も。(フルタジュン/劇団フルタ丸×プレスラボ)【関連リンク】【コラム】「今、何時ですか?」は英訳すると!?教科書英語の間違いに注意!【コラム】ドライブデートを成功させる10個のヒケツ【コラム】あなたの記憶に残るNHK教育テレビの番組は?
2011年06月08日