宮前義之によるイッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)は、パリ8区にあるグラン・パレのホールを会場に2018年春夏コレクションショーを開催した。「A Piece of Memory - 記憶のカケラ」と題したコレクションは、アイスランドを旅した時に目撃した荒々しい大地の割れ目、苔に覆われた溶岩、透き通った氷河をイメージしている。冒頭では新素材であるプリントを施した「スチームストレッチ」のドレスをまとったダンサーたちが登場し、身体に合わせて伸び縮みする素材の特性を披露。時おり、折り目の陰からプリントされていないベース生地の色が露わになり、独特の風合いを見せる。特殊な糊をプリントして高温で膨らませる「ベイクドストレッチ」は、今シーズンはゆがみを付けたプリーツの間からアイスランドの風景が現れるという趣向。収縮した部分が立体的かつグラフィカルに映り、こちらも新鮮な印象を残した。異なる素材を同士を格子状に貼り合わせた「CUBE」は、独特の張りと動きを見せ、フューチャリスティックなイメージ。奄美大島の伝統技術「泥染」によって染めた茶色の糸を織り込んだチェック柄のファブリックも登場し、他の素材とは異なり、より自然を感じさせる仕上がりを見せていた。
2017年10月17日まとふ(matohu)の2018年春夏コレクションが、2017年10月13日(金)に東急プラザ銀座 KIRIKO LOUNGEにて発表された。日本人が古くから持ち合わせてきた美意識を、現代の視点から追究する「日本の眼」シリーズ16回目となった今回のコレクション。今季は「かざり」をテーマに、日本の装飾文化にフォーカスを当ててまとふのクリエイションへと昇華させていく。草花を“髪に挿す”ことに由来すると伝えられる「かざり」という言葉。生き生きとした自然の美しさに装飾の原初を見出した、その根源にある日本人と自然との強いつながりを描いていく。さらりとした布地に馴染む淡い色合いは、空や野草、太陽の光を思わせる。パステルカラーから、光を受けて輝くゴールドやシルバーまで様々な色合いが登場し、奥ゆかしくも華やかな彩りを見せて祝祭的な雰囲気を作り上げる。背中に大胆に翼をプリントしたコートは、一枚の大判の布にプリントを施したまとふ初の試みによって生まれた一着。手描きで描かれた繊細な羽根が集まって形成される翼は、祭事や華美な建築装飾に登場する、神聖な鳥を思わせる。金色の糸で表現された千鳥格子もまた、絢爛な雰囲気を生み出している。鮮やかに咲き誇る牡丹の花は、マニッシュな印象のロングコートにも、黒い生地との切替が鋭い緊張感をもたらすブラウスやスカートにも彩りを与える。斜めにカッティングされたアシンメトリーのドレスには、光のレイヤーの様なグラデーション。時間とともに移ろう空を投影したかのようだ。小物は様々な作家とコラボレーション。帽子はオードモードヒラタの石田欧子が自由な発想で作り上げたものだ。空に向かって伸びていく枝のようにエネルギッシュな造形のストローハットや、牡丹が思い切り花を広げるハットなど、独創的でパワフルな作品が登場。バッグには、京都のアーティスト裕人礫翔による金箔や銀箔をあしらい、贅沢に仕上げている。羽根モチーフなどのアクリル・アクセサリーは、アーティストの播安芸子、長野大洋によるもの。様々なクリエイティビティによって、生命力にあふれたまとふの世界が作り上げられている。
2017年10月16日バルムング(BALMUNG)は、2018年春夏コレクションを2017年10月16日(月)に発表する。このショーに一般客を招待する。デザイナーのHACHIが手掛けるバルムングは、日常的に着られるカジュアルウェアから、エッジのきいたデザインまで幅広く展開するファッションブランド。国内だけでなく海外にもファンがおり、レディ・ガガ(LADY GAGA)やマドモアゼル・ユリア(MADEMOISELLE YULIA)などのアーティストに衣装やオブジェを提供している。そんなバルムングが新作コレクションをショー形式で発表。17時~、19時~、21時~と3部制になっており、それぞれ約7分程度のパフォーマンスが行われる。また、18日(水)から22日(日)までは、実際に新作ウェアを手に取ってみれる展示会も行われる予定だ。【イベント詳細】■バルムング 2018年春夏コレクション開催日時:2017年10月16日(月) 17:00~ / 19:00~/ 21:00~会場:CARTEN TOKYO住所:東京都渋谷区神宮前1-2-7林ビル B1F※関係者を優先的に案内するため、入場制限の可能性有。※状況によって、次の回への入場をお願いする可能性有。■バルムング 2018年春夏展示会会場:CARTEN TOKYO住所:東京都渋谷区神宮前1-2-7林ビル B1F・10月18日(水) 17:00~19:00・10月19日(木) 17:00~19:00・10月20日(金) 17:00~19:00・10月21日(土) 12:00~20:00・10月22日(日) 12:00~19:00
2017年10月15日ロジェ ヴィヴィエ(Roger Vivier)の2018年春夏コレクションが、フランス・パリで発表された。コレクションはインスタレーション形式で行われ、”ヴィヴィエ レッド”に染まった真っ赤な会場で、新作シューズ&バッグが披露された。なお、発売は2017年12月頃より順次展開予定だ。シーズンアイコンは「ショック ヒール」2018年春夏のロジェ ヴィヴィエを彩るのは、「ショック ヒール」と名のついた曲線的なヒール。個性的で遊び心溢れるシェイプは、大胆で一度見ると忘れられないほど印象に残る。会場と同じ”ヴィヴィエ レッド”のカラーで登場するミュールは、足を通すと、履く者をエレガントに見せてくれる。足の甲を包み込むつま革には、筆記体で書かれたロジェ ヴィヴィエのサインをエンボスしている。フレンチシックに変身「ヴィヴ カバ」の新バッグロジェ ヴィヴィエを代表するバッグ「ヴィヴ カバ」は、フレンチシックな装いで春夏シーズンを彩る。ベースには、ナチュラルなラフィアのキャンバス地を用い、レザーでストライプ模様を描いた。仕上がりは軽やかでフレッシュ、それでいて上品なのでシーンを選ばずコーディネートできそうだ。【問い合わせ先】ロジェ・ヴィヴィエ・ジャパンTEL:0120-957-940
2017年10月14日ロシャス(ROCHAS)の2018年春夏コレクションが、フランス・パリで発表された。今シーズンのロシャスは、アンバランスな優美に浸る。豪華なファブリックと美しい色彩。そしてリボン、ラッフル、花模様…とブランドならではのフェミニンな要素、これら全てが顔を寄せ合うのに、どこか不可思議な魅力に包まれている。原因の一つは、違和感のあるボリューム。ロマンティックなドレスやブラウス。特にドレスは、ノースリーブタイプにベアトップ型、フレアなシルエットにコクーンフォルム。丈もロングやひざ下丈など、様々なバリエーションで揃っている。胸元には、淑女の証のリボンを添えて。女性らしい要素が満点であるのに、完成形はアンチスタンダード。胸下が異様に膨らんでいたり、バックスタイルが驚くほど広がっていたり、想像とは異なるフォルムで顔を出している。そして、コーディネートも”普通ではない”。プリンセス風ドレスにスリムなパンツを合わせたり、ボリューミーなスカートに更にボリューミーなベアトップを合わせたり。ワンピースとスカートといった、個性的な着こなしもある。ライトピンク、パープル、ブルー。鮮やかな色彩が主張し合ったカラーの集合体。力強いグリーン、刺激の強いイエロー、そして光の隙間から現れるシックなブラック。これらが集まれば、カラーパレットだけでもまとまりに欠けるのに、そこに東洋趣味がのる。ジャカードに現れた花模様は、シノワズリを想起させるほどオリエンタルなムードが漂う。また、中国産の縮緬をまねて、ランスで織り出した、クレープデシンもキーファブリックとして登場し、東洋の文化をほんのりと香らせるのだった。
2017年10月13日マリメッコ(Marimekko)が10月1日、パリのパレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)で2018年春夏コレクションを発表した。プレゼンテーション形式でお披露目となった今シーズンは、フィンランドが誇るデザインハウスの真骨頂ともいえる‟プリントづくりの芸術”がテーマ。ウニッコやロッキ、ピッコロなど、ブランドを象徴するアイコニックなテキスタイルが色鮮やかに展開され、シルエットは春夏らしいリラックス感にあふれたロング&ワイド。プリント同士が対話をするように、ヴィヴィッドカラーやボタニカルを想起させる色彩に落とし込まれたパターンは、ブランドのヘリテージや成長のストーリーからインスピレーションを得たものだという。さまざまなバリエーションが見られたストライプは、セットアップやミディ丈のワンピース、シャツなどに採用され、アシンメトリーなヘムやウエストラインに施された斜めの切り替え、襟元のギャザーなど、シンプルながら印象的なアレンジを加えて、日常のシーンに溶け込むモダンなワードローブへと変化させた。シャツワンピースやパンツに取り入れられた1950~1960年代のアーカイブプリントもコンテンポラリーにアップデートされ、リゾートライクな表情。そこに投入されたスムースレザーシューズが、リラックスムードを引き締める程よいスパイスとなっている。定番のウニッコはブルーベースに赤い花びらを乗せてコントラストを際立たせたものや、シックなブラックがマキシワンピースやセットアップで展開された。さらに、フロントにドレープが施されたエレガントなドレスやウエストリボンのワイドパンツなど、都会的な女性の日常着に似合うミニマルウエアも提案され、独創的なプリントとモダンなシルエットが融合したマリメッコらしさが際立つコレクションとなった。
2017年10月12日新任のクリエイティブ・ディレクター、ナターシャ・ラムゼイ=レヴィ(Natacha Ramsay-Levi)によるクロエ(Chloé)は、クロエ本社に併設され、今年7月にオープンしたばかりのギャラリー・スペースで2018年春夏コレクションショーを開催した。ナターシャ・ラムゼイ=レヴィは、ニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquière)が指揮するバレンシアガ(BALENCIAGA)とルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)でキャリアを積み、今年4月にクロエのクリエイティブ・ディレクターに着任。フランス人がクリエイティブ・ディレクターに就任するのは、マルティーヌ・シットボン(Martine Sitbon)以来、実に29年振りとなる。今シーズンは、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)など歴代のデザイナーによるアーカイヴを紐解きつつ、女性の身体の一部をモチーフにして女性の生命力を服として表現。クロエのコードでもある、創立者ギャビー・アギョン(Gaby Aghion)によるアーシーな色使いをしっかり守りながら、ヴィクトリアンスタイルなど、様々なインスピレーション源をミックスして独自の世界観を作り上げている。イングリッシュレースにはリングを装飾として配し、繊細な中にエッジーで強い女性像を描いている。ライダースや60年代風の大きな襟のコートなど、クロエらしいマスキュリン・フェミニンなアイテムも健在。今回特に目を引いたのが、眼や手、植物といったモチーフのプリント。どことなくスピリチュアルな雰囲気を醸し出し、ラムゼイ=レヴィの個性が強く現れていた。また乗馬からインスパイアされた馬の刺繍のセットアップなども特徴的で、今シーズンを代表するアイコニックなアイテムとなりそうだ。
2017年10月11日ランバン(LANVIN)は、新アーティスティック・ディレクターにオリヴィエ・ラピドス(Olivier Lapidus)を迎えて初となるコレクション、2018年春夏ランウェイショーをフランス・パリで発表した。デビューシーズンのアイコンとなるのは「LANVIN」のロゴだ。ブランドネームをグラフィカルにプリントした模様は、ドレスにスカートにそしてバッグからも顔を出す。カラーはジャンヌ・ランバンが好きだったブラックを中心にピンクやレッドなどのカラーをプラスして。ビッグメゾンの歴史に足を踏み入れた暁として、オリヴィエ初コレクションの中で大きな存在感を放っている。そして、もう一つキーワードとなるのはアシンメトリーなシルエット。基本的にショート丈に揃えたスカート・ドレスは、テキスタイルを捻ったりつまんだり、そして複雑なスリットを配してアンバランスに整えた。ショルダーにはアーカイブから着想を得て花の飾りを、そしてウエストには3本重なったベルトを添えた。軽さを追求し起用したシースルー素材は、左右に揺れ動き不均衡なシルエットに拍車をかける。ドレスと並べたのは、アーカイブから着想を得て生み出した丸みのあるコートだ。素材には、上質なキルティングコットンやネオプレンなどを使用している。新作アクセサリーは、90年代香らせるスクエアトゥのシューズをアイコンに。ひざ下までストラップが伸びたグラディエーターサンダルは、特に大きな活躍を見せている。
2017年10月11日二宮啓によるノワール ケイ ニノミヤ(noir kei ninomiya)は、ヴァンドーム広場のコム デ ギャルソン社のショールームを会場に2018年春夏コレクションショーを開催した。今シーズンは、黒の使用部分を最小限に抑えながら、黒を最大限に想起させる、というコンセプトでコレクションを構築し、ストレートのイメージを念頭に置いて制作したという。黒でトリミングしたプリーツのオーガンジーを通したドレスや、プリーツのオーガンザを黒いベルトに通したドレスは、一切ミシンを使用しない縫い目の無い服で、溜息が出るほどの繊細な美しさを見せる。黒のコードでトリミングしたPVCのジャケットも、黒を強烈に印象付けるから不思議だ。ハンドニットのビニールチューブ製ハーネスを合わせたセットアップや、ニットと合成皮革のハーネスをリベットで繫いだトップスなど、実験的なアイテムの他に、合成皮革のリボンを巻いて花のように表現したライダースなど、このブランドらしい装飾性豊かなものも。後半に登場した、チュールをリベットで留めたトップスや、オーガンジーを巾着のようにしながら黒のベルトにリベットで留めたアイテムは、独特のボリューム感と軽やかさを漂わせ、PVCとオーガンジーを花の形にして集積した最後の2点のドレスの美しさと迫力には、観客は圧倒されるばかりだった。
2017年10月11日川久保玲によるコム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)は、パリ16区内のロシア大使館を会場に2018年春夏コレクションを発表した。テーマは「マルチディメンショナル・グラフィティ」。他のアーティストの作品を組み合わせて、グラフィティを立体的に見せる、というコンセプトのもとにコレクションを構築。使用されたイメージは、ルネッサンス期の画家アルチンボルド、漫画家・イラストレーターの高橋真琴、戦国時代の水墨画家、雪村といったアーティストたちの作品群。それらをフィーチャーするという形ではなく、1つの素材と捉えてカットアップし、ポルカドット、フローラルプリントのファブリックや、布を何層にも重ねて裂いたものなどを組み合わせている。独自のボリューム感と立体感を作出し、凹凸あるグラフィティ(落書き)が完成していた。さらに小さなプラスチック製のオモチャを集積した装飾をコーディネートして、ナイーヴな側面も加えるが、それが一種ダークな世界観を生み出しているから不思議だ。何気なしに目にしてきたイメージが、想像だにしない形状で現れると新鮮なショックを覚えるが、今回のコレクションはそれを巧みに利用したともいえ、コム デ ギャルソンらしいマジックともいえるのかもしれない。
2017年10月11日ヴァレンティノ(VALENTINO)の2018年春夏コレクションが、フランス・パリで発表された。コレクションノートには、ルドヴィーコ・アリオストによるルネサンス期イタリアの叙事詩『狂えるオルランド』の一節と、月と星の物語が綴られている。詩的で優雅で、そして前衛的なシーズン。ヴァレンティノならではのクチュール的テクニックを随所に散りばめながらも、掛け合わせたのはモダンな視点だ。スタートダッシュは特に斬新なもので、PVCで作ったライダースジャケット、大きなポケット付きのフーディジャケット、袖口を大きく開けたタンクトップが続いた。素材、シルエットは現代的であるが、重なるようにのせたスパンコール装飾や、派手になりすぎないソフトな色使いなどがメゾンの品格を香らせる。その後も続くチャレンジングなピース。ジャンプスーツ、ウエストポーチとショルダーストラップが一体となったバッグ、クロップド丈のフルジップトップス。春らしい優しい色味で染められたワンピースは、タンクトップタイプでミニ丈。ポルカトッド柄が軽やかなテキスタイルの上で踊り、襟元にはカラーアクセントが添えられている。足元にはソックスタイプのスニーカーを。一つひとつのピースがまとまり集合体となり、若々しくフェミニン、それでいて上品な新しいヴァレンティノスタイルを築き上げていく。ラストにかけては、ピエールパオロ・ピッチョーリの新しい世界に”ザ・ヴァレンティノ”という優美なドレスを溶け込ませた。おとぎ話のようにロマンティックなドレスのキーワードは花。大小様々なエンブロイダリーが並んだり、オーガンザを花びらのように仕立てたり…表現方法は様々だ。
2017年10月11日ジョウタロウ サイトウ(JOTARO SAITO)の2018年新作コレクションが、2017年10月7日(土)に東京・日本橋にある日本橋三井ホールで発表された。青空を背景にして、インパクトのある音楽とともにショーがスタート。今回は、「キモノを遊ぶ大人の時間」をテーマに、レディース18スタイル、メンズ4スタイルの合計22スタイルのスタイリングが発表された。ファーストルックはメンズ、レディースが並んで登場。「シルエット草花」のキモノが暖かい日差しのようなライトに照らされている。明るい色調のキモノにドットと星柄のポップな帯、きらびやかなクラッチバッグを合わせたレディースのルックと対照的に、横を歩くメンズはブラックとグレーで陰影を表しているかのよう。ダークレッドの「トライバルタトゥ柄」羽織が、エッジを効かせる。続いて、黒い生地に植物が生き生きと繁る。若々しい黄緑の蔓や百花がキモノ全体を覆う一方、帯は色鮮やかなオールドフラワーが優雅に咲き誇る。落ち着きと華やかさ、ダークな雰囲気と明るい雰囲気がコントラストを描き、お互いの世界の美しさを引き立て合うかのようだ。ステージ上の背景が夕方のような橙色に変わり、現れたのは、ファスナー付きのタトゥ柄羽織をジャケットのように着こなすメンズのルック。ファスナーを開けて羽織を脱ぐと、目に飛び込んでくるのは片側が市松模様、もう一方の片側がドット柄の帯だ。帯がジャージ素材のキモノのアクセントとなり、強い印象を残す。「大人だって遊びたい」、そんな思いにさせてくれたのは「ドットと洋花」キモノとポップな星柄帯のスタイリングだ。首にはボリュームのあるファー素材付きのダウンストールを巻いて、ゴージャスな雰囲気に。後ろを振り返ると、澄ました表情の猫が帯の上に登場する。和装の構造を生かした、遊び心に溢れたデザインだ。ラストには、トロピカルな花とドット、シダをプリントしたキモノが登場。「パイソンレース」の帯はスタイリングに毒っぽさを加える。まるで南国にバカンスに来たような雰囲気を表すが、グレージュのドットがシックさをもたらし、浮つかず余裕のある“大人”の楽しみを表現した。
2017年10月10日アントニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)によるサンローラン(SAINT LAURENT)は、パリのエッフェル塔からセーヌ川を渡ったトロカデロの噴水の上に特設された舞台で9月26日、2018サマーコレクションを発表。イヴ・サンローラン美術館オープン目前に逝去したサン・ローラン社の共同創設者であるピエール・ベルジェ(Pierre Berge)の言葉を添えたカードが客席に置かれ、追悼の意を表した。コレクション前半はイヴ・サンローランの別荘(パリと同時に美術館としてオープン)があるモロッコのマラケシュのイメージで統一。ルースなチュニックやコード使いがエスニックテイストを漂わせている。赤・紫・黄の花々を金属モールで刺繍したアイテムやジュエリーなどもマラケシュのイメージで、華やかかつ享楽的な印象。後半はイヴ・サンローランのアーカイヴから引用したデザインのアイテムで構成。ボリュームあるオーストリッチのボアを飾ったドレスや、バルーンスカートのドレスなど、どれもが超ミニ丈で、見せるためのショーツが合わせられている。レース製のものや、エッフェル塔の刺繍が付いたものまで見られた。また今シーズンは特に白のマリエ(ウエディングドレス)を1つのシリーズとして見せ、レースをはめ込んだものや、バックスキンのパーツを飾ったものなど、クチュールメゾンらしい手の込んだアイテムが並んだ。人気のアクセサリー類も相変わらず豊富。シガレットケースやハート型のがま口バッグ、コレクションでは一際目を引いたフェザーを飾ったサンダルやブーツ、80年代を想起させるマルチカラーラインストーンのシューズなど枚挙に暇が無く、その充実振りを見せていた。
2017年10月09日ポール & ジョー(PAUL & JOE)は、パリ・ファッション・ウィーク最終日となる2017年10月3日(火)に、2018年春夏コレクションを発表した。今季はメンズモデルも起用し、ウィメンズと連動した新デザインを披露。と同時に、ウィメンズはパンツスーツのセットアップなどのマスキュリンなデザインを揃えている。今季は、爽やかな空気に溢れている。Tシャツやカシュクールトップスはクロップド丈にカットアウトして、パンツはショート丈に。さらりと1枚で着れるものも多く、ワークウェア風のオールインワン、オーバーオール、ワンピースが揃った。夏の一コマを切り取ったプリントも展開。ビーチに並ぶヤシの木や澄んだ大空、別荘のような白い一軒家などが、Tシャツやワンピース、そしてメンズのベストや開襟シャツにのる。ポール & ジョーらしいロマンティックな要素は、真っ白なブラウスで。レースを飾ったり、フリルをあしらったり、襟を丸くしたり、ワンピースに変えてみたり…キュートスタイルの作り方はお手のものだ。フラワーモチーフが今シーズンの鍵となるのだが、その表現方法が様々だった。シースルー素材に描いた小花プリント。ジャケットまたはパンツの上で見られる、プクプクとした立体的ジャカード。ストライプ模様とフラワーを重ねて、インテリアのようなデザインにしたものなど。ハードな印象のレザーライダースにも、大輪の花を散りばめている。
2017年10月07日アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで発表された。今シーズンの起点は、英国にあるガーデン「Great Dixter」のイメージから。太陽がサンサンと照り時には雨が降る。そんな気候の中で育つ、色とりどりの花々にヒントを得てクリエーションは始まった。植物たちにとって恵となる雨。そのイメージはモデルたちのヘアに落とし込んだ。たっぷりの水分を受けて大きく花を咲かせたフラワーたちは、彼女たちが纏うドレスやスカートへと姿を変える。大輪の花が並んだクロスステッチのドレス、花びらのようにフリルを繋いだメタルメッシュのドレス&ブラのコンビ、小さな花のスタッズを並べたシースルースカート。シルバーのレザージャケットの上には、刺繍で動植物たちの物語を描いた。ガーデンで育てられた草花と、そこにとまった小鳥たちの生き生きとした姿が、クチュールのテクニックで綴られる。真っ赤なニットには、ガーデニングのストーリーを投影して。水やりをするジョーロ、植木の姿、休憩中にお茶したコップや椅子などが、ビジュー刺繍によって表現されている。足元は、3バッグルのボリュームブーツで。トランスペアレントにしたヒールには、小さな花々をたっぷりと詰め込んだ。優しい世界に、ちょっぴりハードなフットウェアと解体の手法が手を組み、刺激を投じる。トレンチコート、チェック柄ジャケットなどは、デザイン・柄違いの2着のピースを解体して融合。ばらして、剝ぎ取り、再びくっ付けたウェアは、独創的で複雑なシルエットをしている。フラワーの3D刺繍をしたチュールドレスも同様に、再構築から生まれた産物。ドレスとコルセットをドッキングさせているため、背中にはアシンメトリーに留まった、ランジェリーのディテールが見える。
2017年10月07日モンクレール ガム・ルージュ(MONCLER GAMME ROUGE)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク最終日の2017年10月3日(火)に発表された。会場に並ぶ無数のミラーボール。天井からは巨大な球体がぶら下がり、ギラギラと輝いている。ショーの始まりは、そのミラーボールをくぐり抜けるようにダンサー集団が登場。足元にはトゥシューズを履き、つま先立ちでくるくると回る。エレガントな足さばきとは異なり、上半身は力強い動き。手を伸ばし大きく広げパワフルなダンスを見せてくれた。コレクションピースは、彼女たちの動き、佇まいなどととても重なるところがあった。ベースとなるのは、エレガントな女性らしさ。シフォンやチュールなど軽やかな素材に、フェザーやレースが交わり優しい印象に。スカートはミニ丈で、花のプリントをあしらったものもある。オフショルダーのトップス、ビジューのついたショートパンツ。ウエストマークまたは絞ってシルエットの緩急を付けて、フェミニンなムードを高める。そこに無数に散らばる、程よいスポーツテイスト。スウェットトップスやフーディ、小物からはヘアバンドやナイロンバッグ、レッグウォーマー、ナップザックなどが取り入れられた。バレリーナがダンスレッスンを終えた後のようなラフさがそこにはあり、仕上がりはとてもモダンに見える。レイヤードアイテムとして度々登場した、チュールのスカートもバレリーナたちへのイメージに拍車をかけた。ラストは、幕開けを飾ったダンサーたちの再登場から。そこに、赤・白・青トリコロールカラーのフードジャケットを纏ったモデルたちが加わり、一同に整列。モンクレールらしい迫力あり、思わず写真に収めたくなる美しい演出と共にエンディングを迎えた。
2017年10月07日アニエスベー(agnès b.)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク最終日の2017年10月3日(火)に発表された。今季はフレンチシックなムードを残しつつも、若々しいテイストにシフト。カジュアルウェアと鮮やかなカラーを散りばめて、フレッシュに仕上げた。スクエアネックのワンピースやパンツスーツといった、アニエスベーらしいクラシカルウェア。そこに加わるのは、日本のストリートでも人気のあるブランドロゴTを筆頭に、スウェットフーディ、スタッズ付きのキャップといったストリートの要素だ。ロゴTシャツはメッシュTシャツのインナーとして、またはタンクトップ型になりスカートの上に重ねたレイヤードピースとして活躍。ブラック&ホワイトでまとめたスタイルは、パンクのテイストも感じさせる。また、チノパンやオーバーオール、ポケット付きシャツなど、ワークウェアとの起用も今季らしい。ファブリックはリネンやコットンなどが多く、ラフな印象。新しさと言えば、軽さのあるレザーがポイントに。アニエスベーのアイコンである、たくさんボタン並んだカーディガンやレギンスになって登場した。毎シーズン様々な風景を捉えたプリント。今季はパリの街のアイコンであるエッフェル塔や広大な田園風景、海鳥が集まる海岸、澄んだ青空などが切り取られた。また、万華鏡のような幾何学模様、安全ピンモチーフなど、ポップなプリントも多数。チェック柄、丸や四角を組み合わせたグラフィカルな模様と交わり、リズムのあるコレクションへと導いている。
2017年10月07日関西最大級の光のフェスティバル「フェスタ・ルーチェ in 和歌山マリーナシティ」が、和歌山マリーナシティにて2017年11月3日(金・祝)から2018年1月28日(日)まで開催される。和歌山マリーナシティとは和歌山マリーナシティは、地中海の港街を再現したテーマパーク「ポルトヨーロッパ」や、まぐろのテーマパーク「黒潮市場」、全室オーシャンビューのリゾートホテル「和歌山マリーナシティホテル」、天然温泉施設「紀州黒潮温泉」などがひとつになったリゾート施設。これまでに、イルミネーションイベントでは、300万人が来場した「JAPAN EXPO 世界リゾート博」、神戸ルミナリエのもととなった「光の回廊 ルミナリエ」などで人々を魅了してきた。フォトスポット満載の“光のフェスティバル”イタリア語で「フェスタ」はフェスティバル、「ルーチェ」は光。その2つの言葉を名に冠する「フェスタ・ルーチェ 」は“光のフェスティバル”の空間、雰囲気を楽しんでもらいたいとの思いが込められている。ここでは、まるでヨーロッパにシップトリップしたような気分が味わえ、さらに思わず写真に収めたくなるフォトスポット満載の一面イルミネーションの世界が楽しめる。光と遊ぶ遊園地&クリスマスマーケット園内は、この時期だけの「光と遊ぶ遊園地」に。イルミネーションを一望できる観覧車、光と遊べる「カラーシャドウライティング」、クリスマスメリーゴーランドなど一味違う夜の遊園地が体験できる。また、体験する楽しみだけでなく買う楽しみも。期間中は、クリスマスの雑貨などを用意するクリスマスマーケットを出店する。えんとつ町のプペル 光る絵本展期間限定ではあるが、11月3日(金・祝)からはキングコング・西野亮廣の絵本原画展「えんとつ町のプペル 光る絵本展」を会場内にて同時開催。制作に4年半を費やした全41ページの絵本原画をLEDライトで映し出し、作品テーマソングによって絵本の世界観を再現する。実力派3社によるプロデュース今回のイルミネーションはライティング実力派3社が共同プロデュース。ヨーロッパの様々なホテルや遊園地・商業施設などのイルミネーションを手掛ける、世界的イルミネーション企業「MK Illumination社」が日本で初めて光のイベントプロデュースに参加。さらに、日本各地の有名施設のイルミネーションを手掛ける株式会社タカショーデジテック、さらに、建築やテーマパークのライトアップを支えるカラーキネティクス・ジャパン株式会社が本イベントに協力している。【開催概要】フェスタ・ルーチェ開催場所:和歌山マリーナシティポルトヨーロッパ住所:和歌山県和歌山市毛見1527開催期間:2017年11月3日(金・祝)~2018年1月28日(日)(76日間)※2018年1月8日(月・祝)までは毎日開催、以降は金土日のみ開催※「えんとつ町のプペル 光る絵本展」は11月3日(金・祝)~30日(木)営業時間:17:00~21:00(アトラクションは20:30終了)入場料:当日券 大人1,500円、小人(3歳~中学生以下)800円前売券 大人1,300円、小人(3歳~中学生以下)700円※いずれも税込※ローソン、セブンイレブン、ファミリーマート、チケットぴあ等にて販売
2017年10月06日ジョルネ(JOUR/NÉ)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2017年10月2日(月)に発表された。ジョルネは、リア、ルー、ジェリーの3人が手掛けるファッションブランド。フランス出身のリアとルーらしい、フランスのエスプリがきいた会場で、たくさんの花々が並んだこじんまりとした庭園が舞台となった。その花園のアイデアからか、フラワーに鱗のような模様を加えたオリジナルテキスタイルが多数起用。ジャンプスーツになったりドレスになったり、様々なオケージョンに対応できるシルエットで提案された。ウィメンズと一緒にメンズも発表されたのだが、ショートパンツを中心としたラフなウェアが多い。女性服は、テインディテールを取り入れたりフリルを飾ったり、ワンポイントアクセサントを効かせているものが中心だが、パイル地を使ったり、ハート刺繍のデニサロペットやジャケットムを使ったり、やはり日常着に寄り添うものが多い。また、シーンに応じたコーディネートを提案しているのか、度々フランス語で曜日を意味するロゴTシャツが登場。その下には時間が記されていて、7:45、12:30、23:30と朝~夜までジョルネと共にファッションを楽しむと伝えているようにみえる。最もキャッチーでコレクションの目玉となったのは、コカ・コーラとのコラボレーションだろう。中庭の中央に設置された椅子にモデルが座ると、男性モデルが近寄りコカ・コーラを手渡し。ゴクゴクと喉を潤すモデルの背景には、CMで流れる音楽が流れている。この演出を受け、真っ赤な下地に白い文字のコカ・コーラロゴも登場。ショーツやロングTシャツの上に乗り、のど越しのように爽快な後味をコレクション全体に残している。
2017年10月06日レオナール(LEONARD)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2017年10月2日(月)に発表された。マスキュリンなウェアから幕開けした今季。テイラードジャケット、ポケット付きのシャツとパンツのコンビ、オーバーサイズのコートなど、男性的な装いから始まっている、しかし、蓋を開けてみると、ポップで楽し気な印象。特に動きのあるドレスと夏らしいビーチスタイル、加えて鮮やかなカラーパレットが鍵を握る。太陽が降り注ぐ白浜のビーチ。そんなシチュエーションで纏いたいのが、レオナールの今季のドレスだ。大きく広がったフレアなライン、大胆にカットオフされたバッグスタイルは印象的。ホルターネックにしたり、ラインテープを添えたり、元気なディテールも夏の印象を強める。ブルーベースの花模様やパキッとした橙色といった色使いもポイントだ。このサンドレスと並ぶ、夏の装いはスイムウェア。大振りのフラワーを描いたテキスタイルで、ワンピーススタイルとビキニスタイルを提案。ビックサイズのトートバッグは、夏の旅行にもぴったりだ。また着物スリーブ風の優雅なワンピースは、海を上がった後に纏いたい、思わずそういった物語をイマジネーションさせてくれる逸品。レオナールらしい長所として美しいプリントがある。発色がとてもよく、一つひとつの色彩からパワーをもらえる感じがした。そういった伝統的な要素に加えて、タンクトップやフード付きコートなど、スポーツミックスを行ってモダンさを追求するチャレンジ精神も印象に残る。
2017年10月06日アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)の2018年春夏コレクションが、フランス・パリで発表された。今季、クリエイティブ・ディレクターのジョニー・ヨハンソンが関心を寄せたのは、ファッションの外の世界。今シーズンを一言でいうと個性の爆発、それくらい1つ1つのピースに独自性があり、パワーがあり、特徴がある。ミラーパーツのようなギラギラとした光沢と、サーフルックで見かけるような蛍光色。フォーマルとカジュアル、男性性と女性性。70年代のようなエッセンスと現代のストリートに溶け込むモダンさ。共通項のないもの同士が集い、”悪趣味ギリギリ”な攻めのコレクションを築き上げる。パンツスーツはゆったりとしたサイズ感で、肩もずり落ちアームは垂れ下がり、メンズ服を着たときのようなルーズなシルエット。カラーはミントグリーンにオレンジのボタンと刺激は強め。交わるパイソンのミニスカートや大きな襟のサテンシャツは、70年代のエッセンスを感じさせる。また、ミラーボールのような輝きを放つビーズ、ポケットでジャラジャラと動くネジのようなシルバーパーツなどを筆頭に、デコレーションは充実。ブランドのアイコンであるデニムパンツも、スパンコールで埋め尽くされて、カジュアルな雰囲気とは一線を画している。パスポートのスタンプを散りばめた半袖シャツたタイトなブラトップは、シアーな素材で仕上げて。今季は素材にもこだわり、細やかにアレンジしたモデルが多数。プラスチックのように見える生地も、本当はデニムで上から特殊な加工を施したものだ。
2017年10月06日sacai(サカイ)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2017年10月2日(月)に発表された。今シーズンも、異なるテイストと素材を組み合わせて、サカイ流のミックススタイルを提案。昨シーズンと比べると柔らかな印象で、ティアードドレス、フレアスカートといったフェミニンなピースが多く展開されている。カットアウトやジップによる解体に加えて、パッチワークのテクニックも起用。迷彩シャツやMA-1といったミリタリー要素には、グレンチェックのテーラードなどブリティッシュカルチャーをマッチ。ドッキングコートはもちろん、それぞれのテキスタイルを取り出し、プリーツのロングスカートやフレアなスカートも作り出している。テーブルクロスのようなクロシェレースは、デコラティブなパンク・パッチワークでワンピースに。大きさ、カラーの異なるチェック柄を縦縞模様に並べて作ったリメイク風スカートも登場した。また、今季らしいアレンジとして、洋服を巻き付ける手法もあった。ナイロンジャケットやチェック柄ジャケットのアーム部分を結んで、リボンのように胸元に巻き付ける。洋服をくちゃくちゃとしてバックスタイルにのせた、バックパックのようなアレンジもあった。異なる要素が多数共存しているが、軽やかさと程よいラフさを感じられるのは、スポーツミックスのおかげだろう。ロングドレスは、タンクトップのように大きくくり抜かれた袖口がポイントで、ナンバリングロゴのトップスも展開。ドローコードは大活躍で、ボリュームコントロールしてアシンメトリーなシルエットをより強調させる。ほかに、中華ボタンを配したデニムジャケットといったカジュアルなピースも交じっていた。
2017年10月05日ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)の2018年春夏コレクションが、日本時間2017年10月4日(水)午前1:30より、フランス・パリで発表される。ファッションプレスではその模様をライブ配信。2017‐18年秋冬コレクションは「境界線」を取り払い、都市と遥か遠い地方のエッセンス、マスキュリンとフェミニン、メゾンの伝統と現代のフィーリングなど、様々な要素を融合。3種類の素材を使用したドレスやフレアなクロップド丈パンツ、ミニ丈のスカートなどが展開された。また、音楽にはニコラ・ジェスキエールの好きなジャパニーズカルチャーより「攻殻機動隊」が選ばれるなど、日本文化も大きな役割を担っているシーズンとなった。前回から引き続き、舞台はパリ市内のルーブル美術館。名作が集うこの場所からリアルタイムで届く、最新コレクションに注目したい。【詳細】ルイ・ヴィトン 2018年春夏コレクション開催日時:日本時間 2017年10月4日(水)午前1:30現地時間 10月3日(日)18:30
2017年10月05日マリメッコ(marimekko)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2017年10月1日(日)に発表された。プレゼンテーション形式をとった今季は、フィンランド・ヘルシンキより機械を持ち込み、アイコンテキスタイル「ウニッコ」の制作過程を紹介。茎を色付け、花びらに色を差し、背景色となるブルーカラーを塗るまでの工程を非常に長いテキスタイルを吊るして表現した。モデル達はその前に並び、さらにそのテキスタイルの間をかき分けるようにウォーキング。今季は、マリメッコの原点に立ち戻るもので、新作プリントに加えてアーカイブも多数登場している。全てのピースに共通するのは、ゆったりとしたサイズ感とリラックスした印象。ウニッコのドレスは、ウエストなどを絞ることなくたっぷりとしたサイズ感のため、テキスタイルの面積が大きく色柄の美しさが伝わりやすい。しかしながら、首元はVの字にカットされ、いい塩梅に抜け感が出来ている。ストライプ模様のドレスは、ウエスト辺りから斜めのストライプ柄に切り替え、裾も同様に斜めにカットアウトしてリズムをつけた。シャツやパンツ、膝丈スカートなども展開されているが、どれもリラックスしたムードは同じ。波のようなウェーブプリント、シンプルなストライプ柄などで提案されている。また、今季は同柄でコンビネーションを楽しむ着こなしも提案。シャツドレスやロング丈のワンピースに、ワイドパンツを合わせたセットアップスタイルが多く展開された。小物ラインからは、人気のコットン地トートに加えて、バックパックが登場。足元は甲まで覆った履き心地のよいレザーシューズが起用されていて、履き口が斜めにカットされていたり、キトゥンヒールになっていたりと、可愛らしいデザインが取り入れられている。
2017年10月04日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク5日目の2017年9月30日(土)に発表された。今季は、ヴィヴィアン・ウエストウッドの夫であり、ブランドのクリエイティブ・ディレクターである、アンドレアス・クロンターラーの名前「andreas」と名付けられたシーズン。コレクションノートには、自分の名前がなかなか好きになれなかったことや他の国が母国であったらよかったという本音とともに、年々色の持つ官能性に惹かれていることが綴られている。始まりは、真っ白なダウンをストールのように巻いたモデル達の登場から。首から頭、そして足首から下しかよく見えないが、中はスイムウェアかアンダーウェアを纏ったくらいのように見える。ショーを開けてみると、コレクションノートの言葉通り、鮮やかな色彩に溢れ色の魅力を伝えているように感じる。赤やブルー、オレンジ、黄色。ダメージ加工、ブロークンディテール、落書き風のハンドペイントなど”正統派”ではない世界に溶け込んだパレットは、ブランド特有の反逆的な精神までも明るく見せてくれる。また、色と色の重なりを楽しむように、パッチワークデザインが多い。スニーカーモチーフや絵画風のテキスタイルなどを組み合わせたドレス、パンツ、トップス。象徴的な性に関するプリントも今季は真っ赤なハートマークを上からペイントされポップなムードだ。また、小花柄のスカートと大きなハットは、アンドレアス・クロンターラーの出身地であるオーストリア・チロル地方の伝統衣装をイメージしているようにも見える。生地を破ったり割いたり、またテイスト違いのビックサイズのジャケットなどとのコーディネートも、過去に抱いていた母国へのマイナスなイメージを表現するように映った。自分自身の本当の姿を再現する開放感は、南国の島への旅にも繋がったようだ。特にメンズは、スイムウェア風のショートパンツが多く、アロハ柄で彩られている。女子モデルの耳には、サクランボやラズベリーなどビックサイズのフルーツピアスがぶら下がり、こちらも純粋にファッションを楽しむ、開放感のようなものが生きている気がする。
2017年10月04日オリヴィエ ティスケンス(OLIVIER THEYSKENS)が、パリで2018年春夏ウィメンズコレクションを発表した。
2017年10月04日ビューティフルピープル(beautiful people)の2018年春夏コレクションが、フランス・パリで発表された。今季のテーマは「MAKE LOVE」。今季、デザイナーの熊切が行ったのは、異なる2つのものを融合させて一つにすること。惹かれ合う男女が繋がるように、相反するふたつのものがひとつになる瞬間と完成図を表現する。プレゼンテーション形式で行われたショーでは、会場中央にモデルとフィッターが登場。真ん中でカットアウトされた2つの洋服を持ち出し、ファスナーを上げたり下ろしたり、ボタンをつけたり外したり、リボンを結んだりほどいたり。そんな手作業を繰り返しながら、2つのワードローブが綴るラブストーリーを紹介する。実験的でユニークな仕掛けのウェアではあるが、ベースデザインはとてもシンプル。ボリュームスカート、ジャケット、ノースリーブドレス。素材にはコットンやシルクを使い、カラーは黒やグレーなど落ち着いたパレットを基調とした。パリデビューとなった昨シーズンとは変わり、和の要素も消えている。トレンチコートとライナー、デザイン違いのふたつのドレス、ショートブルゾンとテーラードジャケット。異なるアイテムが交われば、色柄も同時に一緒にになり、黒とグレー、花柄とチェックが溶け合っていく。プレゼンテーション形式で着付け方を見せてくれているのに、その交わり方は非常に曖昧だ。どこまでがどちらの洋服であるかの境界線を決めることができないほど、テキスタイルが右往左往している。その複雑さに変わり、デザインがとてもシンプルなため、完成した姿はすっと心に馴染む。
2017年10月04日A.P.C.(アー・ペー・セー)の2018年春夏コレクションが、プレゼンテーション形式でフランス・パリで発表された。2017年9月29日(金)のことである。昨シーズンブランド30周年を記念し、ランウェイショーを開催したA.P.C.。新しいステージの幕開けとなる今季は、ブランドのアイデンティティである「デニム」にフォーカスした。今季はスタンダードなパンツ、膝丈スカートに加えて、遊び心溢れるデザインが揃う。デザイナージャン・トゥイトゥが、カラフルなペンキを思うがままに飛ばしたというデニムパンツ。パンツを広げてエプロン型にしたスカート。ジャケットとパンツをドッキングさせて解体したコート。構築的なフォルムにリデザインしたケープなど、進化型デニムが盛りだくさんだ。デニムと並んでキーワードとなったのは、フェミニン。フレンチシックで可愛らしい。そんなA.P.C.ガールに合わせたのは、小花柄のワンピースだ。色柄は豊富。パープル、イエロー、レッド、春の花々がコットン地の上に咲き誇る。胸元のリボンや揺れるようなフリルは、より可憐な印象へと結びつける。また、暖かな季節の訪れを楽しむように、さらりと一枚で着れるトップスも一緒に。フラワーと小鳥に彩られたこのトップスは、同柄のフレアスカートと合わせてセットアップでのコーディネートも楽しめる。
2017年10月04日ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク5日目の2017年9月30日(土)に発表された。ナチュラルでほんわかした印象を受けた。スタッズチョーカーやトゲトゲのヘッドピース、レザーのライダースジャケットなどで、一見パンクロックを感じさせつつも、北欧デザインのような優しいボタニカルモチーフ、有機的なラインデザインが揃い、日常に取り入れやすいカットソーやTシャツワンピース、シャツなどが多かったからだ。序盤のキーワードは3Dドレス。うねるようなライン、スクエア型のモノグラムなど、グラフィカルなプリントテキスタイルの上に3Dの要素がのる。渦のように深く掘った穴、無数の空洞、地面と水平の突起、半円形型のこぶ。ドレスのいたるところに散りばめられ、見たこともない超立体的なドレスが完成している。続くのは、模様に合わせたカッティングとテキスタイルの重なりを楽しむピース。スクエア型モノグラムのコートは、モチーフに合わせて直角のショルダー。ウェーブ模様のコートには丸みのある肩回り。ドット柄のトップスは裾もラウンド型にカッティングされ、ボーダーTシャツはサイドを三つ編みのように生地を編み込み、模様に合わせてドレープを作る。青々とした木々に溶け込めそうな、オリジナル迷彩柄の登場とともに、興味関心は円形にシフト。円形パーツをパズルのように組み合わせたコート、ワンピースが揃う。卵のような丸みとぷっくりと膨らんだフォルムは、なんとも女性的で可愛らしい。半円と円形パーツをコンビネーションさせたドレスは、背中に蝶々が止まったように4つの羽が広がり、幸せな気分にさせてくれる。
2017年10月03日