スウェーデン発の大型ファニシングストア「IKEA」。その2012年版の最新カタログが配布されている。IKEAのカタログは、日本だけで900万部が配布されているという。配布日は毎年8月1日だが、なぜその日なのか。それはIKEAが「やっぱり家が世界でいちばん」と考えているため、8をやっぱり、1を家と掛けて「やっぱり家の日」と 定めたからだそう。そのカタログの配布を記念して、京都・東寺の敷地内で「3畳の空間」を想定した、IKEAによるルームコーディネートのイベントが開かれた。同社のスタッフが日本の家庭を訪問し、ヒアリングを重ねて生まれた暮らしのソリューションである。リアルで、かつ憧れを詰め込んだ空間は実に参考になる。そのいくつかを提案してみよう。このように東寺を背景に、小さなブースが現場に並ぶ。ここはキッチン。「あこがれのアイランド型カントリースタイルキッチン」を題されたキッチン。ナチュラルカラーの木のワークトップに、縁のある白いホーローシンク。オープン収納と扉付きの収納を組み合わせている。キッチン本体含め、合計で約¥956,600のコーディネート。IKEAのスタッフがブースの位置から最も考えた、というのがこの部屋。「自然と親しむ緑いっぱいの熟年カップルのサンルーム」だ。窓から東寺の迫力ある風景が見える。IKEAを代表するアームチェア「ポエング」を中心に、ガーデンニングや天体観測、バードウォッチングを楽しむ暮らしを表現した。室内の家具、小物一式で約¥223,300。ジャパニーズモダンも、IKEAが考えるとこんな感じ。和室を無垢材のシェルフやラタンのロースツールでしつらえた。片付けやすい家具を選び、布団を敷く想定もしている。またシェルフは脚がなく箱を置くタイプなので畳に跡をつけない、という配慮あってのセレクション。こういった点が実にリアル。和室が活用されていない家が多いという調査結果から生まれた提案だ。家具や小物一式、約¥166,000。こちらはパリに留学した女性が帰国後に住むワンルームという設定。アイアンフレームのベッドやミラーをメインに、女性的なエレガンスを表現している。壁面に据え付けられた白い板は、使う時だけ伸ばしてミニテーブルにできるというフォールディングテーブル。こんなものまでIKEAにはそろっているのだ。またこのコーディネートからは、北欧モダンだけではなくクラシック調にも似合うというIKEAの商品の幅の広さも感じられる。家具や小物一式約¥197,000。これらの他にもダイニングや収納、ハイテク空間など全部で12種類のコーディネートが提案された。2012年度版のカタログでは企業努力により、500アイテムが値下げされた。今でも求めやすいIKEAが、もっと求めやすくなった。まずはカタログを手に入れてみよう。現在は新横浜(神奈川)、新三郷(埼玉)、船橋(千葉)、鶴浜(大阪)、神戸(兵庫)の5店舗だが、今後国内にさらに店舗を増やす計画だという。 公式サイト 取材/本間美紀
2011年08月29日