食べることが大好きな漫画家兼占い師。2022年2月に扶桑社より「憑きそい」を発刊。
ホラー漫画家&占い師として活動する山森めぐみが、子どもの頃から自分の家になんとなく抱いていた恐怖心。はじまりは、廊下から「ズズズ…」と這う音が聞こえたことでした。
■前回のあらすじ 翌日、母はいつも通りの母に戻っていました。しかしその夜、祖父が井戸の“息抜き”や“土のこと”をちゃんとしていなかったことが発覚。曽祖父は大慌てで神主にご祈祷を頼むも、母が「無駄だと思うよ」と言い出して…。 母リツコ、何度か呼びに行くも出てこず。 実際の井戸の場所はもう埋め立てて家が建ってしまっているから、ご住職さまが決めた場所に竹筒は寝かせて置かれたそうな。 母は何かに取り憑かれてるせいであんなに家族を1ヶ所に集めて寝たがっているのかとみんな不気味に思っていました。 でも、「実は無意識に子どもを護ろうとしていたのでは」と聞いてジーンときました。あきらかに様子が違ったから怖かったけどね! ちなみに、お祓いをして家族の体調不良はピタッと治まりました。そして、這うような「ズルズル音」も聞こえなくなりましたが、しばらくは別の足音が続いて…。 井戸の件はもう良いとは思うけど、家の造りが何とも気持ち悪い。様子を見てリフォームすれば良いとも言われ、その後、実家は何十年越しにリフォームしました。 最後までお読みいただき、ありがとうございました!
2022年06月11日■前回のあらすじ あまりの恐怖に、「今日からおばあちゃんの家で寢る」と宣言するも、母はそれを拒否。そのため強行突破で祖母宅に駆け込んで寝ていると、真夜中に母が迎えにきました。でも、中身がいつもの母ではない気がして…。 全員初耳。 すると、そこへ…。 普段は静かなひいじいちゃんが大慌てで、部屋中にビリッと緊張感が走りました。 そんな中、急に母が「ご祈祷は無駄」と言い出したのです。 次回に続く「生まれ育った家が怖かった話」(全9話)は21時更新!
2022年06月10日■前回のあらすじ 不気味な人影を見かけて、慌てて寝室に戻ることに。布団に入ると「背中が冷たくなった」と言った母が、突然、「あー楽しい」と笑い出しました。しかし、翌日になると母はそのことを覚えていなくて…。 翌日。お風呂から出た後、私達姉弟で宣言しました。 家族一緒に寝るもんて…そんなこと初めて言われたし、両親とも残業の日とか、ばあちゃんち普段からよく泊まりよるのに…? なぜ今更…? だがしかし、ダメと言われても怖いもんは怖い。 母が目を離した隙に、強行突破でばあちゃんちに我ら三姉弟は駆け込んだのでした。 そして、夜が更けて…。 次回に続く「生まれ育った家が怖かった話」(全9話)は21時更新!
2022年06月09日■前回のあらすじ 夜中に尿意で目を覚ますと、やはり階段から聞こえる「ズズズ」という音。恐る恐る母と一緒に階段を降りると、なんだか黒っぽい影が見えた気が…。母が電気をつけると、そこには恐ろしいものが! でも、母には見えていなくて…。 もうトイレどころではなく、寝室に戻った母と私。 1人では寝られなく、母の隣で寝させてもらうことにしました。 母の背中は、冷たいだけじゃなくカチカチに固くて、「冬場に外に放置された鉄板みたいだ」と思った記憶があります。 そして、急に笑いだしたかと思ったら黙り込んだ母。 ちなみに「おとろしや」とは、『怖い』という方言です。 私はあまりにも母の言葉と笑顔が怖くて、後ずさりしながら自分の部屋(隣)に戻り、妹の布団に潜り込みました。 一夜明けて、普段通りの母に昨日の話をすると…。 あの出来事は夢だったんかな? いや…でも…あんなハッキリした夢なんてないよ。 母はよく、ひんやりした空気を感じたり、氷を押し付けられたようだからオバケがいる! と言いますが、私自身はそういう感覚でオバケがいる! と感じたことは無い気がします。 たしかになんかいると気づいた瞬間、背筋がゾッとはするけれど。 母と同じように温度でオバケを感じる方っているのかなぁ。 次回に続く「生まれ育った家が怖かった話」(全9話)は21時更新!
2022年06月08日■前回のあらすじ 新しい家に住みはじめて数年、家族が次々と体調を崩す事態に。神主は、業者がきちんと“息抜き”をしていれば「井戸が原因ではない」と言うけれど、祖父は“息抜き”していないことを隠していました。その後、しばらく経って…。 ある日、夜中にいつもの尿意で目覚めた私。 でも、例の階段と廊下のズルズル音が怖すぎて1人でトイレに行くのはどうしてもどうしても無理。 普段は妹についてきてもらうけど、連日のこと過ぎて申し訳なく、隣の部屋で寝ている母を起こすことに。 「お母さん起きてーーーー」 「うーーん……」 何回揺り動かしても起きず、仕方なく一人でトイレに向かうことにしました。 トン…トン…階段を降りていくと、あの音が聞こえてきたのです。 階段を上がるのも怖い。その場から動けず、「どうしよう」と立ちすくんでいると…。 いつの間にか起きてきた母が後ろに立っていました。 「廊下、怖いんやろ? 変な音するんやろ? 音は気のせいやと思うよ。確かめてみようや」 ばあちゃんから、私が最近廊下で変な音を聞いて怖がっているという話を聞いていたらしい。 ちょっとホッとしつつ、意を決して2人でトントン階段を降りて、廊下を覗くと…。 なんだか黒っぽい影が見えた気がして、ギュッと母に掴まりました。 「なに? 怖いん?」 明かりをパチッとつけた母は、「これで怖くないやろ、早く行きな」と。 ……………………………… 「あれ、なに」 「なにが」 「ほら、廊下の奥。立っとるやん」 「だから、何がって」 「ねえ!? お母さんは見えんの?」 私は泣き叫びました。 次回に続く「生まれ育った家が怖かった話」(全9話)は21時更新!
2022年06月07日■前回のあらすじ きちんとご祈祷をしてもらったにもかかわらず、正しい行程である“息抜き”をせずに埋め戻されてしまった井戸。その上に建てた家で暮らし始めると、祖父が謎の発熱で入院することになって…。 なかなか治療の効果が出ず、謎の熱が下がらなかったじいちゃん。 そこからほんの数年で、バタバタとみんな体調を崩していきました。 ちょっとあげるだけでも、祖母は顔面神経麻痺、ひいばあちゃんも体調を崩し入院、ひいじいちゃんは赤ん坊の私を背負ったまま階段から転げ落ち骨折、母は腎盂腎炎で入院。 ずっと無事なのは、婿養子だった父のみでした。 余りにも色々続くので、じいちゃんは段々不安に…。 もしかして、井戸のせい? そこで、ご祈祷していただいた神社の神主さんに話を聞きに行くことにしました。 じいさん「あのー、井戸を埋めたせいなのか家族が入院続きなんですけど…」 すると、神主さんは…。 ハッ……!! 井戸の息抜きも土も神主さんに教えられた通りにはやってない! じいさん「ちなみに井戸の神様が怒るとどんな事が起きるんですか」 神主さん「その井戸の上に住んでる方に災いが起きるとは言われてます。病気や事故にあいやすいとか」 井戸の上……… 井戸の真上は……… みんなが集まるリビング!!! みんな別々に住んでますが、ご飯はその井戸の真上のリビングに集まって食べるのが習慣となっていました。 家に帰り、落ち込みまくるじいさん。度が過ぎるほど“息子ラブ”だったひいばあちゃんがそれに気付き、声をかけました。 じいさんから井戸の話をひと通り聞いたひいばあちゃんは、こっそりその神社に話をしにいき、厄祓いの御札を貰ってきました。 でも、こんな(ちゃんと息抜きなどやってなかった)ことを他の家族に言ったら、うちの息子が責められるかも。 「息子が責められるのを避けたい&もらった御札を貼るにはどうしたら…」 ひいばあちゃん考えに考えて、ひらめき神降臨! 「もらった御札の上からカレンダー被せたらいいんだ!」 おかげで誰にも気付かれず済んだかと思われたのですが…。 年が明けて、母がカレンダーを新しいものに変えようとしたときに厄祓いの御札が出てきました。 母「誰かが御札貰ってきてたんだな。新年になった事だし、御札返して新しい御札もらってこよっと」 神主さん「なんで? この御札は夏くらいにお宅のひいおばあちゃんが家内安全の厄祓いにってわざわざご祈祷までして持って帰ったものですよ。1年は取替えなくていいんですよ。また夏ごろ持ってきてください」 確かにみんな体調崩しがちだから、ひいばあちゃんも心配でご祈祷して貰いに行ったんだな…その割に家族を心配した本人が急に亡くなっちゃって可哀想だね…と、母もしんみりと帰ってきたそうな。 それから日々の暮らしに流され御札はそのまま元の場所に貼られたままとなり、ずっとそのままになっていて…。 そこからしばらく経ち、最初の話に出てきた廊下の異音に繋がるのです。 以前にも話しましたが、廊下の異音とは、昼夜関係なくズズズ……シュルシュル…と引きずるような衣擦れのような音が聞こえてくるというもの。 いざ確認に行くと、誰もいないというこの現象。私だけが感じるもののようでした。 この廊下はなるべく通らないようにしたかったけど、どうしてもトイレに行く時や自分の部屋に行く時など毎日通らざるを得ない。 そんなある晩のこと…。 次回に続く「生まれ育った家が怖かった話」(全9話)は21時更新!
2022年06月06日■前回のあらすじ 家の敷地内にあった井戸は、お金に困らない「金井戸」として古くから大切にされてきました。ところが祖父は「会社が順調に大きくなったのは皆の(特に自分の)がんばりのおかげ」として、独断で井戸を埋めると言い出して…。 前回、ご祈祷をせず井戸を埋めるように業者を呼んだじいちゃん。 そこへ運良くひいじいちゃん登場。 「お前、勝手になにしよんどーーー!」 ひいじいちゃんはリアル山伏から直に話を聞いた人物で、何があっても井戸をこのまま打ち壊すのはダメ!! と大反対しました。 急遽神主さんを呼ぶことになり作業は中止に。 たまたまオフ日だった神主さんに来ていただくと、神様の怒りにふれるので、何があってもご祈祷してから井戸は埋め戻さないといけないらしい。 そうして、つつがなくご祈祷していただいたのですが、問題はここからでした。 業者から提案された通りのやり方で、井戸は埋め戻されてしまったのです。 (ほんっとじいさん何考えてるんだろう。そういうの信じないのも理解できるけど、とりあえず他の人の意見も聞くべきでは!?) そうして家が建ったのですが…事の始まりは、じいちゃんの発熱からスタートでした。 次回に続く「生まれ育った家が怖かった話」(全9話)は21時更新!
2022年06月05日■前回のあらすじ 子ども時代、住んでいる家に恐怖心を抱いていたものの、「我慢できるうちは」と我慢していました。でも、それもいよいよ限界。廊下から「ズズズ…」と這うような音が頻繁に聞こえるようになったのです。 その話を、ずーーーーっと親や周りから聞いて育ったじいちゃん。 そんなじいちゃんも、親から2代目社長を任され、シビアに社会に揉まれてきました。 井戸をみんなが大事にしてるのは知っている。 でも、ここまで順調に会社が大きくなったのは、皆の(特に自分の)がんばりのおかげやないん? そんなん言いよったら、ずーっとこんな邪魔な場所に井戸がある事になるけど? …で、考えた結果。 ある日、業者を呼んでこう言ったのです。 「あの井戸埋めてください!」 金井戸、独断で埋めることに。 ちなみに、急に山伏とか出てきて何時代!? と思われるかもしれませんが、私が住んでいたところには昔から山岳信仰というものがあって、普通に地域に山伏さんがおられました。 次回に続く「生まれ育った家が怖かった話」(全9話)は21時更新!
2022年06月04日この話は、著者の山森めぐみさんが実際に体験したお話を漫画化していますが、怖いお話を含んでおります。苦手な方はご注意頂いた上でご覧ください。 皆さん、自分の家の間取りや風水について考えられた事ってありますか? また、建てる前の土地についても考えられた事ってありますか? 今回はそれにちょっと絡んだお話です。 子ども時代、私と双子の妹のオバケ話に一番関心と理解があったのは祖母でした。 そんなばあちゃんにも言えないことがひとつあり、「我慢できるうちは」と我慢していました。でも、それも限界を迎えて…。 田舎なので、敷地は広め。 先祖代々、家は建て替えつつ、ずーっとこの地に住み続けています。 本家と分家文化が、建てられた昭和の終わりの当時はもちろん、令和の今も根付いてます。 私としては、普段の廊下は何かの気配を常に感じるな…というくらいで、怖いけどギリ許せるという感じでした。 でも廊下からの音が頻繁に聞こえるようになってからは、すごく苦手な場所になってしまったのです。 次回に続く「生まれ育った家が怖かった話」(全9話)は21時更新!
2022年06月03日