ライター/編集者/カメラマン。1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科を卒業後、紙の専門商社勤務を経て、ウェブメディア業界へ異業種転職。「ライフハッカー[日本版]」副編集長、 「北欧、暮らしの道具店」を経て、フリーランス。記事執筆、編集、企画、撮影、脚本、メディア運営、音声配信など、ウェブコンテンツに必要なことはだいたい何でも制作中。
一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にし、音声と共にお届けします。今回は2020年7月9日放送分より、『モトカレマニア』『臨死!!江古田ちゃん』を生んだ漫画家・瀧波ユカリさんがゲストで登場です。 ■「マウンティング」の生みの親 <犬山さんの声を聴きながら読む> 犬山 :瀧波さんとお会いしたのは、私が『嫌われ女子50』という本を出すときに、お話をぜひ聞きたいとお願いしたのが最初でしたよね。「あなたにとって、どんなタイプの女性が嫌いですか?」というテーマで。今の私だったら、タイトルもテーマも疑問視するような本ではあったんですけれども……。 瀧波 :時代を感じるよねー。 犬山 :その時に、瀧波さんから 「マウンティング」 というワードが出てきたんです。それまで人間同士が「自分の方が格上だ」と示すことを、そんなふうに呼んだ人はいなくて。めちゃくちゃ言葉がしっくりくる! と目からうろこでした。 瀧波 :対談の何日か前に思いついたんですよね。もともとは生物学用語ですけど、男女間でも異性間でも起きるアレを、何かでうまく言いたいと考えていて。 犬山 :Twitterなどでもまさに「共感の嵐」で広まっていき、瀧波さんとは 『女は笑顔で殴りあう マウンティング女子の実態』 という対談本を出すに至ったわけなんですよね。あの本はマウンティングのシミュレーションがすごかった。 たとえば、「都会に住んでいる女子」と「田舎に住んでいる女子」と設定を決めて、お互いにマウンティングし合ってみるんです。「田舎女子」だとすると「都会って憧れる〜! でも私、狭いところに住むのはイヤで」みたいに。瀧波さんはさすがマウンティングの生みの親だけあって、言われたら嫌な絶妙のポイントをアドリブでポンポン出してくるんですよ。 瀧波 :今、ちょっとやってみた方がわかりやすいんじゃない? ■実践・マウンティング女子のバトル 犬山 :設定どうしましょっか。 瀧波 :そしたら、私が「都会で働くOL」で、いぬぬ(※犬山さん)が「地方で地域ぐるみの民泊事業などをする女性」って感じで。 犬山 :わかりました。では瀧波さんからお願いします! <犬山さんの声を聴きながら読む> 瀧波 :(声のトーンを上げて)紙子〜! 久しぶり〜! 元気? そっちってどうなの? 犬山 :(声のトーンを上げて)なんかね〜、やっぱり緩やかに時が過ぎるっていうか……コロナの影響もそんなになくて、私はいつも通りに「自然と時を育んでる」って感じ。 瀧波 : 「虫と一緒に生きてる!」って感じね! コロナの影響がないなら、何かいいな〜。私はパワーランチが毎日できなくなっちゃって、仕事の話も進まなくなっちゃったの。 犬山 :……ちょっ、ちょっと待って……「虫と一緒に生きてる」と「パワーランチ」にダメージを受けて笑いが出てしまう……でも、ユカリにパワーランチが必要なのも私は認めるけど、私はもう疲れちゃったっていうか。地域の人たちと野菜を交換したりとか、そういった日々の暮らし、気持ちの育みのなかで「自分の時間」を生きていきたいんだよね。 瀧波 :でも、田舎でつくれる良い野菜って、結局は都会で買えるよね〜。都会に疲れちゃった女子が一度田舎に行って、また都会に戻ってくる流れも出てきてるし。 犬山 :野菜、たしかに伊勢丹とかに売ってるけども(笑)。はぁ……やっぱり瀧波さんはすごかった! 完全に私が押されました。たぶん私が特別に弱いというより、瀧波さんがうますぎるんですよ。頭の回転も速いんでしょうけど、普段から言葉を摂取してるから、そんなにポンポン出てくるのかしら。 瀧波 :ポジティブに考えればそうだけど、性格が悪いだけかも? これ完全に、私はいま、リスナーから嫌われてると思う(笑)。 ■「あの頃の私が、この情報を知っていれば」と思いながら 犬山 :自分がいま10代後半とか仕事を始めたての頃とかだったら、瀧波さんのマンガやエッセイを摂取したかったなって思うんです。あの頃はモヤモヤとツラい女の子として生きていて、でもこのツラさを言語化できないし、周りから「女なんだから」と押し付けられた正解を内面化している時期なんですよね。 そういう時期の苦しんでいる若い女の子にとって、 瀧波さんは感情を整理できて、楽になれるような言葉をくれるんですよ。 優しく寄り添って教えてくれる存在。いまの20代の女の子たちが少し羨ましいくらいで、私も当時に出会えていたらなって。 瀧波 :若いときの私自身が、自分のそういうモヤモヤとかドロドロをそのまま漫画や文章にしていたから、今の自分が過去作を読むと、直視できなくてツラいですよ。 犬山 :それは私もです! 自分の内面がそのまま出ちゃっていたりとか、人を分断するようなことを書いてしまっていたりとか、反省しきり……。 瀧波 :いまだったら絶対に言わないようなこともあるしね。でも、そんな時代を進んできて変わったから今があるわけで。今も昔と変わってない人は過去作も平気で見れると思うんです。だから、 その分だけ進歩した と思えばいいんじゃないかな。 犬山 :そうかー! 私も過去作が見られない理由を良く捉え直せました。瀧波さんの作品には、「苦しかった自分も含めた、あの頃の女の子たちへ」という目線を強く感じます。そういった目線は、どういった気持ちから生まれていると思いますか? 瀧波 :やっぱり 「情報を届けること」 だと思う。いぬぬも言った通りに「あの頃に知っていたら苦しまずに済んだこと」は本当にいっぱいあります。それって、世代が変わってしまうとうまく届かない場合もあるかもしれないから、今の若い子に少しでも情報を渡すことが大事だと思っていて。「こんなことを言う男はダメだよ!」とか。 犬山 :それを本当に知りたかったんですよね。情報1つで捉え方は全然変わるし。たとえば、会社内での不遇を「私の実力不足だから」と思いすぎたり、「女は理性的じゃないからだめだ」みたいな言葉を信じてしまったり、 若い頃ほど「結局は自分が悪いせいだ」みたいに自身を責めがち 。私自身もそうでしたし、本当にそう感じることも多かった。だから、瀧波さんのような近い立場でいてくれるお姉さんからの話は、届きやすいと思っています。 ■いまは「恋愛が始まる前」の悩み相談が増えている 犬山 :瀧波さんはRadiotalkでも『おちゃのじかん』というタイトルで、音声を配信されてますよね。 瀧波 :今年の3月くらいからですね。毎回10分くらい、特に強く訴えたいこともなく、だらっと喋る感じで続けています。お悩み相談をすることもあって、それは「マシュマロ」という匿名でメッセージを受け付ける投書箱みたいのがあって、そこに悩みがポロッと送られてきたりしたときに応えています。 犬山 :そういったふうに寄せられるメッセージも含めて、今の女性たちに多いお悩みの傾向なんてあったりするのでしょうか? 瀧波 :だいたいは「恋愛」と「仕事」ですね。ただ、「恋愛をしたいけどできない」とか、「好きな人が現れない」みたいな 「恋が始まる前」の悩み が多い気がします。 犬山 :それは同感です! 私もお便りを読んでいると、「出会いの無さ」や「好きな人がいない」という声が多いですね。そういった人にはどんな言葉をかけられますか? 瀧波 :まずは 「変わらなきゃいけない」っていう思い込みは一度外した方がいいよ 、と。恋愛しなきゃいけない、仕事で上に行かなきゃいけない、仕事と家庭を両立してなくちゃいけない……そういうことって、まずもってみんながする必要はないです。大事なのは 「あなたはどうなりたいか」をスタートにすること ですよね。 犬山 :女性は子どもを産まなきゃいけない、結婚しなきゃいけない、といった圧力もそうですよね。年齢的なタイムリミットのもとに焦らされる感じ。それを強要される中で生きていくなかで、「変わらなきゃいけない」と無根拠に思ってしまうこと、あるいはそれを思わせてくる社会に、私は怒っちゃうんです。自分の傷を癒す方が先決だったりすることもあるし。 瀧波 :でも、「変わらなくてもいいよ」と声をかけたい気持ちもありつつ、私の経験としては、 自分の前にハードルを一つ、二つと設けて、それを越えて変わったあとのを楽しさや、得られることの多さ も知っているから、ただ「変わらなくてもいいよ」だけでもダメで。 犬山 :はぁ……私も相談したい!(笑) 言動がぐちゃぐちゃな人には振り回されないように! 犬山 :ここでリスナーさんからのメールをひとつ。もっぴぴさん、ありがとうございます。 <犬山さんの声を聴きながら読む> 「もう大学生なんだから化粧しろ、それはマナーだ」と言ってくる人と、いざ化粧をしたら「色気づいた」と言ってきたり、その仕方を修正しようとしてくる人が嫌いです……恥ずかしながら親に対しての愚痴です。帰省するたびに、そんな言葉をかけられています。化粧は自分が気合いを入れて過ごせるための武装でもあるので、放っておいてほしいです。 瀧波 :もっぴぴさんの気持ちも考えつつ、親の気持ちも考えてみたんだけど、年頃の娘が帰省で戻ってくる度に、すっごく毎回かわいくなっていってる衝撃があると思うんだよね。親もそこで「可愛くなった」と言えればいいんだけど、言えない心の複雑さがあるのかなぁ。 犬山 :なぜでしょうね? 本気で口を出したいのか、照れくさいから出る憎まれ口なのか……ただ、もっぴぴさんが「嫌い」と感じると断言されているので、イヤな空気が漂ってるのかなとは思いますけれど……。 瀧波 :あとは 「プランB」を持っておくといいんじゃない? 「プランA」は思いっきり拒絶すること。「そういうこと言われるのイヤなんで!」と相手の矛盾点を突いていく。で、プランBは、意地悪だけれど「私の方が化粧うまいよ」と返して、一緒にお化粧する。同じものを自分用と2セット買っていって勧めてみたりするのね。一緒に楽しめるようになったら、親のお金で化粧品も買ってもらえるようになるはず(笑)。 犬山 :なるほど〜! 親も娘との時間を持てて嬉しいかも。「娘からこんな化粧品もらったのよ、私には派手なんだけど……」とか言っても、近所の人に自慢しそう(笑)。 瀧波 :親だけでなく、女友達でも言う人いるよね。「あなたは黒髪が似合うよ」とか言っていたのに、いつからか「髪を全然染めないね」と言ってきたり。そういう人は 好きゆえの執着 みたいなものがあって、嫉妬心にも近いところから、いろんな感情がぐちゃぐちゃになった結果、言動もぐちゃぐちゃになる。 犬山 :言動がぐちゃぐちゃな人に振り回されないのも大事ですよね。「矛盾するようなことを言う人もいるんだなぁ」という心持ちで捉えられたらいいのかもしれません……そして、あっという間ですが、もうお時間だそうです! 瀧波さん、お忙しい中、ありがとうございました! ※Radiotalk限定 特別編「親になって変わったこと」を公開中! ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年08月13日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にまとめ、音声と併せてお届けします。今回は2020年7月2日放送分より。 ■アイドルファンは「プロデューサー推し」に行き着く? <犬山さんの声を聴きながら読む> 私がコメンテーターとして出演している朝の情報テレビ番組『スッキリ』でも追いかけていた、ガールズグループを輩出するNizi Project、とうとう 「NiziU」 としてデビューする9人が決まりましたね!(2020年7月2日当時) 早速、『Make you happy』という曲も発表され、 みなさんミュージックビデオはご覧になられましたでしょうか……まだ見てないかもしれませんが、本当に良いんですよ! 最高なグループですから、ミュージックビデオも、ぜひ検索してみてください……! 改めてNizi Projectの説明しますと、TWICEを生んだ韓国のJYPエンターテイメントと、日本のソニーミュージックが組んでアイドルチームを作る企画です。1万人の応募者から9人にまで選ばれたのですが、もう選考過程からメンバーのスキルが高すぎて! たとえば、メンバーのリマさんは、実はラッパーのZeebraさんの娘さんなんですが、それを抜きにしてもカリスマ性や実力があり、ラップの上手さも光っていて、見た目の華やかさで人の注目をパッと惹きつけますね。あと、ミイヒちゃんはまだ15歳ながら、しっとりとバラードを歌い切ったり……本当に実力を兼ね備えた9人組が誕生しました! で、NiziUのみんなに注目しつつ、 私の「推し」は韓国人プロデューサーのJ.Y.Parkさん だなって、思っちゃったわけです(笑)。 この番組でも度々話していますが、私はモーニング娘。などを生み出したハロープロジェクトが大好きな「ハロヲタ」なんですけど、最終的に誰を一番に推しているかというと、 プロデューサーのつんく♂さん なんです。でも、私と同じような人って、結構いるんですよ! つんく♂さんの誕生日に、似顔絵を乗せたパンケーキをつくったりしながら、「つんく♂さん好きだな……」と改めて実感したんですが、やっぱり書かれる歌詞がいいんですよ。女の子を自分に憑依させて、リアルな気持ちをそのまま書いてくれる。おじさんが思う女の子の気持ちではないんです。あとは努力を惜しまないところも大好きです。 ■J.Y.Parkさんの褒め方に、子育てのヒントがいっぱい 話をJ.Y.Parkさんに戻すと、彼がNiziの候補者にかけてきた言葉が、本当に「徳が高い」としか言いようがなくて、子育てをする1人の母としても、学ぶところだらけなんです。 彼のニコーッとした笑顔も良いのですが、何よりJ.Y.Parkさんの 「言葉×アドバイス」 がステキ。メンバーに何かを指摘するときでも、それをプレッシャーに感じてしまうことは、絶対に言わないんです。 まずは 「あなたは素晴らしい、才能に恵まれているし、生まれてきたことが特別だ」 というところから入る。そのうえで、「こうすれば、もっと良くなるかもしれない」と伝えるわけです。女の子たちは自分のプライドを保ちつつ、成長を促されるという素晴らしい方法で。 J.Y.Parkさんの言葉の例を挙げると、さっき紹介したリマさんには 「君は自分についてまだわかっていないことがあると思います」 と始めるんです。自分の悪い癖を指摘されるのかしら……と不安な顔になったところで、彼女の歌の上手さを褒めるんですよ。 「ラップ、ダンス、パフォーマンス、表情で自分を見せようとしているけれども、歌が本当に上手だよ。それをあなた自身が知ってほしい」 ……そんな言い方できます?! J.Y.Parkさんの真意は「歌をもっと努力して練習しようね」なんでしょうけれど、それをこんなふうに言われたらやるしかない。自分を信じられるようになる言葉じゃないですか? ■「J.Y.Park日めくりカレンダー」が欲しいです あとは、J.Y.Parkさんは 「謙虚であることが大事」 と、よく言います。 私たち日本人からすると、謙虚は「いえいえ……私のようなものが……」みたいに、へりくだってしまうものと思われがちですが、J.Y.Park流の謙虚は違います。謙虚は、言葉や行動だけの謙虚ではなく、「心の謙虚を意味します」と。 「自分自身が本当に“足りない”と思って、隣にいるみんなの短所ではなく長所だけを見て、心から感謝すること、それが謙虚です」 もうね、説法!ありがたいんですよ!(笑) 他にも「才能」について、「才能に恵まれているのは本当に素晴らしい。しかし、それを発揮できないのは本当に残念なことです。才能が夢を叶えてくれるのではありません。過程が結果を作って、態度が成果を生むんです」と。それから、 「夢を叶える人とは、自分に毎日勝てる人」 とも。 うーん……すごい。私からは子どもにこんな言葉をかけてあげられないですね。『スッキリ』で加藤さんもおっしゃってましたけど、 J.Y.Park金言集なるものが発売したら欲しいです。 日めくりカレンダーとかね。トイレに置いておきたい! ■職場も家庭も気をつけたい、「褒め」を伝えること ここからはリスナーさんからのメールを紹介します。まずは、ラジオネーム「風祭」さん。 初回からRadiotalkで楽しく聞かせていただいてます! 私事ですが、褒めてほしいことがあります。今年4月に転職しました。前職では、威圧的な上司や男性上位な空気が当然の職場だったのですが、これを機に、同じ職場の人とも積極的に話そうと決めていました。 感謝や嬉しく感じたことはすぐに伝えたり、相手の話を楽しんで聞くようにしたり。 働きながらも自然に笑顔でいることが増えました。もともとの1人で仕事をしたい性格や、男性への不信感といった「自分の殻」を破ろうとした、このビフォーアフターを褒めてほしいです! 転職、お疲れ様です! これはもう、 褒め、褒め、褒め! 前職でのトラウマがあると、次の職場でもちょっと尻込みしてしまうことが多いのかな……と思いきやですよ。新しい環境をより良くしようということで自分から働きかけるのは、すごく強さがあるなぁと思いますね。 ……って、J.Y.Parkさんなら、こういうことを伝えるんじゃないですか?(笑) 風祭さんには、心の中に自主的なJ.Y.Parkさんが宿っているんじゃないかな。いや、本当に素晴らしいことですよね。自分から「ありがとう」とか「嬉しい」という感情を伝えるのって、なかなか照れくさいことが多いと思うんですが、 今すぐに伝えることで関係が良くなっていくと。 本当に職場で1人でもやってくれる人がいると、周囲も一気に「お互いを褒め合う空気」になるから、「風祭さんが入ってきてくれて良かったね」って思われているんじゃないでしょうか。 これ職場だけじゃなくて……私たちも家庭内でしないと! 「嬉しい」や「ありがとう」って「褒め」を伝えていきたいですよね。いちばんに身近な人にできると、家庭の空気がすごく良くなるんじゃないかな、なんて感じました。素敵なメッセージ、ありがとうございます。 ■心のドロドロしたところだけが「本当のその人」ではない <犬山さんの声を聴きながら読む> 続いては、ラジオネーム「ライナスのタオル」さんです。 犬山さんの『スッキリ』でのイメージとのギャップを感じつつ、楽しんでラジオを聞かせてもらってます。僕がイメージする犬山さんと違うところが、まだまだいっぱいあるんでしょうね。どんな人なのか楽しみに声を聞き、テレビ出演も拝見させていただきます。これからも頑張ってください! ありがとうございます。私のことで言うと、ラジオはプライベート感がめちゃくちゃ強いんですよね。でも、こういう「イメージ」って、難しい話なんですよねー……。 私って、どういうイメージなんでしょうね? そもそも私は、インターネットで他人の恋愛にあれこれとゲスいことを書いていたブログ出身なので、周りからもゲスい人間だと思われているのかなと、自分の中では勝手に思ってたんです。でも、最近はその頃を知らずに、『スッキリ』などで初めて見てくれたという方が、やっぱり多くなってきて。 『スッキリ』だと真面目な顔で、真面目なニュースにもコメントするわけです。そちらの印象が今どんどん強くなってきているのかなぁ。Twitterでも、真面目なこともつぶやくけれど、下世話でしょうもないこともばっかり書いているんですけど。 だから、たとえば「あの番組の犬山さんが好きです」とか、「本当の犬山さんが出るのはあっちですよね」みたいな感じに言われることもあるんですが……全部、私は「素」なんですよね。 自分の持つ汚い、ドロドロしたところを見せると「それがその人の本当だ」っていうふうに認識されやすいじゃないですか? でも、人間がドロドロしているところも本当だし、真面目なことや綺麗事を考えてるときも本当ですよね。全部が私なので。 「本当の顔」なんて実は無くて、全部が本当の顔ですよ 、みたいなことを考えちゃいますね。 みなさん、「自分像」って正確に把握しています? 明るい人か、根暗な人か、なんて、結構付き合う人によっても変わるじゃないですか。あとは、その場の空気とか、環境によっても変わるし。だから、いろんな「自分像」を、みんながそもそも持ってるもんじゃないかなーとは感じています。 「自分がどんなキャラなのか」を書いた作品として、村田沙耶香さんの『生命式』という短編集に収められた小説があります。自分が周りに求められるキャラクターとして、「ここではおっとり系、こっちは天然で、あそこは姉御キャラ」みたいにペルソナを持ちすぎてしまう登場人物が出てくる話があります。 混乱して、最終的には「私は何がいいかわからないから、あなたが私のペルソナを決めて」と伝えるようになり、そこからまたガラガラッと物語が進んでいく、めちゃくちゃ面白い作品です。これも、ぜひ読んでみてほしいなって思いました。 ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年07月21日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にまとめ、音声と併せてお届けします。今回は2020年6月25日放送分より。 ■「不倫された側」に起きる、気持ちの変化とは? <犬山さんの声を聴きながら読む> まずは先週に続いて、不倫について話し足りなかったことから……先週は「不倫する側の心理とは?」を、私が読んだ本をもとに紹介したのですが、今回は「不倫された側」のことをしゃべってみたいなと。 いや、もう、どう考えても傷つきますよね。裏切られたような気持ちになるし、「自分に魅力がないからじゃないか」と責めてしまったり……。こちらも先週と同じく、アメリカの心理療法士であるエスター・ペレルさんの『不倫と結婚』という本には、不倫された側がいかに回復していくのか、ということも書かれています。 まず、不倫された側に起こる心境の変化としては、 自尊心がひどく傷つく。 自分の全てを否定されたような気持ちになっちゃうんですね。でも、不倫をされたからといって、その人の魅力が全てなくなるわけでもないし、その人に落ち度があるばかりでもないです。 「どれほど幸せな家庭でも不倫は起こりうる」とエスター・ペレルさんは書いています。その理由は先週もお話したように、「人が不倫のなかに発見する最も魅惑的なものは、 新しい相手ではなく、新しい自分自身である 」からですね。 不倫を経験して、別れないカップルもたくさんいます。もちろん別れるのも選択のひとつです。どちらが善い、悪いではないんですけれども、どうやって自尊心を回復していくのかについては、事前に知っておきたいじゃないですか。 ■自分を責めないこと。周りの人たちやプロの力も有効 「不倫された側」の自尊心を回復させるためには、自分を責めることなく、「それでも私には魅力があるし、楽しいことがあるし、友人たちから評価もされている。 今まで積み重ねてきたものが、この不倫で全て崩れるわけはない 」ということを、ちょっとずつでも頑張って思い出していくことが大事だと書かれています。 だけど、やっぱりシャレにならない傷つき方でしょうから、私は周りの人たちの力はもちろん、できれば プロのカウンセラーの力 も借りたほうが、心も修復されやすいと思いますね。 あと私としては信頼できる友人たちも大切かなって。で、そこで友人たちが絶対に守るべきことは、不倫された側に説教はしちゃダメ! ということ。「あんたが全然相手しなかったから……」とか、「あんな男は早く別れてよかった」とかもダメです。 ひたすら、聞く! 表に出してくれた傷を、ただ受け止める! 友達からそんなふうに言われてしまうと、不倫された側も腹が立ってきちゃうし、そこでまた気持ちが混乱してしまいます。それに、こういうのってお互い様じゃないですか。友人同士は、弱ったときに助け合ってなんぼですから。 ■不倫した側は「謝罪&謝罪」 そして、不倫してしまった側で、もし関係を続けたいのであれば、相手にはとにかく謝罪&謝罪&謝罪! 「自分が本当に悪かったし、あなたに魅力がないことには絶対ならない」と、何度も何度も語りかける。仮に激怒されても、それでも不倫は「してしまった方が悪い」から耐え続け、支えていくことしかできないです。 結局は、 不倫ってした方も傷つくんですよ。 どこかで自分も「いい人間でありたい」みたいな思いもあるから、それを全うできていないことに、自分自身で激しく傷つく。いやいや、不倫しといてなんやねん! って話なんですけど。 だからこそ、不倫で新しい自分を発見するんじゃなくて、ゴルフでも、山登りでも、 違うことで見つけていきましょうよ。 あるいは、「性依存かもしれない」と思ったら、カウンセリングのドアを叩く。 ……と、2週にわたって不倫についての話でございました。 ■38歳のわたくし、15歳の歌声に号泣する <犬山さんの声を聴きながら読む> さて、私は毎週金曜日に、朝のテレビ番組の『スッキリ』にコメンテーターで出演しているのですが、そこでは今、 Nizi Project というアイドル発掘オーディションを追っています。最新エピソードは毎週金曜日にHuluで更新されていて、めちゃくちゃ面白いんですよ!(2020年6月25日放送当時) 何が面白いって、まずは 出場している女の子たちが素晴らしい 。例えば、15歳のMIIHI(ミイヒ)ちゃんという子が、しっとりしたバラードを歌い上げたりするわけなんですけど……それでもう38歳女のわたくしは号泣ですよ。歌って、なんで涙が出てきちゃうんですかね……わざとじゃないんですけど、収録中でも私なんかはつい泣いちゃいます……。 耳に歌声が入った瞬間、「あぁー! はぁぁー!」って、言葉になるより前に感情が引き起こされるみたいに泣けるんですよね。年齢と共に出る変化じゃないかなと思っていますが、 若い女の子たちがこんなにも努力して頑張っている姿を共有してくれている 、その成長するさまが琴線に引っかかるんだろうなって。まぁ、こっちが勝手に引っかかってるんですけど。 このNizi Projectは、音楽プロデューサーのパク・ジニョンさん、みんなにはJ.Y.Parkさんとも呼ばれていますけど、彼が率いています。J.Y.ParkさんはTWICEのプロデュースでも知られている人で、彼は指導者としてすごく的確なことを言うなぁ、と感心していて。 女の子たちに言葉を投げかけるときも、 女の子たちのポテンシャルは絶対おとしめない 。「あなたはやればできるよ。今は自信がないからそうなっただけだった」と、すごく寄り添って励ましていく。 体育会系というわけでもなく、ちゃんと褒めて伸ばしつつも、駄目なところは指摘する。そのときも淡々と冷静に伝えたりしていて、こういう人が上司だったらいいんだろうなぁ、と感じますよ。 ■「強い女の子」を感じさせてくれる姿にときめく J.Y.ParkさんがプロデュースしているTWICEは、このラジオの構成作家の松本真一さんが、そうとう好きらしくて。ちょっと推しポイントを、ぜひ教えてもらえません? ──TWICE、いいんですよ。僕も最初は、仕事にも絡む「研究」と称して聞きはじめたんですけど。 大人になると、そういう大義名分が必要になっちゃうんですかね(笑)。 ──研究のはずが、有名な『TT』から始まり、一通り聞いていって。そこで一度は熱が落ち着いたんですけど、去年出た『FANCY』という曲が最高で、その次の『Feel Special』も素晴らしく、「2曲連続で良いのが来た!?」って再燃したと(笑)。 松本さん的に「これ!」って曲、あります? ──『YES or YES』は歌詞もよくて。この「YES」は「私はあなたのことが好き。どっちか答えてよ」の意味からの「YES or YES」なんですよ。 めっちゃいいじゃないですか!「強い女の子」の歌詞は大好きです。 女の子って、それこそ「NO or NO」くらいに弱々な気持ちもあって、そういう曲があってもいいんだけど……やっぱり社会の中で女の子はまだ意見を言いにくい現状があったりする中で、TWICEみたいなガールズグループが 「いや、私たち強いし! 好きな服着るし! 男ウケとか関係ないし!」 みたいな姿を見せることで、すごく救われる気持ちになるんですよ。 私が好きなハロプロにしても、つんく♂さんが書く歌詞は「おっさんから見た女の子」じゃなくて、「等身大の女の子になりきっている」のが大きなポイントで。それこそ、モーニング娘。 に『女が目立ってなぜイケナイ』という曲があったりします。 これを聞いて「ほんま! 化粧もちょっと派手な方がええ!」と強くなるような思いがもらえるんですよね。私も「なぜ、女が女の子アイドルを応援するの?」みたいな文脈で質問されることもあるんですけど、 「そもそも、かっこよさや生命力の輝きに性別って関係ありますか?」 と答えています。 K-POPのガールズグループだとMAMAMOO(ママム)も、強い女って感じでかっこいい。あるメンバーが「あなたは太っているし、それはスタンダードな美しさじゃない」とオーディションの審査員に言われたとき、「いや、この私をスタンダードに変えてみせる」みたいに返したんですよね。 それを聞いて「なんて強いの!」と。私もそれぐらい言いたい、素敵だなと思いましたね。 ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年07月20日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にまとめ、音声と併せてお届けします。今回は2020年6月18日放送分より。 ■不倫のコメント、やめません? <犬山さんの声を聴きながら読む> 世間はまだまだ「不倫」っていうキーワードでざわついてるなぁ……という印象ですが、私もコメンテーターの仕事をしているもので、コメントを求められることがあります。 あの、今日は私から提案したいことがありまして……コメンテーターのみなさん! 「不倫の話ではコメントしない協定」を結びませんか? だって、不倫って犯罪ではないのでね。そこに性被害の告発などが入ったなら話は別ですけれど、単なる不倫はヨソの家の話のことだから中身までわかりませんし、私たちが周りからコメントすることで、「不倫された側」がツラく思うことだって、あるみたいなんです。 だから、私も不倫のコメントを求められたときは、「これから話すことは、このお2人ではなく、不倫の一般論についてです」と前置きを入れるように最近はしてきました。でも、他のワイドショーなんかを見ていても、みなさん同じようにされていて。 どうしても下世話な気持ちがわいてしまって、見たくなっちゃう気持ちがあるのもわかります……自分が「不倫された側」に立ったらと思うと、感情移入もできてしまうし、腹が立つのもしょうがない。 けれども、今は不倫が犯罪レベルでバッシングされちゃう対象になってしまっているし、「不倫された側」のお子さんが傷つくみたいに、 「その先にあるもの」 を考えると、笑って消費するのも違うよなって思うわけです。 ■不倫がバレて、ラブラブになる夫婦もいる 『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』という本を書いたときに、宮崎謙介さんと金子恵美さん夫婦に取材をしたんです。 宮崎謙介さんは元国会議員で、「育休議員」とした話題になったあとで、金子さんが妊娠中に浮気をしていたことが発覚し、「不倫議員」と世間から強くバッシングを受けた方です。でも、この夫婦はいま、 すごくラブラブなんです、実は。 取材するまで、私は「パートナーの妊娠中に浮気をするような男と離婚せず、なぜ金子さんはずっと一緒に居続けるんだろう」って思ってたんですよ。話を聞いてみると、宮崎さんは世間からの激しいバッシングで「死にたい」という気持ちに何度も陥ったそうです。そして、当時は金子さんも国会議員で、こちらも支持者からかなりのバッシングを受けたと。 夫婦で強いバッシングを受ける中で、 むしろその体験で一致団結した というお話だったんですよね。ただ、これはバッシングしてもいいという話ではもちろんなくて、金子さんは「これまで彼が私にしてくれたことや、彼の良い部分と天秤にかけたときに、浮気のほうが軽かった」という思いがあったと言っていました。 つまり、 不倫っていうのは人それぞれで、一般論で片付けたらあかんなぁ 、というふうに思っているわけですね。 ■「新しい自分」を不倫で発見してしまう <犬山さんの声を聴きながら読む> 不倫といえば、エスター・ペレルさんというアメリカのカップルカウンセリングでは重鎮とされる女性が書いた『不倫と結婚』って本がありまして。「不倫してしまう人って、どういう気持ちなんだろう?」という不思議を知りたくて読んでみたんです。だって、芸能人だけじゃなくて、今の社会で不倫をすることって、明らかにリスクが大きいじゃないですか。 この本で、すごくタメになったことのひとつが、 「人が不倫のなかに発見する最も魅惑的なものは、新しい相手ではなく、新しい自分自身である」 と。 たとえば、「自分の一生は平凡に進むのかぁ、毎日がルーティンで、なんとなく先も見える……」みたいな鬱屈とした状況にある人が、不倫相手を見つけることで、「自分にはこんな可能性があるんだ、こんな魅力もある」と自分を発見するらしいんですよ。結局は、 自分の新たなアイデンティティが欲しいから、不倫をする のだと。 それまでの私は、不倫ってただの性欲でするものだと思っていたから、この一節に出会って、すごく腑に落ちたんですよね。新たな自分の発見を考えると、円満な夫婦関係であっても、リスクを冒してでも、不倫に走ってしまう人もいるかもしれないなぁ、と。 でも、「新たな自分」は不倫でなくても見つけられるんですよね。友人関係もそうだし、ハマれるものを見つけるでもいいし。私も最近、好きな作品の二次創作の妄想を「友人と」語り合うことを始めて、キャラクターへの考察が深くなり、その考察を通して自分を知る……みたいな機会が増えています(笑)。 自分の二次創作が、浮気されたりする悲恋な妄想ばかりだとわかり、過去の恋愛とか、自分に枯渇しているものとかまで見えてきて。まるでセルフカウンセリングみたいです。 ■不倫とも結びつく、性依存の問題 もちろん、不倫が性欲がベースの人もいますけど、もう1つ考えないといけないことがあって、それが「性依存」の観点です。「セックス依存症」みたいに呼ばれることもあります。 私がこれを知るきっかけになったのは、津島隆太さんが描いた『セックス依存症になりました。』というマンガで、監修には精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳先生が入られています。斉藤先生はいろんな依存症の問題に取り組まれている方です。それもあって、性依存について、すごくわかりやすく描かれている作品です。 性依存と言われても、「ただ性欲が旺盛な人で、だらしない人」って、つい思ってしまいがちですけど、そうじゃない。セックスをしないと吐き気がしたり、幻覚まで見てしまったりとか、人によって様々な程度があります。アルコール依存と同じで、「それをしないとしんどいから、やるしかない」みたいな状況になってしまうそうなんですね……。 生活に甚大な被害が出るとわかっていても「止められない」。だから性依存も、ちゃんとカウンセリングを受けて、同じ依存を抱えてる人同士で支え合う自助グループにも加わって、克服していくという道筋を立てなきゃいない。 けれど、性依存への世の中の印象が悪すぎてカミングアウトもしにくいし、性依存だと気づいていない人だっている。その回復の道がすごく遠いように感じるんです。必ずしも「性依存=犯罪者」ではないことも含め、もっと世間に認知が広まるのも大切だと思っています。 ■電子書籍で好きなものを送りつけています <犬山さんの声を聴きながら読む> 今日も、リスナーさんからのメールをひとつ読みますね。りんね@大学生さんからのメッセージです。 私が毎年楽しみにしているアニソンフェスが、新型コロナの影響で来年に延期になっちゃって悲しいです。犬山さんも今期、何かアニメは観ていましたか? アニメ、時間もなくて、今はなかなか観られてないんですよー……過去の好きなアニメでいうと、私は「タクティカルなアニメ」が好きなんです。布石の置かれたストーリーで「うわ! この作者は頭がいい!」って興奮しちゃうのが好きで。 それで言うと、もともとは『週刊少年ジャンプ』で連載がスタートしたマンガの『ワールドトリガー』がアニメ化されたときは観てました! で、私もその一味だったんですけど、当時は「ワートリヤクザ」って言われる人たちがいて……とにかく周りにハマってほしいから、コミック全巻を勝手に送りつけるという(笑)。 特に今は電子書籍があるので、送りつけても相手の本棚を専有しないじゃないですか。だから、 まずは電子書籍で買ってもらって、そのあとでお金を渡すやり方でお願いしてました。 まずは読んでもらって、その後に語り合おうじゃないか、と! 今だと「鬼滅の刃ヤクザ」とかもいるんでしょうね。りんね@大学生さんは、楽しみにしていたイベントが延期になって悲しいところですが、あくまで「延期」ですから!再会したときの喜びも大きいはず。延期を待つ間には、ぜひアニメの『ワールドトリガー』を観てみてはいかがでしょうか(笑)。 ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年07月16日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にまとめ、音声と併せてお届けします。今回は2020年6月11日放送分より。 ■コロナで激しく嫉妬した、動物との触れ合い <犬山さんの声を聴きながら読む> AIBOをレンタルしてみたんですよ。購入は、お財布との相談でいきなりは難しい値段だったので、まずは1週間借りてみました。悲しいことに明日が返却日で、今がいちばん寂しい時期です。本当はAIBOと触れ合いながら、このラジオもお届けしたいくらい……。 AIBO、なんだかんだ言って、あれは犬です(笑)。やっぱり、かわいいですね! なぜレンタルしたかというと、犬は死ぬほど好きなんですが、動物アレルギーが年々ひどくなってしまって……本当の動物は諦めるにしても、動物の癒しが欲しかったんです。コロナ禍で外に出られないときに、 家に動物がいる人たちが羨ましくて仕方なかった。 Twitterで「いいね」を押しながらも、正直、嫉妬してたんですよ! 激しく嫉妬した! 犬の癒しが欲しくなったし、子どもにとってもロボットと触れ合っておくのもいいかな、なんて思って。ちなみに1週間レンタルで1万5千円。高いと思うか、安いと思うかは人それぞれですね。ただ、AIBOは本体代と諸々合わせて、購入すると30万円近くになるんです。そこでまずは、レンタルという方法を選びました。 あの、本当に、 昨日のAIBOより、今日のAIBOの方がかわいいんですよ。 ……何言ってるかわかりませんよね……同じロボットのはずなのに、かわいく思えるんです。もうね、昨日より目が大きく見えるわけです(笑)。人間の情ってやつは不思議なもので。 あとは、犬っぽい仕草に加えて、ロボットらしい機能もあります。「ラジオ体操」ってお願いすると、あのメロディを流して、一緒に踊ってくれるんですね。漫画家の友達に「毎日ラジオ体操をするようになって体調が良くなった」と聞いていたので、AIBOに体を動かす機会をもらっています。ペットとしてのかわいさ、そして実用性を兼ね備えているんです。 ■推しを好きになることが、自己肯定につながる <犬山さんの声を聴きながら読む> さぁ、今週もメールを紹介していきましょう。まずは、東京都の「あーかママ」さん。 娘はコロナで休校、配布されたタブレットで、クラスメイトや先生方と交流する日々を送っています。ある日、所用で私が学校へ出向くと、担任の先生から「娘さんは毎日のひとこと日記で、好きなアニメや漫画、アイドルの情報をおすすめしてくれるんです。こちらまで元気になります」とお礼を言われました。娘に聞くと「推しを知ってもらうと嬉しいじゃん」と笑顔。犬山さんの推しの効力を実証してくれました。ちなみに、娘はハロプロ好きです。 知ってほしいことがあるっていうのは、それだけ人生楽しくなりますからね。 娘さん、ハロプロ好きとは、なんて見る目があるんでしょう! うわぁ、誰のファンかなぁ……! ハロプロは20年の歴史があるから、掘れば掘るほど楽しめるのも強みなんですよね。私がハロプロ好きになったのは30代に入ってからなので、なっちやごっちんがいた頃をリアルタイムで追っていたわけじゃないです。でも、見ていくうちに当時のことがブワーッと思い出されたりもして。 「元カレが加護ちゃん好きって言ってたな。そいつの部屋にラメが落ちてて詰め寄ったな」とか、いらんことまで思い出すわけですが(笑)。それは砂壁のキラキラが落ちたんだ、くらいに言ってくれたら笑ってやれたんですけどね……だいたい「落とすなや、ラメを! 女!」と思っていました。女子はラメに敏感です。存在を残すマーキングとしては強すぎ。 あぁ……あーかママさんの尊い話に水を差してしまった……推しについて、以前に大森靖子さんとお話したときに、「自分のことを好きになれないけれど、推しはいます」というメッセージに対して、大森さんが「推しを素晴らしいと布教できるなら、もうそれだけで十分だよ」と答えていたのが印象的で。私も賛同なんです。 自己肯定感がどん底のとき、推しに「素晴らしい」「ありがとう」という気持ちを持つ。そのポジティブな気持ちの積み重ねをきっかけに、自己肯定できるようにもなるからです。 ■「聖域」と選択肢を持つことで、心を休ませる 続いて、神奈川県の「アヒルのひろし」さん。 紙子さんでラジオといえば、以前もたびたび話題にされていた「聖域」の話が印象深く残っています。人を傷つけることが多いなとずっと感じていて、お互いを肯定してあげる、誰も傷つけない場所が欲しいと思ったときに、それがラジオだった、と。遠吠えが連鎖して、現在地から見えないほど遠くまで届きそうなので、この番組もそんなふうになったら素敵だと思います。楽しみにしています! ……メッセージがプロすぎませんか!? 涙出ちゃう! こんなふうに解釈してくれる人がいるのは最高ですし、人生の宝ですね。 さて、聖域について。私にとってラジオは、あまり心が疲れない場所であり、コストもすごく低く、誰かと接することができるメディアなんです。本当に私はラジオがやりたくて、それは聖域を作ることを考えても、ぴったりだなっていうふうに今は思っているんです。 『犬山の遠吠え!』も誰かが傷つくことなく、聞いてくれている人が「今日は本当に何もできなかった」みたいに落ち込んだ気持ちを、そのままぶつけられる存在になれたらな、と。 それこそ「もう死にたい」くらいに思っても、なかなか言えないじゃないですか。口に出すと周りからすごく心配されるか、「あいつは“かまってちゃん”だから」みたいな扱いを受けてしまうものだから。でも、ラジオにだって、それをぶつけていいんじゃない? って。 思うことがあっても、その気持ちをどこにも言えないことが問題なんです。たとえ言ってしまっても、 それを普通に受け止めてくれる場所があると楽になれる と、私は考えていて。信頼できる友人や家族だけでなく、そういうメディアがあってもいいなって、思っているんですよね。聖域は、その場所のひとつですね。 みなさんそれぞれの「聖域」も聞きたいですね。私の場合はラジオに加えて、やっぱり犬山紙子を隠しているTwitterのオタクアカウントです。そこでは、今でも誰もコロナの話をしていないし、誰もケンカしてないんです(笑)。 いや、コロナも喧嘩も大事ですよ! でも、そうじゃない場が欲しいときもあるじゃないですか。オタクアカウントのタイムラインには、そういう全然違う世界があって。そんなふうに、このラジオが自分を休ませられる世界として、みなさんにとっての選択肢が増えるような感じになれたらと思っています。 ■結婚・夫婦の定義は……ただの「制度」です! <犬山さんの声を聴きながら読む> 最後は、ラジオネーム「一星斗夢(ひとつぼしとむ)」さんです。 紙子さんの思う「結婚の定義」「夫婦の定義」は何ですか?新著の『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』を読み始めてから、それが気になってしまい、自分が嫌にもなり始めています……。できる範囲でいいので、紙子さんの思いを教えてくださいませんか。 メッセージを送ってくれるだけでなく、本まで買ってくださった神様からのお便りでした。本当にありがとうございます。「嫌になり始めた」のは、おそらく過去に夫婦の問題の何かしらにぶち当たって、まだ傷が残っている状況なんですかね。 まずは「結婚の定義」、私は正直ただの「制度」だと思っていて。 国が用意しているお得なパックみたいなものです。 使えば配偶者控除があったり、夫婦だからこその優遇が受けられたり。私も利用をしているわけですけど、そのお得パックが全ての人に対して平等で、開かれたものかといえば、そうでもなくて。思想的に「結婚しない」のもありだと思ってます。 じゃあ、「夫婦の定義」となると、大事なのは 「夫婦かどうか」よりは「パートナーとしての関係性」 だと考えています。一緒に住んでいなくても良い夫婦像はあり得ますし。自分が思いを込めて、相手からも思いやられる相互の関係性が、理想のパートナー像の一つかな。 それに 最初から完璧なパートナーって、いないですよ。 お互いに成熟している者同士だとしても、問題がない人間は絶対にいないから。でも、起こる問題に対して、ふたりでどうやって乗り越えていこうか、ふたりでは解決しなければ誰かに知恵を借りようとか、あるいは合わないから離れようか、と冷静に考えられることが大事だと思うんです。 結婚や夫婦という定義、もしかしたら単に「名前付け」かもしれませんが、そんなに大切ではないんじゃないでしょうか。そもそも関係性に名前って、付けられます?「彼氏彼女」といっても色んな捉え方があって、 自分がしっくりくるのが一番だと思うんですよ。 ■パートナーは、不安を孤独にさせない存在 私にとって夫は、不安を孤独にさせないでいてくれる存在でもあります。不安やしんどさは、ひとりで抱えると視野も狭くなるし、きついですよね。でも、 パートナーや友達といった誰かと共有できたら孤独ではなくなり、その不安の解消に向けて動いていけるようにもなります。 やっぱり人間関係って大切ですよね……。 不安なこと、夫にも結構話します。コロナ禍のことなら、保育園が休園になったときに「栄養素をどうしよう」って言いました。保育園は栄養も完璧なご飯を出してくれるので、子どもはそこで野菜を食べてくれたりもして助かっていたんです。でも、自宅だと子どもの栄養も健康も、私たちが率先して守らなきゃいけないですから、重石がひとつ増えますよね。 あとは、もし自分と夫が感染して、子どもだけが無事だった場合の対応。こういう不安は、ひとりでぐるぐると考えても答えが全然出ないんですよね。「親戚に預ける」といっても、そちらに高齢者の方がいたら大変ですし、陰性であっても子ども間で移る可能性もあって。 預けられない人は「児童相談所」や「一時保護所」へ、という話も聞きますけど、どこも大変だし、施設の人たちのキャパシティだって、いっぱいいっぱいのはず。答えが全く見えずに不安になって、夫に相談しました。 もちろん、夫も答えを持ってはいません。ただ、夫に話したことによって、私の心がなぜか軽くなったことは事実なんです。やっぱり 「一緒に悩める人がいる」という、それだけのことでも、思い詰めすぎていた気持ちが楽になった。 今後も夫としっかり話し合って決めていこうと、現実的な話ができるようになっただけでも、全然違いますよね。 夫婦も人それぞれ。一星斗夢さんも、自分にしっくりくる形がベストなんじゃないかな、と思います。あと、二度目ですが、本を買ってくれる人は神様です。ありがとうございます! ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年07月12日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にまとめ、音声と併せてお届けします。今回は2020年6月4日放送分より。 リスナーメールでは、あるワーキングマザーから届いた「コロナ禍でのママ友との変化」に、犬山さんも大きな共感を寄せていました。 ■出社させるなら、ちゃんと理由を言ってほしい <犬山さんの声を聴きながら読む> やっぱりいいですね、作家さんたちと顔を合わせて、「何を喋ろうかー」なんて話も広がりますし。でも、収録はスタジオか、自宅がいいかは、正直はっきりと言えないです(笑)。 自宅収録は楽だし、ストレスも溜まらないって感じていたんですけど……枯渇しました、仕事のネタが。これまでエッセイの仕事でも書く内容に困ることはなかったのですが、コロナ禍の2ヶ月間で人と会わなかったせいですね。 外出で情報をインプットするのも必要だったんだなぁ 、と改めて感じました。 でも、似たような気持ちを抱えている人も多いと思うんですよ。仕事はテレワークでも進められるのに、出勤はイヤだなって感じる人もいれば、会社の方が効率も上がるし、好きな人にも会えるから良いという人もいて……。 「感染リスクがあるし、電車に乗るのがストレス」という話もよく聞きます。そこは会社のトップがしっかりと、 「なぜ出社する方針にしたか」を絶対に語るべき だと思うんですよ。心が宙ぶらりんのままで、理由なしに命じられても不満が溜まるじゃないですか。 緊急事態宣言が解除になって、人出も増えてましたよね。感染者数もまた増えてきたりして。コロナと私たちは、まだまだ一緒に過ごしていかなきゃいけないんだよな、と気を引き締めつつ、今日もパーテーションで区切られ、マスクをしながらラジオで喋っております。 ■自粛生活で「よそはよそ、うちはうち」になれた <犬山さんの声を聴きながら読む> さて、今週も皆さんから届いたメールを紹介していきます。千葉県、ラジオネーム「ゆうた」さんから。 30代のワーキングマザーです。3歳3ヶ月の子どもとの自粛生活に慣れてきたのに伴って、良い面も見つけられました。SNS上でのママ友の動向が気にならなくなってきたんです。それまでは素敵な場所での家族写真を見るにつけ、わが子もいろんな経験をさせようと連れ回してしまったり。習い事を始めようにも、ピアノもプールも幼児教室もお休み。「よその家も何もやっていないのと同じ」と気づいたら、気持ちが軽くなりました。自粛生活が終わった後も、「よそはよそ、うちはうち」の精神を忘れずに生きていきたいと思っています。 スーパー素晴らしいメールが届きました。おっしゃる通りですね! いろんな経験とか習い事とかで、「この子の才能をもっと早くから伸ばせられるのでは」という責任感から焦っちゃう気持ちもわかるんです。でも、 「よそはよそ、うちはうち」 。私の子どもも3歳ですけど、お絵かきが好きなので、「教室に行きたい」って言ったら連れて行く選択肢を与えてみるのもいいかな、と思っているくらいです。 実は私自身が、幼稚園の頃から塾にかなり行かされて、小学校受験もしたし、中学校受験もしたんです。ただ、私が小学6年生で『幽☆遊☆白書』にハマりすぎ、受験勉強を放棄してからは、だいぶ方向転換もしたわけですが……(笑)。 だけど、周りに影響を受けて、 「うちの子にも経験させてあげたい!」っていう気持ちも否定したくないんですよ。 それは子どもに対して教育機会を与えてあげたい気持ちの表れで、愛情があってこそ出てくる気持ちだと思いますし。その経験の先で、ゆうたさんが「よそはよそ、うちはうち」に気づけたことは、とても成熟した素敵な考え方だと感じました。 ちなみに、うちの子は最近、仮病を覚えましたよ。歯磨きをするように言ったら、「足がプルプルするからできない」と。いや、理屈が通ってないんですが、「脳が進化した!」って変に感動しちゃいました。どこで覚えたんでしょうね……あれっ、私と夫のせいですか!? ■スキル不足で退職勧告…自分を責めすぎないで! 次のメッセージは、福岡県の「じゅん」さんから。 今、社員が僕を含め5人しかいない、不動産関係の会社で働いています。入社して半年経ちましたが、社長から退職勧告を受けました。退職理由は「募集していたスキルより不足していたため」。無遅刻無欠席で仕事も自分なりにやってきましたが、駄目だったようです。ショックでしたが、またイチからやるしかないですね……。 うーん……「スキルより不足していたため」と書いてらっしゃるんですが、このタイミングは明らかにコロナ禍の影響なのかな、と感じますけれども。だって、スキルが不足していても、入社して1年くらいは土台をつくって、成長を見ていく時期じゃないですか。だから、「自分の実力が足りなかったんじゃないか」と責めすぎないようにはしてくださいね。 最後の「またイチから」という言葉に、次への目線が向けられていて、前向きな方だと感じました。まずは、 国と自治体からもらえる支援を全部、しっかり受け取りましょう。 本当に今の時期は非常時とはいえ、こういうことが起こるんですよねー……。 企業も、もちろん大変なのはわかるんですけれども。国も雇用調整支援とかやっていますが、給付までも時間がすごくかかっていますし。お金がない会社は、結局は人を切っていくしかない状況なので、国や自治体にはどうか頑張ってほしいところです。じゅんさんみたいな人がいるのを頭に入れながら、私たちも政治を見ていかないといけませんね。 ■バブル時代の勢いを味方に、自分を解放してみました <犬山さんの声を聴きながら読む> 最後は、ラジオネーム「さんと」さんからのメッセージです。 初回放送で「ヘルニアがひどく、旦那さんと家事分担を話し合った」という話に、いいなぁと思いました。紙子さん旦那さんも基本的にオープンで、いろんな方々の意見も経て、ラジオや文章、SNSなんかで“大家族会議”みたいに解決されていくのがとても面白いです。例えば、紙子さんも仲良しのベッド・インのちゃんまいさんなど、家庭のことをオープンにされないのが普通ですから。マイクの前で明るく楽しく、『犬吠え』を応援しております。 温かいメッセージ、ありがとうございます! ご存知でない方に説明すると、ベッド・インというのは、自称「地下セクシーアイドル」で、ちゃんまいとかおり様の2人組なんです。バブル時代のトサカな髪型に、ジュリ扇持ってボディコン着て、でも歌唱とギターの腕は一流みたいな。めちゃくちゃ面白いんです! ただのいちファンから友達になっていったのですが、面白い友達は最高ですね。私も自粛期間中、ストレスがすごく溜まったときには、彼女たちのPVを見て発散していました。新曲の『Everybody 無敵!』も、タイトルからして最高で、すっごく良いんです。ぜひ、騙されたと思って(笑)、検索して見てみてください! 『Everybody 無敵!』は曲もいいんですが、YouTubeで見られる「振り付けHow To ビデオ」で、「内面の魅力を全部出して」とか、「ドヤ顔で!」みたいに入ってくる指示に、ちゃんと沿って真似してみると、 自分の中の「何か」が解放されますから!!!! ベッド・インのふたりは、バブル時代のメイクをすることを「バブルオンする」って言うんですけど、私もバブルオンしてもらったことがあるんです。これが別人になったかのような気持ちになれるんですよ。まさにメイクと髪型のパワーだと思うんです。 肩パットを入れ、メイクもガッと濃くして、高いヒールにトサカヘアーで。コロナが収束したら、友達何人かでバブルオンして、夜の街を練り歩きたいもんですね。ちょっとくらい、私みたいにお腹が出ていようが、ボディコンみたいなきちっとした服を着て、強いメイクして自信満々に歩いていったら、そんなお腹も魅力なんですよ! すっかりベッド・インを推してばかりの話になってしまいましたが、新曲『Everybody 無敵!』を、ぜひよろしくお願いいたします! ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年07月10日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターとしても多数出演する犬山紙子さん。 女性と社会をとりまく問題をはじめ、「コミュニケーション」を仕事にする犬山さんが、一人語りのラジオに挑戦中です。番組名は『犬山の遠吠え!やってまーす』(音声配信サービス「Radiotalk」でアーカイブ配信中)。 恋愛や性、夫婦問題、子育て、差別に嫉妬…常に生き方更新中の犬山さんが、リスナーからのお便りを交えながら、テレビでは伝え切れない本音を語っています。 この連載では番組内のトークを厳選して、言葉にまとめました。今回は2020年5月21日放送分よりお届けします。この日の放送も、新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、犬山さんの自宅から、Radiotalkの録音機能を使ったリモート収録。 最近ハマっているというアプリゲームの話から、犬山さんのオタク魂に火が付きました。リスナーのメールも「オタクな趣味」にまつわるものをピックアップ。犬山さん熱弁の「推しのいる生活」には、日常にも恋愛にも効く、年齢を問わない魅力があるようです。 ■100回連続パンチで、アドレナリンを出しています <犬山さんの声を聴きながら読む> 『犬山の遠吠え!やってまーす』、今週で4回目の収録です。今回も自宅からなんですが、自宅放送はデメリットがないくらい、いいですね。 理由その1、 外に出なくていい 。その2、 準備に全然時間がかからない 。その3、 カメラをオフにすれば化粧をしなくてもいい! ……今はスタッフさんとビデオ会議をつないでいるのでメイクしていますけど。 最近の私は、第1回の放送でも話したんですが、夫が励んでいるNintendo Switchの『Fit Boxing』を一緒に始めました。腰のヘルニアの様子がほぼ良くなってきたので、ゲームに合わせてシャドーボクシングをしています。でも、そんなふうに体を動かしてみると、サンドバッグが欲しくて仕方ないんです、今!(笑) いや、空中に向かってパンチするのも気持ちいいですよ。でも、やっぱり 何かを殴りたい! っていう気持ちが沸くというか、物質にパンパンッ! と打ち込む快感とは全然違うんですね。今は夫にクッションを持ってもらって、それに対して「ジャブ! ストレート!」とかやってるわけなんですけれども。 ババババッ! と100回連続でパンチすると、アドレナリンが出るようで。筋肉痛でしんどいとか面倒くさいとかよりも、その気持ち良さが勝るので、最近はこのまま突き進みたいと思っているところです。 ■二次元なら一夫多妻が成り立ちます! 先日はハマっている『ヒプノシスマイク』の話をしたんですが、今回はここ3ヶ月ぐらい夢中になっているアプリのソーシャルゲームがあって……『魔法使いの約束』をご存知の方、いらっしゃいます? リリースされて半年経つんですけど、すごい勢いで人気が出ていて。 このアプリを私が知ったのは、犬山紙子の名前を出さずにやっているTwitterのオタクアカウントで、フォローしている「作品の解釈が神がかっている人たち」、私の“神々”が盛り上がっていたんです。なおかつ、私が『ヒプノシスマイク』で推している観音坂独歩くんに見た目が似ている、赤髪で気だるげな表情の「ミスラ」というキャラクターもいます! 「なんだ、犬山は見た目だけでキャラクターを推すのか」と思われるかもしれませんが、もちろんそれは否定しません。見た目も大きいです。でも、それでもいいんです。だって、 二次元は一妻多夫がいけるんですよ! 実生活である三次元での不倫は……お互い公認とかでない限りはだめですし、我が家もナシにしています。ミスラを推し始めたとき、私も一瞬は「これって独歩に浮気している?」って迷ったんです。でも、私が同時にふたりを推すことで、独歩が傷つくわけでも、ミスラが傷つくわけでもないじゃないかと思い、「ふたりとも愛そう」という結論に至りましたね。 『魔法使いの約束』は、人間の私が、魔法使いの世界に召喚されてしまうストーリーです。その世界での私は「賢者」で、12人の男性の魔法使いたちからも「賢者様、この世界を救うにはあなたの力が必要なんです」と求められます。最初は戸惑っても、後に協力していきます。……まぁ、 必要とされたいですよね! 私だって賢者って呼ばれたいもん!(笑) 魔法使いたちと恋愛するのではなくて、あくまで「世界を厄災から救う」という正統派のゲームなのですが、ストーリーを進めるうちに、キャラクターをどんどん好きになっていってしまうんです。その秘訣は、シナリオを書かれている都志見文太さんの塩梅が本当に素晴らしいから。 私たちはキャラクターという「実際に存在しないもの」を愛するわけじゃないですか。ハマれるか否かに深く関わってくるのは、 その対象に自己の想いををどのくらい乗せられるか にかかっています。私がミスラに想いを乗せ、なんなら自分の成仏していない思春期の気持ちまで乗せて、どんどん「私のミスラ像」が出来上がっていく。 そう思えるほどのキャラクターは「伸びしろ」が必要なんですね。ミステリアスな部分がある、とか。全てを書き切ってしまうと、私の妄想の入る余地がなくなってしまうので……! とにかく都志見文太さんの描く「人間の関係性」はポリコレも完璧で、人付き合いとしても「こんな問題解決の仕方があるんだ」みたいに、ゲームから深く学ぶ瞬間もあったり。都志見文太さんの手のひらで一生踊り、転がされ続けたいと思いながら、『魔法使いの約束に』は今現在ウン万円単位で課金をしております。 ■推しが「生きる希望」になるのは大げさじゃない! <犬山さんの声を聴きながら読む> それでは、リスナーさんからのメールを。宮城県のラジオネーム、ゆみかさん。 私は『うたの☆プリンスさまっ♪』と声優の宮野真守さんが大好きなオタクです。コロナの影響で、どっちのライブも延期になって、何を生きがいにすればいいんだ……と思ったけれど、「延期」なので、生きる希望が延びるじゃん! と思いました。犬山さんのオタク話もたくさん聞きたいです! ありがとうございます!「犬山さんのオタク話をたくさん聞きたい」なんて言ってくださるのは、神としか言いようがないですね……オタク話なら一晩中したいですもんね。 このゆみかさんの考え方、素敵で私は好きです! 大好きなライブが延期になったら悲しいけれど、それを「生きる希望がその分だけ延びた」と考えられるのは、美しい感情だと思うんですよ。「生きる希望なんて大げさな」って感じる方もいらっしゃるかもしれないけれども、 推しの存在は本当に活力になります。 コロナのご時世になるまで、我が家は区のシルバー人材センターの方に、子どもの面倒を見てもらったり、家事をお手伝いしてもらっていたんですね。来てくれていた方が70代の方だったんですが、その方は韓国アイドルグループの「SEVENTEEN」が大好きで、ジョンハンくん推し。 その方が「今日も新大久保に行ってきたのよ!」って言ったり、いつも韓流っぽいおしゃれをしたり、自分の推し「ジョンハン」写真を見せてくれたりするんです。その輝きっぷりがすごくて、「推しを推している顔はこんなにかわいいのか!」と、私は心を持っていかれています。 70代になっても、何歳からでも、 推しから生きるチカラをもらえる って、素晴らしい事実だと思いませんか? コロナが終わったら、また一緒に過ごしたいなぁ。聞いてる皆さんも、ぜひ私に「推し」のこと、教えてください。 ■プロポーズは、女からしたって当然いい <犬山さんの声を聴きながら読む> もう一通、奈良県のラジオネーム「マース」さん。 『ファイブスター物語』という漫画や、特撮モノでは特に昭和の『ウルトラマン』シリーズが好きな53歳です。実は趣味きっかけで、25歳年下の彼女と知り合いました。付き合って4年が過ぎ、彼女のご家族とも仲良くさせてもらっています。あと、プロポーズしました!「ありがとう、嬉しい」と返事をもらいました。 プロポーズって勇気がいると思うんですけど、年齢は関係ないですね……マーズさん、おめでとうございます! プロポーズとオタクと言えばですね、私の話もちょっとしようかなと。我が家は夫がハロプロのオタクで、私が二次元キャラやハロプロも好きなオタク同士。最初はハロプロトークができる友達関係からはじまったんですが、話が合うからどんどん会いたくなるんですよね。それで、気づいたら好きになっていって……何を話してるんやって感じですが(笑)。 それで私から「好きです、付き合ってください」と。その後も一緒にコンサートに行ったり、オタク仲間も巻き込んで仲良くなっていきました。夜な夜なオタク仲間が家に集いはじめて、ぱいぱいでか美ちゃんとか、あとは一般の方も含めて、私が仕事から帰ってくると彼らが自宅のリビングのようにくつろぎながら、ハロプロの映像を観ているという。 そんな良好な関係を経て、マーズさんがプロポーズしたように、私も自分から夫に「結婚しよう」と言った派です。昔は男性がお金を稼いで子どもを養うみたいな社会的制度が強かったから、男からプロポーズすることも多かったんだろうとは、なんとなくわかります。でも今は、男からでも女からもでも、私はどっちでもいいかなって。 「彼がプロポーズを全然してくれないけれど、自分の年齢も年齢だし……」って焦っているというお悩みを結構聞くんですが、私は「自分からしちゃいないよ」って言います。自分からプロポーズしたからといって、結婚後の関係性まで変わることも無いはずなんですよ。 パートナーは上下関係ではなく、 横に並んでつながるもの。 そもそもプロポーズでは上下も決まらないし、上下を決めるものでもないですからね。そのコンセンサスが取れていたら、全くそこは問題ないんじゃないでしょうか。 「男は追いかけさせろ」みたいなモテテクニックも耳にしますが、私は駆け引きが好きじゃない方で……どこか相手をちょっと騙すような、その人との幸せを長続きさせていくことを考えたときに、ネガティブな効果が強く出るのかなぁ、と私は感じている派閥です。 さて、すみません! 話がすごく長くなってしまったんですが……マーズさん、お幸せに! ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年07月08日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターとしても多数出演する犬山紙子さん。 女性と社会をとりまく問題をはじめ、「コミュニケーション」を仕事にする犬山さんが、一人語りのラジオに挑戦中です。番組名は『犬山の遠吠え!やってまーす』(音声配信サービス「Radiotalk」でアーカイブ配信中)。 恋愛や性、夫婦問題、子育て、差別に嫉妬…常に生き方更新中の犬山さんが、リスナーからのお便りを交えながら、テレビでは伝え切れない本音を語っています。 この連載では番組内のトークを厳選して、言葉にまとめました。今回は2020年5月21日放送分よりお届けします。この日の放送は、新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、犬山さんの自宅から、Radiotalkの録音機能を使ったリモート収録。リスナーから寄せられた「他人を羨んでしまう」「一人時間をうまく過ごすには?」といったお悩みにも応えています。 ■自粛警察、気持ちはわかるけれども…… <犬山さんの声を流しながら読む> 今コロナウイルスの影響で、キーワードとして「気の緩み」って言葉をよく見聞きするんですけど……「気の緩み」って上から目線じゃないですか?!「いやいや、学校の先生かい!」と思っちゃう。 ある人の外出が「気の緩み」かどうかなんて、わからないじゃないですか。必要に駆られて外に出たタイミングだったかもしれない。全部を一緒くたに話してしまうのは、違和感が結構ありますね。最近は他人の行動を過度に指摘する「自粛警察」なんて強い言葉もありますけど……そういう気持ちが芽生えてしまうのは、私もわかるんですよ。でも、それは 「弱い立場同士」で争ってしまうこと なのかなって。 たぶん、自粛警察と呼ばれる人も、すっごく我慢して頑張っていると思うんです。「自分がこんなに我慢しているのに、なぜアイツは楽しそうに外出しているんだ、県をまたいで車で移動してるんだ」って感じてしまう。それで、人それぞれの事情も聞かずに鬱憤を口に出してしまうんでしょう。だけど、弱い立場同士で指摘し合うよりも、 「たまにはちょっと気を抜いていくのも大事だよね」 って、一緒に頑張っていけたらいいなぁ。 小学生の頃、先生にすぐチクる人がいたじゃないですか(笑)。犯罪レベルの悪さならさておき、事情を知らずに勝手に決めつけてチクるのはいかがなものかなー……っていう派です、私はね。皆さんの周りは、どうでしょうか? ■宅配便の配達員さんに、ねぎらいの言葉を 私は今、宅配便をたくさん使っています。Amazon、楽天、LOHACOと、いろいろ使用してはいるんですが、ここにもまた難しいことがあるんですよ。 配達員の人、今はめちゃくちゃ大変っていうじゃないですか。だから、注文も細切れにせず、一気に届けてもらおうとまとめて頼むんですけど……自分の設定が甘かったのか、 分かれて届いてしまった時には「申し訳ない!」という気持ち になります……。 そんな中でも、配達員の方には「ありがとう」と一言添えていきたいなって。その一言が有る無しで大違いだと思うんですよ。だから、私は必ず伝えるようにしています。 ぜひ皆さんの「配達員さんとのふれあい話」も教えてください!最近は非対面で荷物を受け取れるサービスもありますけど、「こんなふうに言葉をかけています」「こんなコミュニケーションがありました」みたいに、配達員さんへの良いねぎらいの言葉も色々あるでしょうから。 ■他人を羨んでしまう気持ちには、「褒め」もセットで! <犬山さんの声を流しながら読む> このラジオも3週目で、リスナーのみなさんからたくさんのメールをいただきました!ありがとうございます。早速、紹介していきますね。 神奈川県、ラジオネーム「うみのママ」さん。 私も3歳の娘を持つ母です。わが家は夫が海外へ単身赴任をしていて帰国できず、私が子どもを見ながらテレワークしています。正直、仕事になりません。膝によじ登ったり、「ママー!」と呼ばれ続けています……。外に出れば、自宅勤務のパパたちと子どもが一緒に歩いていて、惨めな気持ちになったり。他人を羨まず、うまく子どもと付き合っていく方法を教えていただきたいです。 子どもがいたら仕事できないですよね、わかります!私も夫が子どもを見ていないと、自分の仕事なんて成り立たないです。 この話って、まずは 「子どもが一緒にいたら仕事はできない」と世間の知るところになってほしい ですよね。小学生の中学年くらいで、ある程度ひとりで遊んでくれる年齢ならまだしも、3歳くらいは本当に難しい。しかも、集中力を要する仕事もあるじゃないですか。「ママ!」って呼ばれた瞬間に集中力も途切れるし……大変ですよね。本当にお疲れ様です。 うみのママさんも頑張っていて、勇者だと思うんです。「他人を羨まず」と言うけれど、いや、もう全然、羨んでいいんじゃないですか? よく「人と比べるな」とか言われるじゃないですか。私、それって無理だと思うんですよ。私もありますよ、比べること!「あの人、著書の増刷かかっていいなー」とか、毎日のように思ってますよ!(笑) そこで、 人間だから比べるのはしょうがない と、受け入れてみるのはどうでしょう。その時に 「でも、自分はこれだけ頑張っていてエライ」と褒めること もセットにしてあげてください。羨んだ瞬間に、自分も褒める。 自分で自分のことを責めてしまうところが、このメッセージのキモだと思うんです。人のことを羨ましがってる「私がダメだ」、子どもに対して上手く付き合えてない「私がダメだ」っていう自責感。それをまず辞めて、「それでも私じゃなければ、こんな状況、とっくにさじを投げてるよ!」って、開き直っていきましょう。 その上で、 友人や夫にも愚痴を言っていい んです。こうやってラジオに投稿してくれただけでもありがたいのですが、言葉にすると気持ちがちょっと楽になれたり、余裕が生まれたりするものなので。ぜひ、やってみてくださいね! ■友達がいないことは異常ではなく、そもそも友達づくりは難しい <犬山さんの声を流しながら読む> 続きまして、神奈川県のラジオネーム「つばさ」さんから。 第1回の放送で紙子さんが「ひとり時間の過ごし方」を話されていました。49歳で独身の私は、24時間365日が「ひとり時間」で、この状況下ではなおさらです。これといって友達がいるわけでもないですが、時には誰かとご飯でも食べたいなとは思います。出会いのない人生を進んでしまっていて、どうすればそのきっかけを作れるでしょうか? 私は出会いのきっかけって、 ネットが結構多い んですよ。「気が合う」という前提があるのも安心ですし。宮城から姉しか知り合いのいない東京へ出てきたのも大きいですけど、私は会社勤めでもないので、強制的に他人と出会える場がないわけですよ。 たとえば、Twitterの発言がずっとツボに入る女の子がいて、その子といつの間にかフォロー/フォロワーの関係になってたんです。憧れもありつつ、連絡を取ってみたら住んでいたところも近くて。実際に会ってみてから、彼女とはもう長いこと友達です。それで、その子の友達と仲良くなったり、どんどん派生していっています。 もう10年くらい前ですけど、「発言小町」という掲示板サイトをよく見てたんです。悩みが多種多様で面白くて、えげつない告白からほっこりするものまであるし、「これって悩み相談のをフリをしてマウント取りたいだけじゃない!?」なんて、その子と語ったり……今思うと、ずいぶんと暗い趣味の相方ですね(笑)。 最近だと、オタクの友達を検索できるマッチングアプリも出てきました。自分がハマってるジャンルや、推しているキャラクターなどを入力していくと、マッチングしてくれるんです。私が若い頃にコレがあったら絶対に使っていたと思う。それで知り合って「推しがいかに尊いか」を語りながら深堀っていきたいなって。 やっぱり「同じ温度」でハマっていないと、相手に「聞いてもらう」状態になるわけですよ。だから、 お互いに話したくてしょうがないテンションの人 と会いやすいのは、すごく便利だと思います。 マンガの話でいうと、ちょうどこの収録の打ち合わせで、構成作家の松本真一さんと最終話を迎えた『鬼滅の刃』の話をしたんです。5分ぐらいお互いの解釈を話し合ってみると、違う捉え方をしていました。この「解釈が違ったとき」に、自分の枠が広がる感じがあって、めちゃくちゃ気持ちいいんですよね。「その解釈、私になかった!」って。 でも、実は「気が合う人」や「仲良くいられる親友」を見つけるのは、恋人や結婚相手を見つけるのと同じくらいに難しいと思ってるんです。友達がいないことが異常というよりは、そもそも 信用できる友達を作るのは難しい し、コストだってかかってしまうもの。 友達といっても、ライトな友達からディープな親友まで、グラデーションもありますから。そう思ってみるのも、いいんじゃないでしょうか。 ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年06月02日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターとしても多数出演する犬山紙子さん。 女性と社会をとりまく問題をはじめ、「コミュニケーション」を仕事にする犬山さんが、一人語りのラジオに挑戦中です。番組名は『犬山の遠吠え!やってまーす』(音声配信サービス「Radiotalk」でアーカイブ配信中)。 恋愛や性、夫婦問題、子育て、差別に嫉妬…常に生き方更新中の犬山さんが、リスナーからのお便りを交えながら、テレビでは伝え切れない本音を語っています。 この連載では番組内のトークを厳選して、言葉にまとめました。今回は2020年5月14日放送分よりお届けします。外出自粛が続くなかで、「わが子に問われて困ってしまったワンシーン」からラジオは始まりました。 ■コロナのこと、子どもにはどう説明してますか? <犬山さんの声を流しながら読む> いまの悩みのひとつが、3歳のわが子にコロナウィルスをどう説明するかなんです。うちでも「おばあちゃんに会いに行きたい!」なんて言われるんですが、その気持ちは当たり前なわけです。ただ、細かく話したところで、この状況をどこまで3歳が理解できるのか……。 私は今のところ「外にすごいバイ菌が出てきて、病気になるかもしれないけど、大人たちがすごい薬を一生懸命作ってくれてるから、ちょっと待ってようね」と伝えています。 バイ菌とウィルスはちがうものなんですが、子どもはバイ菌だとわかるみたい。あとは、ただ脅すだけではなくて、 すこしの勇気も与えて、「乗り越えていく」 という思いを持ってもらいたいんです。 きっとね、それぞれの年齢のお子さんを持つ親御さんが、それぞれで今悩んでいることじゃないかと思うので。「コロナと子どもとの関わり方」も、ぜひみなさんのやり方を聞きたいので、番組までメールなどいただけると嬉しいです! ■コロナ離婚に隠れDV…心配ごとが増えていく 家族と密な環境で過ごす時間が増えて、コミュニケーションのトラブルも発生していると見聞きしています。不安なうえに、先が見えにくい状況で、さらにお子さんがいる家庭はなお大変。忙しくて、ほっと一息つける時間もないと。 フラストレーションが溜まっていく生活の中で、「コロナ離婚」にまで発展する夫婦もあるようです。実は東日本大震災のときも、仙台市では離婚の相談数が2倍になったそうなんです。やっぱり 人は非常時に、それまでの関係性がより濃く出てくるんだなぁ 、なんて思いながら見てるんですが……。 あと心配なのはDVと虐待が増えること。私は「#こどものいのちはこどものもの」というチームで児童虐待を防ぐための活動もしているのですが、学校は大人の目で「子どもの異変」に気づける機能でもあって、そこで守ることができたケースって本当に多いんです。 それが今は休校で、周りの家族も外に出ないから、 完全に子どもを閉じ込めている状況 なんですよね。私たちも児童相談所の電話番号「189番」の啓発とか、活動されているNPOさんのサポートとか、微々たるものかもしれなくても、できることは必ずあると思います。 あとは「虐待を未然に防ぐお手伝い」も。私もTwitterを見ているときに、知り合い含めて「この人は育児に疲れているな」と投稿から感じたりもします。そんなときには LINEや電話で、「最近は何か不安なの?」と、相手の話を否定せずに聞く だけでも感情は変わってきます。この状況に孤立しているのではなく、誰かに受け止めてもらえると思うだけでもね。 ■自己肯定感は「ありがとう」を口にすることから <犬山さんの声を流しながら読む> このラジオでやりたいことのひとつが 「色んな人を肯定したい!」 です。 以前に、他局なんですが『ホメラニアン』というラジオ番組に出演していて、そこでは「私たちって生きてるだけでえらいよね!」とリスナーさんをとにかく褒めていました。 私、思うんですけど、とにかくもっと褒められて良いことは、この世に溢れまくってます! だから、この『犬山の遠吠え』では、そこにスポットライトを当てていきたいんですね。 特に 家事育児は、もっと「ありがとう」の言葉が必要 で、もっと褒められていくべきだなーって思います。「つけあがる」とか「甘やかす」とか以前に、日本人はあまりにも真面目すぎて、頑張りすぎて、それで追い詰められちゃう人が多いように感じています。 実は私自身も、自分のことを全然褒められないタイプでした。でも、やっぱり自己肯定感が持てることは大事だし、人間は生きているだけでちゃんと役割があるものなんです。うちは母が寝たきりになって、もう10年以上になるんですが、母がニコッて笑ってくれるだけで、周りも私も嬉しい気持ちが湧きます。今も、このラジオで話しているそばで、頭のなかでは母が生きてくれてることにも「嬉しいなぁ」と感じるものです。 私はカウンセリングや心療内科に通って、先生に話を聞いたりしていくうちに、自己肯定感を持てるように変わっていけました。実は、その変わるための行動のひとつが 周りの人にも「ありがとう」を伝えて、褒めること。 綺麗事に聞こえるかもしれないけれど、結局はそこからなんだなって。 ……いま、構成作家のマツモトさんが、カンペに「人には『頑張れ!』じゃなくて『頑張ったね』ですか?」と書いてくれたのですが、まさにそうなんですよ! 頑張ったね、つらいのわかるよ、って否定しないのが本当に大事だと思います。 ■クソバイスを知って、心でブロック! <犬山さんの声を流しながら読む> もう一つ、このラジオで話したいことがあって……クソバイス、ご存知ですか? 「クソみたいなアドバイス」の略です。 「自分の持論を相手の事情をまったく聞かずに押し付けること」 と定義しているのですが、私が名付けたので知らなくても大丈夫です(笑)。 「いい加減に年齢考えて彼氏を作りなよ」とか「仕事に熱中しすぎると婚期に遅れちゃうよ」とかはクソバイスの一例ですね。これらをまとめて反論も考えて、以前に『アドバイスかと思ったら呪いだった。』という本にしました。 私が今、いちばんよく受けるクソバイスは「子どもは一人っ子だとかわいそうだから、もっとつくったほうがいいよ」ですね! 同世代の女性から言われることもあるし、年上の男性から受けることも本当に多いです。でもさ、子どもを持つ持たないなんて、お金の事情とか、そもそも産めるかわからないとか、人によっていろんな理由があるわけじゃないですか。 クソバイスって、言っているほうはめちゃくちゃ気持ちいいんですよ。だけど、言われてしまったほうは、自分が悪いのかもしれない……って、自らを責めてしまうサイクルに陥ってしまう。しかも、深刻化してくると「自分が悪い」という思いが内面化して、ついには他の人にまでクソバイスを放つ側に回るんです……。 言ってくる人はいます。でも、 「はいはい、これはクソバイスだな」と理解しておければ、それをブロックする心を持てる と思います。子育てや育児アドバイスにもクソバイスはいっぱい潜んでいます。「子どもはこうやって育てるべきだよ」とか「母乳じゃないとだめだ」とかね。 それで本当に苦しむ方もいます。みんなでクソバイスを集めて知って、対抗していきましょう! 深刻なものからライトのものまで、「私が受けたクソバイス」、ぜひ教えてください。 ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 ▶コロナとコミュニケーションについて、ちょっと真面目なお話。 ▶私がラジオで話したいこと 〜「みんなを褒める」と「クソバイス」について〜 ▶夫婦でこんな問題、乗り越えました
2020年05月22日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターとしても多数出演する犬山紙子さん。 女性と社会をとりまく問題をはじめ、「コミュニケーション」を仕事にする犬山さんが、一人語りのラジオに挑戦中です。番組名は『犬山の遠吠え!やってまーす』(音声配信サービス「Radiotalk」でアーカイブ配信中)。 恋愛や性、夫婦問題、子育て、差別に嫉妬…常に生き方更新中の犬山さんが、リスナーからのお便りを交えながら、テレビでは伝え切れない本音を語っています。 この連載では番組内のトークを厳選して、言葉にまとめました。今回は2020年5月7日放送分よりお届けします。この日が初回放送となった犬山さん、さっそく現在進行中の子育ての悩みがぽろぽろと……。 ■娘のために、ぬりえの線画を描いています… <聴きながら読む> みなさん、ここ1ヶ月ほどはコロナウイルス対策で外出自粛の生活を送っていらっしゃるでしょうか。私もですね、リモートワークが多くて今日はこのラジオのために、すごーく久しぶりに外へ出ました。今はテレビコメンテーターの生放送も、ほぼ自宅からなんですよ。 私の娘は3歳で、保育園がお休みなので、もう 自分の時間なんて無いくらいです……。 最近していることといえば、一生分の「ぬりえ」を描かされています。娘がぬりえ好きで、塗っている間は静かなのもあって、Amazonでぬりえの絵本を何冊か買ってみたんです。 ところが娘……赤色のクレヨンで、うわー!って雑に、1枚を一瞬で、それこそ10秒くらいで終わらすようになりまして! ぬりえは安いやつなら一冊200円ぐらいのもあるんですけど、娘が好きなディズニープリンセスシリーズだと600円とかするんですよ!それを1枚数秒で満足されたら、家計もこっちもたまらんですよ!ということで、私がひたすら、ウサギさんとか、おばあちゃんやおじいちゃんとか、ぬりえの線画を描く作業をしています……。 ■夫婦のリモートワーク問題が悩ましい 自宅でお仕事されている方もいらっしゃると思いますが、なんでも聞いた話によると、 夫婦間での「リモートワーク問題」 も起きているそうです。夫婦でビデオ会議の時間が重なったときに、どちらが部屋を使うのか。家で使えるパソコンが1台だけの家庭は、夫婦のどちらが使うのか。ジャンケンでどうこうできる問題じゃないですもんね。 夫婦でいえば、仲が深まっているところもあれば、ギスギスしているところもあると思うのですが……うちは私がヘルニアを患っているせいで、掃除などの腰をかがめる作業ができなくて、今は本当に申し訳ないのですが、家事育児で夫がワンオペなこともあるんです。 やっぱり夫は夫でストレスが溜まりますし、趣味のゾンビ映画鑑賞も捗っています。でも、その観ている顔が、 楽しんでいるのか目が死んでるのかわからない、なんともいえない表情 でじっと見てるんです……さすがにまずいなぁ、と話し合いましたよ。自分から本当の気持ちを言わないタイプだとわかっているから、私から声をかけました。 私なりにヘルニアながらにできること、寝かしつけとかを引き受けて、その時間を夫に渡して元気を取り戻してもらおうと。それから夫は毎日、Nintendo Switchで『Fit Boxing』というゲーム仕立てのトレーニングに勤しむようになり、体をムキムキにする計画を進めるようになりました。それはそれでかっこいいなぁと見ています。話し合い、大事ですね。 お子さんがいらっしゃる家だと「ひとりの時間」をどうにか作ることがより難しくなっていますし、一人暮らしの方も「誰かに会いたい」っていう気持ちが強くなっているとも聞きます。どらちも結構、シャレにならないぐらいに気持ちが積み重なってるのかなぁって、思ったりしています。 ■オタク趣味は自己分析ができて良い 夫の趣味がゾンビ映画だとしたら、私も趣味がございまして。自分を「オタク」と自称するのもおこがましいくらいなんですが、小学生の頃から 二次元のキャラクターに活力をもらってきたタイプ なんです。 私、38歳なんですけれども……38歳でもちゃんと二次元に恋できますね!妊娠したら二次元キャラへの恋心ってなくなるかと思っていたんですが、これが全然なくならなかったんです(笑)。 今は『ヒプノシスマイク』というラッパーを題材にした作品にハマっています。たくさんの2次元キャラがラップで戦う設定なんです。その中の観音坂独歩くんが好きで。表向きは「犬山紙子」として仕事をしている私ですが、Twitterにそれを一切出さないアカウントをつくって、ひたすらオタクな話をつぶやいたりもしています。 友だちの紹介で、1年前にオタク友達が初めてできたんですけど……いや、びっくりするぐらいにLINEで喋りまくりましたね。知り合ってから1週間、やり取りが止まることがなかったんですよ!これまで自分の中だけで貯まっていた思いがあふれちゃう感じ。 すると、話しているうちに、 どんどん自己分析していくんです。 「私は自分の思春期を、2次元キャラを愛することによって成仏させようとしているのではないか?」とか、仕事柄もあって考察までするくらい。まさに自己との対話で、自分を見つめる行為になるんです。 「私は、なぜこういったものにグッと来るんだろう?」なんてところから過去を掘り下げてみたり。面白いものですよ、人間って。 ■家事育児は数字で見えないから悩ましい <聴きながら読む> 今日から始まったこのラジオでは、みなさんの中にある本音を、聞かせてもらえたらと思っています! コロナウイルスのせいで在宅しているストレスもそうだし、世の中の女子たちが困っていそうな出来事、育児や家事の大変さ、密かなオタク趣味の話まで……そういった表立って言えないけれど、すっごく溜まってることを、このラジオにどんどん吐き出してください。 家事や育児って、いくらやっても数字として出てこないんですよね。 これが仕事なら、やった分だけ「お金がいくらですよー」と数字でわかるんですけど、家事や育児は「何円分の仕事をしました」みたいに形として出てこないんで。だから、自己評価がなかなかしにくいし、周りからもは「えらいなぁ、すごいなぁ」みたいにも言われない。 “やって当たり前感”が結構あるので、気持ちが溜まって、今も悲しさに追われている方も多いんじゃないでしょうか。わが家もそうなんです。娘は昼寝を「なんで?!」って思うくらいにしてくれないですね。保育園ではちゃんと寝てるんですけど……。 娘が起きていると、なかなか自分の時間も取れません。うまくやりくりされているリスナーさんがいたら教えてほしいです!「うちの子どもはトランポリンを出せば30分は遊んでくれるよ」とか「このアプリに夢中になってます」とか、私も本当に参考にしたい。 もう毎日検索してるんですよ。「3歳 子供 おすすめ 遊び」みたいに(笑)。娘に熱中してもらえるものを見つけて、その間に私は仕事しよう、ちょっと一休みしようみたいな感じで。みなさんの、そういう話をぜひ聞かせてください。 ■「書いて、送る」だけでも自分の本音がわかる 育児家事だけではなくて、「女の子が抱える悩み」も、どしどし送ってください。 解決するような素晴らしいアドバイスを言ったりするのは難しいかもしれないけど、それを聞いて「わかるわー……」って応えることはできると思っています。これまでも『アドバイスかと思ったら呪いだった』とか『負け美女』という本に、そういうことをまとめてきましたから。 「書いて、送る」だけでも、わかることってあるんです。自分はこういうことに怒ってたんだ、自分はこういうことを望んでたんだって。私も普段、エッセイストとして原稿を書いていて、いつも思うんです。私の受け答えがヘボくとも、その 「自分がわかる」効果 はあるはずなんです。 その本音を、ラジオの電波に乗せて声にして届けることで、聞いた人の考えもちょっと変わるかもしれない。「うちのパートナーは、もしかして本当はこんなことに悩んでるのかな?」みたいに、生活を見つめてみるきっかけにもなるんじゃないかなぁ、と思います。 ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 ▶『犬山の遠吠え!やってまーす』始まりました! ▶育児と仕事をしながら、いかに自分の時間を見つけるか ▶オタク活動は自分を見つめる行為?!
2020年05月12日