脳を育てる=心を育てる、キレない子にするための脳の育て方
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脳を育てることと、心を育てることは、なんとなく別のことに思えるかもしれませんが、「心=脳」ということが最近の研究の結果、明らかになっています。
以前は、児童虐待の残す傷あとは、「心の問題」であると考えられていましたが、最近の脳科学の研究では
子どものときに虐待を受けると、脳の一部に発達障害を起こす
出典:日経サイエンス2006年12月号臨時増刊
「インタビュー 熊本大学大学院医学薬学研究部小児発達社会学助教授 友田明美
子どもは親を選べない 脳科学は子どもの心を救えるか」
ということがわかっているのです。
近年話題になっている、突然感情を爆発させて暴力的になる「キレる子ども」になるかどうかも、脳の発達に関係があるそうです。脳の発達の基礎は、幼児期の親子関係の中で作られていきます。
そこで今回は、脳科学で明らかにされてきた子どもの脳について紹介します。
「キレない」ために大切なのは、脳の前頭前野
言葉を覚え、計算し、人の気持ちを感じ取るときに重要な働きをしたり、「キレる」ことのブレーキ役となったりするのは、大脳の前頭前野です。
前頭前野は脳の部位の中でも、もっともゆっくりと成長していきます。脳のおおよそは8~10歳くらいでほぼ完成を迎えますが、前頭前野だけは24~25歳くらいまで成長を続けるそうです。
つまり、脳の構成がかたまる8~10歳までに脳の基礎を育てておく必要はありますが、大脳の発達は絶えず続き、足りないものがあれば補おうと変容したり、新たな刺激や発想があればいくらでも変わることができたりする柔軟性を持っています。
つまり、8~10歳の時期を逃したら手遅れ、ということではありません。このことはしっかり覚えておいてください。