叱ることには意味がある(子どもを叱ったら実行するまで見届けよう・前編)


こんな叱り方は有効性が低い

親の側は子どもがきちんとした大人になるようにと思って叱っていたとしても、それが子どもに伝わらないのでは無意味になってしまいますし、またそうした叱り方は有効性が低くなります。

有効性の低い叱り方とは、どんなやり方かというと、「口先だけ」の叱り方です。

具体的な例で見てみましょう。

子どもが学校から帰宅しました。この時に「ちゃんと手を洗ってうがいもしなさい」と、子どもに注意したとしましょう。それに対して子どもが、「友だちのところに遊びに行きたいから、急いで宿題終わらせなきゃ」と返したとします。それに対して、それなら仕方ないかなと注意をやめてしまってはいないでしょうか。

または、子どもの部屋が散らかっているのを見て、「部屋はきれいにしときなさいって言っているでしょ!」と叱ったとします。
それに対して子どもが「今時間がないから後でやっとくよ」と言ったとして、そのまま「じゃあ、ちゃんとやっときなさい!」と言って、その場を終わりにはしていないでしょうか。

なるべくなら叱ってばかりいたくない、と思いがちな親としては、こういう事例のように子どもが一見筋の通った口答えをした時に注意を引っ込めたり、宙ぶらりんなままにしてしまったりすることがよくあります。言うべきことはきちんと言ったから、という意識もあるからでしょう。

しかしながら、こういうことを続けていると、子どもは親の注意や言うことを聞かなくなってしまいます。

では、子どもの心に届くように叱るには、どうすればよいのでしょう? それは後編でお話しします。

(子育ての達人)

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