子どもがかわいいと思えない母親は、親として失格か?


いいも悪いも、自然に湧いてくる感情を受け入れるしかない

「かわいいと思えない子どものことを、無理にかわいいと思おうとする必要はありません。かわいくないものは、かわいくない。仕方ないのです。

そして、下の子に比べて、上の子はかわいいと思えない場合も、かわいいと思えないなら思えないなりに、親としてできるだけ大切に育てていこう。そんなつもりで、無理せずやっていかれてはどうでしょうか」

そう言います。
実際、子どもに手をあげてしまっている親御さんには、真面目すぎるがゆえに、「自分の子をかわいいと思えない自分を責めてイライラし、気づいたら子どもをぶってしまっていた。もしかすると私のしていることは、虐待の一歩手前ではないか」と、ハッとしてカウンセリングに相談にきた、という方が少なくありません。

あえてハッキリ言いますが、子どもをかわいいと思える親もいれば、かわいいとは思えない親もいます。
きょうだいのどちらかしか、かわいいと思えない親もたくさんいます。そして、それでいいのです。いいも悪いも、それが自然に湧いてくる感情なのであれば、それを受け入れるしかないのです。

そして、子どものことをあまりかわいいと思えないならば、その気持ちはそのままにしながら、親としてするべきことは、きちんと分け隔てなくしていけばいいのです。

「自分の子どもならば、かわいいと思えるはず」というのは、ただの迷信です。事実では、ありません。かわいいと思えないなら、かわいいと思えないからこそ、差別やえこひいきにならないように、自分の子どもへの言動に注意すればよいのです。

「かわいいと思えないなら思えないまま、それでも、親としての務めはきちんと果たしていく」そんな、無理のないスタンスで、わが子に関わっていくのがおすすめです。


(諸富祥彦)

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