コミックエッセイ:栗生ゑゐこの赤ちゃんカルタ

「赤ちゃんは、進みたいのに遠ざかる」 栗生ゑゐこの赤ちゃんカルタVol.13

栗生ゑゐこの赤ちゃんカルタ

栗生ゑゐこの赤ちゃんカルタ

3歳と0歳の子どもの母でもあるイラストレーターの栗生ゑゐこさんが、赤ちゃんのいる生活で発見したことをカルタ形式のイラストコラムで毎週連載。思わず「分かる分かる!」と言ってしまう子育てあるあるが満載で…

赤ちゃんは1年でこんなに進化するんです。
気がつけば2015年も残りわずか。皆さんはどのような1年を過ごされたでしょうか。私自身は第二子の出産、実父の逝去と大きな出来事が2つあり、人の生死について考えることが多かった1年でした。こんな出来事があっても、年々早くなる時の流れにくさびを打ち込むことはできないんだ…としんみり感じ入る年の瀬です。(実際はイラスト描いたり赤子に乳をやったり上の子のトイレに付き合ったりする間にしんみりしております)

自分にとってはあっという間の1年でも、今年の1月に産まれた赤子にとってはまさに進化の1年。ほとんど目も見えず、泣いて乳を飲んで寝て…の繰り返しだった新生児から、乳以外のものを食べ、床に落ちている小さなゴミを拾い、自力で移動できるようになったのですから、すごい成長です。

栗生ゑゐこの赤ちゃんカルタVol.13
そういえば、先日実家で見たアルバムには、母の字で「バックでハイハイするのが得意」という一文が添えられた赤ちゃん(私)の写真が貼られていました。それはまさしく数ヵ月前の我が子の姿。

腹ばいになって動こうとするものの、手足の力のバランスが取れず、後ろにジリジリと進んでしまう赤ちゃんの姿を思わず写真に収めた母の気持ち、今ならよくわかります。母の視線は今の私の視線であり、おそらく人が子どもを産み育てるたびに投げかけられる、人類共通の眼差しなのでしょう。

生まれてくる赤ちゃんを慈しみ、その成長を見守るという営みが、どうか途絶えることのない世界であってほしい…。オムツを替えながら、また想いに耽る年の瀬でした。


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