お父さんの、子どものころの話【新米ママ歴14年 紫原明子の家族日記 第6話】
本当なら、人生の1分1秒でも長く自分の部屋にこもって、好きなアニメや漫画と、その二次創作ばかり見ていたい娘・夢見。そんな彼女が渋々とは言え、学校のあとの塾に通い続けているのには訳がある。国語の授業で使うテキストで、学校では決して読めない、面白い評論や随筆が読めるからなのだ。
今日はこんな話だった、と塾帰りに毎回報告してくる夢見が、あるとき特別に興奮気味に、もうおかしくてたまらないといった様子で教えてくれたのが「あたたかい手」というエッセイ。詩人である工藤直子さんの幼少期の、父と母とおならにまつわる話だ。
あるとき、食べ過ぎによりお腹をこわしてしまった幼き日の工藤さん。その様子を見て慌てふためく父母は、消化を促そうと、朦朧(もうろう)とする娘の腕を抱きかかえ、歩かせてみたり、運動をさせてみたり、あの手この手で奮闘。
そんな中、幼き工藤さんは、父の鼻から鼻毛が1本出ているのを発見するほど冷静で、序盤からまるでコントみたいなのだが、オチだって決してはずさない。
「出るものが出ればなんとかなるだろう」と考える父は、何度目かのトイレでぷーっとおならの音がしたのを聞いて安心するも、すかさず母から「それはあなたのおならじゃないですか」とツッコミを受けるのだ。
塾の教室が爆笑に包まれたというその話を、娘に言われるままに読んで、やっぱり私もお腹を抱えてゲラゲラ笑った。それをきっかけに、この話が収録されている工藤さんのエッセイ集『とうちゃんと』を知り、すぐにAmazonで買って読んでみた。するとこどの話も本当に素晴らしくて、ときに笑い、ときに涙しながら、あっという間に夢中で読んでしまった。
おならの話は群を抜いて面白いけれど、もう一つはっとさせられたのが「個人落語」と名付けられた話。父親の右手人差し指には縦に一本、爪の真ん中を通るように大きな傷跡があったという。幼い工藤さんは、父がそのケガを負ったときの子ども時代の話をとても気に入っていて、何度も繰り返しせがんだのだという。
似たような経験が、私にもある。
今となっては60代も後半に差し掛かったわが父。そんな父がまだ幼かったある日、ふと空を飛ぶヘリコプターを指差してこう言ったのだという。「屁ヘリコプターだ!」……すると、たまたまそれが、今は亡き私の祖父、つまりは父の父の耳に入り、運悪く怒りをかう。帰宅するなりバッチーンッと祖父に頬を張られた父少年は、その衝撃で11ートルくらい吹っ飛ばされたとか……。
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