コミックエッセイ:コソダテフルな毎日
転勤族の子育て事情。妻が考える転勤のメリットとは?【コソダテフルな毎日 第41話】
■その1. 夫ととことん向き合える
簡単に帰れないという状況が、ある意味夫婦にとってはよかった気がします。
あのとき、
もしも実家が近くにあれば、私たち夫婦の心はとっくに離れていたんじゃないかな~と思うことがあります。
長男が生まれて1年間、未熟な私たち夫婦はトゲトゲしていました。お互いに余裕がなかったんだと思います。
私がインフルエンザで倒れて1日寝込み、翌日の長男の朝食を夫に頼むと、返ってきた返事が「え?」(今日も!?(怪訝)という顔)でした。
そしてそのまま私と長男を残し、階段を上って寝室に戻っていってしまいました(二度寝)。
あらためていま思うとひどいですね~(笑)。なんだこの父親!! 本当に悲しくてつらくて、がっくりしながら長男に朝食をあげました。
いま思っても、「あんた、よく耐え忍んだな」と自分に驚きます(いまならもっと文句言いますし、夫もこのような行動は絶対に取りません)。
どんなに愛し合って結婚した仲でも、やはり波はあるわけで。私たち夫婦も、いい時期もあれば、冷めたり諦めたりする時期もありました。
けれど、わざわざ荷物抱えてはるばる子ども連れて帰る労力、その行為がもたらす波紋を考えると…帰れませんでした。
というよりも、
実家に帰ったところで根本的な解決にはならないし、私がするべきことは里帰りすることじゃなくて目の前にいる夫と話し合うことだなと思ったからです。
私の性格上、もしも実家が近かったらきっとしょっちゅう帰っていたと思います。そして親、兄弟に夫の愚痴をさんざん吐いていたと思います。
でも、仮にそうしていたとしたら…いまの私たちはなかったんじゃないかな~と思います。
どんなに腹がたっても、
どんなに顔も見たくなくても帰る場所は我が家しかない、この状況が私たち夫婦の絆を強くしました。
この10年で子どもの数も増えましたし、私が仕事を始めたりと家庭環境はどんどん変わりました。けんかもたくさんしましたが、その都度、何度も何度もとことん話し合いました。
なにも夫だけに頼らなくても、助けてくれる友達もいましたし、ファミリーサポートも活用していました。
けれどやはり家庭を回す両輪は、夫と私であることには違いないわけです。
私と夫で何度も何度も話し合い、そして10年たったいま、私は昔より随分図太くなり夫は見違えるほど協力的になりました。
私たちにとっては実家が遠かったからこそ、お互いが向き合う機会を失わなくてすんだような気がします。