コミックエッセイ:こうして赤子を授かった~中村こてつ不妊治療体験記~
産まない女として生きるか【こうして赤子を授かった~中村こてつ不妊治療体験記~ 第24話】
図書館で借りるときは、本のタイトルとともに貸出日・返却日・利用者番号などを書いた小さなレシートのような紙を渡されます。返却を遅滞しないようにという目的でしょう。
この本を読んでいる途中、ひらりとその紙が落ちてきました。
私のものではありません。貸出日は去年の同じ頃。借りた本の名前がつらつらと並んでいます。
文字数に制限があるらしく、タイトルは途中で切れていましたが、
「産まない女」として生・・・
あきらめないであなたの・・・
大人の刺繍バッグをつく・・・
おそらく女性でしょう。
私と一緒で不妊の人。
『あきらめないであなたの…』の後に続くのはきっと『赤ちゃん』。
彼女もまた、産みたい気持ちと産めないかもしれない不安の間で揺れていたのかもしれません。
その答えをいろんな情報に求めている。ちくちくとバッグを縫いながら…
勝手にそんな想像をしていました。
自分の人生なのだから自分で決めていい。
決めていいはずなのに、どうして思い描いたとおりに進むことが難しいのでしょう。
子どもを持つ持たないに関しては、特に。
それとも人生は誰かに与えられるものなのでしょうか。神様の領域なのでしょうか。
あの女性が今、どの人生であっても幸せであってほしい、そう思いました。
※私が長男を妊娠するために不妊治療をしていたのは、2005年11月~2008年10月のことです。また、この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。