2018年8月31日 21:00|ウーマンエキサイト

産休っていつから? 育休とはどう違う? 産休のしくみ2018

仕事と育児を両立させてワーキングママを目指すなら、「産休」「育休」について知っておくことは必要不可欠です。筆者も1人目を出産した時に産休を利用し、働く女性が出産しやすい環境が整いつつあることを実感しました。

目次

・知っているようで意外と知らない?! 「産休」とは
・産休はいつからいつまで?
・産休中にもらえるお金
・【Q&A】産休に関するよくある疑問
・産休の取り方
・産休前に行う社内・社外への挨拶
・産休中のおすすめの過ごし方
・まとめ

産休っていつから? 育休とはどう違う? 産休のしくみ2018

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しかし、それまでは「産休」という制度があることは知っていたものの、具体的にどんなメリットがあるのか、そして「育休」との違いなど、分からないことばかりでした。今この記事を見てくださっている方も、きっと同じような疑問を抱えていることでしょう。

そこでここでは、産休の期間やもらえるお金、申請方法など産休のいろはを詳しくご紹介します。

■知っているようで意外と知らない?! 「産休」とは


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まず「産休」とはどのような制度なのでしょうか。「育休」との違いもクリアにしておきましょう。

▼産休とは


「産休」とは厚生労働省が労働基準法で定めた、働く女性が出産する前と出産した後に取得できる休暇のことです。正式名称は「産前・産後休業」。つまり、産休とひと口に言っても、実は産前休業と産後休業の2種類にわかれています。産前休業は出産の準備をするため、産後休業は産後の体力を回復させるための期間として設けられています。


▼産休と育休の違い


産休とセットで耳にすることが多く混同しやすい「育休」。その正式名称は「育児休業」で、その名の通り、子どもを養育する労働者をサポートするための休暇制度です。産後休業が終わってから、子どもが1歳になるまでの期間で取得できます。また、1歳に達した時点で「保育園に入れない」など条件を満たせば、最長で2歳まで延長することも可能です。

■産休はいつからいつまで?

産休っていつから? 育休とはどう違う? 産休のしくみ2018

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産休には「産前休業」と「産後休業」の2種類があります。それぞれいつからいつまで休みが取れるのかおさえておきましょう。


▼産前休業の期間はいつからいつまで?


産前休業は、出産予定日から6週間(多胎妊娠の場合は14週間)前から出産日まで取得可能。ちなみに予定日よりも出産が遅れた場合は、その分休業期間が延長されるので安心です。

▼産後休業の期間はいつからいつまで?


産後休業は、実際に出産した翌日から8週間後まで取得できます。産後の休暇であることから「育休」と勘違いしてしまいがちですが、産後8週間は「産休」となるため注意しましょう。


▼産後8週間は働けない?!


体調がよく、本人が出産予定日ギリギリまで働きたいと希望すれば、産前休業なしで出産に臨むことも可能です。実際に筆者のまわりにも、産前休業をほとんど取らずに働いて予定日を迎えたママがちらほら。産前休業はあくまでも「本人の希望」によって取得できるものなので、絶対に取らなければいけないという縛りはありません。そうはいっても、突然の陣痛や破水などいつ体調が変化するか分かりませんし、体調を優先することが第一です。

産前休暇が本人の希望によって取得するのに対して、産後休業は違います。労働基準法の第65条では、「使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない」とされており、出産をしたら必然的に取得しなければならない休暇なのです。

ただし、医師の許可がある場合は、産後6週間を経過していれば職場復帰OK。とはいえ産後にしっかりと身体を休められるかどうかがママの健康を大きく左右するため、無理のないように復帰時期を検討しましょう。


■産休中にもらえるお金

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出産のために仕事をお休みできるのはとてもありがたいことですが、心配になるのがお金のこと。産休中は加入している健康保険組合から「給付金」をもらえるのは有名な話ですが、いったいいくらもらえるのか、現在の収入と比べてどのくらい差が出るのか事前にチェックしておきましょう。


▼出産手当金


「出産手当金」は、産休中の生活費をサポートしてくれる給付制度です。出産予定日と出産日のズレによって支給期間が異なりますが、最大で98日間、双子以上を出産の場合には154日間が対象です。

【対象条件】
勤務先の健康保険に加入していて、産休後(あるいは産休・育休後)職場復帰する人。家族の扶養に入っている人、国民健康保険に加入している人は対象外です。

【支給条件】
産休中に給料や報酬が支払われていないこと。会社から手当が出る場合は、その分を差し引いて支給額を算出します。

【支給額】
標準報酬日額の3分の2×産休の日数
※標準報酬日額とは、支給開始日以前の継続した12ヶ月間の給料の平均月額を、さらに30日で割った日額平均です。
1日あたりの支給額の計算方法は、「直近12カ月間の各月の標準報酬月額を平均した金額÷30(日)×2/3」で算出できます。


▼出産育児一時金


「出産育児一時金」は、高額な出産費用による家計への負担を軽減してくれる給付制度です。赤ちゃんひとりにつき1回のみ受け取ることができます。

【対象条件】
健康保険、国民健康保険などに加入していて、妊娠4ヶ月(85日)以上で出産する人が対象です。

【支給額】
生まれてくる赤ちゃんひとりにつき42万円。双子の場合は84万円、三つ子の場合は126万円となります。

▼社会保険料の支払いは免除に


ありがたいことに、産休中は健康保険料や厚生年金保険料といった社会保険料の支払いは免除となります。もちろんその期間健康保険や介護保険の給付が受けられなかったり、将来受け取れる年金が減額されたりということはありません。産休中はお金を払うことなく、制度の恩恵を受けられます。

■【Q&A】産休に関するよくある疑問

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ほかにも産休に関してわからないことはたくさん。「これってどうなの?」と気になる疑問をまとめました。

▼【Q】産休中の給料はどうなる?


【A】産休は有休とは異なり、期間中はほとんどの場合勤務先から給料が支払われることはありません。ただし会社によっては加入している雇用保険から育児休業給付金が出るケース、事前にしっかり確認しておきましょう。支給されるタイミングも、毎月支払われていた給与とは違い、初回の支給は出産から4ヶ月後になるので、注意が必要です。

▼【Q】正社員じゃなくても産休は取れる?


【A】産休は働いている女性全員に権利があります。正社員はもちろん、契約社員や派遣社員、パート、アルバイトもOK! また、雇用期間についても縛りはなく、働き始めてすぐに妊娠がわかった場合でも取得可能です。ただし、会社によって労使協定により勤続1年未満は「育休」が取れないというケースもあるので、会社に確認しておくと安心です。

▼【Q】男性は産休は取れる?


【A】産休は出産前後の女性労働者をサポートするための制度のため、男性は取得できません。なお、育休に関しては、1歳未満の子どもを養育するパパであれば取得の対象となります。

■産休の取り方

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産休を取るためには、基本的に妊娠が分かった後、会社を通して事前に申請する必要があります。その手順を順に説明したいと思います。

  1. 会社に妊娠の報告
    何はともあれ、会社に妊娠の報告からスタート。時期としては、妊娠が判明し、赤ちゃんの心拍が確認できて安定してきたころが目安です。まずは直属の上司に報告し、産休や育休の制度を使って産後に職場復帰したいことを伝えましょう。
  2. 産休の申請
    申請方法については、基本的にそれぞれの会社のルールに従いましょう。一般的には人事から「申請に必要な書類リスト」を渡されるため、その指示に沿って必要書類を準備し、提出します。

    ちなみに、産休を申請する期限は会社によって異なり、就業規則に明記されているケースが多いです。「産休に入る1ヶ月前まで」としているところが多いですが、出産が迫ってくると何かとバタバタするため、余裕を持って申請しましょう。
  3. 育児休業の申請
    産休後はそのまま育休に入る人が多いでしょう。育休も会社によって必要書類や申請期限が異なります。産休の申請と同時に育休申請ができる場合もあれば、産休期間中に育休に関する書類が郵送されてくるケースも。基本的には、会社の指示に従っていれば問題なく申請できます。ただし、産後は想像以上にバタバタしがちなので、期限を過ぎることがないように気をつけましょう。

■産休前に行う社内・社外への挨拶

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産休に入る前に、最低限やっておきたいのが仕事でお世話になった人々への挨拶。ただ具体的にどうすればよいのか、わからない女性たちも多いのではないでしょうか?ここでは、産休前の挨拶をいつ頃、誰に、どのように行えばよいのかをご紹介します。

▼産休前の挨拶は誰にすればいい?


直接一緒に仕事をする同じ部署の上司・同僚・部下のほか、仕事で関わる他部署の人や社外の取引先の人にも、産休前には感謝の気持ちを込めて、挨拶をしておきましょう。

▼挨拶のタイミングは?


社内向けの挨拶は、1ヶ月前を目安に口頭とメールで行います。産休の前日にも一斉メールで挨拶をしておくとなおよいでしょう。

社外向けの挨拶も、取引先の企業を訪問する機会があるようなら、1ヶ月くらい前に口頭で挨拶をしておきましょう。直接会って挨拶ができない場合は別途メールで1ヶ月から2週間前には挨拶を済ませておくと安心です。

▼社内・社外への挨拶の仕方は?


産休に入る前には、漏れがないよう必要事項を伝えておくことが大切です。
社内・社外向けにそれぞれ伝えておくべきポイントをご紹介します。

社内向けの挨拶のポイントは以下、4つです。
・感謝の気持ち
・最終出社日
・後任者
・今後の復帰について

これらのポイントを挨拶のメールにも盛り込み、妊娠から産休前までサポートしてくれた同僚たちに感謝の気持ちを伝えましょう。

取引先など社外向けの挨拶のポイントは以下の3つです。
・後任者の詳細
・最終出社日
・復帰の予定は名言しない

産休中に関係先に迷惑がかからないよう後任者への引き継ぎはしっかり行うのが鉄則。後任者の連絡先を伝えた後は、実際に後任者本人から挨拶メールを送ってもらい、事前にコミュニケーションを図るのがよいでしょう。

■産休中のおすすめの過ごし方

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産休、特に産前休業は、出産前に仕事から離れてゆったり過ごせる貴重な期間。筆者の場合は、産前休業に余っていた有給休暇をプラスしたため、通常よりもかなり早くからお休みに入ることができました。せっかくなら…といろいろチャレンジして、とても有意義な時間を過ごせたことを覚えています。なかでも「これはやってよかった!」と思ったおすすめの過ごし方をご紹介しますね。

▼家の大掃除


普段仕事をしていると、つい後回しになってしまいがちなお掃除。これから赤ちゃんを迎えるにあたって、産前休業中に部屋の掃除や片付けをしておくことはとっても大切です。

特にエアコンのなか、床や壁、カーテンなど赤ちゃんに影響しそうなところはしっかりキレイにしておきましょう。また、これから赤ちゃん用品がどんどん増えていくため、不要なもの、産後は使わなくなりそうなものがあれば断捨離しておくといいですよ。

▼赤ちゃんグッズづくり


もうすぐわが子に会える喜びを感じながら、赤ちゃんグッズを手づくりしてみましょう。「ミシンがない」「お裁縫は苦手」という方にも、手縫いだけでつくれる本があったり、実物大の型紙や材料がセットになったキットがあったり。初心者でも気軽にチャレンジできます。

ちなみに筆者は、スナップボタンで数ヶ所留めるタイプのかんたん授乳ケープを手づくりしました。好きな柄の生地を選べて自分好みに仕上がり、世界に1つだけの特別なケープができてとっても満足しています。

保育園や幼稚園に入園すると手作りのものを指定されるケースもあるので、これを機にトライしてみるのも良いかもしれません。

▼資格の勉強


もしも目指したい資格があるなら、産休中は意外にチャンス。まとまった勉強時間を確保できるため、集中的に学習できます。

「どんな資格にチャレンジしよう?」と迷ったら、産休中に完結できそうなもの、身体に負担がかからないものを選びましょう。内容としては、職場復帰後に仕事で活用できる資格はもちろん、食育や育児に関する資格もおすすめ。なかには講座の受講から試験の受験まですべて通信で行えるものもあり、産休中の自己啓発にぴったりです。

通信講座を受講する際にパソコンの電磁波が気になる場合は、「電磁波防止腹巻き」など赤ちゃんを電磁波から守るグッズの購入も検討してみてくださいね。

■まとめ

産休は、働く女性の妊娠・出産を応援してくれる心強い制度です。正社員だけでなく、契約社員やパートでも、雇用形態にかかわらず平等に取得できるのがうれしいポイントです。

ただし、いくら誰にでも権利があるとはいえ、勤務先への配慮を怠ってはいけません。上司や同僚への報告や相談はしっかり行うことはもちろん、産休前の業務の引き継ぎを円滑にできるように尽力しましょう。職場復帰しやすい環境を整えておくことが、気持ちよく産休を迎えるためのポイントです。

のんびり身体と向き合い、赤ちゃんとの時間を満喫できる産休期間。ぜひ事前準備や手続きをスムーズに行って、充実したひとときを過ごしてくださいね。

参考URL:
厚生労働省|産休&育休
全国健康保険協会|子どもが生まれたとき

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