性教育アドバイザーで、
「お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!」の著者である
のじまなみさんに、「性教育」についてお話を伺いながらご紹介する連載の2回目です。
前回は日本の性教育の実態を伺い、なぜ
性教育が必要なのか、その危険性について述べました。今回は、具体的な性教育の実践法についてご紹介したいと思います。
のじまなみ さん
性教育アドバイザー。「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」理事長。防衛医科大学高等看護学校卒業後、看護師として泌尿器科に勤務。自身にも三人の娘がおり「子供達が危険な性の情報に簡単にアクセスできる世界にいる」ことに危機感を抱き、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】アカデミー」を設立し、その後協会を立ち上げ、国内外のお母さんたちに性教育を伝えるべく、日々飛び回っている。
とにかく明るい性教育 パンツの教室協会
のじまなみ ブログ
■性教育は、子どもの「自己肯定感」を育むために必要
まずは前回触れた、のじまさんによる
性教育の3つのメリットについてお話ししていきましょう。
1、自己肯定感が高まり、自分も人も愛せる人間になる
2、性犯罪の被害者・加害者にならない
3、低年齢の性体験・妊娠・中絶のリスクを回避できる
イラスト:おぐらなおみ
1、自己肯定感が高まり、自分も人も愛せる人間になる
1 についてですが、日本の子どもは、世界有数の先進国であるのにも関わらず、自己肯定感が低いと問題視されています。深刻なのは、10代の死因のトップが自殺であること。背景にあるのがこの
自己肯定感の欠如だ、とのじまさんは指摘しています。
「性教育を通じて、あなたは奇跡が重なって生まれてきたのだ、ということを伝えると、子どもは『愛情』を受けとり、エネルギーにしていくことができます。そして、子どもの自己肯定感を育むことで、親子間のコミュニケーションがスムーズになり、
深い絆で結ばれるようになります」
2、性犯罪の被害者・加害者にならない
2 の
性犯罪については、筆者が
「SEIJUKU」(セイジュク)という性教育ワークショップを始めた理由とも重なっています。社会のトラブルの根幹にあるのは性問題。そのことから身を守るには、きちんと性について
知ることが親子で必要だと考え、興味のある方同士でセッションを始めたのですが、この中でよく話題に上るのがいつ自分の子どもが
加害者に、
被害者になるかわからないという不安についてです。
「まだまだ子どもだから」と思っているうちに、子どもはどんどん外からの情報を得て、親が感知できない知識を増やし、危険な領域に入っていきます。
善悪を見極められるようになるまで、大人が正しい知識を持ってストップをかけなければいけません。
「覚えておきたいのは、性犯罪の被害者は女の子だという思い込み。実は被害者の4割は男の子だという事実です。男の子を好む小児性愛者は一定数おり、とても陰湿です。性犯罪にあった子の精神ダメージは計り知れません。お母さんが積極的に
防犯に関わり、女の子も男の子も
性犯罪から、身を守る方法を教えてあげてください」
3、低年齢の性体験・妊娠・中絶のリスクを回避できる
3 の
不用意な妊娠については、誰もが避けたい大きな関心事ではないでしょうか。ただ、ここで重要なのは
セックスを語らずに性教育はできないということ、とのじまさん。
イラスト:おぐらなおみ
「セックスについては
常に説明できるように準備しておく必要があります。
そして、今どうしてセックスをしてはいけないのか、デメリットとメリットをお母さんの口から伝えることが重要です。思春期のセックスへの興味本位による行為を防ぐためにも、きちんとした知識を、明確に伝えてください」