連載記事:想定外の時代を生き抜く「見えない学力」の育て方
指示命令だった親子関係は急には変われない…この負のループを断ち切るには【想定外の時代を生き抜く「見えない学力」の育て方 Vol.3】
■子どもとの関係がマイナスのスパイラルに陥ったら
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Aさん:子どもは、野生動物みたいですね…。
木村先生:大空小学校でもありました。せっかく教師が自分を変えて、子どものほうから来てくれるような関係性ができてきたのに、あるとき子どもから「うるさい、そんなん知るか!」と言われた途端、「ちょっと待て!」などと言って教師が怒ってしまった。そこまでにほんの少しできてきた関係性の絆が切れてしまうと、マイナスのスパイラルに陥ってしまうこともあります。
Aさん:そんな時は、どうしたら良いのでしょう?
木村先生:笑いで終わらせる。しつこく追いかけない。私は学校でも、「それは残念!」などと言って軽くおどけながら子どもから離れるようにしていました。そうすると不思議なもので、「何で人がしゃべっている最中に、出ていくねん」とぶつぶつ言いながら子どもが帰ってきたりします。
軽い笑いに変えると、「あなたは悪くないよ。そういうこともあるよね」という空気になるんです。その場が軽くなるような言葉をいくつか持っておくといいですね。関西人は、ちょっと有利かな(笑)。
Aさん:本当にそうですね。
木村先生: 今、この記事を読んでいるママたちは「現状を何か変えたい!」と思っている時なのかもしれませんね。すごいチャンスの瞬間です。現状を変えたいと思った時が、大人一人ひとりが自分で考え始めるチャンスなんです。
「自分は、こう育ったから」「夫が、言うから」「ママ友が、こうだから」ではないんです。
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「自分がこの子だったら、どうしてほしい?」「自分が、今、やっていることは、この子にとってどうなんだろう?」こんなふうに大人一人ひとりが常に自分に問い続けて、自分の頭で考え始めてみることが大切なんです。
【木村先生がママたちに伝えたい9のこと】
7.子どもに言うことを聞かせようとしない。話を受け止めることから始める
8.新学習指導要領のキーワードは、「主体的・対話的で深い学びの実現」である
9.大人一人ひとりが、自分の頭で考え始めることが大切
いかがでしたか? 子どもが自分が思ったようにならない時、つい「自分の言うことを聞かない子どもが悪い」と思ってしまいがちです。けれども木村先生のお話しを聞くと、「あれ? じつは私自身に問題があった!?」と、ハタと我に返ります。
自分の頭で考えられる子を育てるためには、まずは大人が自分の頭で考え始めることが大切…。いやぁ、本当にそうですよね!
木村先生の取材をすると、毎回、私自身(いつもよりは)深く考えます。そして木村先生と一緒に、学びを深めていきたいと思うのです。
※文部科学省:学習指導要領「生きる力」
学校で学んだことが、明日、そして将来につながるように、子どもの学びが進化します。新しい学習指導要領、スタート。
■お話を伺った木村先生の書籍
『10年後の子どもに必要な「見えない学力」の育て方』
木村泰子(著)/青春出版社(1,540円(税込))
「見えない学力」が身につけば、結果として「見える学力」(成績)は上がる! 2万人が感動したドキュメンタリー映画『みんなの学校』(「不登校ゼロ」の公立小学校)で話題となった大阪市立大空小学校初代校長が明かす、子どもが自分で考え行動しはじめる「見えない学力」の育て方とは?
【木村泰子(きむら やすこ)先生】
映画『みんなの学校』の舞台となった大空小学校の初代校長。大空小学校は、「奇跡の公立小学校」「こんな小学校にわが子を通わせたかった」と言われる大阪の公立小学校。「子どもたちから学んだこと」をベースにした子育て論が、ママたちの支持を集める。
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