コミックエッセイ たんこんちは ボロボロゆかい
楽しみにしていたのに怖くて入れない…! 母と息子「映画館」での長い戦いの結果、ついに!?【たんこんちは ボロボロゆかい Vol.44】
■ひとりで見に行った娘も心配
どうしよう…娘を見に行きたいけど、息子は動かない…!
そこで、目が合ったのはチケット改札のお兄さん。
今はちょうど上映時間ど真ん中で、ちょっと余裕がありそうだ…!
「すみません、中の娘を見に行きたいので、その間、そこからで構いませんので!この子をちょっと見ていてくださいませんか…!」
厚かましい…! ごめんなさい…!!
恥ずかしさと申し訳なさで変な汗をかいていると…。
「はい! ずっと気になっていました! 見ているので行ってあげてください!」
神かーーーー!!
私は息子に動かないように告げるとダッシュでシアターへ。
娘、ちゃんと指定席に着けただろうか…。
ポップコーンをぶちまけて泣いてないだろうか…。
席に向かうと…。
「めっちゃおもしろいよ…!」
娘、超余裕でした。
頼もしくなったものだ…。
一安心してまた息子と合流。
お兄さんにお礼をして、私たちはそのまま、10分、20分…。
一時間もの時間を通路で静かに過ごしました。
すると…。
「行ってみる…」
ついに息子は、動いてくれました。
何がきっかけというか、本当にそういうことはなく、ゆっくりゆっくり、自分の心と向き合っていたという感じでした。
「よし、行こう!」
息子が席に着いた時には物語はもうど真ん中。
何が何やら理解するのに時間はかかりましたが、息子は笑顔で、瞳をキラキラ輝かせながら映画を見始めました。
連れてきてよかった。
この瞬間、あの通路での一時間は一気に報われました。
そのまま私たちは映画を楽しみ、スタッフロール。
息子はぼそっと「もっとはやく入ればよかった…」と笑っていました。
そうだね。次はもっと早く入れるといいね。
こうして息子の映画館デビューは、笑顔で終わることができました。
その後、息子はすっかり映画館を好きになり。
今では大好きなヒーロー映画を公開初日に見に行くまでになりました。
怖い時は何を言われても怖いし動けない。
でも、時がくれば進むことができる。
きっと何事もそう。
そんなことを教えてもらったような、そんな息子の映画館デビューでした。
今回で私の連載はおしまいになります。
これからもボロボロながら楽しく育児していく様子をSNSで発信していこうと思います。
お付き合いありがとうございました!