【父親から見た子どもたち vol.1】家族写真を撮り続ける写真家・浅田政志さんの子ども写真。
と言っていたこともよく覚えています。
この2枚は縁起がよさそうな素敵な人に、息子を抱っこしてもらったシリーズです。よく、お相撲さんやオリンピック選手などに「うちの子抱っこしてください!」って頼んで抱っこしてもらう光景ってあると思うんですけど、それって“わが子にもパワーをもらいたい!”という親心からですよね。あの行為を指す言葉がないけど、それがいいなぁと思ったんです。初めて会ったような人も多いんですが、素敵だなと思う人に頼んで、一緒に撮らせてもらいました。なかには息子が大泣きしている写真もありますけど、「抱っこさせてもらっていいんですか?」とみんな笑顔で応じてくれたのもいい思い出です。
その写真が輝くのは、ずいぶん先の未来だと思うから
僕もみんなと同じように、毎日iPhoneや息子撮影用のフィルムカメラで写真を撮り続けています。相当数撮っていると思います(笑)。
“なんで撮ってるか?”を考えると、いつかその写真を見返したいから。2、3年後とかではなく、成人したり、結婚したり、子ども産んだりしたときの、ずいぶん先の未来。そのときに「君はこんなふうに育っていたんだよ」って伝えたい。息子本人だけではなくて、自分たち親や周りの人も写っていて、写真がみんなにとって「こういうこともあったな」と振り返れる宝物になる。そういう思いでシャッターを押しています。
かつて配達を担当してくれたヤマトの配達員さんと、配達の合間に一瞬で撮影。働きぶりがとても素敵だった。写真を見ながら深い感傷に浸る瞬間というのは、人生でそんなに多くないかもしれない。
人生でいろいろなことを経験した自分の現在地から昔の写真を見ると、当時の親の大変さだったり、親がどれだけ自分のことを思っていてくれたことだったり、そのときに気づかなかったことがわかったりする。そういう意味で、その写真が輝く瞬間は今からずいぶん先の未来なんです。未来にその写真が輝くためには、ちゃんとプリントしたり額装したりして、見れるように残しておくことが大切だと思います。今、スマホで簡単に写真が撮れるから、データだけ残している方が多いと思いますが、これを読んでくれている方には、ぜひプリントして欲しいです。プリント写真は100年先まで残ることが証明されているので。あんまり難しく考えると大変なので、冷蔵庫にお気に入りを貼るところからでもいい。親の世代から受け継いだ“家族のアルバム”という文化を次の世代に残せるか、僕たちにかかっているかもしれません。