身体ナビゲーションVol.104「膵臓の構造と働き」
こんにちは。健康管理士のSAYURIです。
2016年9月も終盤になるとともに、“食欲の秋”とばかりに秋の食材が目につき食欲が増してくる季節となりました。
しかし、柿やさつまいも、栗など特に女性が好む秋の食材には糖質が多いのが気になるところ。
糖質制限が肥満予防やダイエットだけでなく、糖化による老化も防止することで注目を集めていますが、実はその糖質の代謝に大きく関わっているのが膵臓(すいぞう) 。
あまり注目される臓器ではありませんが、身体ナビゲーションシリーズ、今回からは膵臓についてご紹介していきたいと思います。
●膵臓の位置と構造
膵臓は十二指腸から胃の裏側に沿って左へと延びる、長さ15cm、厚さ2cm、重さは60g~90g程度の比較的小さな臓器です。
十二指腸に接する部分から膵頭部、膵体部、膵尾部となっており、膵頭部から膵尾部に行くほど幅が狭くなっています。
また膵臓の中央には主膵管が通っており、外分泌腺から分泌された膵液が流れています。
そしてもうひとつ、ホルモンを分泌する内分泌線があります。胃の裏側にあることから、膵炎などを起こすと背中が痛いと感じます。
●膵臓の働き
食物が胃を通って十二指腸に届くと、十二指腸の粘膜から『セクレチン』や『コレシストキニン』というホルモンが分泌され膵臓を刺激し、外分泌腺にある腺房細胞からは膵液が分泌されます。
膵液にはタンパク質を分解する『トリプシン』、デンプンなどの炭水化物を分解する『アミラーゼ』、脂質を分解する『リパーゼ』など多くの消化酵素が含まれています。
また膵液は強い酸性である胃酸によって酸性に傾いた食物の中和作用 や、胆汁から分泌された胆汁の助けを借りて腸内での消化活動をスムーズに行う働き もあります。
膵液は1日に約500mlから1,000ml分泌されています。
一方、膵臓の内分泌腺であるランゲルハンス島には特殊な細胞が集まっており、そのうちのβ細胞から分泌されるのがインスリンです。
インスリンが血液中に入ると、ブドウ糖を細胞内に取り込ませてエネルギー源として消費させるのを促したり、脂肪に変換して脂肪組織に蓄積したりする働きがあることから、インスリンは“肥満ホルモン ”とも呼ばれています。またα細胞で合成される『グルカゴン』というホルモンは、インスリンとは正反対の働きをして血糖値を上昇させます。