【最新定番】RICE処置はもう古い? Jクラブドクターが教える最新の応急処置
10〜15分アイシングをし、20〜30分のレスティングをすることを、ケガをしてから6時間繰り返すというものです。
■タオルを1枚間に入れて冷やせば簡単にクーリングに近い温度に
アンダーラップはテーピングの下に巻く保護テープ写真のオレンジのもの
NBAやメジャーリーグで行われているクーリングは専用の機械を使って温度管理された水を流し続けるというものです。
当然ながら少年サッカーの現場でその機械を持っているチームはないため、NBAやメジャーリーグのように適切な温度とされる6〜20度を保ちながらクーリングを行うのは現実的ではないはず。
そこでおすすめなのが「アンダーラップ」を使うこと。アンダーラップとは、テーピングの糊から皮膚のかぶれを防ぐために巻くテープです。
ケガをした部位をアンダーラップで覆い、その上から氷嚢を当てる方法です。直接肌に触れないので0度以下になることはありません。
「アンダーラップがなければタオル1枚でもOK」と大塚先生はアドバイスをくれました。
■ケガから2日過ぎたらクーリングも意味なし
受傷から48時間経った後は、冷やしても意味がないことも知っておきましょう。それ以降は冷やすことよりも温める温熱療法に切り替えるほうが治癒力は高まるそうです。
現場での応急処置はチーム帯同者や保護者の皆さんが行うことが多いでしょう。
これまでケガの応急処置といえば「RICE処置」とされてきましたが、日々研究が進み、現在はICEではなく冷やしすぎない「クーリング」になっていることは、まだ多くの方に知られていません。
子どもたちが安全な環境でサッカーを楽しむためにも、大人たちが情報をアップデートすることは大事なことです。
今回ご紹介した「クーリング」であると便利なアンダーラップは、薬局やドラッグストアで簡単に手に入るので、チームの救急箱に入れておきましょう。
大塚一寛(おおつか・かずひろ)
医師、あげお友愛の里施設長。
1996年からはJクラブのドクターとしてチームとともに帯同を続けている。
現在はVプレミアリーグの上尾メディックス(女子)のチームドクターも兼任。そのほか、『日本サッカー協会スポーツ医学委員』を務め、全カテゴリーの選手の健康管理(脳震盪・ヘディング・熱中症・整形外科的外傷など)に携わっている。多数の講演にも出演し、現場のノウハウや選手のケガ、障害予防などの啓発活動も積極的に行っている。
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