「静かにして!」どんなに大声で叫んでも9割は届いていない
もう怒鳴る必要なし!子ども脳のクセに合わせて指示を“見える化”しよう
楽しくなると、つい声が大きくなってしまうことがあります。大人でさえうっかりすることがあるのに、子どもだったらなおのこと。とは言え、子どもであっても静かにしなければいけない場面は必ずあります。周りに気を遣うあまり「静かにしなさい!」と子どもよりも大きな声でお母さんが叱ってしまった、なんてこともあるかもしれません。子どもの脳は耳で聞くより目で見る方が気づきやすいという特徴があります。言葉よりも目に見える合図で伝えましょう。
静かにさせなきゃ!必死になった結果、お母さんの方がうるさくなっちゃった
外国へ引っ越すために家族と飛行機に乗った3歳のKくん。飛行機という非日常の空間で、3歳児が12時間も静かにできるはずがありません。映画を見ていたKくんが「お母さんすごいよ!見て!」と突然大声で話し始めました。ヘッドフォンのせいで自分の声の大きさが理解できず、とっても大きな声を出してしまったのです。とっさにKくんの声よりもっと大きな声で「静かにしなさい!」と叫んでしまったお母さんに、周囲の乗客の視線が突き刺さりました。
お母さんの指は魔法の杖?ちょいと動かすだけで声が勝手に小さくなる
子どもの声が大きくなりすぎたときは、小声で「小さく」と言いながら、人差し指と親指の間を狭めるアクションを見せましょう。これを繰り返すうちにお母さんが「静かにして!」と声を張り上げなくても、指を動かして見せるだけで声を小さくできるようになります。このように目に見える形で指示することを“サイニング”と言います。
子どもの理解力は90%以上が視覚情報によるものです。脳の仕組みからして、言葉よりも視覚に訴えた方が理解しやすいのです。
百聞は一見にしかず。100回ガミガミいうよりも1回のサインで確実に伝え
お母さんの世代なら、テレビの音量調節のようにつまみを回す仕草の方が“小さく”を連想しやすいかも知れません。でもそれでは令和っ子には通じなさそうですね。手を使った合図で指示を出すことは、しっかりと見ている必要があるので子どもの集中力の向上にも役に立ちます。楽しすぎて声が大きくなったときでも、合図なら楽しい雰囲気を壊さずに伝えることができます。子どもがうっかり大声になってしまったときは、2本の指で“小さく”の合図を出してみましょう。