厚生労働省は3月28日に、「社会保障審議会」(厚生労働大臣の諮問機関)の企業年金・個人年金部会で議論されているiDeCo(個人型確定拠出年金)の加入年齢を現行の65歳未満から70歳未満に引き上げることを論点として明記した。シニアのお金に詳しいファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんが解説する。「iDeCoは、個人が任意で加入し、自分で掛け金を出して、投資信託や定期預金などで運用する私的年金制度のひとつ。掛け金を出せる加入年齢が2022年5月の法改正で65歳までになりました。ところが、総務省の労働力調査で、65~69歳の就業率が2023年に52%に達したこともあり、国はiDeCoの加入年齢をさらに70歳未満に引き上げる方向で今年中に改正案をまとめ、2025年の通常国会での法案提出を目指しています」■3つの節税メリットで資産を増やすすでに厚生年金の加入期間は70歳まで、さらに年金の3階部分といわれる企業型DC(企業型確定拠出年金)とDB(確定給付企業年金)は70歳までとなっているので、iDeCoもそれに合わせられる形だ。そもそもiDeCoとはどのような制度なのだろうか。「iDeCoは“自分の年金作り”のために国が仕組みを作ったもの。ひと言でいうなら“老後のためにお金を貯めると、税金が安くなる制度”です。国の年金だけでは足りない老後資金を“税金メリット”のある仕組みを使って積み立てていくことができます。節税効果としては、毎月の掛け金の分が所得税と住民税の控除の対象になるため税金が少なくなり手取りが増えること。さらに運用で増えた分にも税金がかからないこと。そして受け取り時にも税制の優遇措置もあります」(深田さん、以下同)つまり3つの節税メリットを受けることができるのだ。iDeCoの節税効果を年収別、掛け金別、扶養家族の有無別に深田さんに試算してもらった(表1参照)。掛け金と所得が多くなるほど節税額も増えていくのがわかる。「掛け金の上限は職業などによって異なり、自営業は国民年金基金の掛け金などと合わせて6万8000円。企業年金がない会社員と専業主婦は2万3000円が上限。勤務先の企業型DCに加入している会社員は2万円、公務員やDBに加入している社員は、現在の1万2000円から2024年12月から2万円に引き上げられます」iDeCoを利用する、しないは自由で、掛け金は毎月5000円から1000円単位で設定でき、運用して増えた資産を60?75歳までの間に受け取ることができる。「iDeCoは10年間の積立期間がないと60歳から資産を引き出すことができないため50歳以降の人にはあまり勧められませんでした。ところが加入年齢が拡大されることにより、50歳を超えている人でも10年以上の長期運用が可能になりました」■70歳まで働く時代に節税効果を活用しよう現在、320万人が加入しているというiDeCo。50代以降でもメリットが出てきたことは確かだが、注意も必要だ。「おもに対象になるのは、60歳以降も再雇用で働いて厚生年金に加入している会社員や公務員です。iDeCoは、公的年金に上乗せする私的年金のひとつ。つまり公的年金にひもづいている制度です。自営業など第1号被保険者や専業主婦などの第3号被保険者は60歳になると国民年金被保険者ではなくなるので60歳以降はiDeCoに加入できません。ただし、学生時代に免除申請していたり、未払い期間があったりした人は、65歳まで国民年金に任意加入できるので、その間はiDeCoに加入できます。またパート主婦でも“収入の壁”を越えて勤め先の厚生年金に加入すればiDeCoへの加入も可能。ただし年収によっては節税効果がなくなる場合もあります」企業に65歳までの雇用が義務付けられたことによって、60歳で定年退職しても、再雇用で65歳まで働く働き方があたり前になった。現在、65~70歳までの雇用は努力義務になっているが、いずれこちらも義務化される可能性は高い。さらに、雇用義務年齢の引き上げに伴い現在65歳となっている公的年金の受給開始年齢も引き上げられる可能性も指摘されている。いずれにせよ、今の50代の人は70歳まで働く可能性を念頭においておくべきだという。そこで、配偶者を扶養している50歳の会社員が、iDeCoを利用して毎月2万円の掛け金で20年間、積立投資(年利3%で運用できたと仮定)をした場合をシミュレーションしてみた。50~59歳は年収600万円、60歳からは再雇用で年収が300万円になるとした。注目は節税効果だ。50~59歳は累計48万5000円、60~69歳は累計36万2000円と、20年で84万7000円も税金が安くなることに。さらに、20年間の運用益は176万6000円。節税分を投資や貯蓄に回していれば、合計261万3000円も老後資金が増えることになる。「節税分で、所得税については年末調節に上乗せされて戻って来ます。住民税は、翌年5月から毎月給与天引きされる税額が安くなる仕組み。この節税分はうっかりしていると浪費してしまいがち。節税額早見表を見て、手取りが増えた分は将来のために貯めたり、投資することが大切です」■長期で積み立てると、リスク軽減にiDeCoには、大きく分けると定期預金や保険などの「元本確保型」と投資商品である「投資信託」がある。「元本確保型は、低金利の現状では利回りはゼロに近く、掛け金以上の資産を増やすことは難しい。投資家から集めた資金でプロが投資・運用する投資信託がおすすめ。投資は怖いと敬遠している人もいます。たしかに景気の落ち込みなどにより一時的に元本割れしてしまう可能性がある投資信託ですが、iDeCoのように長期で積み立てた場合は、そのリスクは軽減されるといわれています」iDeCoで老後資金の不安を解消しようと思う人は、まずは金融機関を選び、加入することからスタートする。「iDeCoと銀行の積立預金が大きく違うのは手数料がかかること。その手数料には『加入時に払う』ものと『毎月払う』ものがあります。加入時に払う手数料は、国民年金基金連合会に払う2829円でどこの金融機関でも変わりません。差がつくのは、毎月払う口座管理手数料。毎月171円の共通の手数料に加えて金融機関に支払う口座管理料があり、ゼロ円から500円以上のところまであります。iDeCoは長期的に運用するため、月に数百円の差でも、積み重なれば大きく影響します。口座管理料が安い金融機関を選ぶことが大事なポイントです」iDeCoの加入年齢の拡大を機に、老後の資産形成を見直してみよう。
2024年04月15日厚生労働省は、iDeCo(個人型確定拠出年金)の積み立て期間を5年延長して70歳までにする方針を固めました。iDeCoとは、自分が払った掛け金を自分で運用し、老後の資産を作る“自分年金”の制度です。掛け金の積み立ては原則60歳未満までですが、2022年5月から働いて年金保険料を払う方は65歳未満までになっています。今後議論を重ね、2025年に法案を提出する予定です。iDeCoには3つのメリットがあります。(1)掛け金が全額所得控除になり、所得税を減らせる。(2)運用で得た利益が非課税になる。(2)60歳以降に受け取る際も税控除の仕組みがある。節税につながるメリットが強調されがちですが、当然デメリットもあります。最大のデメリットは、受け取りが60歳以降に限定されること。60歳まで勤めあげる方には問題ありませんが、勤務先の倒産やリストラなどがないとは限りません。2023年の全国企業の倒産件数は前年より約35%増えて8千690件。31年ぶりの高水準で、2024年も倒産が増えるといわれます(東京商工リサーチ)。特に自営業者は、万が一倒産したら「iCeCoで貯めている資金が使えれば……」と後悔するのではないでしょうか。もう1つ所得控除でも、全額控除を受けられる方が意外と少ないことがデメリットです。というのも、住宅ローン控除や医療費控除などで節税し、iDeCoの所得控除分全額を減らせるほど所得税を払っていない方が多いのです。iDeCoは収入が高く納税額の多い人が得をする制度といえます。■70歳までの就労機会確保が「義務」に進められる今回のiDeCo改定は、働く高齢者の増加が根拠です。65~69歳のうち働く方の割合は、2021年に50%を超え、2023年は525と徐々に増加(総務省)。「働く高齢者は収入があるから、積み立てできるだろう」というのです。背景には2021年4月に改正された「高年齢者雇用安定法」があります。これまでの「希望する社員全員を65歳まで就労させる義務」に加えて「70歳までの就労機会の確保が努力義務」になりました。今後はさらに70歳までの就労機会確保を「義務」に進め、長く働ける社会を作りたいのでしょう。それによって国は、少子高齢化による人手不足を補うことと、公的年金の財源問題も改善したいのです。公的年金の財源ひっ迫はご存じのとおり。国はパートなど短時間労働者の年金加入を拡大して年金の支え手を増やし、年金の支給額自体をマクロ経済スライドの導入で抑制しています。そのうえで、70歳まで誰もが働ける環境を作り、iDeCoなど自分で老後に備える仕組みを拡充して「公的年金の支給開始を、現在の65歳から70歳に引き上げる」ことが国の目論見でしょう。老後破綻、長生きリスクなどにおびえる方が多いなか、国は公的年金の改悪に進むのか。厳しく見守りたいと思います。
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2024年02月07日冬に向けてお菓子、日本酒やワインなども値上げされ、クリスマスやお正月などのイベントも控えジリジリと上がり続ける生活費。工夫を重ねて家族の健康を守っているそんな中、生活費が上がるままに暮らすのは不安ですね。今こそ将来に向け、思い切っておカネと向き合おうという方も多いのではないでしょうか。・満足度を下げずに暮らす方法はある?無理な節約は暮らしの楽しみや生活の満足度を下げてしまうもの。食費の工夫も大事ですが、食費以外の教育費、住宅費などそれぞれの支出を把握し、満足度を下げないよう「配分」を見直すことで心にゆとりのある暮らしが実現します。それにはプロの力を借りるのがやっぱり早道。■プロの目で生活支出を見直すとは?・ベストな「支出の配分」をプロから学ぼう食費を含めた支出を把握し、家計全体を見直して課題を発見すると、将来の安心のための投資に充てる費用が捻出できることも多いといいます。そのためにはどんなことが必要なのでしょうか。【1】将来に向けた収支を組み立てるまず食費を含めた支出を把握し、家計における改善点を見つけます。プロの考え方を学ぶ大きな意味は、将来のゴールに向けた収支(ライフプラン)を見直すことができること。ココはなかなか自分だけで考えるのは難しいもの。自分に大切な「生活の質」を手放すことなく将来の安心を形作っていく手法を学びましょう! 【2】無理なく増やせるおカネの活用法を知る収支が把握できたら、次は「増やす方法」について学びましょう。話題になっている制度改正「新NISA」と現行「iDeCo」の特徴と活用方法をはじめとしたさまざまな知識を身につけ自分にあったお金の活用方法を設計していきましょう!★こんな方に特にオススメ★・食生活は犠牲にしたくないけど将来が不安だという方。・将来の夫婦やご自身や家族、保険の事をどうしていこうか考えられている方・“2000万円問題”聞いたことはあるけれど漠然とした不安をお持ちの方・貯金が出来ずこのままではいけない。何かきっかけが欲しい!と思われている方・毎月の給与は銀行に預けたままになっている方・「NISA」「iDeCo」「確定拠出年金」聞いたことがあるがよく分からないという方・「投資」に対して興味はあるけれども不安で一歩が踏み出せない方・保険に入っているけれどもよく分からないまま持たれている方■『基礎から学ぶマネーセミナー』開催決定!◎日時:2023年11月14日(火) 20時~21時◎申込受付期間:2023年11月14日(火) 19時30分まで◎参加費:無料◎参加方法:オンライン(Zoom)※お申し込み後、メールにてご案内するURLよりご参加ください。 下記URLにアクセスしてお申し込みください ▶︎参加申し込みはこちら>> ◎セミナー内容:・賢いお金の守り方・理想の人生の設計と人生のリスクとは・豊かな暮らしを諦めないために必要なもの・資産運用の基礎知識・新NISAやイデコの制度について◎主催:アクサ生命保険株式会社◎お問い合わせ先:アクサ生命保険株式会社 市場開発部TEL 03-6737-7240(平日9:00~17:00対応) 東京都港区白金1-17-3 NBFプラチナタワーAXA-C-230922/A6K-821・オンラインなのでお気軽にご参加いただけます。・匿名やニックネームでの参加も可能です。・セミナー参加者の画像、音声は公開されません。講師からも見えませんのでご安心ください。・セミナー内での商品サービスへの勧誘は一切ありません。・セミナー後に、勧誘の連絡がくることもありませんので安心してご参加ください。(無料の個別相談にお申込みの場合は、講師より個別相談のご案内でご連絡があります)■どんな良いコトがあるの?・お金を無理なく増やす基礎が学べる・将来への漠然とした不安が解消される・2024年から始まるNISA新制度を分かりやすく解説・NISA、iDeCoのメリットとデメリットが学べる・ご希望の方には後日個別でアドバイスも可能です。「ライフプラン」作成のお手伝いなどをいたします。(もちろん無料)・講師:ライフナビパートナーズ㈱ 加藤 凌三重県生まれ、神奈川県在住。大学卒業後、大手機械メーカーに就職。外資系金融機関からヘッドハンティングを受け転職。幅広い金融業界の中で、偏った提案しかできない状況に違和感を感じ、証券、保険、不動産の取り扱いできる金融商品仲介業へと独立。年間200世帯以上からご相談頂く中で「知らないことで損をしていた」と感じられる方が多く、一人でも多くの方をお金で困らないようにサポートしたいと思い現在活動しています。3児の父親として子育て奮闘中。・講師より「わかりやすく正しい知識を」iDeCoやNISAなど運用について多くの情報が出回る中「難しそう」や「損するかもしれない」など不安なイメージを持たれる方が多く、どう選ぶべきなのかみなさん悩まれています。具体例を織り交ぜながら話していきますので、誰でもわかりやすい内容になっています。何か始めているけど不安のある方、興味はあるけれど何から始めればいいのか分からない方は必見です。今からでも決して遅くはありませんので、私がわかりやすく正しい知識をお伝えしていきます。リラックスしてセミナーにご参加ください。<過去の参加者の声>・貯金をどう活かせばよいか不安だったので、行動しようというきっかけになった。・大変為になり、ありがとうございました。教育資金に漠然と不安を抱えていたのではっきり道筋が出来ました。ライフプランを至急立てたいと思います。・教育資金が準備できている気がしないので受講してみました。・3人の子供がいるので、将来の資産運用に興味があったため参加しました。■後日の個別相談も無料!教育費、住宅ローン…やっぱりそれぞれ事情が違いますよね。そこで、セミナーに参加いただいた方に個別の無料相談が受けられるという特典も!このチャンスは見逃せません。誰にでもわかりやすく、気軽に聴けるやさしいマネーセミナー。どうぞお気軽にご参加ください。
2023年10月13日独身のころは会社で財形貯蓄をして残りは好きなだけお金を使っていました。好きな洋服を買い、年に1~2回は国内、海外旅行を満喫。貯金さえしていればいいと思っていました。しかし、結婚後、出産、子育てと怒濤(どとう)の日々を過ごし、子育てが落ち着いてきたころ、将来のお金のことを夫と話しました。この先、必要となるお金の多さにやっと気付き、本気でお金について学び、見直しをした私の体験談です。★関連記事:「子どもに苦労をかけたくない」人生100年時代!老後に備えて節約を始めたら暮らしがシンプルに教育資金こんなにかかるなんてナメていた夫と将来のお金のことについて話したとき、夫が卒業した国立大学で学費などがいくらかかったかを聞き、その金額に驚いて開いた口がふさがりませんでした。なんと学費が約250万円、ひとり暮らしの家賃が約220万円もかかったそうなのです。1人の子どもの大学進学までに準備する教育資金は、教育関連のサイトによると一般的に300万~500万円。わが家は子ども2人なので600万~1,000万円必要になるようです。そしてニュースにもなっている老後2,000万円問題……。今の生活では貯まる気がしません。銀行で定期的に貯蓄はしていますが、超低金利時代でいくらも利子が付かず、増えない状況です。このままだと子どもたちを大学へ進学させる資金や老後の資金を用意できるのかと不安になりました。これではまずいと思った私は、ヒントを求めてネットで調べ始めました。お金の勉強をしてこなかったことを大反省YouTubeでお金を解説している動画を見つけました。ただ動画視聴はとても勉強になりましたが、勉強することから離れていた私は1度見たくらいでは頭に入らず、理解ができないこともしばしば。老いのせいなのでしょうか、早いテンポの説明についていけていないのです。そこで書籍も買って勉強することに。経済的自由(生活費より資産所得が多い状態)を目指すには、生活費を減らす、資産所得を増やすこと。そうなるために貯める、稼ぐ、増やす、守る、使う、この5つの力をつけていくことが大切になるそうです。そのほかにも、株の投資やiDeCo(確定拠出年金)、生活費の見直しなどに関する書籍も読み、学び続けました。私はいろいろな本を読んで、自分がお金を貯める仕組みなどをまったく理解せず過ごしてきたこと、勉強してこなかったことを反省しました。保険をなんとなく払い続け、高いと思いながらもスマホ代を比較検討してきませんでした。ですが、私はすぐにわが家のお金の流れを夫も巻き込みながら見直していくことにしました。学んだら即実行、7つのお金の見直し私はまずはすぐできる、以下の7つのことから見直しました。1.スマホの通信費を見直す。大手キャリアから格安スマホへ変更し、月々約7,000円の節約。2.電力会社の見直し。何社か気になるところを調べて乗り換え、月々約1,000円の節約。3.たくさん加入していた保険会社の見直し。内容が重なっている保険は解約し、月々約10,000円の節約。4.住宅ローンの見直し。金利が上がる前に乗り換え、月々約10,000円の節約。5.火災保険の見直し。家を建てるときにすすめられるまま加入していた保険を乗り換え、年約30,000円の節約。6.iDeCo(確定拠出型年金)の見直し。株の勉強をして投資先を変更。マイナスに転じていた年金がプラスに好転中。7.たくさん持っていたクレジットカードも2社に集約し、ほかは解約。年会費約年3,000円の節約。お金の見直しは、正直なところ解約や乗り換えなどの手続きがとても面倒で大変でした。でも、この大変な作業を乗り越えたおかげで、年間35万円の無駄な支出を減らすことができました。iDeCoも投資先を勉強して設定したので、元金から5万円プラスになりました。まとめまだまだ現在もお金の見直しを続けています。節約できたお金で次は子どもたちの将来のためにジュニアNISAを始めること、老後のために積み立てNISAを始めようと計画中です。わが家の場合、手元にお金があると使いたくなってしまうので、iDeCoやNISAのように毎月引き落とされたほうが着実に貯まっています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。著者/Pたろー(44歳)間もなく40代後半へ。根っからのミーハー心で、これから迎える更年期もポジティブに過ごしたい。
2023年05月18日毎日の暮らしや将来に必要なお金のこと、きちんと把握してますか?「わからない」ゆえの不安は、知ることで解消できるはず!“お金初心者”3人と一緒に、お金の勉強を始めましょう。「お金の教科書」、今回のテーマは「iDeCoを始めよう!」です。iDeCoを始めよう!西山美紀さんファイナンシャルプランナー。お金、生き方などをテーマに取材を重ね、日々にうるおいをもたらしてくれるお金の貯め方、使い方を発信中。All About貯蓄ガイド。著書に『お金の増やし方』(主婦の友社)など。散財好美(さんざい・よしみ/31歳・フリーランス)5年交際中の彼と同棲中。貯めたい意思はありつつも、推し活とちょこちょこ散財する癖が抜けず、気づくと残高減。節税しながら老後資金を貯めるiDeCoとは?西山:好美さんは、老後資金対策として何かやっていますか?好美:お恥ずかしながらまったく…。でも老後2000万円問題とか聞くと不安になるので、何かやらなきゃ!と思っています。西山:そんな人にはiDeCo(個人型確定拠出年金)がおすすめですよ。好美:名前は知っていますが、あまりよくわかっていなくて(汗)。西山:iDeCoとは、自分で設定したお金を掛け金として積み立てて運用し、60歳以降に引き出せる国の私的年金制度のこと。好美:60歳までは引き出せないから、老後資金対策にぴったりだということですね!西山:そうです。でも、それ以外にもiDeCoには3つのメリットが。まず積み立てた金額が全額所得控除になること。年末調整や確定申告で税金が戻ってきます。好美:税金が還付されて手取りが増えるなんてありがたい!!西山:2つめは、つみたてNISA同様、投資で利益が出た場合の税金がかからないこと。下の表に、月1万円ずつiDeCoで積み立てた場合の節税効果のシミュレーションを載せていますが、利益が非課税になるので、普通の投資よりもお得なんです。好美:利益をまるごと老後資金にできるってことですね!西山:そして3つめが、受取時にも税制優遇があることです。受け取り方によって異なるのと上限額があるので注意が必要ですが、受取時にかかる税金の負担を抑えることができるんですよ。好美:3回もメリットがあるなんて、オイシイ制度なんですね!押さえておきたいiDeCoの注意点は?西山:ただ、注意点としては、働き方で掛け金の上限が異なること。一般的に、厚生年金制度や勤務先の年金制度がある会社員や公務員などは上限額が低く、自営業やフリーランスなど厚生年金がなく老後資金を自分で準備する必要性が高い人ほど上限額が高く設定されています。好美:働き方で異なるんですね。西山:掛け金が大きいほど掛け金の全額所得控除による節税効果は大きくなりますが、あくまで老後資金が目的の制度なので、原則60歳までは現金化できません。好美:なるほど。必要な時でも現金化できないのは要注意ですね。西山:なので結婚資金や住宅購入など、大きな出費がどれだけありそうかを考えて、必要になる預貯金を見積もったうえで無理のない金額を掛け金として設定するのがおすすめです。好美:うむむ…。悩みますね。西山:掛け金の額は年1回なら変更できるので、ライフプランに応じて変えてもいいと思います。好美:ちょっと安心しました。まずは口座を開設して、早速やってみようと思います!POINT1:所得税や住民税が減り、手取り収入アップ!積み立てた掛け金は全額所得控除になるため、節税効果が。年末調整や確定申告により、払いすぎた所得税が戻ってきたり、翌年からの住民税が減ったりする。【例】30~60歳まで月1万円を30年間、iDeCoで積み立てた場合の節税効果は?・年収300万円1年ごとに軽減される税金(所得税と住民税の軽減税)…約1万8000円30年間で軽減される税金の総額…約54万円積立総額…360万円・年収400万円1年ごとに軽減される税金(所得税と住民税の軽減税)…約1万8000円30年間で軽減される税金の総額…約54万円積立総額…360万円・年収800万円1年ごとに軽減される税金(所得税と住民税の軽減税)…約3万6000円30年間で軽減される税金の総額…約108万円積立総額…360万円※iDeCo公式サイト「かんたん税制優遇シミュレーション」にて試算。社会保険料は年収の14.39%として計算。会社員の場合。参考:『お金の増やし方』西山美紀著(主婦の友社)POINT2:利益が出た場合でも、非課税に!預貯金の利息や投資の運用益には、通常20.315%の税金がかかるが、iDeCoではすべて非課税。利益が出るのに比例して節税効果が大きくなる。【例】月1万円を30年間、iDeCoで積み立てた場合の運用での節税効果は?・元本…360万円・運用利回り1%の場合…総額約420万円、利益60万円、約12万円が節税に!・運用利回り3%の場合…総額約583万円、利益223万円、約45万円が節税に!・運用利回り5%の場合…総額約832万円、利益472万円、運用益にかかる税金(20.315%)、約96万円が節税に!※1万円未満は四捨五入。金融庁サイト「資産運用シミュレーション」にて試算。POINT3:受取時の税負担が減る!受け取り方によって異なるが、退職所得控除や公的年金等控除が受けられる。非課税になる上限額はあるものの、受取時にかかる税負担を抑えることが。※退職金の額などによっては控除が受けられない場合もあるため、退職金見込み額や受け取り方を調べておくこと。次回は、2344号(2023年4月12日発売)掲載予定です!※『anan』2023年4月5日号より。イラスト・小迎裕美子取材、文・宮尾仁美(by anan編集部)
2023年04月02日少子高齢化が進むなか、将来、年金をどれくらいもらえるか不安な人も多いのでは。iDeCoはそんな人が注目したい、私的年金制度。所得税と住民税が軽減されるなど、その特徴や注目すべきポイントとは?iDeCoのおもな特徴・老後のお金の積み立てができる。・定期預金以上にお金を増やせる可能性がある。・増えたお金から税金が引かれない。・掛け金の額により、所得税と住民税が減る。・60歳までお金を引き出せない。積立金額の上限が働き方によって変わる。iDeCoは毎月積立を行うと、60歳以降にそのお金が引き出せるという私的年金制度。「積立額は月5000円からで、上限は自営業やフリーランスが月6万8000円、会社員や公務員が月1万2000円~2万3000円(勤務先の年金制度による)と、上限のみ働き方によって変わります。iDeCoの積立では投資信託のほか、定期預金と保険も選べますが、投資信託を選んだほうが、長期で考えるとお金を増やせる可能性が高いでしょう」(ファイナンシャルプランナー・西山美紀さん)つみたてNISA同様、投資で出た利益が非課税になるうえ、積み立てた金額が全額所得控除になり、所得税と住民税が軽減されるというメリットも。「iDeCoは信託報酬以外にも手数料がかかるので、それで利益が相殺されないように月1万円以上は積み立てたほうがいいと思います。また、フリーランスは会社員より公的年金が薄いぶん、こうした制度でプラスαの年金を確保することを考えましょう」どれくらい節税できるの?【年収300万円】1年ごとに戻ってくる税金(所得税と住民税の軽減額)…約1万8000円、30年間で戻ってくる税金の合計額…約54万円【年収400万円】1年ごとに戻ってくる税金(所得税と住民税の軽減額)…約1万8000円、30年間で戻ってくる税金の合計額…約54万円【年収500万円】1年ごとに戻ってくる税金(所得税と住民税の軽減額)…約2万4000円、30年間で戻ってくる税金の合計額…約72万円30~60歳まで月1万円を30年間、iDeCoで積み立てた場合の節税効果の試算例。※iDeCo公式サイト「かんたん税制優遇シミュレーション」にて試算。社会保険料は年収の14.39%として計算。会社員の場合。参考:『お金の増やし方』(主婦の友社)始める前にチェック。iDeCoの心得月々1万円以上掛けたほうがいい。会社員よりフリーランスの人のほうが検討するべし。60歳までお金を引き出せないので要注意。投資信託を選んだ場合は元本割れのリスクがある。西山美紀さんファイナンシャルプランナー。All About 貯蓄ガイド。女性誌を中心に活動。著書に『はじめての積立投資・つみたてNISA・iDeCoもよくわかる! お金の増やし方』(主婦の友社)などがある。※『anan』2022年4月27日号より。イラスト・小迎裕美子取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2022年04月23日「4〜5月の制度改正に伴い、50代でもiDeCo(イデコ)に加入するメリットが出てきました。運用次第でもらえる年金額を年50万円以上増やせる可能性もあります」そう話すのは、『1時間でわかるiDeCo〜50代から始める安心投資』(技術評論社)の著書もある確定拠出年金創造機構代表の野原亮さん。50代に突入すると、老後の年金生活がにわかに現実味を帯びる。今、「将来の年金が少ない」と不安に感じる主婦やフリーランス女性は、自分で積み立て運用する私的年金「iDeCo」への加入に興味を示しているという。「iDeCoは、自分で設定した金額で投信を選ぶ『積み立て』です。利点は、運用して増えても『非課税』であること。さらに積み立てた掛金は所得控除が受けられ、『節税効果』もあります。法改正で加入できる年齢が60歳から65歳未満となり、期間が長くなった分だけ長期運用できるので、年金を増やすラストチャンスです」(野原さん・以下同)さっそく始めたい!と思った人は、まずは口座開設から。「三菱やみずほなどのメガバンクや都市銀行、地方銀行、証券会社など選択肢がありますが、店舗のある金融機関であれば窓口で相談してみましょう。ネットを使えるなら、証券会社の楽天、SBI、マネックスが扱う商品数も多くおすすめです」ステップは、〈1〉運用する金融機関を決定、〈2〉iDeCo専用口座を開設、〈3〉運用商品を選ぶ、と簡単。そこで、「どれを選んだら?」という人向けに野原さんが「堅実派」「夢見る派」向けにおすすめ商品をセレクトした。■堅実派【「お金」に対する考え】老後資金のため元本は減らしたくない激しい値動きより安定感ローリスクで堅実に増やしたい1〜3%くらいの利回りがあればうれしい【iDeCoの商品を選ぶなら】全世界株式を1点買いし長期保有。世界中にある投資可能な市場をカバーする、究極の分散投資につながる銘柄を選べば、あまり注視せず持っていられる。【野原さんイチ推し銘柄】SBI・全世界株式 インデックス・ファンド(雪だるま〈全世界株式〉)楽天・全世界株式 インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド〈全世界株式〉)■夢見る派【「お金」に対する考え】余剰金をさらに増やしたい値動きを見て一喜一憂も辞さずリスクを取っても一獲千金を夢見る資金が2倍以上になるとうれしい【iDeCoの商品を選ぶなら】「日本株」「先進国株」「新興国株」に分散投資。日本の東証一部上場企業、米有名企業500銘柄で構成された投信、期待される新興国市場の投信など、リスクの異なる銘柄3〜5本以上を組み合わせて運用すると、変動が楽しめる。【野原さんイチ推し銘柄】日本株式 eMAXIS SIim国内株式(TOPIX)ニッセイ日経平均 インデックスファンド先進国株式 eMAXIS SIim米国株式(S&P500)新興国株式 eMAXIS SIim新興国株式インデックス※取扱い金融機関:SBI、楽天、マネックス、都銀、地銀など。扱う商品は金融機関により若干異なる。開設した金融機関でこれらの銘柄を扱っていなかったら 、類似銘柄はどれか尋ねてみよう。「資金が少額の人や、ほったらかしておきたい人は『堅実派』が賢明だと思います」今回「堅実派」には、全世界のファンドを集めた投信2本を推奨。「投資の鉄則は分散投資ですが、堅実派向けの全世界型は究極の分散投資。どちらかというとSBIの『雪だるま』のほうが、よりきめ細かく世界中をカバーしています」一方、「夢見る派」はどうか。「投資先のおすすめは『先進国』『新興国』『日本』。「低コスト」であることを基準に3〜5本程度を組み合わせることを推奨します」個別に推奨銘柄を見ていくと『eMAXIS Slim』(イーマクシス・スリム)が多いが「これは三菱UFJグループが売り出した投信で、低コストブランドで断トツ人気のシリーズです」と野原さんは絶賛する。「未来を見据えて、人口減の『日本』よりは、世界をけん引する『米国株』、成長が期待できる『新興国』の比重を多くすると、ややリスクは取ることになりますがリターンもその分期待できるでしょう」途中で商品を替えたり、掛金を増減することも可能。そのためには世界のニュースに興味をもっておくことも大切、と野原さん。メリットはさまざまありそうなiDeCoだが、まずは無理のない金額で。
2022年03月11日独身のころは会社で財形貯蓄をして残りは好きなだけお金を使って過ごしていました。好きな洋服を買い、年に1~2回は国内、海外旅行を満喫。お金について学ぶこともなく、貯金さえしていればいいと思っていました。しかし、結婚後、出産、子育てと怒涛の日々を過ごし、子育てが落ち着いてきたころ、将来のお金のことを夫と話しました。この先、必要となるお金の多さにやっと気付き、本気でお金について学び、見直しをした私の体験談です。教育資金こんなにかかるなんてナメていた夫と将来のお金のことについて話したとき、夫が卒業した国立大学で学費などがいくらかかったかを聞き、その金額に驚いて開いた口がふさがりませんでした。なんと学費が約250万円、ひとり暮らしの家賃が約220万円もかかったそうなのです。1人の子どもの大学進学までに準備する教育資金は、教育関連のサイトによると一般的に300万~500万円。わが家は子ども2人なので600万~1,000万円必要になるようです。そしてニュースにもなっている老後2,000万円問題……。今の生活では貯まる気がしません。銀行で定期的に貯蓄はしていますが、超低金利時代でいくらも利子が付かず、増えない状況です。このままだと子どもたちを大学へ進学させる資金や老後の資金を用意できるのかと不安になりました。これではまずいと思った私は、ヒントを求めてネットで調べ、ある人にたどり着きました。YouTubeなどでも活躍中の両@リベ大学長さんです。高校在学中に企業され、今は「日本一自由な会社」の社長をされているとのこと。早速YouTubeを視聴したら、お金のことなどわかりやすく説明されていました。私は学長の動画でお金の勉強を始めました。お金の勉強をしてこなかったことを大反省動画視聴はとても勉強になりましたが、勉強することから離れていた私は1度見たくらいでは頭に入らず、理解ができないこともしばしば。老いのせいなのでしょうか、早いテンポの説明についていけていないのです。とても勉強になる動画なのに、困ったことになりました。しかしとても良いタイミングで、学長さんが朝日新聞出版から『本当の自由を手に入れるお金の大学』を出版。私はすぐさまその本を購入し、改めて勉強し始めました。経済的自由(生活費より資産所得が多い状態)を目指すには、生活費を減らす、資産所得を増やすこと。そうなるために貯める、稼ぐ、増やす、守る、使う、この5つの力をつけていくことが大切になるそうです。そのほかにも、株の投資やiDeCo(確定拠出年金)、生活費の見直しなどに関する書籍も読み、学び続けました。私はいろいろな本を読んで、自分がお金を貯める仕組みなどをまったく理解せず過ごしてきたこと、勉強してこなかったことを反省しました。保険をなんとなく払い続け、高いと思いながらもスマホ代を比較検討してきませんでした。ですが、私はすぐにわが家のお金の流れを夫も巻き込みながら見直していくことにしました。学んだら即実行、7つのお金の見直し私はまずはすぐできる、以下の7つのことから見直しました。1.スマホの通信費を見直す。大手キャリアから格安スマホへ変更し、月々約7,000円の節約。2.電力会社の見直し。何社か気になるところを調べて乗り換え、月々約1,000円の節約。3.たくさん加入していた保険会社の見直し。内容が重なっている保険は解約し、月々約10,000円の節約。4.住宅ローンの見直し。金利が上がる前に乗り換え、月々約10,000円の節約。5.火災保険の見直し。家を建てるときにすすめられるまま加入していた保険を乗り換え、年約30,000円の節約。6.iDeCo(確定拠出型年金)の見直し。株の勉強をして投資先を変更。マイナスに転じていた年金がプラスに好転中。7.たくさん持っていたクレジットカードも2社に集約し、ほかは解約。年会費約年3,000円の節約。お金の見直しは、正直なところ解約や乗り換えなどの手続きがとても面倒で大変でした。でも、この大変な作業を乗り越えたおかげで、年間35万円の無駄な支出を減らすことができました。iDeCoも投資先を勉強して設定したので、元金から5万円プラスになりました。まとめまだまだ現在もお金の見直しを続けています。節約できたお金で次は子どもたちの将来のためにジュニアNISAを始めること、老後のために積み立てNISAを始めようと計画中です。わが家の場合、手元にお金があると使いたくなってしまうので、iDeCoやNISAのように毎月引き落とされたほうが着実に貯まっています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。★関連記事:子どもがいない私たち、お墓と持ち家は将来どうするべきなの?【体験談】★関連記事:子どもの手が離れ出すころ。50歳でペットを飼うために知っておきたい3つのこと【体験談】★夫が急死でお気楽生活が一変!節約と収入源…今後の人生を考えた【体験談】著者/Pたろー(43歳)間もなく40代後半へ。根っからのミーハー心で、これから迎える更年期もポジティブに過ごしたい。
2021年11月03日「iDeCoとは自分のための年金を自分で積み立てる制度。自分で掛け金を出して運用することで資産を増やし、60歳以降に受け取ることができるのです。掛け金は、全額所得控除されるため、毎年の所得税や住民税が安くなります。さらに通常の投資や預金では、利息等の利益に対して約20%もの税金が課せられますが、それも非課税。受け取り時にも税制優遇があります」そう語るのは、これまで2万3,000件以上の家計相談をしてきた「家計再生コンサルタント」の横山光昭さん。iDeCoを難しいと感じている人も多いが、一度始めれば基本的には引き出すタイミングまで放置すればよいという。そこで、横山さんにiDeCoを始める際のポイントを教えてもらった。「iDeCoを始めるには、金融機関で専用の口座を作る必要があります。その際に、重要なのが金融機関選び。銀行や証券会社など店舗での申し込みは避け、手数料や口座管理料が安いネット証券を選んでください。SBI証券・楽天証券・マネックス証券などがおすすめです」積み立てる掛け金の額は自分で決めることができる。「掛け金は、毎月5,000円から1,000円単位で設定できます。ただし、掛け金の上限は、職業によって違うので事前に確認を。自営業者などは上限月6万8,000円。専業主婦(夫)は月2万3,000円。会社員は、企業の年金制度により月1万2,000〜3,000円と異なります」■FPおすすめの投資信託銘柄8選さらに、横山さんに楽天証券・SBI証券で買えるおすすめ商品とその組み合わせ方を教えてもらった。「iDeCoで選べる商品のなかには、元本が確保される保険や定期預金もありますが、超低金利時代の今、これらの商品で資産を増やすのは難しいでしょう。必ず投資信託を選んでください。景気の落ち込みなどにより、一時的に元本割れしてしまう可能性もある投資信託ですが、長期で積み立てた場合そのリスクはほとんどないといわれています」よくわからないけど、とりあえず始めたいという人は、全世界型株式だけを購入すればよいという。利率は大体3%程度になるのでは横山さん。「ビギナーの方は『全世界型株式』商品を1つ買っておけば大丈夫です。アップルやマイクロソフトをはじめ世界中の優秀な企業株が入っています。世界中の株を反映するので、リスク分散ができます」リスクを取りつつも、より多くのリターンを得たいという人は、複数種類の株式を組み合わせて、と横山さん。「一時的な値下がりのリスクをとってでも、ハイリターンを求めるなら、『全世界型株式』に加え、日本を含む先進国の企業株を集めた『先進国株式』や、インド、中国、ロシアなどの企業株を集めた『新興国株式』、米国株だけの『米国株式』などを組み合わせて購入するのがおすすめです」全体の3割を全世界型株式に、残りを先進国株式:米国株式:新興国株式=1:2:1で配分するとよいという。この場合、4〜5%の程の利率になると横山さんは予測する。iDeCoを活用して、老後の不安をすこしでも解消しよう!
2021年06月04日「’22年の春から、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入対象者が広がります。50代の人が、老後資金を増やす最後のチャンス。ぜひ活用してください」そう指摘するのは、これまで2万3,000件以上の家計相談をしてきた「家計再生コンサルタント」の横山光昭さんだ。そもそも、iDeCoとはどのような制度なのだろうか。「iDeCoとは自分のための年金を自分で積み立てる制度。自分で掛け金を出して運用することで資産を増やし、60歳以降に受け取ることができるのです。掛け金は、全額所得控除されるため、毎年の所得税や住民税が安くなります。さらに通常の投資や預金では、利息等の利益に対して約20%もの税金が課せられますが、それも非課税。受け取り時にも税制優遇があります」加入者は’18年3月の85.37万人から’21年3月には193.9万人と、年々増加している。来年行われる改正の1つは、これまで60歳未満だった加入年齢が65歳まで延長となることだ。表をみてほしい。「主な対象は60歳以降も再雇用などで働いて厚生年金に加入している、会社員や公務員。自営業者などの第1号被保険者や専業主婦などの第3号被保険者は60歳になると国民年金被保険者でなくなるため、改正法が施行された後も60歳以降iDeCoに加入することはできません。ただし、学生時代などに免除申請をしていたり、未払い期間があったりなどの理由で、60歳以降も国民年金に任意加入している間は、iDeCoに加入できます」さらに、現在60歳から70歳までの間で選べる年金の受け取り開始時期が、75歳まで延長される。「掛け金を積み立てられるのは最長65歳までですが、運用自体は受け取るまで続けられるので、利益を増やすことができます」
2021年06月04日iDeCoって難しそうだし、投資は怖いし、今さら遅い……それらはすべて過去の話。制度改正で、だいぶやりやすくなるんですーー。「’22年の春から、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入対象者が広がります。50代の人が、老後資金を増やす最後のチャンス。ぜひ活用してください」そう指摘するのは、これまで2万3,000件以上の家計相談をしてきた「家計再生コンサルタント」の横山光昭さんだ。そもそも、iDeCoとはどのような制度なのだろうか。「iDeCoとは自分のための年金を自分で積み立てる制度。自分で掛け金を出して運用することで資産を増やし、60歳以降に受け取ることができるのです。掛け金は、全額所得控除されるため、毎年の所得税や住民税が安くなります。さらに通常の投資や預金では、利息等の利益に対して約20%もの税金が課せられますが、それも非課税。受け取り時にも税制優遇があります」加入者は’18年3月の85.37万人から’21年3月には193.9万人と、年々増加している。来年行われる改正の1つは、これまで60歳未満だった加入年齢が65歳まで延長となることだ。さらに、現在60歳から70歳までの間で選べる年金の受け取り開始時期が、75歳まで延長される。「掛け金を積み立てられるのは最長65歳までですが、運用自体は受け取るまで続けられるので、利益を増やすことができます」■50歳夫婦の場合をシミュレーション!今回は、50歳の夫婦がiDeCoをスタートして、65歳まで続けた場合をシミュレーションしてみた。<条件>専業主婦の妻(50)が60歳以降2年間の任意加入を行い、月2.3万円を12年拠出。会社員の夫(50)が65歳まで働き、月2.3万円を15年拠出。■年利3%の場合〈妻〉元本331.2万円+収益66.8万円+36.9万円※1〈夫〉元本414万円+収益108万円+節税124.2万円※2=1081.1万円iDeCoの活用で貯蓄に比べ、335.9万円プラスに!■年利5%の場合〈妻〉元本331.2万円+収益121.4万円+71.4万円※1〈夫〉元本414万円+収益200.7万円+節税124.2万円※2=1,262.9万円iDeCoの活用で貯蓄に比べ、517.7万円プラスに!※1:62歳までの資産をその後3年間運用した場合の利益。※2:かんたん税制優遇シミュレーションで、年収700万円の場合の試算結果。同じ金額を銀行に預金しても、資産はほとんど増えないのに対し、iDeCoは節税分も貯蓄にまわせば年利3%の商品でも約335万円、年利5%の商品なら約517万円も資産を増やすことができるのだ。これからは、年金も自分で積み立てて作る時代。老後の安心を作るのは今の自分の行動だ。
2021年06月04日「人生100年時代」といわれる中で、老後の生活資金に漠然とした不安を抱えていながらも、「どうやって準備すれば良いんだろう?」と悩んでいる人は少なくありません。そんな人におすすめな貯蓄方法として、確定拠出年金iDeCoへの注目が高まっています。この記事では、「iDeCoは聞いたことはあるけど、なんだか難しそう」と考えている人に向けて、iDeCoの仕組みやメリット、始め方や必要な書類について解説します。制度の仕組みを正しく理解して、自身の老後生活に向けた準備を着実に進めていきましょう。確定拠出年金iDeCoって何?誰でも始められる個人型の確定拠出年金iDeCoとは、老後の生活資金のために自分で準備する私的年金制度のことです。毎月一定額を積み立て(拠出して)、定期預金や保険・投資信託などの金融商品を自分で選んで運用し、将来年金または一時金で受け取る仕組みです。iDeCoは日本在住の20歳以上から60歳未満の人であれば、原則として誰でも始めることができます。そもそも確定拠出年金とは2001年に開始されたもので、公的年金の上乗せとして、自分で掛金を運用して資産をつくっていく制度のことです。それまでは企業にとって社員に向けた退職金準備という意義が強かった制度ですが、2017年1月から加入の対象が公務員やアルバイト・専業主婦などにも幅広く拡大し、個人向けの確定拠出年金としてiDeCoの名が世に広く広まるようになりました。iDeCoが必要とされる理由厚生労働省の「簡易生命表(平成28年)」によると、65歳時の平均余命年数(あと何年生きるか?)は、男性で19.55歳、女性で24.38年となっています。65歳でリタイヤし就労収入がゼロになってからも、あと20年~25年は老後生活が待っています。また、総務省の「家計調査年報(平成28年)」によると、65歳以上の無職世帯の1か月あたりの生活において、実収入から税金・社会保険料を差し引いた可処分所得が約18.3万円に対し、食費や住宅費などの消費支出は約23.8万円とされています。つまり、1ヶ月あたり約5.5万円が不足している計算になります。これはあくまでも平均値であり、全ての世帯に同じことがいえるとは限りませんが、老後に向けた生活資金の貯蓄はあらゆる人に必要です。将来に向けて資金を準備する手段として、誰でも取り入れることができる仕組みがiDeCoです。iDeCoには3つの税制メリットがあるiDeCoが選ばれる理由は、3つの税制メリットにあります。掛金の全額が所得控除の対象になる運用によって得られた利益は非課税になる受け取りの際に税制優遇がある1:掛金の全額が所得控除の対象になるiDeCoで積立を行う月々の掛金は、全額を所得から控除することが可能です。掛金は小規模企業共済等掛金控除の対象となり、確定申告や年末調整にて申告をすることで課税所得額を抑えられ、所得税の負担を減らすことができます。2:運用によって得られた利益は非課税になる株式や投資信託によって得られた運用益には、通常であれば20.315%の税金がかかりますが、iDeCoで得た運用益は非課税となります。運用によって得られた利益をそのまま次の運用に回すことができ、利益がさらに次の利益を生む複利の効果が得られます。3:受け取りの際に税制優遇があるiDeCoは60歳以降で受け取る際に、年金で受け取るか、一括で受け取るかを選択できます。年金で受け取る場合は公的年金等控除が適用され、公的年金などの収入と合算した金額が年間60万円(65歳以上は110万円)までは税金がかかりません。一括で受け取る場合は退職所得控除が適用され、加入年数に応じて所得控除が受けられます。例えば40歳から60歳までの20年間積み立てた場合、所得控除額は800万円となるため、受取額が800万円以下であれば税金はかかりません。iDeCoは月々5,000円からでも始められる収入の事情により、毎月そこまで大きな金額を貯蓄できない人でも、iDeCoは毎月5,000円から開始できます。それ以上は1,000円単位で上乗せしていくことができるため、自身の収入に合わせて積立金額を設定できます。掛金は申し込み時に設定しますが、変更は年に1回のみ可能です。個人年金保険などの保険商品と異なり、掛金拠出の休止や再開はいつでも可能です。金銭事情によってその月の積立が困難な場合、保険であれば一定期間支払いがなければ契約は失効してしまいますが、iDeCoの場合は未納扱いとはなるものの、強制的に解除されることはありません。iDeCoに加入するときの注意点老後の生活資金のために有効な手段であるiDeCoですが、加入を検討する上で注意すべきポイントがあります。税制優遇のメリットは確かに大きいですが、同時にデメリットと捉えられる点もありますので、十分に把握した上で加入を検討しましょう。iDeCoの加入条件会社員・公務員・アルバイトでも加入できるiDeCoは、日本在住で20歳以上60歳未満かつ公的年金に加入している人なら加入できます。職業に関する加入制限もなく、自営業者・会社員・公務員・学生や主婦などどんな人でも加入は可能です。しかし、自営業者で国民年金保険料の全額または一部免除を受けている人や、学生で保険料猶予を受けている人などは加入できないため、注意が必要です。また、加入条件の幅は広いですが、それぞれの職業に応じて拠出できる上限金額があります。将来に向けた貯蓄としてメリットも多いiDeCoですが、その恩恵を受けられる金額にも上限があるため、他の制度と組み合わせながら上手に活用しましょう。60歳までは引き出せないiDeCoは老後の生活資金として活用することを目的にした貯蓄であるため、60歳までは引き出すことができません。また60歳で引き出すためには、10年以上加入していることが条件になります。つまり、60歳時点で加入している期間が5年だった場合は、65歳まで引き出すことができません。毎月の掛金の拠出が難しくなったとしても、死亡した場合や障害状態になった場合以外は原則として中途解約できません。年に1回は掛金の変更が可能ですが、毎月の負担は無理のない程度で設定することが重要です。運用リスクは自己責任iDeCoは毎月拠出する掛金を投資・運用する商品です。よってその運用成果は、市場環境によって変動します。運用が上手くいけば高い収益を得ることができますが、市場環境の動向によっては元本を下回ってしまうリスクもあります。そのリスクは全て自己責任です。iDeCoの運用先として指定する商品には、顧客のリスク許容度に応じて、元本確保タイプや価格変動タイプなど様々な種類があります。運用先は途中で変更することも可能ですが、自身のリスク耐性に応じた運用商品選びが重要となります。iDeCoの加入方法・手続きの流れ(必要書類など)iDeCoの加入方法や手続きの流れ、必要な書類などを解説します。いざ始めようと思っても、手続きが完了するまでに1~2か月間の期間を要します。あらかじめ手順を把握し、円滑にスタートできるよう事前に準備しておきましょう。[adsense_middle]iDeCoの加入手続きの流れiDeCoの加入手続きの流れは、以下の通りです。金融機関を決める掛金を決める運用商品を決める加入申込書を記入する勤務先の事業主証明書を入手する(会社員・公務員の場合)必要書類を提出し、国民年金基金連合会の審査を受ける1:金融機関を決めるiDeCoに加入しようと思ったら、まずは専用口座を開設するための金融機関を選びます。銀行や証券会社・保険会社など、様々な金融機関でiDeCo専用口座の取り扱いを行っていますので、自分の使い勝手の良い金融機関を選びましょう。iDeCoを開始するには以下のような手数料がかかります。この手数料は取り扱い金融機関によって異なるため、手数料を比較して金融機関を選ぶのもポイントです。口座開設にかかる手数料口座維持管理に必要な手数料運用に必要な手数料2:掛金を決める毎月積立を行っていく金額を設定します。月々5,000円から1,000円単位で設定可能ですが、毎月の生活を圧迫しないよう無理のない金額で継続することが重要です。3:運用商品を決める選定した金融機関の運用商品ラインナップの中から、自身のリスク耐性に合わせた運用商品を選択します。運用リスクは自己責任となるため、慎重な選定を心掛けましょう。4:加入申込書を記入する加入申込書に必要事項を記入し提出します。加入申込書は金融機関の窓口で受け取るか、電話での依頼、または金融機関のウェブサイトから郵送で手配することが可能です。5:勤務先の事業主証明書を入手する(会社員・公務員の場合)会社員や公務員の人は、「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」を勤務先の事業主に記入してもらい、申込書と一緒に提出します。6:必要書類を提出し、国民年金基金連合会の審査を受ける加入希望者から提出された書類は、金融機関からiDeCoを統括する国民年金基金連合会に送られ、審査を受けることになります。審査に合格すれば、金融機関から口座開設のお知らせが、国民年金基金連合会からは加入資格確認結果通知が届き、加入手続きが完了します。iDeCo口座開設に必要な書類は2つiDeCoの口座開設において準備しなければいけない必要書類は、大きく分けて2つあります。加入申込書(金融機関から手配)事業主の証明書(会社員・公務員の場合のみ)1:加入申込書iDeCo口座を開設する金融機関にて入手する書類一式です。申し込みの際は必要事項を記入して提出します。加入申込書には基礎年金番号の記載欄があり、年金手帳から転記する必要があるため事前に準備しておきましょう。また、以前に企業型確定拠出年金に加入していた人は、個人別管理資産移換依頼書の提出が必要です。2:事業主の証明書会社員や公務員の場合のみ提出が必要な書類です。自営業者やアルバイト・専業主婦の人は提出の必要はありません。加入申込書一式に入っている「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」を、勤務先の総務部などの担当部署に依頼し、事業主の証明をもらう必要があります。事業主の事情によって証明書の受け取りに時間を要する場合も考えられますので、書類が手元に届き次第、早めの依頼を行いましょう。確定拠出年金iDeCoの始め方に関するまとめ老後の生活資金を準備するための有効な手段として注目が集まっているiDeCoですが、加入方法は決して難しいものではありません。将来に向けて貯蓄しながら、税制優遇のメリットが得られるiDeCoを上手に活用し、老後への不安を安心に変えましょう。
2021年03月18日老後資金の準備を行うための制度・iDeCoでの資産形成は、原則途中でやめることができません。これまで積み立てたお金を一時金として引き出したい場合、例外的に認められることもありますが、その条件は厳しいものとなっています。ただ、家計状況の変化に合わせて、毎月の掛金を減らしたり入金を停止したりすることは可能です。iDeCoの解約や掛金の見直しをする際のポイントについてご紹介します。iDeCo(イデコ)を解約するための条件は?iDeCoは60歳以降、受給年齢になるまではお金を引き出すことができません。老後資金を準備するために税制優遇措置が取られている制度であるため、自由に引き出しができない仕組みになっています。ただ、加入者に万が一のことがあった場合や一部条件に当てはまる場合のみ、一時金としてこれまで積み立ててきたお金を受け取ることができます。やむを得ない場合のみ解約できるiDeCoを解約し、積み立てていたお金を受け取るための条件は次の通りです。加入者の状態受給できるお金受給できる人亡くなった死亡一時金遺族高度障害者になった障害一時金または障害年金加入者一定条件を満たした(※条件は後述)脱退一時金加入者これまで積み立ててきたお金を受け取れるのは、加入者にやむを得ない事情が発生した場合のみとなっています。加入者が他界した場合は解約扱いとなり、死亡一時金が遺族に支払われます。一方、加入者本人が受け取れるお金には、障害給付金と脱退一時金の2種類があります。障害給付金とは、iDeCo加入者が病気や怪我などにより障害を負った場合に、障害給付金を一時金または年金として受け取ることができるものです。そして脱退一時金とは、次の項目でご紹介する条件すべてに当てはまる場合に受け取ることができます。脱退一時金を受け取れる条件とはiDeCo加入者が脱退一時金を受け取るための条件には、どのようなものがあるのでしょうか。個人型確定拠出年金iDeCoの公式ホームページには、次の5項目が挙げられています。これらすべての条件を満たすと、脱退一時金を受け取ることができます。1.国民年金の第1号被保険者のうち、国民年金保険料の全額免除又は一部免除、もしくは納付猶予を受けている方2.確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではないこと3.通算拠出期間が3年以下、又は個人別管理資産が25万円以下であること4.最後に企業型確定拠出年金又は個人型拠出年金(iDeCo)の加入者の資格を喪失した日から2年以内であること5.企業型確定拠出年金の資格喪失時に脱退一時金を受給していないこと※1.の要件は、日本国の国民年金保険料の免除を受けていることが必要であり、外国籍の方が帰国後に国民年金の加入資格がなくなった場合は、これに該当しません。それぞれの項目について、もう少し噛み砕いて解説します。条件①国民年金の第1号被保険者で保険料免除・猶予を受けている方国民年金の第1号被保険者とは、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の方のうち、自営業者、農業・漁業者、学生、無職の方、そしてこれらの方々の配偶者を指します。これらに該当し、国民年金保険料の支払いを免除または猶予されている方がこの条件に該当します。条件②障害給付金を受け取る権利を保有していない方受給権者とは、給付を受ける権利を保有している方のことを指します。確定拠出年金の障害給付金を受給できる権利を持っていない方がこの条件に該当します。条件③掛金の支払いが通算3年以下、またはiDeCoの資産合計が25万円以下の方iDeCoの掛金を支払っている期間が通算で3年以下の方、または加入者が積み立てた資産の合計金額が25万円以下の方がこの条件に該当します。条件④企業型または個人型確定拠出年金の加入者資格を喪失後2年以内の方勤務先で加入していた企業型確定拠出年金、または自分で加入した個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者資格を喪失した日から2年以内であれば、この条件に該当します。条件⑤退職・転職した際、企業型確定拠出年金から脱退一時金を受け取っていない方60歳になる前に企業を退職したり転職したりすると、企業型確定拠出年金の加入者資格を喪失します。その際、脱退一時金を受け取っていない方がこの条件に該当します。2022年5月以降は脱退一時金の受給条件が緩和される方針ご紹介した5つの条件すべてに当てはまらないといけない、というのは少し厳しく感じるかもしれません。ただ、iDeCoは加入者にとってより利用しやすいものとなるよう、条件の見直しが適宜行われています。たとえば2022年5月以降、脱退一時金の受給条件が新たに加わることが決まっています。国民年金の被保険者に該当しない方で掛金支払い期間が通算して短い方、iDeCoの積み立て資産額が少額の方など、要件が追加される予定です。iDeCo(イデコ)の掛金が支払えない場合の手続きは?将来に備えるべくiDeCoに加入したものの、時が経つにつれ家計状況が変わり、毎月の掛金を支払うことが難しくなってしまったという方もいらっしゃるかもしれません。掛金の捻出が厳しいからという理由でiDeCoの解約を検討している場合、解約以外の方法で運用を続けることが可能です。脱退一時金の受給条件に該当しない方も多くいらっしゃると思いますので、次にご紹介する2つの方法を検討してみましょう。[adsense_middle]方法①iDeCoの掛金支払いを減額する現在の掛金から1,000円単位で減額することが可能です。毎月の最低掛金額は5,000円となっています。月5,000円であれば続けられる、という方は減額の手続きをとりましょう。ただし、この手続きができるのは年1回だけですので注意が必要です。iDeCoに加入した金融機関に必要書類を提出することで、掛金の減額を指示することができます。その後、掛金を増額したい場合は加入した金融機関にて再度手続きを行います。方法②iDeCoの掛金支払いを停止して資産運用のみ続ける月々5,000円の積み立ても難しいという場合は、積み立てを停止するという方法もあります。毎月の積み立てはストップしますが、これまで積み立ててきた資産の運用は継続します。手続きは加入先の金融機関にて書類を提出します。掛金の引き落としが停止になった後は運用指示者となり、積み立て資産の運用を引き続き行うことができます。その手数料として毎月66円がかかります。停止後は所得税の税制優遇を受けることができません。また、積み立てを再開する場合にはもう一度加入手続きを行う必要があります。減額に比べてiDeCoの制度を利用するメリット自体が失われることにもなりますので、停止の手続きをする前によく検討してみましょう。家計を見直すことで掛金分を捻出できることもiDeCoの解約、減額や停止を考える際には、家計の見直しもセットで行うことをおすすめします。短期的にiDeCoの良さを感じられないとしても、数十年先を視野に入れたライフプランを立ててみると、老後資金をコツコツ準備していく必要性が実感できると思います。特にiDeCoは毎月自動でお金を積み立ててくれるのはもちろん、所得税や住民税の税制優遇を受けられたり、運用益が全額非課税になったりするという利点があります。そして何よりも、資産運用は時間をかけられた分だけ利益を得られる可能性も高まります。日々のお金の使い方を少し見直してみることで掛金分を捻出できるかもしれません。たとえば下記のポイントをチェックしてみましょう。あまり利用していないサブスクリプション(定期購読・年間利用)はありませんか?携帯電話の基本料金や格安スマホへの乗り換えを検討できませんか?光熱費を見直せませんか?(使い方、他のサービス提供者への乗り換えの検討など)なんとなく銀行の普通預金・定期預金に預けたままになっているお金はありませんか?iDeCo(イデコ)を解約したいと思ったらiDeCoを途中でやめたいと思ったときには、まず掛金の減額や停止を検討しましょう。原則としてiDeCoは解約できない制度となっており、たとえ掛金の支払いを停止しても積み立て資産の運用は続きます。加入者が死亡した場合や障害を負った場合、条件に該当する場合は脱退一時金もしくは年金として受け取れることもありますが、レアなケースと言えます。じっくり老後の資金準備をすることは、安心して年齢を重ねるためにはとても大切なことです。iDeCoをなんらかの形で継続・活用できないか、ということをまずは考えていただけたらと思います。
2021年01月18日というと価格変動する金融商品で運用するイメージがあり、手を出すのが恐いと感じられている方もいらっしゃるかもしれません。そのような方の中には、元本確保型の金融商品である定期預金でiDeCoを始めようとされている方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、iDeCoで定期預金を選ぶメリットとデメリットについて、変動商品である投資信託と比較しながら書いてみたいと思います。そもそもiDeCoとは?iDeCo公式サイトiDeCoを利用するメリット・デメリット、企業型との違いiDeCoで定期預金を選ぶメリットとデメリットについて考えるには、iDeCoそのものを利用するメリットおよびデメリットにどんなものがあるかの知識が必要になります。そこでまずは、当該制度のメリット・デメリットをそれぞれ分けて解説いたします。iDeCoを利用するメリットiDeCoを利用するメリットにはさまざまなものがありますが、大切なのは以下の2点です。(1)3つの節税の仕組みがあるiDeCoには「積立時、運用時、受け取り時」の3つ段階でそれぞれ節税機能があります。積立金額は所得控除となり、運用益は本来20%ほどかかる税金がかからず、受け取り時にも退職所得控除等が適用されます。老後のための資金というと、老後にならないと恩恵を受けられないと思われがちですが、積立時にも節税メリットがあるため、現役時代からその恩恵を受けることができます。(2)自分で運営管理機関と運用商品を選べるiDeCoでは加入者が自ら資金を積み立てる運営管理機関(金融機関等)を選べ、積み立てる商品についても、選んだ運営管理機関が用意する金融商品から自由に選ぶことができます。企業型確定拠出年金の場合、企業によって運営管理機関が決まっており、選べる商品もその範囲内でしか選べないため、iDeCoのほうがより自由度が高い資産運用ができるといえます。iDeCoを利用するデメリット同じくiDeCoを利用するデメリットにもさまざまなものがありますが、最低限理解しておく必要のある事項は以下の2点です。(1)さまざまなコストがかかり、その中身が複雑iDeCoには節税機能がある一方で、さまざまな場面で手数料がかかります。運用時には運営管理機関に支払う手数料とは別に、国民年金基金連合会と信託銀行に合計171円の手数料が毎月かかります。さらには投資信託で運用をしていれば、運用時に個々の商品ごとに一定の信託報酬がかかります。(2)企業型よりもコストがかかるiDeCoは企業型確定拠出年金よりもコストがかかります。企業型の場合は、前述の運営管理機関や国民年金基金連合会と信託銀行に支払う手数料はかかりません。iDeCoの場合、運営管理機関手数料が無料の金融機関もありますが、国民年金基金連合会と信託銀行に支払う手数料は無料とはなりません。ですので、少なくとも毎月171円はiDeCoのほうが高いコストを払っていることになります。iDeCoで定期預金を購入するメリット・デメリットiDeCo公式サイト(2)運用に失敗する可能性が低い定期預金は元本保証ではないものの元本確保型の商品であるため、定期預金を取り扱う銀行の経営状況が危うくならない限り、ほぼ確実に利息がつきます。お金を増やすという意味でほとんど増えることはありませんが、その一方で元本を割れる可能性が非常に低いので、心理的にも安心して運用することが可能です。iDeCoで定期預金を購入するデメリットiDeCoで定期預金を購入するデメリットをまとめると、お金を積極的に増やせないことと利用時の自由度の低さです。その観点から以下3つの点を説明いたします。(1)毎月かかるコストを金利で賄えないiDeCoは前述のとおり、毎月最低171円の手数料がかかります。仮に100万円を定期預金として持っていた場合、1年間の利息は10~20円程度しかつきません。とすると、元本の安全性重視で定期預金にしたにも関わらず、逆に元本を割り込んでしまうことがわかります。所得控除を加味すればプラスにはなりますが、ここは判断が分かれるところです。(2)運用益非課税メリットを受けにくい利息がほとんどもらえないということは、運用益非課税のメリットもほとんどないことになります。変動型商品を選んで利益が出た場合に得られる運用益非課税は、定期預金の場合にほとんど享受することはできません。その機会を逸失してしまう点はデメリットといえるでしょう。(3)流動性がないiDeCoは積み立てを始めたら、原則として60歳まで引き出しできません。一般の定期預金であれば、途中で解約したり一定の期間が経過すれば自由に使うことが可能ですが、iDeCoの定期預金ではそのようにはいきません。ただでさえ利息がほぼつかない定期預金で途中引き出しもできないのは、特に注意を要する事項だといえます。iDeCoで投資信託を購入するメリット・デメリットiDeCo公式サイトiDeCoで投資信託を購入するデメリットiDeCoで投資信託を購入するデメリットは、リスクと手数料の2点が大きいです。これらの点について以下説明いたします。(1)元本割れの可能性がある投資信託は価格変動等のリスクがありますので、積み立てた資金が元本を割り込むことがあります。運用開始までに資産運用やiDeCoの仕組みをよく理解してから投資を開始しないと、iDeCoの各種メリットを十分に享受できないおそれもあります。(2)高コスト商品など、選ぶ際に注意を要する商品もあるiDeCoで取り扱う投資信託には高コスト商品も存在します。そういった商品は、コストに見合った運用成績が期待できるのか、慎重に判断することが必要です。過去の運用成績や運用方針通りの運用ができているかなど、運用報告書等も参考にしながら慎重に検討を要する商品も存在します。おすすめの利用方法―確実に金利を得るか?節税メリットを最大限享受するか?iDeCoで定期預金を選ぶかどうかはその人の目的によって異なります。大きく分ければ、確実性を重視したいなら定期預金を選ぶ余地があり、節税機能を最大限活用したい方は投資信託を選ぶとよいでしょう。以下、具体的に説明いたします。[adsense_middle]確実にお金を貯めたい方各自にお金を貯めたいなら、定期預金を選ぶことも検討の余地はあります。iDeCoで定期預金を選んだ場合は3つの節税メリットの1つである運用益非課税をほとんど享受できませんが、所得控除を利用して手堅く実質的な低コスト運用を行うことが可能です。もちろん、60歳まで引き出せない形で定期預金を選ぶメリットがあるかどうかは価値判断が分かれるところですので、選択する場合は今後のライフステージの変化も加味した上で検討することをおすすめします。もし定期預金を利用するなら、なるべく実質的な利息をアップさせるiDeCoでもし定期預金を利用する場合は、普通預金等も合わせて実質的な利息を上げる工夫をするとよいでしょう。例えば、楽天銀行で銀行口座と証券口座を一体化させたマネーブリッジを利用すれば、普通預金の利息が0.1%になります。また。iDeCoの掛金拠出を月1回から年1回にすることもできます。掛金拠出しない月の最低コストは66円なので、毎月171円かかる場合と比較すると年間1,000円程度コストダウンできます。老後資金を本格に貯めたい方老後資金をきちんと貯めたいなら、投資信託で資産運用を行うとよいでしょう。掛金拠出時の所得控除だけでなく運用益に対する非課税も、長年の運用での資金づくりにおいてメリットになり得ます。もちろん、投資信託にはさまざまな種類がありますので、ライフプランや投資の知識・経験に応じてご自身のあったものを選ぶことが大切です。また、運用成績が一時的にマイナスになり得る点もあらかじめ認識して、辛抱強く運用を継続することが大切です。iDeCoで投資信託を選ぶポイント長年の資産運用では、コストをいかに低く抑えるかがどのタイプの方にとっても大切になります。運用する資産等に特にこだわりがなければ、ご自身の選択した運営管理機関の取り扱い商品の中でも特にコストの低いインデックス型のタイプを選ぶとよいでしょう。高コスト商品で積極的に値上がり益を狙うアクティブ型は、どちらかというと中上級者向けの商品なので、選択する際は商品性をよく学び慎重に選ぶことをおすすめします。双方のメリットを比較していずれも捨てがたい方資産は増やしたいものの受取直前の急落が恐い方などバランスを取りたい方は、両者を併用するとよいでしょう。具体的には、運用初期の時期は投資信託で積極的に資産を増やしていき、50代以降の受け取りの時期が気になるタイミングで定期預金にスイッチングして元本の変動を抑えるという方法が考えられます。また、ここは状況に応じて元本確保型ではなく、価格変動リスクが低めの投資信託を選ぶのもありでしょう。iDeCoの定期預金での運用に関するまとめiDeCoで定期預金を選ぶかどうかは、その人の目指す投資スタンスによって異なります。その場合はメリットおよびデメリットの双方に加えて、変動商品である投資信託で運用するメリット・デメリットとも比較すると頭の中を整理しやすいです。そういう意味で今回の記事も参考にしていただけると幸いです。
2020年10月05日の利用の仕方についてはさまざまな情報がありますが、タイプごとに応じた利用方法については意外と語られることがないように思います。そこで今回は、その中でも特に語られることが少ないと思われる「専業主婦(夫)が利用する場合」に絞って、iDeCo利用のメリット・デメリットを記載します。iDeCo(確定拠出年金)の概要iDeCo公式サイト専業主婦(夫)がiDeCoで老後資産の受け取りをするメリットiDeCoナビ毎月の掛金額は多めにiDeCoは運用時に運営管理機関利用コストに加え、国民年金基金連合会や信託銀行に毎月171円の手数料を払う必要があります。一方でiDeCoの毎月の最低投資金額は5,000円です。運営管理機関手数料がゼロのところを利用したとしても、5,000円の投資で最低171円の手数料がかかりますので、手数料が3%強かかることになります。ですので、金額はできるだけ多めに拠出してコスト負担を軽減したほうが効率的な資産形成ができます。ある程度高リスク商品を選ぶのも手1月の最高投資金額は23,000円であり、投資金額の上限が高額とはいえません。そこで積極的に資産を増やすなら、運用開始の当初はある程度高リスクで値上がり益を期待できる商品を選び、受け取りが近づいてくる50代になったら資産を減らさないように安定的な運用に切り替えるのも1つの方法です。仮にそれでリスクを取った場合でもiDeCo以外の資産運用で手堅い運用を行えば、トータルでバランスの取れた資産形成を行うことが可能です。配偶者とは異なった運用を選ぶ資産運用の大原則の1つは分散投資によりリスクを減らすことです。これは夫婦で資産形成していくことに焦点を当てれば、夫婦間の資産も分散するとよいということになります。ですので、専業主婦(夫)がiDeCoで資産づくりをする場合、配偶者とは異なったタイプの資産に投資したり、投資する資産の振り分けを変えたりするなど、夫婦の運用資産も分散させる形で運用するのがより望ましいです。掛金を拠出した後の管理も大事にする専業主婦(夫)の場合は、ライフステージによって働き方が変化することもあり得ます。そのためほかの職業の方に比べれば、iDeCoを始めるときだけでなく、その後の見直しもより重要度が高いといえます。例えば、今は専業主婦(夫)でも、今後パートに出たり、正社員として勤務を始めたりというケースもあるかもしれません。そのような変化があった際には運用商品や掛金額を見直しが必要となり得ます。専業主婦(夫)がiDeCoを利用するメリット・デメリットまとめ専業主婦(夫)がiDeCoを利用することには一長一短があり、一概に利用したほうがよいとも利用しないほうがよいともいえません。ただ、長い目で見れば資産形成につながり得る面があり、離婚時にも夫婦の共有財産とは見なされないという特徴もあります。iDeCoの特徴をよく勉強し、老後のライフプランによっては利用を検討するのもよいでしょう。そのために今回の記事が参考になれば幸いです。
2020年09月21日老後の生活費に不安を感じている人は多いのではないでしょうか?老後資金を積み立てる方法として、個人年金保険とiDeCo(イデコ)があります。本記事では、個人年金保険とiDeCoの違いについてご説明しますので、それぞれのメリット・デメリットを比較しながら、自分に合った老後資金の準備方法を考えましょう。個人年金保険とiDeCoを比較してみよう個人年金保険やiDeCoという言葉を聞いたことがあっても、詳しくは知らないという人もいると思います。まずは、両方の概要を知っておきましょう。個人年金保険の概要個人年金保険は民間の保険会社が取り扱っている貯蓄型保険で、老後資金の積み立てに利用できるものです。契約で設定した年金受取開始年齢になれば、払ってきた保険料を原資として、年金や一時金で支払いを受けられます。iDeCoの概要iDeCo(イデコ)とは「個人型確定拠出年金」のことです。iDeCoは商品名ではなく、制度の名称です。確定拠出年金は法律にもとづき2001年に開始した制度で、個人型と企業型の2種類があります。企業型確定拠出年金は、勤務先で制度が導入されているサラリーマンのみが加入できるものです。一方、iDeCoは20歳以上60歳未満の人なら基本的に誰でも加入できます。iDeCoの申し込み方法は?iDeCoを利用するには、「運営管理機関」と呼ばれる金融機関(銀行、証券会社、保険会社)で申し込みが必要です。申し込みの際には、金融機関で用意されている商品(定期預金、投資信託、保険商品など)から自分で複数の商品を選びます。iDeCoの受取時期・受取金額は?iDeCoは老後資金を積み立てるための制度なので、60歳以降でなければ受け取れないという制限があります。受け取れる金額は、自分が選んだ商品の運用結果によって変わります。共通のメリットは所得控除が受けられることお金を貯めるだけなら、通常の預貯金でもいいはずです。しかし、個人年金保険とiDeCoには、通常の預貯金にはない節税効果があります。所得税・住民税は所得控除で安くなる所得税・住民税は所得を基準に計算するので、所得が多ければ税金が高くなります。ただし、所得からは各種の所得控除を差し引きできるので、所得控除が増えるほど税金を抑えられます。個人年金保険(税制適格特約付きのもの)またはiDeCoに加入していれば、いずれも所得控除が受けられます。老後資金を積み立てるなら、通常の預貯金よりも個人年金保険やiDeCoを利用した方がお得です。個人年金保険で受けられるのは「個人年金保険料控除」税制適格特約の付いた個人年金保険に加入している場合には、所得控除の中の「生命保険料控除」が受けられます。生命保険料控除は3種類に分かれていますが、通常はそのうちの「個人年金保険料控除」の対象となります。なお、個人年金保険料控除で受けられる控除金額の上限は4万円です。iDeCoで受けられるのは「小規模企業共済掛金控除」iDeCoの掛金を払っている場合には、所得控除のうちの「小規模企業共済掛金控除」が受けられます。年間に払った掛金の全額が控除の対象となります。個人年金保険とiDeCoの違い:個人年金保険のデメリット個人年金保険は保険会社と自由に契約できる商品なので、自分の希望に合わせて内容を決めやすくなっています。一方、iDeCoは国の制度として大きな優遇がありますが、その分制限も多くなります。両者をデメリットの面から比較してみます。[adsense_middle]個人年金保険のデメリット①控除額に上限がある個人年金保険で払った保険料は、所得控除できる金額に上限があります。年間保険料払込額が2万円以下であれば全額控除の対象になりますが、2万円を超えていれば一部しか控除の対象になりません。所得控除による節税効果はiDeCoの方が大きくなります。個人年金保険のデメリット②自分で年金受取額を増やせない個人年金保険ではお金の運用は保険会社に任せることになるため、自分で年金受取額を増やせません。将来の年金受取額が確定している確定型の商品は、低金利の現在はメリットが少なくなっています。iDeCoでは元本確保型の商品(定期預金、保険)以外に、投資信託も選べます。投資信託にはリスクもありますが、運用の成果によってはリターンが大きくなり、年金受取額を増やせる可能性があります。個人年金保険のデメリット③途中解約すれば元本割れしてしまう個人年金保険を途中解約した場合、元本割れしてしまうケースが多くなります。柔軟性がある反面、最後まで保険料を払い続けることができなければ結局は損してしまいかねないというデメリットがあります。個人年金保険とiDeCoの違い:iDeCoのデメリット続いて、iDeCoのデメリットを見ていきましょう。iDeCoのデメリット①原則として途中解約ができないiDeCoは原則として途中解約ができません。60歳を過ぎないと引き出せないので、急にお金が必要になったときに困ることがあります。iDeCoのデメリット②掛金に上限額があるiDeCoでは掛金が全額所得控除になるメリットがある代わりに、掛金の金額に上限が設けられています。iDeCoの毎月の掛金上限額は、職業などによって変わります。(1) 第1号被保険者(自営業者・個人事業主)月額6万8,000円が上限になります。ただし、国民年金基金または国民年金の付加年金にも加入している場合には、両方を合わせての上限額になります。(2) 第2号被保険者(会社員・公務員)第2号被保険者の掛金上限額は、勤務先での企業年金の加入状況等によって異なり、次の表のようになります。なお、企業年金にはDB(確定給付年金)とDC(確定拠出年金)があり、どちらに加入しているかで区別されます。(3) 第3号被保険者(専業主婦)月額2万3,000円が上限になります。iDeCoのデメリット③受取期間が決まっているiDeCoでは60歳になるまでは年金を受け取ることができません。また、受け取るときには、5年以上20年以下の有期年金として受け取るか、70歳までに一時金として受け取るかのどちらかになります。いつでも好きなときに受け取れるわけではありません。個人年金保険の場合には、保険会社との契約により受取期間も柔軟に選べます。終身タイプの商品もあるので、一生涯年金をもらうことも可能です。iDeCoのデメリット④手数料が発生するiDeCoに加入すると、次の表のようなさまざまな手数料が発生します。元本確保型の商品だけで運用していると損してしまうことがありますので気を付けましょう。個人年金保険とiDeCoのどちらを選んだらいい?個人年金保険とiDeCoにはそれぞれメリット、デメリットがあります。どちらを選んだらよいかは、資産運用に対する考え方や年齢などによって変わってきます。[adsense_middle]年金を積極的に増やしたいなら保険会社が着実に運用してくれる個人年金保険と違い、iDeCoは自己責任で運用するものです。運用に失敗すれば元本割れしてしまうリスクもありますが、逆にお金が増える可能性もあります。通常、預貯金の利息や投資信託などの運用益には20.315%の税金がかかります。しかし、iDeCoでは利益に対する税金も非課税となっており、効率よく資産運用ができます。iDeCoでは手数料も発生するので、預貯金だけで運用すると損してしまうこともあります。投資を行って積極的に年金を増やしたい人は、iDeCoの方がおすすめです。50代以上で加入を考えるならiDeCoでは通算加入期間によって、年金受取が可能になる年齢が次のように決まっています。iDeCoで60歳から年金を受け取るには、10年以上の積立期間が必要です。50代の人でも加入のメリットがないわけではありませんが、60歳から年金をもらうことはできません。個人年金保険の場合には、保険料の一時払いも可能になっており、年金の受け取り開始年齢も契約で自由に設定できます。60代や70代で加入できる商品もあるので、高齢になってからの資金準備に活用できます。個人年金保険とiDeCoは併用できる個人年金保険とiDeCoの両方に加入することも可能です。所得控除の枠もそれぞれ別になるので、両方を併用すれば節税効果も大きくなります。たとえば、iDeCoだけで積み立てると、急にまとまった資金が必要になったときに引き出せず困ってしまうことがあります。途中解約もできる個人年金保険でも積み立てをしておくと、資産運用に柔軟性を持たせることができます。個人年金保険とiDeCoに関するまとめ個人年金保険やiDeCoには節税効果があるので、老後資金の積み立てに活用するのがおすすめです。できるだけ若いうちから積み立てを開始した方が確実に老後資金の準備はできますが、長期間保険料や掛金を払い続けなければならないこともしっかり認識しておく必要があります。加入するときにはデメリットも把握しておき、後で慌てることのないようにしましょう。
2020年05月11日社会人年数が増え年収が上がるごとに、住民税、所得税に悩まされる方が多いのではないでしょうか。今回は、節税対策および老後に向けた貯蓄・投資の観点からもおすすめできるiDeCoについて紹介していきます。節税できると耳にしたことはあるもののよく知らない、仕組みがよくわからないので始めるには不安、といった方に向けて、具体的な節税効果やコストも解説しています。また専業主婦(夫)などの、自身に収入がなく節税メリットを享受しにくい方についても、考えておきたいiDeCoの使い方をご提案します。iDeCoとは?個人が自身で資金を積み立て、自身で運用方法を選び、積み立てた掛金およびその運用益を受け取ることができる、個人型確定拠出年金という制度です。運用商品は投資信託から銀行預金まであり、運用リスクをとりたくない方にもお勧めできる制度と言えます。受け取り方法は二つあり、年金として受け取る、もしくは一時金として受け取ることが可能です。受け取り時期が60歳以降となることから、私的年金制度とも言われています。まずは制度の概要とメリットからご紹介します。iDeCoの加入メリット加入することでの大きなメリットは3つあります。掛金が全額所得控除の対象となる1年間で支払った掛金の合計全額が、所得控除の対象となります。こちらについては所得控除の仕組みと合わせて、後述にて詳しく説明させていただきます。運用益が非課税であるiDeCoで運用している商品の運用益については、すべて非課税です。運用益は現金での受け取りではなく、運用商品に再投資されます。受け取るときも控除の対象となる一時金として受け取ると退職所得控除、年金として受け取る場合は公的年金等控除の対象になります。加入資格は?誰でも入れるの?基本的に、国民年金や厚生年金等の公的年金を支払っている20歳以上60歳未満のすべての方が加入できる制度です。専業主婦の方等の第3号被保険者も含まれます。また、雇用形態によっての可否はないためアルバイトの方も加入が可能です。ただし、お勤めの企業で企業型確定拠出年金に加入されている場合、個人型には加入できないケースがあります。規約によって個人型確定拠出年金にも加入して良いと定められている場合のみ併用が認められていますので、注意が必要です。加入にあたって支払う手数料、コストiDeCoにまつわる手数料をご紹介します。まずは、iDeCoに加入するときにかかる手数料が2829円。こちらは国民年金基金連合会に対して支払うもので、申し込み時だけにかかる手数料です。どこの金融機関を通じて加入しても、金額は変わりません。次に、毎月支払う手数料が2種類あります。国民年金基金連合会に対して支払う金額月額105円と、事務委託先金融機関(信託銀行)に支払う月額66円の合計171円。年額にすると2052円です。そして、iDeCoを始める金融機関によって変わってくるのが運営管理機関の手数料です。条件付きで無料にしているところなど様々な種類がありますので、始める際はいくつかの金融機関を比較するのがお勧めです。また、運用する商品によっては信託報酬等がかかってくるケースがあります。運用商品を選択する際には、商品ごとのコストを確認することも大切です。あなたの所得税の税率は?所得控除の仕組みを知ろう所得税や住民税は、どの金額に対してかかっているかご存知でしょうか?収入すべてについてかかる訳ではなく、大まかには下記のような流れを経て計算された「課税所得」に対して税金がかかるのです。収入ー経費=所得(自営業等の場合)給与収入ー給与所得控除=所得(会社員の場合)まずは、収入から経費(会社員であれば給与控除)を引いたものを所得と呼びます。所得所得控除=課税所得次に、算出された所得の金額から、更に各種所得控除の金額を差し引き、残った金額が課税対象である「課税所得」となります。この課税所得の金額に対して、所得税や住民税の税率をかけることで、支払う税額が算出されます。中でも所得税は、課税所得の金額ごとに税率が増える累進課税方式をとっているため、年収の多い方ほど所得税の税率および金額は大きくなります。所得控除の仕組みって?所得控除とは、収入から経費を差し引いた所得から、更に控除できる金額のことを指します。税金を少なくしたければ、所得控除の金額を増やして課税所得を減らす必要があります。所得控除の中には様々な種類があります。配偶者控除や医療費控除、生命保険料控除などは耳にされたことのある方も多いのではないでしょうか。iDeCoの掛金として支払った金額については、全額が所得控除の種類のひとつである「小規模企業共済等掛金控除」の中に含まれます。つまり、iDeCoの掛金を拠出すると所得控除の金額が増えるため、課税所得が減り、結果的に減税が可能になるという仕組みなのです。保険よりiDeCoがお得?所得控除面を比較個人年金保険という商品をご存知でしょうか。同じように老後資産形成の方法としてお勧めされたことのある方も多いかもしれません。現役時代に保険料を支払うことで、老後に一括もしくは年金として分割で保険金を受け取ることができる商品です。こちらも、支払う保険料が所得控除の対象となるということで、iDeCoとよく似ているように思えます。ただし、所得控除においての限度額に差があります。所得控除の対象となる金額が、個人年金保険の保険料は1年で最大4万円までという限度があるのに対し、iDeCoは掛金全額が対象となります。所得控除の面で比較するとiDeCoのほうがお得であると言えます。運用方法や解約可能時期等、他にもいくつか違いがあるため一概にどちらが良いとは言えませんが、保険の契約や見直しの際にはiDeCoと組み合わせて検討するのも一つの方法です。掛金はいくらまでOK?iDeCoの掛金は月々最低5000円以上、1000円単位で選択することが可能です。金額上限については加入資格によって異なっています。[adsense_middle]加入資格ごとの掛金上限をチェック加入資格は、国民年金の被保険者区分に応じて定められており、それぞれ掛金の上限が異なります。ご自身はどこに当てはまるのか、掛金を決める前にご確認ください。基本的に退職金や厚生年金がなく、老後の資産形成の重要度が高い自営業者の方のほうが限度額が大きくなっています。掛金を決める時のポイント小さな金額から老後資産形成を始められるのがiDeCoの良さでもあります。ただし、掛金が少ないと、掛金に対する固定コスト(手数料)の比率が高くなるため、運用益が少ないと手数料負けしてしまう可能性があり注意が必要です。基本的に60歳になるまで受け取ることはできませんので、今のご自身の生活や貯金を圧迫しない金額にすること、ずっと続けていくことができる金額を選ぶのもポイントです。掛金は年に1度だけ変更も可能ですので、すでに始められている方についても、生活の変化に応じて金額を見直す機会を持つのも良いかと思います。節税できる金額を計算するには?iDeCo公式HPでは、「かんたん税制優遇シミュレーション」という試算システムがあります。掛金と年収、年齢を入力すれば、軽減される税額を月単位・年単位・60歳になるまでの合計の3種類で確認することができますので、検討されている方は一度使ってみていただくと、ご自身にとっての効果がわかりやすいかと思います。かかっている税率が大きいほど所得控除で減税できる額も大きくなるため、年収が高いほどメリットを大きく感じやすい傾向があります。また、早く始めたほうが加入期間は長くなりますので、加入期間合計の軽減額も大きくなります。例として、年収が400万円、600万円の場合の軽減税額を記載しました。こちらは20歳〜60歳の40年間加入した場合の試算になりますが、かなり大きな節税効果があるのが見て取れるのではないでしょうか。iDeCoの本質とは?専業主婦(主夫)の方などでiDeCoの所得控除メリットを受けられない場合、あまり魅力を感じないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし何より運用益も非課税ですし、受け取る際も控除の対象となりますので、全くメリットが受けられない訳ではありません。短期的に効果がわかる所得控除だけが全てではありません。運用益の増加など長期的な視点でのメリットも加味して、ご自身にとって必要な制度かどうか判断してみるのが良いでしょう。[adsense_middle]老後資金を貯蓄する手段を早いうちから用意できるまた、iDeCoに加入することへの本来の意義は別のところにあるというのがFPとしての私の考えです。それは老後資金を貯蓄する手段を早いうちから用意できることです。公的年金で生活費をすべて賄うことができれば理想的ですが、そうはいかないケースの方が多いものです。平成30年の総務省家計調査によると、高齢夫婦かつ無職世帯の実収入の1ヶ月平均は22万円ほど、実支出は26万円ほどとなっており、貯蓄を切り崩しての生活となることが伺えます。さらに、現在の年金受給者より、これから受け取ることのできる公的年金の金額は少なくなっていく可能性が高いのが現状です。「老後2000万円問題」としてメディアに取り沙汰されていたのも記憶に新しく、すでに危機感を持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際に必ずしも2000万円を貯蓄する必要があるのかというと一概には言えませんが、老後への貯蓄の重要性が高まっていく時代であることは確かでしょう。投資に抵抗のある方にも対応可能、対象商品の種類は様々投資と聞くと、損失リスクを考えてしまう方もいらっしゃるでしょう。老後資金の形成として考えると、あまりリスクを取りたくないという考えも一般的です。iDeCoでは、利用者の投資方針に応じて運用先を選択することができます。元本割れは絶対にしたくないという方についても、投資先を定期預金等とする元本確保タイプの商品があり、比較的検討しやすいのではないでしょうか。ご自身の掛金の中で複数の商品を選択することができますので、気軽に分散投資をすることができるのもiDeCoの良さではないかと思います。手数料等の経費を検討するただし、先述した通りiDeCoには手数料等の経費がかかります。少なくとも固定でかかる経費として、月々171円、年換算すると2052円は支払う必要があります。元本確保タイプの商品は、比較的運用益が大きくなりにくい傾向にあります。また、積み立て金額の大小によらず同じ手数料(=コスト)がかかるので、毎月の積み立て金額が小さいと、年間の積み立て金額に対するコストの比率が高くなってしまうところにより留意する必要があるでしょう。よくご自身の投資方針と積み立て予定金額を固定コストと照らし合わせ、商品と金額を選択するようにしましょう。自助努力の一環として。iDeCoの使い方のポイント先ほども触れましたが、特に自営業の方については、退職金にあたる資金を自分で用意する必要があること、受け取ることができる年金が国民年金のみであり、厚生年金を受け取ることのできる会社員の方と比較すると個人年金の重要性が高いことから、より有効に活用していただきやすい制度であると言えます。会社員の方についても、退職金は以前ほど大きな金額は受け取りにくくなってきており、老後資金の一部については事前の自助努力が必要なケースが多いのではないでしょうか。もちろん現金で預金をしておけば問題ないという考え方もあります。ただ貯金には手をつけてしまいやすく、何かと物入りで老後のための資金がなくなってしまったというのも良く聞く話です。iDeCoには、選択した商品によっては預金以上の運用益が期待できること、そして60歳以降にしか受け取ることができないため、半強制的に老後のための貯蓄ができることがポイントです。退職金の金額に不安のある方にもお勧めできる制度と言えるでしょう。受け取り方式によって使い方を選択できる受け取り方式を選ぶ際、一時金方式を選べば退職金的、年金方式を選べば年金的使い方をすることができ、併用も可能です。660歳を迎え受給が可能になったタイミングで選択することになりますので、その時の自身のニーズに沿った受け取り方式を選ぶことで老後の生活をより豊かにすることができるのではないでしょうか。iDeCoの所得控除に関するまとめiDeCoでは所得控除による節税ができる所得控除の仕組みを知って、効果をシミュレーションしてみよう未来への安心は自分でつくる時代。より豊かな老後を過ごすための自助努力が必要iDeCoについて、まずは税制面でかなり優遇されていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。所得が増えていくほど賢く節税することが大切になってきます。また、節税は今の生活への効果を生み出しますが、同時に未来の生活に投資できるのがiDeCoです。人生100年時代、65歳で定年したとして35年の人生があります。平均寿命で考えても、20年間ほど第2の人生を送られる方が多いでしょう。決して焦る必要はありませんが、知識をつけて何かしらの準備ができるようにしておくことは大切ではないでしょうか。
2020年02月07日加入要件が引き下げられ、加入者も増えているiDeCo。「主婦でもできる」といわれるが、主婦やパート主婦にiDeCo加入のメリットはないという。経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた――。■iDeCoに加入しても損になる4つのデメリットが政府は、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入要件を広げようと、改革案を検討しています。iDeCoとは、加入も、運用方法も、掛金(働き方により上限あり)も自分で自由に決める私的年金です。しかし、投資にはリスクが、なけなしのお金を失う恐れがあるのは間違いありません。しかも、専業主婦やパート主婦は、ハッキリ言ってiDeCo加入のメリットはありません。4つのデメリットを見ていきましょう。【1】iDeCo最大のメリット「所得控除」が受けられないiDeCo最大のメリットは、掛金全額が控除され、税金が安くなること。しかし、専業主婦や夫の扶養内で働くパート主婦は、所得税や住民税を納めていませんから、最大のメリットが受けられません。【2】60歳まで引き出せないiDeCoは、自分が亡くなったり、高度障害を負ったりしない限り、60歳まで引き出せません。「だから確実にためられる」という専門家もいます。でも、リストラや病気などまさかの事態に使えないお金を、ためる余裕のある方は、多くはないと思います。【3】手数料がかかるiDeCoは、いくつもの手数料が必要です。まず、加入時に「新規加入時手数料」が2,777円(税込み、以下同)。次に、iDeCo専用口座の「口座管理手数料」が金融機関により年間2,000~1万円。老後に給付を受けるときには「給付事務手数料」が必要ですし、投資信託などは「信託報酬」もかかります。投資では、運用で出た利益が支払った手数料を上回らないと、もうけになりません。ですから、手数料の高いものほど、もうけを出すのがむずかしいといえます。【4】50代主婦は注意。加入期間10年未満だと60歳から受け取れないiDeCoは現状、60歳まで掛金を払い、60歳から支給を受けるもの。最短加入期間は10年です。公的年金が支給される65歳までのつなぎにiDeCoを、と考える人も多いようですが、50代でiDeCoに加入すると、加入期間は10年未満、支給開始は61歳以降になります。たとえば53歳の方が加入すると、掛金の支払いは60歳までですが、その後も運用は続き、支給は62歳から(支給開始は加入期間による)。50代主婦が加入しても、60歳からの支給にはなりません。大原則として「投資は景気のいいときにする」もの。景気がいいと、株価は全体的に上がりますから、もうけが出やすいのです。しかし、10月の消費増税で景気は冷え込み、’20年の東京五輪が終わったら不況のどん底に沈み込むといわれています。そんなご時世に、今から投資をしてもうけを出すのは至難の業です。「みんながやっているから」や「国も勧めているし」などという理由で、投資しようかと迷っている方は、iDeCoも投資もおやめなさい。デフレはまだ続きますから「借金減らして現金増やせ」で、コツコツ貯金に励みましょう。
2019年10月04日加入要件が引き下げられ、加入者も増えているiDeCo。「主婦でもできる」といわれるが、それは反対意見への隠れみのだという。経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた――。■iDeCoには3つの税制メリットが政府は、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入要件を広げようと、改革案を検討しています。iDeCoとは、加入も、運用方法も、掛金(働き方により上限あり)も自分で自由に決める私的年金です。3つの税制メリットがあるため、注目されています。【1】掛金が全額所得控除たとえば掛金が月1万円の方は、年12万円が所得から控除されます。すると、減った所得12万円にかかるはずの税金が不要となり、所得税は、所得税率が10%の方なら1万2,000円、20%の方なら2万4,000円安くなります」【2】運用益が非課税通常、投資信託などでは運用益に、定期預金では利息に、20.315%の税金がかかりますが、iDeCoの運用益は非課税です。【3】受け取るときにも控除ありiDeCoの受け取りは一時金か年金のどちらか。一時金なら「退職所得控除」、年金なら「公的年金等控除」が利用できます。こうしたiDeCo制度は’02年に始まりました。当初は、自営業者と企業年金のない会社員が対象。特に自営業者の公的年金は、国民年金だけの“1階建て”ですから、会社員のように国民年金の上に厚生年金が積み上がる“2階建て”と比べると、老後の不安が大きいです。iDeCoで老後の備えを厚くすることが目的でした。その後、企業年金のある会社員や公務員なども加入できるように、iDeCoの加入要件を広げようとする議論がありました。ですがそのたび、公務員のiDeCo加入には、強い反対があったのです。というのも、公務員はすでに、国民年金の上に厚生年金があり、さらに「年金払い退職給付」が重なった“3階建て”。iDeCoの加入を認めると、ひときわ手厚い“4階建て”になるからです。また、国民の平均年収が約432万円(’17年分・国税庁)に対して、公務員の平均年収は約686万円(’18年・人事院)。iDeCoは所得税率の高い高給取りほど節税効果が高いものですから、そもそも税金から給料が拠出されている公務員が、大きな節税メリットを受けるのはおかしいと反対されたのです。ですが’17年。専業主婦や公務員にも加入対象が広がり、ほぼすべての方が加入できるようになりました。「主婦も加入できる」ことを前面に押し出して、その陰に隠れるように批判をかわし、公務員も加入対象に含めた格好です。その結果、iDeCoの加入者は急増。’16年までは約30万人でしたが、今年7月には130万人を超えました。2年半で4倍以上に増加し、株価を下支えする人を増やしたい政府のもくろみは、大当たりしたのです。
2019年10月04日あなたは、将来に備えてiDeCoを活用してみようかと検討しておられるのでしょうか?iDeCoのことがよくわからず、「結局損をしてしまうのではないか?」「手数料が高いのでは?」と不安になっているかもしれません。でも、iDeCoは「デメリットをよく理解した上で取り組めば、それを上回るメリットを享受できる制度」なんです!この記事では、iDeCoの仕組みやメリット・デメリットについて説明していきます。iDeCoって一体何?その仕組みについてそもそも、iDeCoとは一体なんでしょうか?よく耳にはしますが、一般にはあまり意味が浸透していません。専門用語でいうと、「個人型確定拠出年金」のことなのですが、いきなりそう言われてもチンプンカンプンですね。まずは「老後資金を自分で作るための、いろいろとお得なことがある制度」だとざっくりと理解しておきましょう。ということで、iDeCoについて日本の年金制度全体のことから以下で説明してまいります。日本の年金制度現在、日本の年金制度は大きく三つに分けることができます。これを、「三階建ての年金」などと呼んだりもします。ただし、国民全員が三階分全てを受けられるというわけではなく、働き方によって加入できる(受けられる)年金は変わってきます。まず、一階部分として、ニ十歳から六十歳までのすべての国民が加入する「国民年金」があります。二階部分は会社員や公務員が加入する「厚生年金」です。この二つの年金は国が運営しているので「公的年金」とも言われます。会社にお勤めの方は支払っている意識が薄いかもしれませんが、実はこの二つは給料から天引きされています。三階部分は働き方によっていろいろ異なりますが、大きくいうと企業に勤める方が加入する「企業年金」と、ほぼすべての方が任意で加入できる「私的年金」があります。そして、この私的年金のことを「個人型確定拠出年金=iDeCo」というのです。図にすると、下記になります。確定拠出年金とはそれでは、確定拠出年金とは、一体どのような性質を持つ年金のことなのでしょうか? 以下で、それと対比される確定給付型年金と比較して見てみることにしましょう。実は、かつての日本の年金は確定給付型が中心でした。これは、将来受け取れる年金額があらかじめ決まっているタイプの年金ということです。ところが、積み立てられる年金の原資の運用リスクを運用元が負う、ということがだんだん難しくなってきます。例えば、低金利などによって支払える年金額が不足する、などということが起きてきました。そこで、受け取れる年金額は決まっていないが、積み立てる金額は決まっている、もしくは自分で決めるタイプの年金がでてきました。これを、確定拠出型年金といいます。公的年金はまだ確定給付型年金ですが、企業年金の一部や私的年金では確定拠出型年金となっています。iDeCoは確定拠出型年金の代表的なものです。iDeCoは個人型確定拠出型年金iDeCoは、「個人型」確定拠出型年金です。この個人型、とはどういうことでしょうか?iDeCoにおいては、積立金が個人別に管理されていて、転職などによっても移動が可能です。これを個人型といいます。これと対比される企業型の場合には、転職をした場合、いったん積み立てがリセットされてしまいます。現代では終身雇用が崩れつつあるので、個人型の方が便利だと言えるでしょう。iDeCoのメリットについてiDeCoとは個人型確定拠出年金であり、その仕組みについては説明いたしました。では、そんなiDeCoにはどんなメリットがあるのでしょうか? 具体的にはどのような「お得」があるのでしょうか? それは、おおよそ下記の四点となります。掛け金が全額「所得控除」の対象となる運用中に発生した利益に税金がかからない運用資産をを受け取り時に「退職所得控除」「公的年金等控除」が受けられる月5,000円からと低額で始められる以下でそれぞれについて見ていきましょう。[adsense_middle]1.掛け金が全額「所得控除」の対象となるiDeCoで積み立てた掛け金の全額は所得控除といって、その年に儲けた金額から掛け金を差し引いて税金が計算されます。すると、その分支払う所得税・住民税が軽くなっていきます。掛け金そのものが税金から引かれるのではなく、税金の計算のもとになる所得が少なく見積もられる、ということですので間違えないようにしましょう。ということで、年末調整や確定申告によって、所得や掛け金に応じて納めた税金が戻ってくることになります。これはお得ですね。2.運用中に発生した利益に税金がかからないiDeCoでは運用期間中に得られた利益に税金がかからないことになっています。通常は、投資信託で得られた売却益や分配金、定期預金の利息には20.315%(=所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)の税金がかかってしまうのですが、これがiDeCoだと0になるわけです。これも大変お得です。3.運用資産の受け取り時に「退職所得控除」「公的年金等控除」が受けられるそして、いざ年金の受け取りが始まり、これまで積み立てた運用資産を受け取る際にも節税のお得があります。運用した資産は60~70歳までの間に、「一時金」「年金」「一時金と年金の両方」の3つのいずれかの形式で受け取りますが、いずれの場合でも、税金の優遇が受けられます。一時金の形式で受け取れば「退職所得控除」が、年金の形式で受け取れば「公的年金等控除」が受けられますので、所得税が軽くなります。4.月5,000円からと低額で始められる「自分は年収が少ないから、とても投資なんて」と思う人もいるかもしれませんが、iDeCoの掛け金は毎月5000円からとなっていますので、低所得の方でも気軽に始めることができます。毎月少しずつでもコツコツと積上げていけば、最終的には老後に大いに役立つことになります。iDeCoのデメリットについてそれでは、逆にiDeCoのデメリットとしてはどのようなものがあるのでしょうか? 先ほど述べました通り、iDeCoには多くのお得がありますが、次に挙げるデメリットについて、よく認識したうえで取り組まないと思わぬ落とし穴にはまることがあります。60歳まで運用中の資産を引き出せない株式には投資できない口座開設・維持に手数料がかかる元本割れリスクがあるどういうことなのか、以下で見ていくことにしましょう。1.60歳まで運用中の資産を引き出せないiDeCoの最大のデメリットが、「60歳になるまで積み立てた資産を引き出せない」ということです。また、途中で解約することも原則的には認められていません。途中で自分に何があっても、60歳までは手が付けられないわけです。これをもって、「iDeCoには手を出さない方がいい」と言っているyoutube動画を以前見たことがあります。ただし、こういう役立ち系youtubeの動画を見る時には、常に「誰に向けた動画なのか」を意識しておく必要があります。この動画の場合、明らかに配信者本人を含む、たえず資産を組み替える投資上級者向けに言っています。なので、一般の人は「絶対に手を付けない」資金をiDeCoに投入すればいいでしょう。2.株式には投資できない投資で大きなリターンを狙っている人には残念かもしれませんが、iDeCoは一般の株式に投資することはできません。株には投資信託を通じて投資することになります。したがって、株主優待を得ることもできません。しかし、iDeCoは老後資産の積み立てですので、あまり投機的なことは考えない方がいいでしょう。3.口座開設・維持に手数料がかかるやはり金融機関の利益のため、iDeCoでは口座開設・維持に、それぞれどうしても手数料がかかってしまいます。手数料の詳細については後述しますが、iDeCoは長期間の投資になりますので、トータルでかかる手数料の額は無視できません。口座にかかる手数料を意識して銀行や証券会社を選ぶ必要があります。4.元本割れリスクiDeCoを投資信託で行うとすると、世界経済や景気の状況によって、どうしても価格の上下があり、最悪の場合元本割れをしてしまうリスクがあります。iDeCoは個人型確定拠出年金であり、自分の才覚で商品を選択するわけですから、失敗したら責任も自分で追わなければなりません。なので、事前によく勉強・調査をして商品選びをする必要があります。デメリットを減らすには定期預金を使う「手数料がかかる」「元本割れリスクがある」などと、自分のお金が減る話ばかりを聞くと、何かiDeCoに取り組む気がなくなりますね。でも、この二つのデメリットを少なくする方法はあります。それは、「iDeCoに定期預金を使う」というものです。定期預金を使えば、元本は投資した金額を下回ることは決してありません。ただし、利息が手数料を上回らないと、損をしてしまうことになります。手数料についても、iDeCoを年払いにすれば少なくすることができます。どうしてもデメリットを受けたくない場合には、定期預金の利用を検討しましょう。iDeCoにかかる手数料とは最後に、iDeCoにかかる手数料について押さえておきましょう。iDeCoには、色んな場面に応じてさまざまな手数料がかかってきます。iDeCoに加入してから「知らなかった!」とならないように、事前にしっかり確認しておきましょう(金額は2019年9月現在)。[adsense_middle]iDeCoを始める際最初にかかる手数料は、国民年金基金連合会への加入時の事務手数料2,777円です。どの金融機関を選んでも金額は一律で、最初の掛金から差し引かれます。また、金融機関によっては、加入時の手数料が別途かかる場合もありますので注意が必要です。おすすめの金融機関はSBI証券です。業界屈指の格安手数料や、豊富なサービス・商品ラインナップを誇るネット証券業界最大手です。iDeCoの加入中毎月の拠出時には、国民年金基金連合会に103円を、iDeCoの資産を管理する信託銀行に64円を管理手数料として支払います。また、金融機関(運営管理機関)も「運営管理機関手数料」をとっています。金融機関によりサービスの内容はさまざまであるため、金額も異なり、無料から300円台となっています。できるだけ運営管理機関手数料の少ない金融機関を選びましょう。運用商品にかかる手数料選択した運用商品自体にかかる手数料もあります。大きく分けて、運用会社に払う信託報酬と、投資信託にかかる信託財産留保額があります。これは通常の投資信託を購入する場合と同じです。iDeCoの給付時給付金を受け取る際、信託銀行等が行う給付の事務にかかる手数料で、1回の給付につき432円かかります。一時金で一括で受け取れば支払いは1回で済みますが、年金にした場合には受け取りのたびに432円かかります。以上をまとめると下表となります(2019年9月現在)。これだけ色々な手数料を取られますので、iDeCoをやるにはやはり少額よりも一定規模の金額で始めた方が、手数料の引かれる割合的には有利になります。また、金融機関や投資信託によっては手数料が異なる場合もありますので、できるだけ手数料の安い金融機関や投資信託を選んだ方が、お得になります。iDeCoの仕組みやメリット・デメリットに関するまとめiDeCoの仕組みやメリット・デメリットについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?確かに、iDeCoには60歳まで引き出せない、手数料がかかるなどデメリットもあります。ですが、事前にデメリットについて理解してある程度対策を打ち、自分で投資商品についての知識を深めて上手に運用すれば、メリットを生かしてきっとあなたの老後の心強いささえとなってくれるでしょう。ぜひiDeCoの利用を検討ください。この記事が、あなたの参考になることを願っております。
2019年09月17日「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入条件が緩和される見込みです。これまで勤め先で、「企業型確定拠出年金」に加入している会社員は、原則としてiDeCoへの加入はできませんでした。しかし、全会社員を加入できるようにする改正案が、来年の通常国会にも提出される見込みです。さらに、現行の積立期間は60歳までですが、65歳まで延長されることも確実視されています。現在、50歳を超えている人も、延長で10年以上積み立てられるようになる可能性が高いですから、加入しても遅くはありませんよ」こう語るのは「年金博士」こと、社会保険労務士の北村庄吾さんだ。iDeCoとは毎月、少額ずつ積み立てた資金を、投資信託商品などで運用する年金だ。掛金は月額で最低5,000円からで、1,000円きざみで選ぶことができるが、上限額は職業などによって異なる。自営業者は国民年金基金の掛金などとあわせて6万8,000円が上限。公務員や独自で運用している企業年金がある会社に勤める会社員は1万2,000円、企業年金がない会社に勤めている会社員や専業主婦は2万3,000円が上限となっている。運用期間中の利益は非課税、さらに受け取れるのは原則60歳以降だが、そのときも控除額の範囲内であれば非課税だ。「“投資=怖い”と考えて敬遠している人も多いはず。しかし、iDeCoは元本割れさえしなければ、放置しておくだけで、“節税メリット”を得られるんです」それではiDeCoで“得する”ための心得を専門家に聞いていこう。■節税メリットを知る「iDeCoには投資信託や債券で運用する以外にも、元本保証されている定期預金など、貯蓄性の高い商品があります」(北村さん)だが超低金利の時代、仮に銀行で100万円を定期預金しても、利息は年数十円〜200円ほど。「たしかに、運用益はほぼ見込めません。しかしiDeCoの積立金は、全額控除になります。つまり、所得税と住民税を払っている人は節税になるのです」たとえば、年収500万円の人が、55歳から月2万3,000円を積み立てた場合、年間約5万5,200円も税金が安くなる。60歳までの5年間だけでも、約27万6,000円もの税制優遇を受けられるのだ。「初心者は、まずは定期預金などで節税メリットだけ受け、徐々に運用の方法を勉強していけばいいのではないでしょうか(北村さん)■手数料で選ぶどの金融機関でiDeCoを運用するかは自分自身で選ぶことができる。口座開設費用は、基本的に2,777円だが、各種手数料は金融機関によって違うので注意が必要だ。確定拠出年金アナリストの大江加代さんはこう語る。「毎月、口座管理料がかかります。少ないところで200円弱、多いところで500円以上と開きがある。しかし、それ以上に要注意なのは、自分で選ぶ投資信託の手数料、信託報酬です。同じような商品でも、金融機関によって手数料が3倍も4倍も違うケースもあります」信託報酬は、運用する資産に対して一定比率で計算されるものだから、積立期間が長くなるほど資産が増え、影響が大きくなる。「仮に毎月2万円を10年間積み立て、資産240万円になった場合、信託報酬率が年0.1%違うだけで、支払う信託報酬は年間2,400円も増減するのです」(大江さん)こうした手数料は、大手証券会社よりも、楽天証券やマネックス証券などのネット証券のほうが安い傾向にあるので、比較しよう。
2019年09月13日本記事ではiDeCoの所得控除について考察します。記事の中ほどに「年収などの違いによってどのくらい減税の効果があるのか」分かりやすい一例の一覧表を作成しましたので、ご覧いただければ幸いです。iDeCoのメリットの一つ、所得控除とは税金がお得になることiDeCoは老後のための資産形成の制度です。大きなメリットが3つあります。「掛け金が全額所得控除になる」「運用益が非課税になる」「将来お金を受け取るときに所得控除が受けられる」この中でも今回は1の「掛け金が全額所得控除になる」について見てみましょう。iDeCoへの掛け金の全額が所得控除になる。iDeCoの所得控除の仕組み&メリットを受けられる対象は所得税・住民税が課税される人iDeCoの所得控除の仕組みを簡単に言うと「iDeCo口座に毎月(あるいはまとめて)お金を出していくと、税金の負担が減少しますよ」ということです。もう少し詳しく言いますとiDeCoに出した掛け金の全額が「小規模企業共済等掛金控除」の対象となります。個人事業主や所得のある専業主婦などは確定申告が必要です。そして、iDeCoの所得控除の減税メリットを受けられる人は、会社員・公務員・自営業者などの「課税される所得のある人」です。【質問】所得税・住民税が課税されない人でもiDeCoに掛け金を出すと、所得控除のメリットがありますか?答え:ありません。所得税・住民税が課税されない人の場合には、所得控除による減税メリットはありません。ただ「減税メリットがないからiDeCoをする理由がない?」かというと、そうではありません。理由は後述します。【質問】家族のiDeCoの掛け金を自分が負担すれば、自分に減税メリットがありますか?答え:ありません。家族の掛け金を負担しても、減税メリットは得られません。iDeCoの所得控除はどのくらい減税効果があるのか【年収別シミュレーション】それでは具体的に、iDeCoの所得控除のメリットによる減税効果がどのくらいなのか一例を見てみましょう。注意点:以下は毎月掛け金を出した場合です。途中で課税所得や掛け金の変更がない前提です。こちらの一例は「イデコ公式HPかんたん税制優遇シミュレーション」を使用して出しています。実際とは異なることがあります。[adsense_middle]iDeCoの所得控除のメリット【金額】をチェックしてみよう共通の条件として、20歳で加入して60歳まで40年間続けた場合です。ちなみにiDeCoに出せるお金の毎月の限度額は「加入者区分」によって異なります。以降のシミュレーション一例では、以下のパターン(月/5,000円・12,000円・23,000円・68000円)で見てみましょう。最低掛け金額/月5,000円公務員の限度額/月12,000円会社員の限度額/月12,000円or23,000円(会社員の場合、企業年金のある・なしなどにより異なる)専業主婦(主夫)の限度額/月23,000円自営業者の上限/月68,000円①年収が200万円の場合のiDeCoの所得控除による減税金額上記を見ると掛け金に応じて軽減額が大きくなることが分かります。②年収が300万円の場合のiDeCoの所得控除による減税金額自営業者の上限68,000円のケース以外では①と同じ数値です。③年収が400万円の場合のiDeCoの所得控除による減税金額このケースでは②と全く同じです。④年収が500万円の場合のiDeCoの所得控除による減税金額③より減税金額が大きくなってきました。⑤年収が600万円の場合のiDeCoの所得控除による減税金額こちらは④と68,000円のところだけが異なります。⑥年収が700万円の場合のiDeCoの所得控除による減税金額やはり年収が上がるほどに所得控除の減税メリットが大きくなってくることが分かります。iDeCoの本当のメリットは所得控除じゃない?さて上記のシミュレーション一例をご覧になって、どのような感想を抱かれたでしょうか。「結局、高所得者の方がお得になるじゃないか」「所得が低いと減税の金額にお得感が感じられない」「そもそも収入の無い専業主婦だと所得控除のメリットがないからiDeCoをする気が起きない」などと思われた方もいらっしゃるかと思います。その一面は確かにあります。ただ、iDeCoは所得控除のメリットを受けられるだけの制度ではありません。その本質は「老後のためのもう一つの年金」にあります。どういうことでしょうか。[adsense_middle]老後の公的年金が減るからiDeCoは重要2019年8月27日に厚生労働省より「公的年金の財政検証」が発表されました。これは簡単に言うと、「公的年金の健康診断」のようなものです。5年に一度のペースで公表されます。今回のポイントはいくつかありますが、少しだけ見てみましょう。公的年金制度の「健康診断(財政検証)」のポイント一例:「減税だけじゃ乗り切れない?」筆者にとって(そしておそらく読者の方にとっても)印象的なのは次の点でした。現在20歳の方が現状の高齢者と同水準の年金をもらうには68歳9か月まで働く必要があるということでした。現在定年の多くは60歳ですので、実に8年9か月長く働かなくてはいけません。※ちなみにこれは今後「日本経済が良かった場合」の楽観的なシナリオです。現実はもっと悪くなると筆者は考えています。ちなみに30歳以降が今の65歳と同水準の年金を受給するには、次の年齢まで働かないといけないことが数値上算出されています。現在の30歳→68歳4か月現在の40歳→67歳2か月現在の50歳→66歳ここだけ見ても、何となくiDeCoやつみたてNISAを利用しての資産形成の重要性が見えてきます。将来、年金を現在と同水準もらうには、現在よりも(短くて)6年~8年4か月働かないといけない可能性がある。若い人ほど老後のお金は厳しくなる。所得控除のメリットにこだわりすぎないことも重要ではまた公的年金制度の「健康診断(財政検証)」では、所得代替率の低下についても触れられていました。所得代替率:ざっくり言うと、現役世代の今の私たちの手取り収入に対する年金額の割合。低いほど受け取れる年金額が少ない。いま(2019年度)は所得代替率が61.7%です。しかし「健康診断(財政検証)」では6つある、どのシナリオでも将来の所得代替率は低下しています。一番良いシナリオ→51.9%一番悪いシナリオ→36%~38%ちなみにこれは賃金が上がり続けるという前提のお話です。しかし直近5年間で賃金が上昇したのは2016年の一年だけでした。筆者の個人的な考えでは、一番悪いシナリオよりも将来は悪くなる(もらえる公的年金は減る)のではないかと考えています。その理由は少子高齢化です。公的年金は現役の世代が高齢者にお金を「仕送りする+積立金を上乗せしている形式」です。そして、今の現役世代が年金受給資格を得るころには、ますます若い人が減っていると思われます。つまり、「未来の私たちに仕送りをしてくれる人が減っている」わけです。そのため、将来のもらえる年金額は構造上減ってしまうと考えられます。ちなみに6つのシナリオの一番悪いものでは2052年には国民年金の「積立金が枯渇する」ということになっています。つまり「仕送りする+積立金を上乗せしている形式」の「積立金を上乗せしている」部分がなくなって、単純な「仕送り形式(正式には賦課方式という)」になることを意味しています。早い話が受け取れる年金がさらに減る可能性があります。ちなみに公的年金を受給開始後も、加齢とともに所得代替率は下がる見通しです。嫌なお話ばかりですが、だからこそiDeCoの所得控除のメリット以外について考えてみることが重要かもしれません。将来もらえる年金の所得代替率は今61.7%だが、36%~38%(あるいはそれ以下)に下がる可能性がある。iDeCoの所得控除に関するまとめiDeCoのメリットの一つは所得控除で実質減税になるあなたの所得控除のメリットはいくら?年収・掛け金別一覧でまる分かり!iDeCoで大事なのは所得控除だけじゃない。iDeCoで未来の自分を助けようiDeCoのメリットの一つに「掛け金が全額所得控除になる」というものがあります。税制面でとても優遇されているのがiDeCoの特徴です。本文内のシミュレーション一例で見ましたが、基本的に年収・掛け金が大きいほど所得控除のメリット金額が大きくなっていきました。ただ、iDeCoの本質は所得控除のメリットだけではないと筆者は考えています。記事の最後の方で触れましたが、これからは若い人ほど、公的年金だけでは老後の生活が成り立ちにくくなると考えられます。そこで出てくる考え方が「自助努力(自分の老後のお金は自分で形成する)」です。人によってはiDeCoの所得控除のメリットがない・少ないことがあり、魅力的に見えないかもしれません。ですがiDeCoの本質はそこではないのではないでしょうか。本記事が読者の方の合理的な資産形成の一助になれば幸いです。
2019年09月03日本記事はiDeCoの元本保証型の金融商品について考察します。元本:自分が出したお金のこと。元本保証型と聞くと「安心」という気がして、ついつい積み立てる割合を増やしがちですが、その行為は資産形成において実際はどうなのでしょうか。元本保証型のメリット・デメリットについて詳しく見てみましょう。※元本保証型を元本確保型とも呼びますが、本記事内では「元本保証型」で統一させていただきます。iDeCoの元本保証型の預貯金と保険タイプとはどんなもの?iDeCoでは基本的に、毎月積み立てる形で掛け金を出していきます。そして掛け金は、次のいずれかの運用商品で運用することになります。元本保証型投資信託(元本変動型)このうち投資信託(元本変動型)は、文字通り元本が変動します。変動幅は投資対象にもよりますが、株式主体の場合一年間という単位で見ると、50%程度値動きが上下にブレることがあります。投資信託(元本変動型)は一般的に「リスク(値動きの幅)がある」と呼ばれるものです。iDeCoの運用商品は大きく「元本保証型」と「投資信託(元本変動型)」の2種類がある。iDeCoの元本保証型の特徴は?それでは元本保証型とはどういうものでしょうか。こちらは先ほど見た投資信託(元本変動型)とは異なり、文字通り(基本的に)元本が確保されている、というものです。私たちの身近な金融商品で例えますと、銀行や郵便局での預貯金がそれに近いイメージです。元本保証型は基本的に価格リスクがなく、元本の安全性が確保されている。【参考】SBI証券のiDeCoの元本保証をチェックしてみるそれではここで一例として、SBI証券のiDeCoにおける元本保証商品をチェックしてみましょう。執筆時点で次の4商品が確認できました。【質問】iDeCoの元本保証商品の除外予定って何のこと?除外予定とは簡単に言うと、「そのうち無くなりますよ」という運用商品です。新しい法律の施行により、「iDeCoで選べる運用商品を35本以下にしましょう」ということになりました。そのため、近々無くなるという商品です。上記のSBI証券の場合では、4本の元本保証型商品中3本が「除外予定」ですので、実質的に1本になる可能性があります。筆者の個人的な意見としてiDeCoで元本保証型を選べることは「親切ではなく、初心者にとって不親切」だと考えていますので、とても良いことだと思います。この理由については、資産形成において重要なポイントですので、後述させていただきます。ちなみにiDeCoより新しい制度の「つみたてニーサ」には元本保証商品は最初からありません。iDeCo元本保証タイプのメリットは金利(利率)それでは先に、iDeCoの元本保証型商品のメリットについて見てみましょう。ここでは引き続きSBI証券の元本保証型商品を例に挙げて見てみます。削除予定の3つを除いて、残った1つについて考察します。あおぞらDC定期(1年)・・・定期預金[adsense_middle]iDeCo元本保証のメリットは金利(利率)?SBI証券HPの商品説明「運用情報」によりますと、2019年8月1日時点での適用利率は0.02%となっています。複利で2倍になるまでの期間を単純に計算するとこうなります。複利効果:利子など増えたお金+元本にさらに利子などがつき、雪だるま式にお金が大きくなる効果。72÷0.02=360072の法則:72で利回りを割ると、複利で元本が二倍になるまでの年数や、インフレで物価が二倍になるまでの年数が分かる。すなわち3600年で元本が2倍になる可能性がある、という計算です(コスト無視)。資産形成においては、お世辞にも有利な利率とは言えません。ちなみに仮に株式主体の投資信託(元本変動型)の期待リターンが5%の場合、72÷5=14.4となり、およそ15年で元本が2倍になる可能性が計算上はあります(コスト無視)。元本保証型では増えないので、老後の資産形成には不向きな一面がある。iDeCo元本保証商品は節税にもなっておすすめ?もちろん元本保証型の商品でも節税効果はあります。運用益非課税掛け金が全額所得控除受取るときも税制優遇される銀行預金の場合、運用益非課税と所得控除がありません。例えば銀行預金では、増えた利子に対して20.315%の税金がかかります。それがiDeCoだと非課税になります。また、銀行預金にいくら預けても税金が返ってきませんが、iDeCoに掛け金を出すと所得がある人の場合は所得税が戻ってきます。多い人では年数万円、四十年間では百万円以上(状況による)にもなります。iDeCoの元本保証型は全体でどのくらいの割合を占めているの?日本経済新聞の報道によりますと、「2019年3月時点でiDeCo全体の資産において元本保証型の割合は6割を超える」となっています。多くの人が元本保証型に対して良いイメージを抱え、最適な運用対象だと考えていることが透けて見えます。しかし、果たして本当にそうなのでしょうか。人によって(例えば20代~50代前半)は、元本保証型より投資信託(元本変動型)をメインに考えた方が、資産形成においては有利なのではないでしょうか。次に元本保証型のデメリットを見てみましょう。多くの人がiDeCoでは元本保証型を選択しているが、それはミステイクの可能性もあるのではないか。iDeCo元本保証のデメリット:金利が低すぎて手数料に勝てない?私たち人間は基本的に「利得に対して損失が1.5倍から2.5倍ほど重く感じる(つまり損が嫌)」という性質を持っています。そのためiDeCoの運用商品においても投資信託(元本変動型)を嫌い、元本保証型を選びがちです。しかし、一見すると有利に思える元本保証型には以下のようなデメリットが考えられます。利率があまりにも低いので手数料分だけ損しやすい(マイナスになる)iDeCoでは掛け金の上限があるので、預金をしたければ手数料ゼロの銀行で十分元本保証型では、インフレリスクに弱く、実質的に目減り(マイナス)しやすい可能性がある運用商品の節税メリットを最大限に生かすなら、投資信託(元本変動型)を考慮する少し詳しく見てみましょう。元本保証商品自体の手数料はないが、iDeCoの手数料がかかるので、長期的に見ると目減りする?iDeCoではどんなに安くとも積み立てをしていると167円以上の手数料がかかります。ということは、元本保証型の金融商品を選択している場合、毎月換算の利子が167円以上(年間では2004円)ないと、実質的に目減りをしてしまう、ということです。マイナスになるのであれば、元本保証商品としては残念な一面です。先のSBI証券の元本保証型商品の「あおぞらDC定期(1年)」では利率が0.02%でした。【問題】元本がいくらあったら、年2000円の利子がつくか?それでは利率0.02%の場合で、元本がいくらあると、手数料分を相殺できるのでしょうか?答えはおよそ一千万円です。つまり、現状の低金利ではiDeCoの元本保証商品では実質的に損をしていってしまいます。【問題】解約のたびに手数料432円がかかると、実質もっと損なのでは?そして、iDeCoでは原則として60歳以降にお金を引き出せることになります。このとき無料では引き出せません。「毎回432円」がかかります。iDeCoでは年金形式として5年~20年などの期間を自分で決めて、年に何回かに分けて受け取ることもできます。もちろん、一括で受け取ることもできます。そのため、元本保証商品を選んだ人によっては、さらに実質的に目減り(マイナスになる)をする可能性があります。でも手数料なんて少額だし、税金の控除があるからオッケーじゃない?確かにiDeCoでは掛け金の所得控除があります。そのため収入を得ている人の場合、税金が返ってきます。これにより、元本保証型商品であっても手数料分を上回るメリットが得られる可能性があります。しかし、それでいいのでしょうか。iDeCo元本保証商品の落とし穴インフレリスクインフレリスクとは、簡単に言うと「物価が上がった時に、預貯金は増えていないから、実質目減りしてて損だよね」というリスクです。例えば、百円で買えたハンバーガーが二百円に値上がりすると、百円の価値は半分になってしまう、というものです。iDeCoの元本保証商品の場合、積極的に増えていかないのでこのインフレリスクが考えられます。[adsense_middle]【問題】物価が年間2%の割合で上昇したら、何年で物価は2倍になるのか?これは仮の話ですが、仮に年間2%ずつ物価が上昇した場合、何年間で物価が2倍になるでしょうか。計算式は簡単です。先ほど見た72の法則で、インフレにおいて物価がどれくらいで2倍になるかが分かります。72÷2=36つまり、およそ36年間で物価が2倍になります。つまり、元本保証商品の預貯金タイプでは、数十年後に「お金の価値」が減ってしまっている可能性があるのです。「国内でそんなに物価上がらないよ」というご意見もあると思います。確かに今の仮の数字の2%はオーバーなお話です。しかし、世界ではそうはいきません。世界の物価が上がっていく中では輸入品の物価も上昇していくことが考えられます。食品の価格や燃料費も上がり、全体的に上がっていく可能性があります。その世界においては、やはり「お金の価値」が減るのではないでしょうか。乱暴に言うと何もしなくてもマイナスになる可能性があるのです。【比較】元本保証商品と投資信託(元本変動型)の利率の違いによる将来の資産額シミュレーション上記まで見てきましたように、私たちは元本保証商品が好きです。ところが低金利時代は、元本保証商品だと実質的に元本減少タイプになってしまう可能性があります。では、どんな選択肢があるのでしょうか?それがiDeCoで買えるもう一つの金融商品の種類、「投資信託(元本変動型)」です。未来のことは不透明で分かりませんが、いくつかシミュレーションをしてみましょう。下記は「0.02%・1%・3%・5%」の運用利率(年率)で毎月1万円を積立投資した場合の、10・20・30・40年後の資産総額のシミュレーション一例です。※図表は筆者作成(万円未満は切り捨て)上記はシミュレーション一例ですので、その通りになるかどうかは分かりません。未来を保証するものではありません。ただ、利率を比較してみると、必ずしも元本保証商品が有利であるとは言えないのではないでしょうか。当たり前ではありますが、どのケースであっても個人が出した元本は同額です。iDeCoの元本保証タイプに関するまとめiDeCoの元本保証商品は基本的に値動きリスクがない超低金利の時代では、iDeCoで元本保証商品だけを選ぶと手数料に負けてしまう元本保証商品だけでは資産形成においては不利になる可能性がある今回はiDeCo(個人型確定拠出年金)の元本保証商品について考察しました。誤解がないように言っておきますと、確かに元本保証商品は重要です。例えば60歳手前の方で、来年リフォーム費用などでどうしてもまとまったお金が必要な場合、元本保証商品を選択するのは「あり」だと筆者も考えています。しかし、そうではなくて、20代~55歳程度の方でしたら、老後のためにお金を増やすことを考えてみるのも良いのではないでしょうか。どちらにせよ60歳まで出すことができないのですから、大きくなる可能性を求めた方が良いのではないでしょうか。本文内のようにシミュレーション一例を見ると、増える可能性を秘めている投資信託(元本変動型)もあります。元本保証商品の割合が多い方は、冷静に考慮してみてはいかがでしょうか。本記事が読者の方の合理的な資産形成の一助になれば幸いです。
2019年08月22日本記事ではiDeCoを行う場合に「毎月の掛け金はいくらがおすすめなのか?」について考察します。また、企業年金連合会の公表しているiDeCoに「みんなが出している掛け金の平均金額」も検証してみましょう。意外な発見があるかもしれません。iDeCoの掛け金は最低いくらから可能なのか?基本を確認しようiDeCo(イデコ)とは個人型確定拠出年金の愛称です。基本的に毎月定額の掛け金を出して、自分が選択した金融商品を定期的に購入していきます。個人型の確定拠出年金という名称からもわかりますが、個人が自分の意志で加入します。掛け金(出すお金)だけが事前にわかって(確定して)いる「もう一つの年金」です。※基本的に毎月お金を出していきますが、手続きを行うことで、年に数回などまとめてお金を出すことも可能です。年単位拠出と言います。つまり、受け取れる金額は「加入者が選択した金融商品次第で大きく変わってしまう」ということです。iDeCoで将来受け取れるお金はあらかじめ決まっていない。iDeCoの掛け金【下限】は、年収に関わらず毎月五千円(サラリーマンでも専業主婦(主夫)でも同じ)また、iDeCoでは出せるお金も働き方によって異なります。詳しくはこの後確認してみましょう。先に掛け金の最低金額から確認します。毎月の掛け金の最低金額は五千円です。サラリーマン・自営業者・専業主婦でも、iDeCoの最低掛け金は毎月五千円。【質問】iDeCoの最低掛け金の五千円を払えなくなったらどうしたらいいの?iDeCoは個人型の確定拠出年金ですので、加入は本人の意思で行います。そして加入後は前述のように、最低月額五千円(~加入者上限まで)の掛け金を出していきます。しかし個人の事情により掛け金を出すことが難しくなることも考えられます。どうしても毎月五千円の最低掛け金を出すことができない場合は、iDeCoの「加入者資格」を喪失する手続きを取ります。こうすることで、掛け金をストップすることができます。iDeCoの最低掛け金は五千円だが、ストップすることができる。【ご注意】加入者資格を喪失しても、お金はすぐに引き出せません注意しておきたいのが、掛け金をストップしても「原則として60歳になるまではお金を引き出すことはできない」ということです。あくまでもiDeCoは老後のための「もう一つの年金」的な位置づけですので、すぐに引き出せないのです。掛け金をストップした人は「運用指図者」と呼ばれる状態になります。「運用指図者」とは、それ以上掛け金を出さずに、これまでに出したお金の運用をする人を指します。掛け金はストップできるが、原則として60歳までお金は引き出せない。iDeCoの掛け金の限度額と平均はいくら?それではここからiDeCoの掛け金の「限度額」と「平均」について見てまいります。先に限度額から見てみましょう。[adsense_middle]iDeCoでは掛け金の上限が異なる。【サラリーマン・専業主婦(主夫)・自営業者】こちらがiDeCoの掛け金の上限一覧です。※図表は筆者作成個人の加入者区分によって掛け金の上限は異なる。サラリーマン・自営業者・専業主婦でも千円単位で掛け金は変更可能上記のように、月額の掛け金は加入者区分によって異なります。最低掛け金は五千円からでしたが、そこから千円単位で(それぞれの上限まで)自由に設定することができます。掛け金は最低五千円から、千円単位で上限まで設定可能。意外と多い?少ない?iDeCo加入者の掛け金の全体平均は、16,222円上記のように掛け金の上限は異なります。それを踏まえたうえで、iDeCoの掛け金平均を見てみましょう。国民年金連合会の公表している資料では次のようになっています。※図表は筆者作成全体平均では16,222円となりました。ただ、会社員によっては上限が1.2万円までなので、お金を出したくても出せない、という現状も伺えます。そのような場合には、つみたてニーサとの併用を考えることも重要だと思います。iDeCo掛け金の平均は16,222円だが、人によっては限度額が邪魔して、より多くのお金を出したくても出せないケースもある。未加入者の希望する掛け金の平均一方、未加入者の希望する掛け金の平均は以下のようになっています。未加入者の方の希望を見てみると、だいたい1万円から1万5千円程度の掛け金を考えていることが伺えます。iDeCo掛け金のおすすめは限度額いっぱいまで筆者は個人的に、先ほどの平均的な掛け金額を見て率直に「少ない」と感じました。その理由は、掛け金の上限と比較した場合に低いからです。特に自営業者が低いです。前回の記事で詳しく解説しましたが、自営業者の平均の年金受給額は5万円です。これは会社員と違い、厚生年金に加入していないからです。一方iDeCoの掛け金の上限が自営業者は6.8万円と高く設定されています。会社員の上限が1.2万円のケースもある中で、6.8万円というのは大変大きな意味のあることではないでしょうか。[adsense_middle]iDeCoの掛け金は毎月最大限がおすすめの理由【サラリーマンも自営業者も主婦も】また、自営業者のみならず、サラリーマンも専業主婦・主夫も最大限にiDeCoを利用することを考えてみることが必要ではないかと筆者は感じています。当たり前ですが、毎月最大限にお金を出していれば老後の資産が大きくなることが予想されます。以下はiDeCoにおける「運用利率が平均5%(年率)の場合の40年後の資産総額のシミュレーション一例」(未来を保証するものではありません)です。※図表は筆者作成上図のようになりました。上の一例では、いずれも「同じ期間」「同じ運用利率」です。異なるのは投資額だけです。同じ期間・同じ制度で資産形成をするのであれば、できるだけ金額は大きい方が良いのは自明の理ではないでしょうか。そのため、限度額の低い会社員や公務員の場合は、つみたてニーサとの併用を真剣に検討することも大切です。同じ期間・同じ投資対象なら、計算上は金額が大きい方がお金は大きくなると考えられる(未来を保証するものではない)。サラリーマンと自営業者は控除を考えても最大限が良いまた、iDeCoには所得控除というつみたてニーサにはないメリットもついています。簡単に言うと、「税金が戻ってきてお得」という制度です。このお得なメリットを最大限に使う方法は、掛け金を最大にすることです。下記は一例ですが、人によっては次のように税金が戻ってくることがあります。※図表は筆者作成所得控除があるから、iDeCoの掛け金は上限まで出すのがやっぱりお得。idecoの掛け金に関するまとめiDeCo(個人型確定拠出年金)の最低掛け金額は毎月五千円iDeCoにおける掛け金の平均額は16,222円iDeCoで資産形成を考えると、掛け金は最大限出した方が合理的iDeCo(個人型確定拠出年金)では、個人の意思で掛け金を千円単位で変更できます。最低金額は五千円からですが、上限は個人の加入者区分によって異なります。全体の平均を見ると16,222円という数字が浮かび上がってきました。ただ「資産を形成する」というシンプルな目的だけで考えてみると、毎月の掛け金は各個人の出せる限度額いっぱいまで出すことが合理的であると筆者は考えています。iDeCo(個人型確定拠出年金)でも企業型確定拠出年金でも、つみたてニーサでも、現役時代に利用できる制度は最大限に利用するべきではないでしょうか。本記事が読者の方の合理的な資産形成の一助になれば幸いです。
2019年08月19日昨今ではNISAに始まり、iDeCo、つみたてNISAと投資信託を活用した商品が注目を集め、今では投資が身近なものになってきたと思います。今回は投資信託を運用する上で大事なポイントについて解説していきます。これから投資信託を始めたいとお考えの方、初心者の方は是非ご覧いただきたいと思います。運用利率は高いほうが良い投資信託は運用商品です。株や債券で運用されます。特に憶えておいて欲しいキーワードは「利回り」という言葉です。この利回りは一般的には年利を指しますが、1年間の間にどれだけ増やせたかを示す言葉です。つまり言い換えると運用利率とも言えますが、低いか高いかで言えば高い方が結果沢山増やせているという事になります。ファンドによっては株式への投資が中心だったり、逆に債券中心だったりと様々です。増えるという事はその分リターン(収益)が大きくなるという事です。積立の金額、要した時間が同じであればリターンの差は気になりますよね。利回りの高いファンド選定をしたいものです。しかし裏に潜むリスクも合せて知っておく必要はありますのでご注意下さい。利回りの計算方法先程利回りという言葉を紹介しましたが、どのような計算式になっているのかを解説します。計算式は次の通りです。言葉で見ると難しいですが、投資信託を購入し、増えた部分から掛かる費用を引き、それをこれまでの積立金額で割るという計算です。この方法によって、利回りが計算できます。ご自身で計算したい方もいらっしゃるかもしれませんが、ファンドの目論見書やHP等に利回りなどの記載がある場合もありますので、確認しておきましょう。計算式の落とし穴先程計算式の図を解説しましたが、ここで1つ注意頂きたい点があります。それは計算式の中にある「分配金」という点です。実はこの分配金は2種類パターンがあります。それがこちらです。「普通分配金」運用の成果から支払われるもの「特別分配金」投資元本を取り崩して支払われるもの特別分配金には要注意ここで、解説しておきたいのは「特別分配金」という事ですが、俗に「タコ足配当」と呼ばれています。なぜこの様に呼ばれているかと言いますと、タコという生き物は自分の足を食べる習性があり、この行為が投資にも同じ様に言える事から「タコ足配当(自分の投じた元本から分配金が発生、つまり投資元本を食べてしまう)」という表現になりました。このタコ足配当は投資家の間では敬遠されているものでして、特に一括購入した投資信託等に多く見られます。毎月、毎年の様に配当は入ってきますが、それが自分の投じた元金だとは気づかず受取続けてしまうというものです。しかし、タコ足なのかどうなのかは運用してみなければ分かりません。そこで、タコ足配当を未然に防ぐ方法として、「分配金」が発生する投資信託を避けるのが回避する方法となります。または分配金を再投資に回すという方法で受け取らずに再度運用に回されますので、回避できます。分配金は受け取らない方が、長期的な資産運用には向いていますので、気を付けておきましょう。初心者が賢く運用するためのポイント解説今回は投資信託を始めて購入するといった方、初心者の方へ向けての記事になります。ここで、運用を良いものにする為にポイントを絞って解説していきたいと思います。[adsense_middle]課税を避ける為に選ぶおすすめ商品まず、避けるべきは「課税」でしょう。投資信託を始めるに当たって、様々な口座(商品)が世に出ています。選ぶべきはiDeCo、つみたてNISAがおすすめです。理由は運用期間中に課税されない事に尽きます。これまでは一般口座しかなく、投資信託で運用するにも、利益に対して、源泉分離課税といって約20%もの課税がなされていました。例えば1年間で10,000円の利益が発生したとしたら、2,000円は税金として差し引かれ、8,000円の利益となります。しかし、iDeCo、つみたてNISAはこの2,000円は差し引かれず、10,000円がそのまま残ります。投資信託は発生した利益も再投資され運用されますので、長い事資産運用する上では、余計な税金は回避すべきです。課税を回避する為にはiDeCo、つみたてNISAを活用するのがお得な方法となります。またそれぞれ年間に投資出来る金額や解約の有無が異なりますので、目的をしっかり持って始めましょう。手数料は低いに越したことはない前半部分で計算式を解説しましたが、利益からかかる費用を差し引く計算になっていたかと思います。利回りを高くする方法として、かかる費用を抑えるという事も大事になってきます。(例)AファンドとBファンドの比較例えば、A、Bとファンドがあったとします。投じる金額、運用年数、利益も同じだと仮定します。Aファンド:10,000円の利益が発生した際の手数料500円Bファンド:10,000円の利益が発生した際の手数料1,000円10,000円の利益が発生し、Aファンドは手数料で500円、Bファンドでは1,000円だとします。これが長い事続くと考えたら、結果Aファンドの方がかかる費用を抑制していますので利回りが良くなりますよね。リターンという結果に反映されますので、手数料を抑えるといった時に、どんなファンドを選べばいいのかを次で解説していきます。相場や、ファンド実績が分からなくても最初に選ぶポイントは「信託報酬」!投資信託を始めるに当たって、見るべきポイントの一つに「信託報酬」が挙げられます。この信託報酬とは、投資信託を運用する方々への報酬とお考え下さい。毎月支払った金額の一部がこの報酬に充てられます。またファンド毎に異なります。それではこの信託報酬部分ですが、高いか低いかという事もそうですが、実は投資信託を選ぶ際に直ぐに分かるポイントがあります。それを解説しますが、以下の2種類の投資信託さえ押さえておけば大丈夫です。アクティブファンド:ベンチマークと呼ばれる株価指数等を上回る実績を目指すファンドの事。特にファンドマネージャーによる手法が色濃く出る。また様々な会社の調査等にも時間やお金をかける為、手数料(信託報酬)は高く設定されている。インデックスファンド:アクティブファンドとは対照的に、ベンチマークに沿った運用実績を目指すファンドです。信託報酬もアクティブファンドに比べると低く設定されており、主につみたてNISAのラインナップに数多く存在しています。結論から申し上げますと、選ぶべきファンドはインデックスファンドで十分です。その理由を2つご説明しますね。インデックスファンドを選ぶ理由先程も解説しましたが、アクティブファンド、インデックスファンドを選ぶなら、信託報酬の低いインデックスファンドがオススメです。理由は手数料(信託報酬)が低い事です。それとインデックスファンドがオススメな理由はもう一つあって、成果を求めるアクティブファンドは統計の結果ですが、9割方インデックスファンド程増やせていないという点です。もちろんアクティブファンドが絶対にダメだと言っている訳ではありません。中にはインデックスファンドを遥かに凌ぐものも1割は存在しますが、この1割をどうやって見つけますか?かなり難しいと思いますし、運用はこれからです。先の運用成果は誰も予測はできません。それであれば、増やせる確率を上げる事、手数料を抑制出来るといったファンドを選ぶ事が初心者の方にはオススメだという事です。そして、インデックスファンドはつみたてNISAに多く存在しています。国の肝いり制度「つみたてNISA」インデックスファンドを数多く取りそろえる「つみたてNISA」ですが、金融貯はじめ、様々な方の意見を元に、国民に親しみ易く、馴染みやすい制度を創設しました。中でも、毎月分配型でない事や、インデックスファンドが初心者利用に適している点等です。またつみたてNISAでは販売手数料自体かからないのも特徴です。本記事でもつみたてNISAがオススメですよと書きましたが、特に初心者向けに開発されたものがつみたてNISAですので、投資を始める一歩目はつみたてNISAをおすすめします。利回りを上げる為に押さえておくモノサシこれまでは手数料、信託報酬に関して触れました。さてここからはファンドの具体的な中身について触れていきます。つみたてNISAを推奨していますので、購入できる対象ファンドをまず解説していきます。国内株式先進国株式新興国株式米国株式全世界株式バランス型以上が取扱い対象のファンドです。これらを細分化し、商品として各証券会社は販売していますが、参考までにどのジャンルが利回りが高いのかを調べてみました。[adsense_middle]2019年8月現在平均利回り(筆者調べ)つみたてNISAを推奨している私としては約20年間もの間、積立を実施するとどうなるのか気にはなります。前もって言える事は将来を確約した数字ではありません。と言うのも運用は経済状況に左右されます。国と国の関りや、内紛や政治等、挙げればキリがありません。しかしおおよそこれ位の平均利回り位だというモノサシは持っておいて良いと思います。次の表に先程のジャンルがどの程度利回りがあるのかを纏めてみました。尚、バランス型に関しては債券比率、REIT等複合的要素がある為、除外しております。ご覧の様に新興国株式が一番高い利回りです。次に全米株式と続き、国内の株式は中でも低いですが、しかしながら3~4%はあります。具体的に計算してみましたでは下記の条件と先程の平均利回りを利用しいくらになるかを、ざっと計算してみました。条件毎月10,000円を20年間積立てる(投資元本240万円)税金は考慮しないものとする複利計算で実施計算結果計算してみて分かる事具体的に数字にしてみましたが、皆さんはどの様に感じましたか?目を見張るパフォーマンスは新興国株式でしょう。実際に8%の利回りで運用出来れば、20年もあれば投資元本の2倍になります。国内株式でも約プラス90万円です。銀行預金の利息で割ると約3,700倍もの増え方です。これらファンドを何を選ぶのかという事は非常に重要で、賢く運用する事をテーマに挙げるならば避けて通れないと思います。賢く運用する為に何をやるべきか?先程は各ファンドの平均利回りのパフォーマンスをご覧頂きました。では一番高い新興国株式が良いよね!と言うのも少し早いです。まずは各ファンドのリスクを知っておく事も大事です。高いリターンを謳っている裏にリスクは潜んでいます。しっかりと自分の投資先のリスクを知る事は大事ですが、それ以上に私が考えているのは、「本当にそれだけのリターンを求めなければダメですか?」と言う事です。お金を増やす前に、いくら必要になるのか試算私はFPとして、お金の事や金融商品の事等、幅広くご相談を受けています。そしてクライアントに必ずお伝えする事は、「将来いくらあれば大丈夫だと言えますか?」と言う事です。先程の新興国株式の平均利回りだけを考えると誰もがそれに投資したくなります。しかし、本当に8%の利回りでなければダメなのか?5%では必要金額に届かないのか?と言う事です。闇雲に増やす事をすれば、いつどこでどうなるか分かりません。私の調べた平均利回りも世界情勢によっては覆る可能性もあります。では何をすれば良いのか?という事ですが、まずは、「増やす目的を明確にし、いくら足りないか試算する事」だと思います。増やす目的を明確にする理由理由は、長期に渡って積立てをする場合、長いマラソンを走るようなものです。ゴールを迎えるという事は、決して諦めず、走り続けなければゴールできません。途中で投げ出さない、諦めない為には、この積立は〇〇の為にやっているんだ、という意思が必要です。いくら足りないか試算する理由例えば老後にいくら足りないという事は、誰もが分かっていません。最近では2,000万円足りないと言って物議を醸しました。皆さんの増やす目的ではいくら足りませんか?という数値を少しでも具体化する事です。具体化するにはライフプランを作成するのが良いでしょう。時系列でライフイベントが分かり、今から、老後まで、どれだけの時間が使えるのか、どれだけ長生きするのか想定し、入ってくるお金、出ていくお金をも想定します。そして始めて不足分が具体的になっていきます。具体的になれば逆算し、月々どれくらいのお金を何%の利回りの商品で積み立てれば不足分をカバーできるかが見えてきます。そうする事で、選択すべき商品やファンドも絞られます。まずライフプラン作成をやってみて頂きたいですね。まとめ今回は初心者の方が賢く運用するポイント解説と言う事で解説してきました。高い利回り商品を選ぶのは簡単かもしれません。しかし、投資は自己責任が伴います。今回の記事で押さえて欲しいポイントを押さえ、投資に臨んで頂ければと思います。
2019年08月18日本記事では、iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金の愛称)における掛け金の上限金額について考察します。会社員や自営業者・主婦などの毎月の「掛け金上限の一覧」も載せておりますのでご確認いただければ幸いです。※数値や制度の内容は取材時点の内容です。iDeCoに出せるお金には毎月の上限金額があるけれど、iDeCoってそもそも何?iDeCoでは、毎月出せるお金のことを掛け金(または拠出額)と呼びますが、この掛け金の上限は働き方によって異なります。もう少し具体的に言うと、自営業者・会社員・公務員・専業主婦(夫)などで異なります。いったいなぜ、働き方によって異なっているのでしょうか。まずはiDeCoの概要と私たちを取り巻く環境の変化から理解しましょう。そうすることで掛け金が異なる理由が良く分かります。また、私たち個人が資産形成を行うことの本当の意味も見えてきます。iDeCoの掛け金額の上限は働き方によって異なるiDeCoとは?個人型の確定拠出年金のことまずiDeCoとは個人型確定拠出年金の愛称です。iDeCoの特徴は次のような内容です。自分で加入して・お金を出して・運用商品を選ぶ・老後のための資産形成の制度強制加入ではないので、入りたい方は自分で動かないといけない毎月掛け金を出す(後述するようにまとめて掛け金を出すこともできる)基本的に積立投資になる運用商品は元本確保型と値動きリスクのある投資信託がある【質問】iDeCoとつみたてNISAとの違いってなんですか?同じような制度に、つみたてNISAという制度があります。似ている部分もある税制優遇制度ですが、主な違いを比較すると次のようになります。どちらも税制面で優遇されています。老後の資産形成のための制度ですので、両方への加入も可能です。iDeCoもつみたてNISAも税制面で優遇されている投資制度税制面では「所得控除」のある分だけiDeCoの方が有利と考えられるあくまでも税制面だけで見た場合、iDeCo(個人型確定拠出年金)の方が有利という見方ができます。それは、つみたてNISAには所得控除がないからです。所得控除を乱暴に言いますと、所得に本来かかるはずの税金が控除され、税金が少し返ってくることを意味します。ただ、iDeCoは原則60歳まで引き出すことができません。人によってはつみたてNISAの方が使いやすい、という人もいます。筆者はできるだけ両方を併用することが、老後の資産形成のためには良いと考えています。iDeCoもつみたてNISAも優れた制度なので併用も検討の価値あり[adsense_middle]会社員や自営業によって、厚生年金・国民年金など受け取れる年金の種類が異なる公的年金は老齢期に受給ができる制度ですが、誰しもが一律のお金をもらえるわけではありません。それは基本的に会社員の場合は、「国民年金+厚生年金」に加入していたり、自営業者の場合は「国民年金」のみであったりと、加入者の区分が異なるからです。また、それぞれの加入者の加入期間や収めた額などによっても将来受け取れる年金額が変化します。平均ではいくら受給できているのか、見てみましょう。平均では上の図表のようになりました。これはあくまでも平均ですので、人によって異なります。もっと多い人もいますし、少ない人もいる、ということです。公的年金の受給額は平均だけで見ても働き方によって大きな幅がある会社員も自営業者も早めに資産形成のスタートを上記の図表で、読者の方の平均受給額はいくらになっていたでしょうか。厚生労働省の出している高齢期夫婦の平均的なモデルの生活費は月額26万円です。老後にゆとりある生活を送る場合には月額36万円の出費が必要となっています。読者の方の状況により大きく異なりますが、もしご自分の将来の受給額が26万円を下回りそうな場合は、会社員・自営業者を問わずに早めの資産形成に着手した方が良いと筆者は考えています。ちなみに会社員以外の「自営業者」などの場合は何もしなければ老後に受給できる公的年金は「国民年金」のみです。その場合、図表にありますように、平均受給額で5万円と低い金額になっています。自営業者の方は早めに資産形成について考えることが重要ではないかと思います。老後にもらえるお金はある程度想定可能。不足しそうな人こそ、早めに備えるiDeCo の毎月の上限額を確認しよう上記のように、会社員・自営業・主婦などの加入者の区分によって老後の年金受給額が異なります。そしてiDeCo(個人型確定拠出年金)の掛け金(積立額)もそれぞれ加入者の区分によって異なります。なぜでしょうか?筆者の個人的な考えで恐縮ですが、これは税制面などでのバランスをとるためではないかと考えています。つまり、誰しもが公平な掛け金(積立額)では、会社員の人が「年金も多い上に、所得税の控除額が多い。結果として節税額も多くて不公平」ということになってしまいます。これを防ぐために、会社員よりも自営業者の方が年間の掛け金(積立額)の上限が高く設定されているのではないでしょうか。iDeCoの毎月の上限金額の確認方法それではiDeCo(個人型確定拠出年金)の毎月の上限金額の確認方法を見てみましょう。iDeCo公式サイトで掛け金(積立額)の上限を確認をすることができます。忙しい人はこちらでチェック!会社員・自営業・主婦の具体的なiDeCo 上限の金額月額・年間とは言え、一覧を載せておく方が親切だと思いますので、以下に一覧表を載せます。【質問】iDeCoの最低掛け金はいくらですか?上図のように、iDeCo(個人型確定拠出年金)の最低掛け金は月5千円です。上限金額の掛け金(積立額)まで千円単位で設定可能です。[adsense_middle]iDeCo の掛け金は年に一回など、まとめて上限いっぱいまで出せる?ここまででiDeCo(個人型確定拠出年金)の毎月の掛け金(積立額)の上限がわかりました。つまり基本的にiDeCoでは、毎月定額の掛け金を出していきます。これがいわゆる「積み立て投資」です。ところで、掛け金を一年間の単位で考えて「まとめて掛け金を出す」ことはできないのでしょうか?じつは平成30年1月より、ルールが変わって「まとめて掛け金を出す」ことができるようになりました。【年単位拠出】によってiDeCoの上限までまとめて掛け金を出せるiDeCo(個人型確定拠出年金)にまとめて掛け金を出すことを「年単位拠出」と呼びます。まとめて出せる掛け金は前述の加入者区分の上限までです。名称が「年単位拠出」となっていますが、年間二回に分けてまとめて掛け金(積立額)を出すことなども可能です。例えば、毎月の収入に余裕がない方の場合、毎月掛け金(積立額)の上限までお金を出すことが難しいことがあります。しかし、ボーナス時期には余裕があることも考えられます。そんな時に、例えば6月・12月がボーナス時期の場合はその時期だけまとめて年間の掛け金(積立額)の上限までお金を出すことができる場合も考えられます。任意の時期にまとめて掛け金を出すことが可能まとめiDeCo(個人型確定拠出年金)は運用益が非課税になったり、掛け金(積立額)が全額所得控除になったりと、お得な一面があります。ただ、加入者の区分により、毎月の掛け金の上限が異なります。それは、見方を変えると老齢期に受給できる公的年金の多い少ないに比しているとも見えます。現役時代は、日々の生活費に子育て費用・住居費用と毎月高額のお金がかかります。そのため、iDeCoやつみたてNISAに毎月出せるお金がないという場合もあるかと思います。しかし、その一方で資産形成は長期間行うことで効果をより強く発揮できる可能性があります。できる範囲でいいので、少しずつ資産形成を行うことが重要ではないでしょうか。本記事が読者の方の資産形成の一助になれば幸いです。
2019年08月14日今注目を集めているiDeCoですが、日増しに加入者が増えているようです。これまで、確定拠出年金制度は企業にしかありませんでした。しかし2017年より個人向けに開放され、その節税メリットを受けるべく沢山の方が資料請求や申し込みを実施しています。今回の話はメリットばかりでなく、iDeCoの仕組みに潜むデメリットについて解説していきます。60歳までは引き出せない確定拠出年金制度これは長い時間に渡って運用した場合のリターンの統計になります。長期に渡ればマイナス運用が解消されていく図になっています。つまり時間が使える方は早めに行っておいた方が損を回避し易くなるという意味です。逆に時間があまりない方は損失が出やすく、その可能性が極めて高くなるかもしれないとお考え頂ければと思います。少なくとも15年以上は投資に時間を使って頂けたらと私は考えます。使える時間を逆算した時に15年未満だとiDeCoはデメリットになってしまうかもしれません。確定拠出年金のスタートはお早めに!50歳以上からの加入は注意が必要!先程は長期に渡っての運用について解説しました。少なくとも15年超は欲しい所ではあります。制度自体は20歳~60歳までの方を対象にしていますから20代の方は十分な時間を使う事が可能です。年を重ねる毎に使える時間が無くなりますので、スタートは早いに越したことはありません。ここで、ご注意頂きたい点があります。実はiDeCoには「加入期間が10年以上満たなければ60歳からの受給が出来ない」という点です。具体的には50歳以上で始めると通算加入期間が10年に満たないケースが出てしまし、受取の年齢が繰り下がる事もあります。まずは下図をご覧ください。50歳以上でのご加入ですと、加入するタイミングにもよりますが、受給開始のタイミングが大きく異なります。付け加えて、運用期間も10年未満と短くなる為、運用成果が思ったほど望めないケースも出てくるでしょう。また掛け金にも上限がありますので、返って運用の影響を受けない預貯金で蓄えるばき、損失の可能性と天秤にかけた時にどちらがメリットになるのか?それと後述します掛け金の節税メリットを受ける事と、損失の出る可能性をお考えいただくのも非常に重要だと言えます。この点は非常に慎重なご判断をして頂ければと思います。かかる税金も優遇!その裏のデメリットって何?iDeCoと言えば「節税」のイメージが強いのではないでしょうか?節税というオプションがなければここまで広まらなかった気もします。ではiDeCo最大の特徴である「節税」はどんな時なのかを挙げます。支払った掛け金が節税運用している間の利益に対する節税受け取り時の節税以上3つです。ではそれぞれのメリットに隠れたデメリットも合せて解説していきます。[adsense_middle]支払った掛け金が節税確定拠出年金制度で使った掛け金は全額が所得控除の対象として計算されます。結果どんな効果があるのかという事ですが、毎年お支払いの所得税、住民税が減額される事になります。年末調整や確定申告によって納付した税金を所得と掛け金に応じて還付する事ができますので、メリットとしてはかなり大きいですね。ではいくら位までの支払いが節税対象になるのか図にしましたので、ご覧ください。特に自営業者の方には大きな節税効果があります。やはり国民年金のみでの老後と考えると今から出来る限り積立てておいた方がよさそうですね。ではこれだけのメリットの反対にあるデメリットは何かという事ですが、掛け金に上限がある事です。中にはもっとたくさん掛け金を支払いたいとお考えの方もいるかもしれません。しかし、iDeCoは一人一口座ですので、重複して加入はできません。さすがに節税の恩恵をたくさんは受けれないという事ですね。専業主婦に関しては、仕事をしていなければ、そもそも収入、所得がありませんので、節税のメリットを享受する事はできません。それと、⑤のお勤め先が企業年金制度や、企業型確定拠出年金制度を導入している場合、個人型への加入を認めない場合、またはマッチング拠出を利用している場合は個人型への加入が出来ないケースもありますので、お勤め先に確認した方が良いでしょう。ここでマッチング拠出に関して解説しておきます。マッチング拠出とは、企業型確定拠出年金制度において、本来はその掛け金を企業が支払うが、その支払額を超えない範囲で、従業員が手出しして上乗せで確定拠出年金に対し掛け金を支払う事。いずれにせよ掛金の限度を超えて行いたい場合は他の金融商品で行わなければならないという事になります。運用している間の利益に対する節税運用期間中の節税ですが、本来なら一般口座で投資信託を運用します。その際に運用結果によって利益が発生した際には源泉分離課税といって約20%もの課税が発生します。しかしiDeCoは利益が出ても運用期間中は非課税ですので、課税されるはずの金額も投資に回ります。ここに関してはメリットしか無いですね。受け取り時の節税iDeCoを長い期間やって、いよいよご対面の時ですね。60歳以降に受け取る事になりますが、受取の方法が2種類あります。一時金として一括で受け取るのか、年金として分割で受け取るのかという事です。ここでは税金がかかりますが、受取の金額に対して税金控除があります。一時金で受け取る場合は「退職所得控除」年金で受け取る場合は「公的年金等控除」という控除が発生します。ではそれぞれのメリット、デメリットを確認してみましょう。一時金で受け取った場合これまで積み立てた金額を一気に受け取る方法です。この際に発生する控除には計算式がありますので、こちらをご覧ください。退職所得控除の計算式(勤続年数と積立期間は同じになります)勤続年数(積立期間)20年以下の場合40万円×勤続年数※80万円に満たない場合は80万円勤続年数(積立期間)20年以上の場合800万円+70万円×(勤続年数-20年)では上の計算式を元に具体的に解説します。例えば30歳から60歳まで勤務したと仮定します。すると800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円となります。この控除額までは一時金を受け取っても非課税になりますので、メリットとしてはかなり大きいのではないでしょうか。ではデメリットについてですが、上記退職所得控除は、iDeCoだけでなく、会社の退職金が発生した場合、合算しなくてはなりません。iDeCoの運用成果に左右される事もあるでしょう。ここで想定しておきたいのは、退職金制度並びに高額な退職金を支払ってくれる企業にお勤めの方です。退職金で数千万といった方もいらっしゃるかもしれません。その際は上記計算式で出た金額を遥かに超える可能性も否定はできませんので、憶えておいて頂ければと思います。年金で受け取った場合年金で分割して受け取るという選択肢を取った場合、受け取る金額に受け取った都度、控除は掛かります。65歳未満の場合は70万円まで控除対象です。65歳以上であれば120万円までとなります。先程のケースと同じように公的年金と合算して控除されます。ここでも想定しておきたい事は、先程も申し上げましたが、運用成果が大きければ公的年金と合わせて控除額を超えてしまう点、また勤続している期間中の収入が高額であれば、年金額もそれなりに大きい事が予想されますので、注意が必要です。かかる手数料はどれ位?iDeCoに関してはつみたてNISA同様に様々な手数料が発生します。また銀行やネット証券ではかかる費用が異なります。最近ネット証券では運営管理手数料を0円として打ち出していますが、銀行などで始める場合は手数料を取られる事が多い為、対面に抵抗が無ければネット証券を選んだ方が良いでしょう。それ以外に掛かる費用として、口座開設手数料が2,777円(初回のみ)、口座管理費用103円(月額)、事務委託先金融機関向け手数料64円(月額)と、どの金融機関で加入しても初年度で最大4,781円かかります。2年目以降も口座管理費、事務委託先金融機関向け手数料は発生し、年金で受け取る際も432円(1回当たり)の費用は発生します。この手数料はどこで加入しても同じ金額ですが、敢えて差がつくとすれば、投資信託における信託報酬という運用してくれる人への支払いでしょう。これはファンド毎に違いますので、しっかりと見ておいた方が良いでしょう。手数料は致し方無いですが、デメリットとしての部分は、信託報酬が低いファンドを自身で選択しなければなりません。前半にも書きましたが、投資は自己責任ですので、選択を人任せにはできない点は初心者の方にとってデメリットになるかもしれません。まとめ今回はiDeCoに関するデメリットについて解説してきました。メリットばかりでは無いという事や、細かいかもしれませんが、気を付けておいた方が良い部分に関して書きました。何度も言いますが、自己責任の下行わなければなりませんので、しっかりデメリットを把握して、許容範囲の中であれば是非一歩進んで頂けたらと思います。
2019年08月11日iDeCo (イデコ)は「もう一つの年金」とも呼ばれます。ただ、専業主婦の方からすると「所得控除がないからiDeCo (イデコ)に加入しても意味がないでしょ?」と思われているかもしれません。本記事では、専業主婦の方がiDeCo (イデコ)に取り組むことのメリットについて考察します。※本記事での専業主婦(主夫)とは、課税される所得がない専業主婦(主夫)を指しています。以下、専業主婦で統一します。専業主婦とiDeCo (イデコ)の所得控除の効果iDeCo (イデコ)のメリットの一つは、掛け金が全額所得控除になるという点です。そのため、掛け金と所得が多い人によっては、生涯で900万円以上もお得(節税)になるという、大変に有利な制度です。ただ、本記事の定義する専業主婦は課税所得がない方です。そのため、iDeCo (イデコ)のメリットの一つ、掛け金が全額所得控除(※1)になる、がまったく効きません。そもそも所得にかかる税金がないのですから、こればかりは仕方がありません。(※1)掛金が全額所得控除:大変に乱暴に言うと、掛け金に応じて税金が返ってくるということ。本来減るお金が返ってくるのだから、当然良いこと専業主婦は所得控除がないから、する意味がない。は大間違い?それでは、専業主婦の方はiDeCo (イデコ)に加入するメリットと意義がないのでしょうか?筆者はそうは考えません。なぜなら、iDeCo (イデコ)最大の目的は老後のための資産形成にあるからです。iDeCo(イデコ)に加入する気がない専業主婦も、老後にいくらかかるのか、ザックリ計算してみましょうちょっと簡単な計算をしてみたいと思います。いま、女性の4人に一人はおよそ100歳まで生存します。今後はもう少しづつ伸びていくかもしれません。仮に65歳から、世帯の収入がなくなったとします。すると、100歳までは35年ほどあります。公的年金が、執筆時点の一般的な世帯では22万円(※2)くらい受け取れます。ですが、将来的には、現在価値で13万円くらいにまで減る(※3)かもしれません。(※2)公的年金が世帯平均で22万円:これは、あくまでも平均で22万円という「高い」数字です。誰もが22万円を受け取れているわけではありません。個別相談などをお受けしていると、22万円に届いていない世帯は多いものです。おそらく、今後の「私たち」にとっては「受け取れる年金額はほぼ確実に減っているだろう」という心構えで臨むことが重要かと思います。(※3)公的年金が減る:可能性としては大いにあります。そのためにiDeCo (イデコ)やつみたてNISAなどの、自分の老後のお金は自分で用意する制度が非課税で優遇されているのではないでしょうか。あなたはどう思いますか?仮に、Aさんの世帯が65歳から、毎月30万円の生活費で生活していたとします。そして、公的年金が18万円だったとします。そうすると、12万円毎月足らないということになります。どうしたら生活ができるでしょうか?答えはカンタン。貯金を毎月12万円取り崩せばよいですね。では、65歳から100歳までの35年間ではいくらあればいいでしょうか?12万円×12か月×35年=5040万円正解は5,040万円です。この金額は、ちょっと普通では用意できません。特に低金利の現在、そして未来においても厳しい数字です。どうしたら良いでしょうか?その答えの一つがiDeCo(イデコ)です。専業主婦がiDeCo (イデコ)をしても節税にならないのは間違い!その他のメリットの考え方iDeCo (イデコ)は普通の銀行口座や、証券会社の口座とは違う大きなメリットがあります。運用益が非課税で再投資される特に専業主婦の方にとって大きいのはこの「運用益が非課税で再投資される」です。これはとてもすごい効果があります。下記シミュレーション記事では、数百万円~1,400万円までの節税効果も算出されました。専業主婦がiDeCo(イデコ)をするメリットの理由①iDeCo (イデコ)で投資をすると、通常の証券会社での口座・ロボアド・ラップファンドより絶対にお得この、「運用益が非課税で再投資(※4)される」は、どこの証券会社の通常口座で資産運用を行うよりもお得です。(※4)非課税で再投資:お金は雪だるま式に増やすのが効率が良い。複利効果という。そうである以上、最も有利なのは、非課税で再投資されるiDeCo (イデコ)ということになる。なぜなら、通常口座では税金が一般的に利益のおよそ2割も引かれてしまうからです(仮に利益が1000万円ならおよそ200万円も引かれてしまう)。それが、非課税で、しかも再投資されます。また、どこのロボットアドバイザーやラップファンドで行うよりも、やはり有利です。なぜなら、ロボットアドバイザーやラップファンドに任せると、コスト(※5)が一般的に年1~3%かかります(プラス信託報酬が別途かかる)。もちろん、税金も普通に課税されます。ダブルパンチです。つまり、iDeCo (イデコ)よりも効率が良くありません。(※5)コスト:資産運用の世界においては、コストは利益を押し下げるだけの、ただのマイナス要因。例えば、読者の方が百万円を私に渡して、運用を任せたとします。コストとしての3万円が私のお財布に入ります。そうすると、97万円から運用が始まります。にもかかわらず、世界の株価と私の頑張り・なまけ具合は全く関連性がありません。そうである以上、自分で100万円のままコストを抑えて運用したほうが、どうしたって運用成績は改善します。もちろん、合理的な投資対象で、合理的な運用をすることが前提です。詳しくは、このマネタス内の関連記事をいろいろとお読みいただければ幸いです。ですから、資産運用をお考えであれば、iDeCo (イデコ)は選択肢としてトップにあるべきではないでしょうか。このように、税制面での有利さを最大限に引き出すのが専業主婦の方もiDeCo (イデコ)を行うメリットの理由①です。ちょっと確認!iDeCo (イデコ)で専業主婦の掛け金の上限はいくら?それでは、ここで専業主婦の方のiDeCo (イデコ)の掛け金上限がおいくらなのか、確認をしてみましょう。それは、毎月2.3万円です。年間27.6万円ですね。専業主婦の掛け金上限は、毎月2.3万円専業主婦がiDeCo (イデコ)をするメリットの理由②限度額を夫婦の合計で上げる(夫の所得控除のメリットは生かせる)先ほどの「運用益が非課税で再投資される」を最大限に使うには、専業主婦の方もiDeCo (イデコ)を行うことが重要です。仮に夫の会社に企業年金がない場合、夫のiDeCo (イデコ)の毎月の掛け金限度額はやはり2.3万円です。このケースで夫が20歳から60歳まで、毎月2.3万円を拠出し、平均利回り5%で60歳まで行ったとします。そうすると、シミュレーション上はおよそ3,500万円くらいです。前述の老後の生活費5000万円までまだ足りません(現実的にはその他の預貯金や退職金もありますが)。どうしましょうか?普通の証券会社の口座で行う?課税されてしまいます。それでは?そう、専業主婦の方の限度額2.3万円が残っていますね。もし、妻も20歳から60歳まで、毎月2.3万円を拠出し、平均利回り5%で60歳まで行ったとします(相当金融リテラシーが高い世帯でないと20歳から二人とも行わないかもしれませんが)。すると、二人の合計は?・3,500万円くらい×二人=7,000万円くらいこれなら、65歳から毎月12万円ずつ取り崩しても、100歳までなんとかなるのではないでしょうか。このように、世帯全体での掛け金額を上げることが、専業主婦の方もiDeCo (イデコ)を行うメリットの理由②です。平均利回り5%:とても高い数字です。みんながこうなるとは限りません。一般的にリスクとリターンはおおむね比例すると考えられます。そのため、リスクを恐れて、預貯金や債券を中心にしていては長期分散投資をしても平均1%程度かもしれません。ファイナンシャルプランナーの使う期待リターンを求めるソフトなどを使っても、低リスクすぎると、やはりその程度になりがちです。まとめ専業主婦がiDeCo (イデコ)を行っても、課税所得がない場合、所得控除メリットはない専業主婦がiDeCo (イデコ)をすれば、運用益非課税で再投資されるのメリットがある世帯で専業主婦もiDeCo (イデコ)に取り組めば、やっぱり一番お得に資産形成ができる今回は、専業主婦がiDeCo (イデコ)を行うメリットについて考察してみました。もちろん、現実的には「毎月出すお金がない」などの問題が常に付きまといます。しかし、いま「お金がない」ということは「老後はもっとない」可能性があります。本当に難しい問題ですが、できるだけ早いうちに改善策を見い出したいところです。「未来のあなた」を助けるのは、やっぱり、「いまのあなた」なのかもしれません。
2019年02月22日iDeCo(イデコ)おすすめ商品を選ぶ際に知っておきたいこと本記事では、iDeCo(イデコ)を取り扱う10社の金融機関でのおすすめ商品を考察してみたいと思います。本記事でのおすすめ商品とは、理論上、長期分散投資をする際に「合理的である」と考えられる投資信託を指しています。投資信託とは:数十から数千などの多くの株式や債券などを入れることのできる金融商品の呼び名。分散投資に適している。基本的にどれを買っても、値下がりをする可能性は残る。毎年良い成績を残し続ける投資信託はない。投資信託の成績は良くなったり悪くなったりを繰り返すのが当たり前。※本記事は特定の金融機関の銘柄に触れていますが、それらを勧誘・斡旋する意図はありません。理論を通じて合理的な投資に対する金融リテラシーを高めることが本旨です。また、名称や数値は、執筆時点のものです。おすすめ商品は金融機関ごとに異なる?見抜くポイントは?本記事で比較する金融機関名は、「楽天証券・SBI証券・松井証券・マネックス証券・ろうきん・イオン銀行・みずほ銀行・りそな銀行・野村證券・十八銀行」の10種類です。このように種類が多いですと、投資の初心者の方からすると「どこが一番よいおすすめ商品を取り扱っている金融機関なのだろうか?知りたい!」と思われるかもしれません。しかし、結論から言うと以下のポイントが抑えられているおすすめ商品なら、どこの金融機関で買っても基本的に同じです。iDeCo(イデコ)のおすすめ商品を見抜く2つのポイント信託報酬と呼ばれるコストが年0.5%以下(より低い方が良い)インデックス型投資信託(市場平均に連動するだけのもの)このポイントの詳細な理由につきましては、以下の関連記事に詳しく記しておりますので、より詳しくお知りになりたい方は、ご確認いただければ幸いです。投資信託だからこそ、どこの金融機関で買ってもおすすめ商品は同じ「どこで買ってもおすすめ商品が同じ」なんて投資初心者の方からすると意外かもしれません。なぜ、どこの金融機関でもおすすめ商品は基本的に同じなのでしょうか?それは投資信託という金融商品に理由があります。投資信託は大きな風呂敷袋のようなものですので、色々な金融商品を入れることができます。ということは、同じ中身が入っているものを選べば「名前やコストが少し違うだけで、基本的な値動きは同じ」なのです。つまり、中身が同じならどこの金融機関で買っても運用成績は同じなのです。そのため、「どこで買ってもおすすめ商品が同じ」となります。インデックス型投資信託が、より合理的投資信託は「市場の平均」が入っているだけのインデックス型投資信託(※1)がより合理的だと考えられます。なぜでしょうか?(※1)市場平均の入っているインデックス型投資信託:投資信託は袋のようなもの。その袋の中に、市場平均(インデックスと言う)を入れたものがインデックス型投資信託。それは、現代の市場はおおむね効率的であると考えられるから…というと、難しいので、別の言い方をします。現代の市場はおおむね「おりこうさん」な人々によって管理されています。いわゆる金融機関のプロフェッショナルたちです。彼らが様々な手法を駆使して、割高な株式などを売り、割安な株式などを買います。その結果として、市場の平均は非常に「おりこうさん」な状態になっている、と考えられるのです。別の言い方をしますと、おおむね適正価格になっていると考えられる、ということです。そのため、投資対象を買うなら、市場平均が入っているインデックス型投資信託が合理的である、となります。ですから、このインデックス型投資信託を購入すると、どこで買っても同じように下がりますし上がります。別に運用成績が良いわけでも悪いわけでもありません(それでも理論上はその他のアクティブ型と呼ばれる投資信託はこのインデックス型投資信託に長期で見ると運用成績が劣ると考えられます)。ただ単に市場の平均に連動する(コスト分だけ下回る)だけです。そのため、信託報酬と呼ばれるコストが0.5%以下(※2)であることが望ましいのです。(※2)中身が同じインデックス型投資信託なら、名前や金融機関が異なっても、運用成績は同じ。ただし、信託報酬と呼ばれるコスト分だけ、運用成績が必ず押し下げられる。だからこそ、信託報酬は0.5%以下のものから選ぶ(低い方がより良い)ことが重要。要は、「産地が同じ野菜の詰め合わせ」を買うなら、近所のスーパーでもお高い百貨店でも、ネット通販でも中身は同じ。それなら交通費や宅配料が安い方が良いよね、というお話。各金融期間ごとに異なる口座管理手数料はいくら?ただ、金融機関ごとに異なる「口座管理手数料」と呼ばれるものがかかります。これは「高くても低くても運用成績に無関係。当然ながら低い方が良い」というものですので、特に理由がないのであれば、高いところは避ける方が賢明ではないでしょうか。「口座管理手数料」がいくらなのか?にご興味のある方は、こちらの関連記事をご確認いただければ幸いです。iDeCo(イデコ)のおすすめ商品を資産クラス毎に選定それでは、ここから、10種類の金融機関の理論上のおすすめ商品を見ていきましょう。ただ、先にお伝えした2つの選定基準だけですと、おすすめ商品が100以上に上ってしまい、逆に「よく分からない」ことになりかねません。そこで、今回は、「国内株式」「先進国株式」「国内債券」「海外債券」の資産クラス(※3)毎に選定基準を加えます。(※3)大きく資産の区分けが違うものを「資産クラス」と呼びます。学校でいうと、理系のクラスや文系のクラス、という具合です。ここでは、国内株式・先進国株式・国内債券・海外債券を4つの資産クラスとして分類します。国内株式・先進国株式の選定基準国内株式、先進国株式では、以下の市場平均(インデックス)が入っているかどうかを選定基準にします。まず2つです。国内株式・・・トピックス(または日経平均でも良い)だけが入っているインデックス型投資信託先進国株式・・・MSCIコクサイ・インデックス(日本除く)だけが入っているインデックス型投資信託この二つです。トピックス(または日経平均でも良い)だけが入っているインデックス型投資信託まず、一つ目のトピックス(または日経平均でも良い)とは、日本株式の市場平均を指しています。東証一部上場企業の全て(およそ2,000社)に分散投資をしたのと同じ状態です。そのため、この市場平均(インデックス)が入ったインデックス型投資信託がまず一つ目です。MSCIコクサイ・インデックス(日本除く)だけが入っているインデックス型投資信託二つ目のMSCIコクサイ・インデックス(日本除く)とは、アメリカ・フランス・イギリスなどの日本を除いた先進国21か国程度の株式が入った先進国の市場平均(インデックス)が入ったインデックス型投資信託です。これを保有すれば、先進国20か国を超える国々の主要な株式およそ1,300社程度に国際分散投資をしたのと同じ状態になります。ちなみにMSCIとは「モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル」という企業名です。この企業が算出しているのですね。上記2種類の投資信託を同時に保有するだけで、世界の先進国3,300社程度分散したのと同様の効果が、誰でもカンタンに手に入ります。すごい時代です。大切なのは、なぜインデックス型投資信託の中でもこの2種類が重要なのか?ということです。なぜでしょうか?理論上は株式が重要だけど、下がり幅が大きい投資の世界では、リスク(値動きの幅)とリターンはおおむね比例するという考え方です。そのため、長期での資産形成において「お金を大きくしたい」のであれば、ハイリスク・ハイリターンの株式が重要となります。そのため、前述のトピックス(国内株式)とMSCIコクサイ・インデックス(先進国株式)が長期分散投資では重要です。ただし、それはあくまでも長期で投資ができる方、という前提が付きます。なぜでしょうか?それは、株式主体ですとハイリスクです。そのため、金融危機時には6割、あるいはもっと下がる(損をしている)状態になります。定年間際で来年から資産を取り崩さなくては生活できない方や、住宅のリフォーム費用でどうしても一気に取り崩さないといけない方にとっては、とてもではありませんがおすすめ商品ではありません。そのような方にとってのおすすめ商品は、債券主体のインデックス型投資信託・・・と言いたいのですが、債券主体であってもリスク(値動きの幅)はあります。つまり損する可能性があります。国内債券・海外債券の選定基準ですので、減ると困る場合のおすすめ商品は、元本割れの可能性のない預貯金タイプということになります。ちなみに、債券主体のインデックス型投資信託を選ぶ場合は、次の2つの指標(インデックス)が基本です。国内債券・・・野村BPI総合(国内債券の市場平均)海外債券・・・FTSE世界債券(海外債券の市場平均)これで、国内株式・先進国株式・国内債券・海外債券の4つの市場平均の名前が分かりました。4つの資産クラスと選定基準一覧表少し話が分かりづらくなってきました。ここでまとめてみましょう。長期分散投資で重要だと考えられるモノは次の4つです。これらの上記の指標が入っている資産クラスのインデックス型投資信託であれば、どこで買っても基本的に値動きは同様です。もちろん、コストが高いものは、それだけ実質的な運用成果が押し下げられますので、コストが安い方が「マシ」になります。投資信託の名称になると「ダイワ○○」や「三菱○○」など名称が異なりますが、対象とする市場平均が同様なら、同じ値動きをするわけです。身近な例で例えましょう。ここに、世界的に有名なネズミのぬいぐるみがあるとします。これを袋に入れて、ダイワで売れば「ダイワネズミのぬいぐるみ」という名前になりますし、三菱が売れば「三菱ネズミのぬいぐるみ」になります。中身は変わりません。ただ、売る場所によって、名前とコストが違うだけです。そうであるなら、コストが安い方が「マシ」です。このような感じで、対象の指標が同じインデックス型投資信託を買えば、同様の値動きになります。iDeCo(イデコ)10社のおすすめ商品一覧はこちらそれでは、以上をふまえまして楽天証券・SBI証券・松井証券・マネックス証券・ろうきん・イオン銀行・みずほ銀行・りそな銀行・野村證券・十八銀行の10種類でのおすすめ商品をそれぞれ2種類だけリストアップしてみます。なお、同様の商品が複数ある場合は、よりコストの低い方を選ぶなどしています。※表は各社のHPを参考に筆者作成※十八銀行のみ、HP上では信託報酬の数値が確認できず。おすすめ商品:理論上のおすすめ商品とは、年齢や働き方によって異なることはない。投資対象の指標(インデックス)が同様なら、どこで買っても、基本的に値動きは同じ。当然ながら、景気低迷時などには大きく値下がりする。株式クラスと債券クラス、どっちをメインにすべき?では、上記4つの資産クラスのうち、どれをメインにすべきでしょうか?現実問題としては、個々の家庭の総資産額や、生活レベル、年齢や、老後の目標などにより、変わってきます。そのため、誰にとっても「これがベスト!」という割合はありません。それをふまえた上で、非常に乱暴に分けます。60歳まで20年以上ある→株式クラス主体途中で大きく目減りしてもいいから、資産を増やしたい→株式クラス主体途中であまり目減りしたくないし、そこまで資産を増やしたくない→債券クラス主体もうじき60歳になり、iDeCo(イデコ)の資産を引き出すことが決定している→元本保証の預貯金タイプほとんど損をしたくないし、資産も増やしたくない→元本保証の預貯金タイプ上記はあくまでも一例であり、経済状況によっても判断が変わります。また、上記がどうしてそうなのか?が本当にご自分で理解できていないと金融危機時などに「これは失敗だった」と安く売って損をすることにつながります。ご自分が理解して、納得したものこそがベターな選択肢になるでしょう。iDeCo(イデコ)おすすめ商品まとめiDeCo(イデコ)おすすめ商品を10の金融機関で比較iDeCo(イデコ)の理論上のおすすめ商品は、どこの金融機関でも同じiDeCo(イデコ)で投資の主体にすべきは「株式クラス」繰り返しになりますが、株式クラスはハイリスクです。2019年以降は景気循環という観点から見た場合、世界的に景気が足踏み傾向に入る可能性があります。そのため、どのような投資信託を購入しても、今後は「損をしている状態」になるかもしれません。また、今後も景気が良く、株価などが上昇しても、やがてとても悪くなります。これは、どの株式クラスの投資信託を買っても同様だと考えられます。このリスク(値動きの幅)にとらわれ過ぎると、積み立て投資が怖くなります。特に金融危機時などの資産が半額になっているような「損をしている状態」の場合には「安値で売って楽になりたい」と考えがちです。投機的な手法で言いますと、損切りと呼ばれるものです。しかし、「損をしている状態」は「安く買うチャンスの状態」でもあります。大きく下がっている時期にきちんと積み立て投資を行うことができた時に、初めて、合理的な投資を行えることになるのではないでしょうか。
2019年02月12日