ホームレスになってしまった芸能人、岸田健作のゼロからのスタート 『礼儀とルールと人との交流』
「あぁ…なんだか世界が変わったみたいだ」、「今まで人からこんな対応された事ないのに」と率直に思った。芸能人になる前ですらこんな経験はなかった。もちろん芸能人になってからは尚更なかった。
厳しく教えてくれる両親や先生、先輩方はいても、あんなに冷たい目線を送られたり、無視をされたのは初めてだった。でも、これが今の現実の「僕」だった。それからはもう、プライドもなにも捨てて、もはや泣きつくレベルでお願いした。だけど、そうすればする程、相手にされなくなって無視を通り越し逃げられるようになった。
そこである日考えてみた。
「もし自分だったらどうだろう」と。もし自分が見ず知らずの汚い格好した人に道端で急に声かけられて、物を恵んでくださいと言われたら確かに「怖っ!」と思って逃げてしまうかもしれない。…無視してしまうかもしれない。
そこで、ひとつひとつ相手の気持ちに立って考えてみたのだ。まず内容どうであれ、僕に対して時間を割いてくれること、話を聞いてくれることに感謝だなと思った。