■川からの視点、空からの視点。対照的なグリーンの正体
まだ暗いうちから熱帯雨林へ出かけると、木々の間からご来光が。
熱帯雨林のウォーキングに、リバークルーズ。アブラヤシのプランテーションに、野生動物の保護センターの見学。ボルネオに暮らす人々や動物に触れ合う、じつに濃いツアー内容でした。
「朝日が昇る前に熱帯雨林にウォーキングに行き、時間が経つにつれて虫の声が鳥の声に変わり……たくさんの生き物が息づいているのがわかりました。その後、野生動物の保護センターで、森で生活できなくなった
ゾウや
オランウータンに会いました。彼らは元気そうに見えたけれど、人に慣れてしまったために簡単には森に戻れないそう。いまの暮らしは安心だろうけど、本能のまま森で生きるのと、どっちが幸せなのかなって」
ボルネオ・エレファント・サンクチュアリーではボルネオゾウをレスキュー。このプロジェクトには、北海道の旭山動物園も参加しています。ゾウは、手から直接餌を受け取るほど人に慣れていました。
キナバタンガン川のクルーズでは、
テングザル、オランウータン、カワセミ、サイチョウなどなど、
ボルネオ固有種を含むいろんな動物と遭遇できました。動物はなんでも好きだけれど、なかでもゾウが大好きという森さんにとって、
野生のボルネオゾウたちが草を食むのを間近で見られたのは特に大感動だったよう。
キナバタンガンのリバークルーズでは、野生のボルネオゾウの群れに遭遇! 子ゾウが母親に寄り添っていました。
「船から川沿いの森を見ていると、それがすべてに思えました。動物たちはこんなに豊かな森で暮らしているんだなあって。でもその後、クルーズしたところをヘリコプターに乗って上空から見てみると……森の小さいこと、奥行きがないこと! 見渡すかぎりアブラヤシのプランテーションが続いていて、森はところどころに残っている程度だったんです。動物たちは、
小さな森に閉じ込められているんですね」
百聞は一見にしかず。なかなかショッキングな体験でした。
手前が熱帯雨林、向こう側がプランテーション。グリーンの境界が上空からだと一目瞭然です。