■冷蔵庫が使えない…被災時の食べもの備蓄アイディア
先ほどキッチンバサミのアイディアを紹介しましたが、そもそも食べものがなければ話になりません。救援物資や配給食の中にも野菜はほとんど含まれず、「震災後の
野菜不足は深刻でした」とアベさん。食は子どもの健康にも直結します。
●「まごはやさしい」は防災ストックにも最適
最近注目されている食事法に、栄養バランスがとれる食材をわかりやすく表した
「まごわやさしい」という言葉があります。冷蔵庫がなかったころから伝わる食文化なので、保存がきく食材が多く、防災用の備蓄にもバッチリ!
・ま(豆類)…豆の乾物や水煮、高野豆腐など
・ご(ごま)…ごまやナッツなどの種子類
・わ(わかめなどの海藻類)…乾燥わかめや昆布、ひじきなど
・や(野菜)…根菜やフリーズドライの野菜、青汁、野菜ジュースなど
・さ(魚)…魚の缶詰や鰹節、あごだし、にぼしなど
・し(しいたけなどのきのこ類)…乾燥しいたけ、乾燥まいたけやしめじ
・い(いも類)…いも類や根菜
こうした食材はいざというときに溜めこむのではなく、
ストックしながら日々使っていくのがおすすめです。
●家族でバーベキューや家庭菜園を日頃から楽しもう
昨今はキャンプなどアウトドアブームですが、火や水が限られた中で料理を作る経験はいざというとき役立ちます。インドア派の人もたまに
キャンプや
バーベキューなどを楽しんでみるのもおすすめ!
また、ベランダなどでの
プランター菜園はちょっとした防災食になるので、アベさんもプランターで野菜を育てるようになったそうです。夏はミニトマトやピーマン、ナスなどの実もの、冬は小かぶやミニ大根など根菜をメインに。ベランダが使えなければキッチンに置ける
スプラウトが手軽です。
本ではこのほかにもアベさんが今も続けている防災術がイラストでわかりやすく紹介されています。面倒でお金のかかる防災ではなく、家にあるものを見直したり、小さな工夫をしたりすることですぐに取り入れられるアイディアばかり。しかも、インテリアを損なわないセンスのある防災なので「防災のためにインテリアやファッションがダサくなるのは嫌」というママにもおすすめ。防災は気になるけれどなにから手をつけたらいいか悩んでいるママへのヒントが詰まった1冊です。
『被災ママに学ぶ ちいさな防災のアイディア40』
アベナオミ著(株式会社学研プラス) 1200円(税別)
宮城での被災経験をふまえた「熊本応援ツイート」が話題となったイラストレーターによる、防災&避難生活の心得集。著者が体験した東日本大震災と被災後の生活をつづり、今も続けている防災術をイラストでわかりやすく掲載。さらに熊本地震の震源地に近い空港保育園の対応や日本防災士会などを取材し、防災力を高める秘訣も紹介。必ずやって来る「その日」に備える、防災初心者にもわかりやすい1冊。
子どもを救う防災