今回の「やさしいママのヒミツ」は、セレクトショップ「acutti」(アクッティ)店主の
圷みほさん。
集合住宅をリノベーションし、剥き出しのコンクリート壁、ステンレスと木が調和したキッチンが印象的な、スタイリッシュかつ心地のいいご自宅のインテリアがSNSでも人気です。
オンラインショップを運営する圷さんは、昨年8月にアトリエをオープン。夫の彰太郎さんはリモートワークで家族と過ごす時間が長くなり、6歳の娘・めいちゃんは小学校に入学。
コロナ禍を経て、
生活だけでなく家族の関係性も変わったという圷さんに、たっぷりとお話を伺いました。
夫のサポートで、念願のアトリエをオープン
早速、圷さんの平日のスケジュールを見てみましょう。
6:00 : 起床。散歩
6:30 : 帰宅。メールの返信
7:00 : 娘が起床、朝ごはん
8:00 : 娘は小学校へ。家事の後、仕事スタート
12:00 : 夫と昼食
14:00~15:00 : 娘が帰宅、習い事や公園へ
17:00 : 帰宅、お風呂
18:30 : みんなで晩ごはん
19:00 : 娘はパパとゲーム。夜の時間をゆっくり楽しむ
20:00~21:00 : 娘が寝たあと、夫婦でおしゃべり
24:00 : 就寝
夫の彰太郎さんが自宅で仕事をするようになったのをきっかけに、
新しい習慣が生まれたという圷さん。
「一年前ほどから家族が起きる前に、
近所をひとりで散歩するようになりました。夫が在宅となり、娘といる時間も増えたので “完全にひとりになる時間” が全くなくなったことに気づいて。
散歩は15分、長くても30分ほどですが、
心の中を整理したり、頭をクリアにして考える朝の時間がとても大切になっています」
主宰する「acutti」では実際に自分が使っていいと思うものだけを扱い、アトリエをオープンしてからは、品揃えも少しずつ増えているのだとか。
「acutti」のアトリエにて。週末にはイベントをすることも。
圷さんのインテリアやもの選びのポイントがよくわかる著書『かごと木箱と古道具と。日々をいろどる“もの”選び』。
「最近はデザインだけではなく、使いやすさも考慮して選んでいます。オンラインショップでは扱うのが難しかった大きなカゴも、実際に見て、触って選んでいただけるのもアトリエのいいところ。
最近は、食器やおやつだけでなくタオルや靴下など、実際に手で触って “すごく気持ちがいい” と言って購入される方も。おうち時間が増えて “家での過ごし方” が変わり、
身につけて心地のよいものを選ぶ方が増えたのかなと思います」
仕事はめいちゃんの帰宅前に済ませて、夜はできる限り仕事をしないようにしている圷さん。アトリエは週2回のオープンですが、オンラインショップの発送作業などもあって、ほぼ毎日作業をしているそう。
子育てを楽しみながら、バランスよく新たな仕事ができるようになったのは、
夫のサポートがあったからこそだといいます。
自宅近所のアトリエにて。彰太郎さんは、運営や細かな事務作業まで関わっています。
「なかなか外出ができない時期に、アトリエをオープンすることに不安もありました。でも、お客さんはもちろん、作家さんや地域の方との出会いも増えたのでよかったですね。
小学校入学も大きな変化でしたが、友人にも助けられて娘も楽しそうだし、毎日新鮮な気持ちです。娘が友達と学校に行くようになったことで、朝に1時間ほど余裕が持てるようになり、家事をするのも楽になりました。
大変なこともたくさんありますが、個人的にはいい変化もたくさんあったなと思います」
ライフスタイルの変化で生まれた「夫婦の時間」
夫のリモートワークによってもうひとつ大きく変化があったのは、
夫婦で話し合う時間が増えたこと。
「以前は夫が夜遅く帰宅し、私も疲れて寝てしまったりして、じっくり話すことがなかなかできませんでした。今はお昼もふたりで食べるので、細かなことも相談もしやすくなりました。
常に自宅にいるので、頼めることは頼んで、私自身もイライラしなくなったかもしれません。アトリエオープンもひとりではなかなか進められませんでしたが、サポートもしてもらえたのが大きかったです」
めいちゃんが寝た後は、夫婦でコーヒーを飲みながら話し合う時間。ゲームをしたり、最近ハマっているキャンプの計画を立てることも。
家事も得意なことはやってくれるようになったのが嬉しいと、圷さん。
「私は掃除も大雑把に毎日ささっとやりますが、夫は気になると急にやり始めるタイプ。お風呂も “最後に入った人が掃除しよう” とざっくりと決めるなど、細かな家事分担はせず、そのときにできる人、得意な方がやるようにしています。
でも “今日はちょっともう家事をしたくないな” という日は、「やりたくないです」と
ストレートに気持ちを伝えるようにしています。以前はそれで空気が悪くなることもありましたが、今はお互いのやり方が成立してバランスが取れるようになった感じ。すんなりとやってくれるようになりました(笑)。この生活になってから、夫婦仲もよくなった気がします」
彰太郎さんが、キッチンに立つことが以前よりも多くなったそう。
キャンプ場の予約がなかなか取れないほどのキャンプブームのなか、
家族でキャンプという共通の趣味ができたことも、大きかったといいます。夫婦それぞれがキャンプ道具探しに夢中になり、月に2、3回はキャンプに行っているのだそう。
「子どもの頃からキャンプにはよく行っていて、好きだったんです。キャンプ好きの友人が多いのでまた行くようになりましたが、自然の空気に触れられるし、大人も子どももみんな楽しめるのがいいところ。
家にいると娘もゲームをする時間が長くなってしまうので、キャンプのように “家族が一緒のことを楽しめる時間” があるのはいいなと思います。
外で食べるとごはんもおいしいし、会話も増えますね。ママ友とは会えばキャンプの話をするし、パパ同士も仲がいいので一緒に行くことも多いです。子どもたちもわいわい遊べて楽しいから、毎月のようにいろいろなところに行くようになりました」
子どもにも器にもやさしい「もの選び」
キャンプを楽しむなか、圷さんには
“新たな悩み”も生まれたそう。
「キャンプに行くと水が違ったり、お湯が使えないところが多いので、
手が荒れてしまうんです。ときどき食器用洗剤を忘れてしまってキャンプ場で買うこともあるのですが、よく落ちると謳われている洗剤しか売っていなくて、次の日仕事をするとき、パソコンで指紋認証ができないほど
ガサガサになったことも。
そういう洗剤は確かに汚れがよく落ちるのですが刺激が強く、日常的に使って子どもも口にする食器やコップを洗うのは、ちょっと心配だなと感じます。自分はよくても、子どものことを考えると気になりますよね。
洗剤選びに対する考え方も自然と変わっていきました」
キャンプ場ではもちろん、自宅でも油汚れは洗う前にキッチンペーパーなどで拭き取ってから洗う、汚れの軽いものから洗うように。洗い桶に洗剤を入れて溜め洗いすると、洗剤と水の両方の節水、排水への負担の軽減にもつながります。