「ためになる本」を読むことは、人を堕落させる道…!? 「知る」という幸福について
大人気のライター・石井ゆかりさんによる連載コラムが登場! 占いを通して、数々の人生や幸せのあり方を見つめてきた石井さん自身の言葉で紡がれる「幸福論」をお楽しみください。
今回は、「石井ゆかりの幸福論」第3のテーマ“「知る」という幸福”についてお届けします。
■ 3. 「知る」という幸福・前編
星占いの「12ハウス」のシステムに沿って、12のテーマから「幸福」について語る本コラムですが、第3ハウスは「学習・コミュニケーション」のハウスということで、当初は「語り合える相手がいる、という幸福。教養という幸福。」というタイトルを想定していました。
ただ、これを書く段になって色々考える中、どうもこのタイトルに違和感が出てきました。
先日『悪魔の手紙』(C.S.ルイス著)という本を読みました。ファンタジーの名作『ナルニア国物語』でおなじみの著者の作品で、「引退した老悪魔が、神様に対抗する手段を指南する書簡集」です。初めて人間を誘惑する若い悪魔に、熟練の老悪魔が手紙を送り、「やつ(神様)」を出し抜くにはどうしたらいいか、こまごまと教えてやるのです。
手紙の中で老悪魔は、若手の失敗を注意します。