デートに遅刻してくる人は相手を軽んじている?「遅刻癖」を持つ人の何様感【カレー沢薫 アクマの辞典】
漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」
このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!
■第49回アクマの辞典タ行
【チ】
➤「遅刻癖」(ちこくへき)
今回のはタ行から「遅刻癖」である。
まず、この原稿が締切りを3日過ぎている。
だが私はこれでも編集者から「締め切りを守るほう」と言われているのだ。
それ以外褒めるところがないので消去法で言っているのかもしれないが、裏を返せば、他の作家がいかに締め切りを守っていないか、という話である。
どのぐらい守っていないか、というと私が聞いた最長は「半年」だ。
しかしこの業界の特殊なところは、人気作家、作品であれば、出版社も読者も半年どころか18年ぐらい待ち続けてしまうという点である。
しかも、ようやくやって来た時のコメントは「遅えよ」ではなく「ありがとう」なのだ。
だが、これは本当に特殊な世界で、さらに選ばれた者のみが持つ異能力である。
赤子が絶対夜泣きしないベビーベッドがあったとしても、納期を18年も遅らせるようでは商売にならない。