「自分の不幸せを家族のせいにしてしまう私」雨宮まみの“穴の底でお待ちしています” 第29回
と感じている人が多い社会です。私がそう思う指標は、自分自身の感情です。私程度でも、「自分が一番大変」な気がして、周囲に思いやりを持てないことがあります。
今って、「自分が一番大変」と、「自分は誰かよりはまだ楽だから大丈夫」の間でしか生きられない時代なのではないか、と、ときどき思います。それくらい、そういう話が多いです。例えば、フリーランスの悲惨な話はTwitterの華ですが、それは「こんな不安定な生活よりはましだ」と多くの人が思えるからではないかと思いますし、周りと自分を比べるのは下品だ、と理解していても、一度も比べずに生きていける人なんてほとんどいないでしょう。そんな中で、ぽぽさんがどのように感じて日々生活しておられるか、ということを考えると、苦しくなります。自分も、誰かと自分を比較しては、自分をかわいそうがったり、自分のほうがましだと安心したり、そのときどきで都合良く立場を変え、解釈を変えている以上、その加害者になっていると思うからです。
ぽぽさん、比べる自分を許してください。打算的で身勝手な自分を許してください。社会的な倫理にも、自分の中の倫理にも背くことでも、自分の感情は今そこにあるものとして認めてください。