遠い目をする慶子さん。その夏から3年が経ち、かなり行きづまっているようです。何でも先回りして行動してくれるサービス精神旺盛な年上の恋人は確かに得難い存在ですよね。なぜ別れてしまったのでしょうか。
「いままで付き合ってきた女の話が多くて、ストレスになっていました。酒癖の悪い彼女の家に泊まりに行く約束をしたのにすっぽかされてドアの鍵を締められていたとか、私の実家より奥地に住んでいる女と付き合っていたので道をよく知っているとか。最初は笑って聞いていたけれど、だんだん苦しくなりました。
でも、好奇心に負けて聞いちゃうんです。
対抗して私も元彼の話をしてみたり。彼は幼い頃に苦労していて、家族を捨てたお父さんを憎んでいるとか、お姉さんが非行に走ったとか、『ホットロード』的な話もたくさん聞きました。
私のガラが悪いところも引き出されて、車の中でケンカしたときに急ブレーキを踏んだ彼に対して、『育ちが悪い男はそういうことをするよね』と言ってしまったこともあったな…。言葉の暴力の応酬がハンパなかったです。
ケンカするたびに『もう別れる!』とぶつけていたら、ある日に『もういいよ』と言われてフラれてしまいました。男の人の『もういいよ』は本当に『もういい』という意味なんですね…。1か月後ぐらいに改めて会ったら、『いま好きな人がいるし、お前には恋愛感情がもう1ミリもない』と言い切られました」
■男性の心理とは?
慶子さん、苦しい恋をしていたんですね。その彼氏はかなり面倒臭い人だと思いますが、コンプレックスを持て余している男性は高学歴者にも少なくありません。
家柄、外見、モテ力、運動能力、職歴、年収などなど。
男性は基本的に「どの角度でも強者でありたい」と願うものなので、周囲や世間における「自分の強さ番付」が常に気になります。恋人や配偶者に対しては甘え心が働き、「誉めてほしい。強さを認めてほしい」という態度になりがちです。
彼の言動を振り返ると、「オレは学歴が低い」といった卑屈トークも「昔はワルだった。女にもモテてきた」といった自慢トークも、すべては「あなたはすごい人。そのままで最高に素敵よ」と丸ごと受け止めてほしいだけなのです。